短期研究:定住/遊動をめぐる人類学的研究
短期研究:東南中国の船上生活者の暮らしとアイデンティティをめぐる人類学的研究
短期研究:日本と台湾の海藻利用を支える生産・加工・流通・消費のネットワークに関する文化人類学的研究
2025/05/03 更新
歴史民俗資料学 ( 2014年3月 神奈川大学 )
文学 ( 2005年3月 琉球大学 )
文学 ( 2003年3月 琉球大学 )
船上生活者
海藻
寒天
資源の枯渇
移動と定住
人文・社会 / 文化人類学、民俗学
神奈川大学 歴史民俗資料学研究科 歴史民俗資料学専攻
- 2014年3月
琉球大学 人文社会科学研究科 人間科学専攻
- 2005年3月
琉球大学 法文学部 人間科学科
- 2003年3月
南島史学会
2020年9月 - 現在
日本現代中国学会
2018年7月 - 現在
日本台湾学会
2017年12月 - 現在
日本民俗建築学会
2016年11月 - 現在
日本民俗学会
2016年11月 - 現在
日本文化人類学会
2014年4月 - 現在
『日本民俗学』 第311号 90 - 111 2022年8月
「定住本位型社会で船に住まいつづける ―国家による複数の管理システムを生きる中国福建南部の連家船漁民―」
藤川美代子
『年報人類学研究』 10 106 - 133 2020年3月
“Differentiated Concepts of Home for Boat Dwellers in Southern Fujian, China”
SOUTH PACIFIC STUDIES(南太平洋研究) 40-2 pp37 - 62 2020年3月
「一所に根を張ることと、複数の空間に根を広げること――定住化後も水上・陸上を動きつづける中国の船上生活者とホームをめぐる実践」
『人類学研究所 研究論集第7号 定着/非定着の人類学――「ホーム」とは何か』 7 45 - 67 2019年3月
"Continuing to Live on the Water: The Meaning of Land Residences for Boat Dwellers in Fujian, China"
Journal of Marine and Island Cultures vol.7 ( no.2 ) 126 - 149 2018年12月
「福建の船上生活者にとって「家」とは何か―ある家族の年代記から―」
『物質文化』 96 45 - 58 2016年3月
「水上生活者の子どものために設置された児童福祉施設の研究―「住むための船」から「学ぶための寮」へ移った子どもの視点から」
『住総研 研究論文集』 No.41 1 - 11 2015年3月
『年報非文字資料研究』 第9号 277 - 307 2013年3月
「水上の移動生活を支える陸上の親族ネットワーク―中国福建省南部の水上居民「連家船漁民」を例に―」
『次世代人文社會研究』 第9號 231 - 248 2013年3月
『年報非文字資料研究』 第8号 313 - 339 2012年3月
「端午節の儀礼にみる水上生活者たちの所属意識―中国福建省九龍江河口に暮らす連家船漁民の事例から―」
『比較民俗研究』 第24号 4 - 39 2010年3月
「家屋の空間構成をめぐる象徴性―奄美大島大和村O村落の場合―」
『比較民俗研究』 第20号 109 - 132 2005年10月
川瀬 由高、稲澤 努、長沼 さやか、藤川 美代子、呉 松旆共編訳( 範囲: (呉氏との共訳)陳其南「王崧興氏と彼の台湾人類学の時代」(pp.15-64)、(著者全員との共訳)「第1部〈翻訳篇〉:王崧興『亀山島――漢人漁村社会の研究』」(pp.65-284)、(単著)「第2部〈論考篇〉:『亀山島』を読む 第5章 描かれなかった事柄は、何を語るのか:フィールドとしての亀山島、女性の仕事、島の外に広がる世界」(pp.427-454)))
風響社 2024年5月 ( ISBN:9784894893399 )
( 担当: 共著 範囲: 「第9章 文化を売買する――観光の現場で創造・消費される「らしさ」」pp.157-175、「第12章 自然とつきあう――自然災害をめぐる科学知と生活知」pp.215-233)
昭和堂 2021年12月 ( ISBN:9784812221051 )
佐野賢治( 担当: 分担執筆 範囲: 「「よい石花菜」とは何か――台湾東北角におけるGelidiaceaeの採集・加工・売買をめぐる民族誌的研究」)
春風社 2021年3月 ( ISBN:9784861107085 )
( 担当: 単著)
株式会社 風響社 2017年2月 ( ISBN:9784894892378 )
「台湾における「洋菜(寒天)」製造と海藻の採集/養殖・加工の歴史」
藤川美代子
『2024 International Conference on Oceanic Culture & The 11th East Asian Island and Ocean Forum會議手冊』 91 - 110 2024年11月
「探求コラム1 水上の船に住まいつづける人々」 招待
藤川美代子
『KOSMOS』 ( 14 ) 12 2024年11月
「巨大な湖で船に住まう漁民の世界から、中国という王朝国家の歴史をまなざす壮大な試み」
藤川美代子
『図書新聞』 ( 3653 ) 第3面 2024年8月
「王昊凡『グローバル化する寿司の社会学──何が多様な食文化を生み出すのか』」 査読
藤川美代子
『年報人類学研究』 ( 15 ) 74 - 79 2024年6月
「奥野克巳『はじめての人類学』」
『貝塚』 79号 19 - 21 2023年11月
【共訳】許翠庭「台湾東北角における海藻の民俗分類と自然環境に対する人々の認識」
楊毓瑩訳、新垣夢乃・藤川美代子監訳
『国際常民文化研究叢書第15巻―台湾の「海女(ハイルー)」に関する民族誌的研究―東アジア・環太平洋地域の海女研究構築を目指して』 89 - 117 2022年3月
附録「映像記録『去海拿東西的人~台湾東北角の「海女(ハイルー)」とテングサ漁~』」
新垣夢乃、藤川美代子
『国際常民文化研究叢書第15巻―台湾の「海女(ハイルー)」に関する民族誌的研究―東アジア・環太平洋地域の海女研究構築を目指して』 313 - 318 2022年3月
写真篇「台湾東北角の石花菜採集をとりまく人々と調査風景」
新垣夢乃、藤川美代子
『国際常民文化研究叢書第15巻―台湾の「海女(ハイルー)」に関する民族誌的研究―東アジア・環太平洋地域の海女研究構築を目指して』 303 - 310 2022年3月
民族誌篇「台湾の「海女」とは誰なのか」
藤川美代子
『国際常民文化研究叢書第15巻―台湾の「海女(ハイルー)」に関する民族誌的研究―東アジア・環太平洋地域の海女研究構築を目指して』 35 - 63 2022年3月
民族誌篇「「よい石花菜」とは何か――台湾東北角におけるGelidiaceaeの採集・加工・売買をめぐる民族誌的研究」
藤川美代子
『国際常民文化研究叢書第15巻―台湾の「海女(ハイルー)」に関する民族誌的研究―東アジア・環太平洋地域の海女研究構築を目指して』 189 - 215 2022年3月
民族誌篇「序」
藤川美代子
『国際常民文化研究叢書第15巻―台湾の「海女(ハイルー)」に関する民族誌的研究―東アジア・環太平洋地域の海女研究構築を目指して』 29 - 34 2022年3月
「共同研究の経緯」
藤川美代子
『国際常民文化研究叢書第15巻―台湾の「海女(ハイルー)」に関する民族誌的研究―東アジア・環太平洋地域の海女研究構築を目指して』 9 - 26 2022年3月
【共訳】藍紹芸、許翠庭「海藻の食べ方と調理方法」
楊毓瑩訳、新垣夢乃・藤川美代子監訳
『国際常民文化研究叢書第15巻―台湾の「海女(ハイルー)」に関する民族誌的研究―東アジア・環太平洋地域の海女研究構築を目指して』 177 - 188 2022年3月
【共訳】沈得隆「海藻を加工する」
楊毓瑩訳、新垣夢乃・藤川美代子監訳
『国際常民文化研究叢書第15巻―台湾の「海女(ハイルー)」に関する民族誌的研究―東アジア・環太平洋地域の海女研究構築を目指して』 165 - 175 2022年3月
【共訳】許焜山、沈得隆「台湾東北角の海女が用いる海藻採集のための装備と道具」
楊毓瑩訳、新垣夢乃・藤川美代子監訳
『国際常民文化研究叢書第15巻―台湾の「海女(ハイルー)」に関する民族誌的研究―東アジア・環太平洋地域の海女研究構築を目指して』 153 - 164 2022年3月
【共訳】許焜山「台湾東北角の海女が採集する海藻と貝の種類と採集方法」
楊毓瑩訳、新垣夢乃・藤川美代子監訳
『国際常民文化研究叢書第15巻―台湾の「海女(ハイルー)」に関する民族誌的研究―東アジア・環太平洋地域の海女研究構築を目指して』 145 - 152 2022年3月
「中尾世治、杉下かおり(編著)『生き方としてのフィールドワーク──かくも面倒で面白い文化人類学の世界』」
『年報人類学研究 12 301 - 306(6p.) 2021年6月
“An Ethnographical Study of Traditional Female Divers in Taiwan Called “Hailu””
FUJIKAWA MIYOKO
The 7th East Asian Island and Ocean Forum 2019: Deployment and Exchange of the Humanities Network in the Sea Region 117 - 123 2019年11月
“What does “good Gelidiaceae” mean?”
FUJIKAWA MIYOKO
The 7th East Asian Island and Ocean Forum 2019: Deployment and Exchange of the Humanities Network in the Sea Region 142 - 150 2019年11月
「巻頭言」
『南山考人』 第47号 1 - 5 2019年3月
「はじめに」
藤川美代子
『人類学研究所 研究論集第7号 定着/非定着の人類学――「ホーム」とは何か』 1 - 7 2019年3月
「交錯する複数のホーム 水上/陸上のはざまを動きつづける中国福建南部の船上生活者とホームをめぐる実践」pp.276-286
藤川美代子
『第六届东亚岛屿与海洋恩华论坛 海洋文化的共同性(The 6th East Asian Island and Ocean Forum 2018 The Commonality of Maritime Culture)』 276 - 300 2018年12月
「胡艶紅著『江南の水上居民-太湖漁民の信仰とその変容』」
『史鏡』 75 76 - 82 2018年3月
「水上と陸上に住まう―中国・福建の連家船漁民が経験した「陸上定居」」
じんるいけんBooklet南山大学人類学研究所公開シンポジウム講演録『水上と陸上に生きる:アジアの船上生活者が経験した「陸上がり」』 35 - 59 2018年2月
「趣旨説明」
じんるいけんBooklet南山大学人類学研究所公開シンポジウム講演録『水上と陸上に生きる:アジアの船上生活者が経験した「陸上がり」』 3 - 12 2018年2月
「水上に住まいつづける―中国福建の船上生活者にとって陸上の家屋が意味するもの―」pp.379-384
藤川美代子
『第5回東アジア島嶼海洋文化フォーラム 海洋文化の多様性』 373 - 384 2017年12月
「船上生活者の日常実践を見つめる」
『南山考人』 第44号 87 - 92 2016年3月
「足元から見つめる中国・水上居民の世界 『声なきマイノリティ』という前提からの脱却を目指して」
『なじまぁ』 第4号 p.22 2014年3月
「第5章 船上生活と子供たち 1節 子どもたちの日常生活」(共著)
田上繁、藤川美代子
『神奈川大学日本常民文化研究所非文字資料研究センター研究成果報告書 北九州市若松洞海湾における船上生活者の歴史的変容―オーラルヒストリーからのアプローチ』 51 - 67 2014年3月
【共訳】岳永逸、王耀鳳「信仰か、余暇か―妙峰山廟会百年の流れ―」
藤川美代子、白莉莉(共訳)
『比較民俗研究』 ( 28 ) 58 - 90 2013年11月
「岸上伸啓編著『捕鯨の文化人類学』」
『比較民俗研究』 第27号 187 - 191 2012年6月
「闽南地区水上居民的生活与祖先观念(邦訳:福建省南部における水上居民の生活と祖先観)」
『第二届海洋文化与社会发展研讨会』 179 - 185 2011年12月
【共訳】岳永逸「生活・政治・商品―文化・社会生態としてみる草の根の相声―」
藤川美代子、白莉莉(共訳)
『比較民俗研究』 ( 26 ) 125 - 186 2011年6月
【共訳】周星「「モノ」と人―祭礼品、贈答品、芸術品としての饅頭―」
小熊誠監訳、藤川美代子訳
『国際常民文化研究機構国際シンポジウム報告書Ⅱ “モノ”語り―民具・物質文化からみる人類文化』 177 - 187 2011年3月
【共訳】徐藝乙「中国の歴史・文化における伝統手工芸」
小熊誠監訳、藤川美代子訳
『国際常民文化研究機構国際シンポジウム報告書Ⅱ “モノ”語り―民具・物質文化からみる人類文化―』 159 - 168 2011年3月
「中国広東省の水上居民を訪ねて」
『非文字資料研究』 第24号 21 - 22 2010年7月
【共訳】岳永逸「「家中過会」:生活の流れにおける民衆信仰」
ナランビリゲ、高倉健一、藤川美代子(共訳)
『比較民俗研究』 ( 24 ) 71 - 122 2010年3月
「我与九龙江上“吉普赛人”的情缘(邦訳:私と九龍江のジプシーたちを結ぶ心の絆)」
藤川美代子
『即将逝去的船影—九龙江上『吉普赛人』史迹(邦訳:やがて消えゆく船の影―九龍江「ジプシー」たちの足跡)』 169 - 172 2009年12月
「我与九龙江上“吉普赛人”的情缘(邦訳:「私と九龍江のジプシーたちを結ぶ心の絆」)」
闽南日报 第2面 2009年7月
第2部考察編「シヅエ産婆の物語」
藤川美代子
『神奈川大学歴民調査報告書第6集 大倉の民俗―福島県南会津郡只見町大倉―』 195 - 218 2008年3月
「付録2:藤川美代子2005年1月「歴史のなかの死者儀礼―奄美大島大和村大金久の事例を中心に―」(琉球大学 人文社会科学研究科 修士論文)からの抜粋」
藤川美代子
平成14年度~平成17年度科学研究費補助金基盤研究(C)研究報告書『日本列島における〈けがれ観念〉に関する総合的研究―文化人類学の立場より―』(研究代表者:関根康正) 438 - 447 2007年3月
「この海藻、海女さんが潜って採ってるの?――日本と台湾の寒天製造を支えるサプライチェーンと知識の接続/断絶」
藤川美代子
公開シンポジウム 「「食」は世界をつなぎ、分断する――食品のサプライチェーンをめぐる人類学」 2025年4月 人間文化研究機構「グローバル地域研究推進事業」神戸拠点:神戸大学国際文化学研究推進インスティテュート(略称:EES神戸)「なりわいとグローバル経済」グループ
「《龜山島》中著墨較淡的女性生計活動與向島外綿延的世界」 国際会議
藤川美代子
重新閱讀《龜山島》— 五十年後,跟著王崧興一起穿越 2025年2月 台湾東海岸海洋文化資源研究会(JSPS-24K00182)、龜山島社區發展協會、海波浪seabelongings
「台湾における「洋菜(寒天)」製造と海藻の採集/養殖・加工の歴史」 国際会議
藤川美代子
2024年11月
「水上と陸上に生きる術―中国福建の河と海に生きる連家船漁民の生活史」
藤川美代子
2024年度一般社団法人日本民俗建築学会第29回シンポジウム 住まう空間を求めて―暮らしの場の確保と変容を探求する 2024年10月 一般社団法人日本民俗建築学会
「台湾東北角海女的生活與海藻文化」
「藻之道:台湾海女與海藻文化座談」 2024年3月 台湾国立海洋科技博物館・海霞您的家主催
「女性の仕事と島の外に広がる世界」
南山大学人類学研究所2023年度第3回公開シンポジウム「王崧興『亀山島』と漢人社会研究」 2023年12月 主催:南山大学人類学究所 、共催:東アジア人類学研究会
「水上と陸上に住まう中国福建の連家船漁民」
日本民俗建築学会第95回研究会 2023年1月 日本民俗建築学会
「台湾の海女(ハイルー)とテングサの採集・加工・流通」
南山大学人類学博物館講座「南山大学の研究者」 2022年6月 南山大学人類学博物館
「共同研究のねらい、海女とは誰か」
第10回共同研究フォーラム 国際常民文化研究機構・共同研究(奨励)成果発表会「台湾の「海女(ハイルー)」に関する民族誌的研究」 2022年1月 神奈川大学国際常民文化研究機構
「「よい石花菜」とは何か」
第10回共同研究フォーラム 国際常民文化研究機構・共同研究(奨励)成果発表会「台湾の「海女(ハイルー)」に関する民族誌的研究」 2022年1月 神奈川大学国際常民文化研究機構
「海に生きる女性―船上生活者と海女―」
日本民俗学会第73回年会公開シンポジウム「海が結ぶ日本と世界―渋沢敬三と日本常⺠文化研究所―」 2021年10月 日本民俗学会
「「よい石花菜」をめぐる解釈の多様性――台湾東北角における「海女の民俗」の共同研究からみえてきたこと」
海女学講座Ⅲシンポジウム「各地の海女と海藻漁」 2020年12月 三重大学海女研究センター
An Ethnographical Study of Traditional Female Divers in Taiwan Called "Hailu".
The 7th East Asian Island and Ocean Forum 2019 2019年11月 Pukyong National University Humanities Korea Plus Research Group
Pukyong National University Humanities Korea Plus Research Group
What dose "good Gelidiaceae" mean? 2019年11月 The 7th East Asian Island and Ocean Forum 2019
「住まいとしての船―定住本位社会において水上で動きつづける中国福建の連家船漁民―」
国際島嶼教育研究センター第197回研究会 2019年6月 鹿児島大学国際島嶼教育研究センター
「水上の船で動きつづけること―定住本位型社会を生きる現代中国の水上居民―」
水のシンポジウム―日本・アジアを循環する水の文化誌― 2019年3月 東京大学大学院「共生ための国際哲学研究センター(UTCP)」
"Conflicting Multiple Homes: Boat dwellers in southern Fujian, China who continuously move between water and land, and their practice regarding homes "
The 6th East Asian Island and Ocean Forum 2018 2018年12月 The Committee of the 6th East Asian Island and Ocean
「定住本位社会で船に住まいつづけること―複数の管理システムを生きる中国福建南部の連家船漁民―」
平成30年度島嶼研シンポジウム「船で生きる人びと ―漁労・水上居民・移民船―」 2018年10月 鹿児島大学国際島嶼教育研究センター
「福建南部の海に生きる民の生活世界から見る「台湾」:国防・尋根・親しき友」
日本台湾学会第20回学術大会 2018年5月 日本台湾学会
「船に住まい、定住本位の管理社会を生きる―リスク管理としての海洋保護政策・都市化計画と対峙する中国南部の船上生活者」
南山大学人類学研究所公開シンポジウム「不確実な世界に住まう:遊動/定住の狭間に生きる身体」 2018年3月 南山大学人類学研究所
"Continuing to Live on the Water: The Meaning of Land Residences for Boat Dwellers in Fujian, China."
The 5th East Asian Island and Ocean Forum 2017 2017年12月 神奈川大学国際常民文化研究機構/日本常民文化研究機構(International Center for Folk Culture Studies)
「船と陸に住まう: 中国福建・連家船漁民の日常生活から」
第147回比較民俗研究会 2017年7月 比較民俗研究会
「水上に住まう:現代中国・福建南部の連家船漁民の生活を描く」
仙人の会(2017年度6月例会) 2017年6月 仙人の会
趣旨説明「水上と陸上に生きる ―アジアの船上生活者が経験した「陸上がり」」
南山大学人類学研究所 共同研究「定着/非定着の人類学:「ホーム」とは何か」関連第1回公開シンポジウム 2017年2月 南山大学人類学研究所
「水上と陸上に住まう:中国・福建の連家船漁民が経験した「陸上定居」」
南山大学人類学研究所 共同研究「定着/非定着の人類学:「ホーム」とは何か」関連第1回公開シンポジウム 2017年2月 南山大学人類学研究所
「南島住宅の台風対応における相互扶助」
名古屋大学未来材料・システム研究所第4回エネルギーシステムシンポジウム「災害に強い電力システムを考える」 2016年2月 名古屋大学未来材料・システム研究所
「台風を受け止めるシマ:奄美群島の家屋と社会」
南山大学人類学研究所公開研究会「台風に対応する社会と文化-沖縄・奄美・台湾の比較研究-」 2015年10月 南山大学人類学研究所
「水/陸のはざまで―中国福建・長崎・福岡の水上生活者にとっての「教育」」
中部人類学談話会 第232回例会「水上から陸へ-水上生活者の子どもと児童福祉施設-」 2015年9月 中部人類学談話会
「福建の水上居民にとって「家」とは何か-ある家族の年代記から-」
南山大学人類学研究所公開シンポジウム「建築人類学の行方」 2015年7月 南山大学人類学研究所
「台風の被害を受け止めるシマ―奄美群島における家屋の変遷と社会の変化」
日本文化人類学会第49回研究大会 2015年5月 日本文化人類学会
「連家船漁民の研究:水・陸のはざまを生きる福建南部の水上居民」
関東地区研究懇談会2014年度博士論文・修士論文発表会 2015年3月 日本文化人類学会関東地区研究懇談会
「水上の移動生活を支える陸上の親族ネットワーク」
日韓次世代学術フォーラム第9回国際学術大会 2012年6月 日韓次世代フォーラム
「闽南地区水上居民的生活与祖先观念(邦訳:福建省南部における水上居民の生活と祖先観)」
第二届海洋文化与社会发展研讨会 2011年12月 国家海洋局东海分局、上海市海洋局、上海有海洋大学
「中国水上居民の暮らしと祖先観」
日本民俗学会第63回年会 2011年10月 日本民俗学会
「神明祭祀活動にみる水上居民の所属意識―中国福建省の『連家船』漁民を例に」
中部大学 国際関係学部中国語中国関係学科・東アジア人類学研究会共催セミナー 2010年11月 中部大学 国際関係学部中国語中国関係学科、東アジア人類学研究会
「奄美大島の死者儀礼からみる死のケガレ―クロホジョウの一元的理解を越えて―」
日韓次世代フォーラム第3回国際学術大会 2006年6月 日韓次世代フォーラム
「奄美大島名瀬市の火葬場をめぐる価値づけ―むかし、人を焼くにおいは自然なことだった…それが今では環境問題―」
日本民具学会第30回大会 2005年11月 日本民具学会
「歴史のなかの死者儀礼」
沖縄民俗学会例会 2005年3月 沖縄民俗学会
日本・台湾の「海藻食」を支えるサプライチェーンの文化人類学的研究
研究課題/領域番号:25K04671 2025年4月 - 2030年3月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C)
研究代表者:藤川美代子、研究分担者:新垣夢乃
担当区分:研究代表者
植民地台湾の漁場統治に関する研究:台湾島東北部のテングサ漁場を事例として
研究課題/領域番号:24K04194 2024年4月 - 2029年3月
日本学術振興会 基盤研究(C)(基金)
研究代表者: 新垣 夢乃、分担者: 藤川 美代子
資金種別:競争的資金
台湾東海岸における海洋文化資源の利用と消費が生み出す多元的日本像についての研究
研究課題/領域番号:24K00182 2024年4月 - 2029年3月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B)(基金)
研究代表者:長沼 さやか、研究分担者:西村 一之、稲澤努、藤川 美代子、川瀬 由高、吳 松旆
「海洋動植物の収奪とドメスティケーションをめぐる文化人類学的研究(5)」
2024年4月 - 2025年3月
南山大学 パッヘ研究奨励金I-A-2
「海洋動植物の収奪とドメスティケーションをめぐる文化人類学的研究(4)」
2023年4月 - 2024年3月
南山大学 パッヘ研究奨励金I-A-2
19世紀以降の東アジア世界における海藻の生産・流通・消費に関する総合研究
2022年
日本学術振興会 科学研究費補助金 基盤研究(A)
担当区分:研究分担者 資金種別:競争的資金
海洋生物の捕獲と養殖をめぐる文化人類学的研究:中国・台湾・フィリピンの事例から
2022年
日本学術振興会 科学研究費補助金 若手
担当区分:研究代表者 資金種別:競争的資金
人は海という空間をいかに飼い馴らしてきたのか。本研究は、①海の動植物に対するドメスティケーション(栽培化・養殖化)、②海という空間の制御(自然災害予防)、③海に生きる人々の統治(国境管理・国家防衛・海洋保護)にかかわる管理システムの総体を「海を飼い馴らす技術」と名づけ、それらが自然状態としての海に含有される不確実性の克服手段として精緻化されるプロセスを追うことで、海に生きる人々が経験した近代化の一端を捉えることを目指す。具体的には、魚類・貝類・海藻類の捕獲/養殖において異なる依存の程度を見せるA)中国の船上生活者、B)台湾の海女、C)フィリピンの海藻養殖者の三者に注目し、まったく別の政治制度と、経済的利益の追究・持続可能な資源利用・国家による国民の庇護といった方向性の異なる理念が錯綜するなかで、彼らが海を管理する主体/国家により管理される客体の間を揺れ動く姿を考察する。これは、海と密着して生きる人々の日常を、水産学・経済学・政治学・防災学・土木学・軍事学・環境学の各分野に分割することなく、総体的に捉える試みである。
海洋動植物の収奪とドメスティケーションをめぐる文化人類学的研究(3)
2022年
南山大学 南山大学パッヘ研究奨励金I-A-2
担当区分:研究代表者
配分額:300000円
人は海という空間をいかに飼い馴らしてきたのか。本研究は、①海の動植物に対するドメスティケーション(養殖化・栽培化)、②海という空間の制御(自然災害予防)、③海に生きる人々の統治(国境管理・国家防衛・海洋保護)に関わる管理システムの総体を、「海を飼い馴らす技術」と名づけ、それらが自然状態としての海がもつリスクの克服手段として精緻化されるプロセスを追うことで、海に生きる人々が経験した近代化の一端を捉えることを目指す。当該研究は向こう4~10年程度の長期にわたり遂行を計画しているもので、2020年度はそのごく初歩と位置づけられる。
具体的には、魚類・貝類・海藻類の捕獲/養殖・栽培において異なる依存の程度を見せるA)中国の船上生活者、B)台湾の海女、C)台湾の先住民族、D)フィリピンの海藻栽培者の四者を主要な対象地域として注目し、まったく別の政治制度と、経済的利益の追究・持続可能な資源利用・国家による国民の庇護といった方向性の異なる理念が錯綜するなかで、彼らが「海を管理する主体」/「国家により管理される客体」の間を揺れ動く姿を考察する。比較の必要が生じた場合は、適宜その他の地域へと調査地域を拡大することも想定している。
植民地台湾における漁場収奪の過程に関する研究:台湾北部のテングサ漁場を事例として
2022年
公益財団法人JFE21世紀財団 アジア歴史研究助成
植民地台湾における漁場収奪の過程に関する研究:台湾北部のテングサ漁場を事例として
2021年
公益財団法人JFE21世紀財団 アジア歴史研究助成
課題名「台湾の「海女(ハイルー)」に関する民族誌的研究 —東アジア・環太平洋地域の海女研究構築を目指して—」
2021年
神奈川大学国際常民文化研究機構 国際常民文化研究機構共同研究(A一般)
担当区分:研究代表者
海女は日本と韓国にしか存在しない固有の文化…」「海女を世界文化遺産に」[朝日新聞社 2010「海女の幸を残したい」]。――メディアを通して流布されてきた言説。「ロマンあふれる古代に誘う日本・韓国の固有文化の担い手」、あるいは「半裸で潜水漁を行う物珍しき女性」といった固定化された「海女」のイメージ創出に民俗学やその他の学問が果たしてきた責任は重い。日本でも、『魏志倭人伝』『万葉集』などの記述から日本人のルーツや古層文化を知る糸口として、海女に注目する研究が数多登場してきた[cf. 最上孝敬 1977 『原始漁法の民俗』]。当然ながら、こうした海女研究に対する批判も存在する。秋道智彌は、日本の潜水漁師を日本文化の源流たる「倭の水人」や「日本の海人」の伝統と結びつける態度を排し、むしろ環太平洋の島嶼の漁民との共通性に目を向ける姿勢が必要と説く[秋道 1988 『海人の民族学』]。また、安室知は商品価値の高い魚介類を対象とした海女の潜水漁のみを単独に論じる従来の研究に疑問を呈し、それを男女・漁法の区別なく「海付きの村」の生業全体の中で捉えることの重要性を強調する[安室 2011「アマ論・再考」]。
本研究も、秋道・安室らと共通の構えをもつ。その最大の契機は、藤川・新垣・齋藤がそれぞれに台湾(基隆・宜蘭・澎湖)で「海女(ハイルー)」と呼ばれる女性たちと出会っていたことにある。事実、基隆以南の東海岸から澎湖諸島に至る西側まで、台湾各地の海沿いには広く「海女の民俗」が存在するにもかかわらず、台湾の海女は研究上、二重の意味で見落とされてきたといえる。まず、農本主義的伝統の根強い漢族研究では、海を生業の場とする人々自体が等閑視されてきた。さらに、東アジア研究においても、「海女といえば日本か韓国」との先入観が、台湾の海女を透明人間化してきたといえる。
本研究は次の三点を目標として掲げる。1)台湾基隆の海付きの村を対象に、海女の潜水漁・海藻の手繰り寄せ・その他の漁撈活動をめぐる民族誌的調査を実施し、それを「村のくらし」全体の中に位置づけて描くこと。2)漢族研究の文脈で台湾の海女民俗を捉えるための視座を獲得すること。3)台湾の事例を日本の海付きの村と比較しながら、東アジアあるいは環太平洋島嶼部全体を射程に入れた新たな形の「アマ研究」模索のための足がかりを掴むこと。
海洋生物の捕獲と養殖をめぐる文化人類学的研究:中国・台湾・フィリピンの事例から
2021年
日本学術振興会 科学研究費補助金 (若手)
担当区分:研究代表者 資金種別:競争的資金
人は海という空間をいかに飼い馴らしてきたのか。本研究は、①海の動植物に対するドメスティケーション(栽培化・養殖化)、②海という空間の制御(自然災害予防)、③海に生きる人々の統治(国境管理・国家防衛・海洋保護)にかかわる管理システムの総体を「海を飼い馴らす技術」と名づけ、それらが自然状態としての海に含有される不確実性の克服手段として精緻化されるプロセスを追うことで、海に生きる人々が経験した近代化の一端を捉えることを目指す。具体的には、魚類・貝類・海藻類の捕獲/養殖において異なる依存の程度を見せるA)中国の船上生活者、B)台湾の海女、C)フィリピンの海藻養殖者の三者に注目し、まったく別の政治制度と、経済的利益の追究・持続可能な資源利用・国家による国民の庇護といった方向性の異なる理念が錯綜するなかで、彼らが海を管理する主体/国家により管理される客体の間を揺れ動く姿を考察する。これは、海と密着して生きる人々の日常を、水産学・経済学・政治学・防災学・土木学・軍事学・環境学の各分野に分割することなく、総体的に捉える試みである。
海洋動植物の収奪とドメスティケーションをめぐる文化人類学的研究(2)
2021年
南山大学 南山大学パッヘ研究奨励金I-A-2
担当区分:研究代表者
配分額:300000円
人は海という空間をいかに飼い馴らしてきたのか。本研究は、①海の動植物に対するドメスティケーション(養殖化・栽培化)、②海という空間の制御(自然災害予防)、③海に生きる人々の統治(国境管理・国家防衛・海洋保護)に関わる管理システムの総体を、「海を飼い馴らす技術」と名づけ、それらが自然状態としての海がもつリスクの克服手段として精緻化されるプロセスを追うことで、海に生きる人々が経験した近代化の一端を捉えることを目指す。当該研究は向こう4~10年程度の長期にわたり遂行を計画しているもので、2020年度はそのごく初歩と位置づけられる。
具体的には、魚類・貝類・海藻類の捕獲/養殖・栽培において異なる依存の程度を見せるA)中国の船上生活者、B)台湾の海女、C)台湾の先住民族、D)フィリピンの海藻栽培者の四者を主要な対象地域として注目し、まったく別の政治制度と、経済的利益の追究・持続可能な資源利用・国家による国民の庇護といった方向性の異なる理念が錯綜するなかで、彼らが「海を管理する主体」/「国家により管理される客体」の間を揺れ動く姿を考察する。比較の必要が生じた場合は、適宜その他の地域へと調査地域を拡大することも想定している。
海洋生物の捕獲と養殖をめぐる文化人類学的研究:中国・台湾・フィリピンの事例から
2020年
日本学術振興会 科学研究費補助金 2020年度 若手研究
担当区分:研究代表者 資金種別:競争的資金
人は海という空間をいかに飼い馴らしてきたのか。本研究は、①海の動植物に対するドメスティケーション(栽培化・養殖化)、②海という空間の制御(自然災害予防)、③海に生きる人々の統治(国境管理・国家防衛・海洋保護)にかかわる管理システムの総体を「海を飼い馴らす技術」と名づけ、それらが自然状態としての海に含有される不確実性の克服手段として精緻化されるプロセスを追うことで、海に生きる人々が経験した近代化の一端を捉えることを目指す。具体的には、魚類・貝類・海藻類の捕獲/養殖において異なる依存の程度を見せるA)中国の船上生活者、B)台湾の海女、C)フィリピンの海藻養殖者の三者に注目し、まったく別の政治制度と、経済的利益の追究・持続可能な資源利用・国家による国民の庇護といった方向性の異なる理念が錯綜するなかで、彼らが海を管理する主体/国家により管理される客体の間を揺れ動く姿を考察する。これは、海と密着して生きる人々の日常を、水産学・経済学・政治学・防災学・土木学・軍事学・環境学の各分野に分割することなく、総体的に捉える試みである。
海洋動植物の収奪とドメスティケーションをめぐる文化人類学的研究
2020年
南山大学 南山大学パッヘ研究奨励金I-A-2
担当区分:研究代表者
配分額:300000円
人は海という空間をいかに飼い馴らしてきたのか。本研究は、①海の動植物に対するドメスティケーション(養殖化・栽培化)、②海という空間の制御(自然災害予防)、③海に生きる人々の統治(国境管理・国家防衛・海洋保護)に関わる管理システムの総体を、「海を飼い馴らす技術」と名づけ、それらが自然状態としての海がもつリスクの克服手段として精緻化されるプロセスを追うことで、海に生きる人々が経験した近代化の一端を捉えることを目指す。当該研究は向こう4~10年程度の長期にわたり遂行を計画しているもので、2020年度はそのごく初歩と位置づけられる。
具体的には、魚類・貝類・海藻類の捕獲/養殖・栽培において異なる依存の程度を見せるA)中国の船上生活者、B)台湾の海女、C)台湾の先住民族、D)フィリピンの海藻栽培者の四者を主要な対象地域として注目し、まったく別の政治制度と、経済的利益の追究・持続可能な資源利用・国家による国民の庇護といった方向性の異なる理念が錯綜するなかで、彼らが「海を管理する主体」/「国家により管理される客体」の間を揺れ動く姿を考察する。比較の必要が生じた場合は、適宜その他の地域へと調査地域を拡大することも想定している。
課題名「台湾の「海女(ハイルー)」に関する民族誌的研究 —東アジア・環太平洋地域の海女研究構築を目指して—」
2020年
神奈川大学国際常民文化研究機構 国際常民文化研究機構共同研究(A一般)
担当区分:研究代表者
配分額:2000000円
「海女は日本と韓国にしか存在しない固有の文化…」「海女を世界文化遺産に」[朝日新聞社 2010「海女の幸を残したい」]。――メディアを通して流布されてきた言説。「ロマンあふれる古代に誘う日本・韓国の固有文化の担い手」、あるいは「半裸で潜水漁を行う物珍しき女性」といった固定化された「海女」のイメージ創出に民俗学やその他の学問が果たしてきた責任は重い。日本でも、『魏志倭人伝』『万葉集』などの記述から日本人のルーツや古層文化を知る糸口として、海女に注目する研究が数多登場してきた[cf. 最上孝敬 1977 『原始漁法の民俗』]。当然ながら、こうした海女研究に対する批判も存在する。秋道智彌は、日本の潜水漁師を日本文化の源流たる「倭の水人」や「日本の海人」の伝統と結びつける態度を排し、むしろ環太平洋の島嶼の漁民との共通性に目を向ける姿勢が必要と説く[秋道 1988 『海人の民族学』]。また、安室知は商品価値の高い魚介類を対象とした海女の潜水漁のみを単独に論じる従来の研究に疑問を呈し、それを男女・漁法の区別なく「海付きの村」の生業全体の中で捉えることの重要性を強調する[安室 2011「アマ論・再考」]。
本研究も、秋道・安室らと共通の構えをもつ。その最大の契機は、藤川・新垣・齋藤がそれぞれに台湾(基隆・宜蘭・澎湖)で「海女(ハイルー)」と呼ばれる女性たちと出会っていたことにある。事実、基隆以南の東海岸から澎湖諸島に至る西側まで、台湾各地の海沿いには広く「海女の民俗」が存在するにもかかわらず、台湾の海女は研究上、二重の意味で見落とされてきたといえる。まず、農本主義的伝統の根強い漢族研究では、海を生業の場とする人々自体が等閑視されてきた。さらに、東アジア研究においても、「海女といえば日本か韓国」との先入観が、台湾の海女を透明人間化してきたといえる。
本研究は次の三点を目標として掲げる。1)台湾基隆の海付きの村を対象に、海女の潜水漁・海藻の手繰り寄せ・その他の漁撈活動をめぐる民族誌的調査を実施し、それを「村のくらし」全体の中に位置づけて描くこと。2)漢族研究の文脈で台湾の海女民俗を捉えるための視座を獲得すること。3)台湾の事例を日本の海付きの村と比較しながら、東アジアあるいは環太平洋島嶼部全体を射程に入れた新たな形の「アマ研究」模索のための足がかりを掴むこと。
2020年度は最終年度であり、次年度は報告書を刊行する予定である。
「「よい石花菜」とは何か:テングサの売買をめぐる阿嬤・男的・原住民・卸し業者の関係性」
2019年
日本科学協会 日本科学協会2019年度海外発表促進助成
配分額:78628円
The 7th East Asian Island and Ocean Forum 2019, at Pukyong National University Humanities Korea Plus Research Groupでの参加・研究発表に対する助成金。
船上生活者の教育と福祉に関する文化人類学的研究:日本・中国の都市部と村落部の比較
2019年
日本学術振興会 科学研究費補助金 平成31年度 若手研究(B) 若手研究(B)
担当区分:研究代表者 資金種別:競争的資金
配分額:300000円
本研究は、国家の理念や政治体制に大きな差異が認められる日本と中国において、船上生活者の子どもたちをめぐり実施されてきた学校教育・社会福祉のあり方を比較検討し、それらの意味を「国家の意図」と「当事者の受け止め方」という両面から考察することを目的とする。近代以降、どの国でも学校教育とは「国民」を作り上げる営為と共にあり、それは「正しい国民像」から逸脱した者の「排除」ないし「矯正」と表裏一体の関係にある。船上生活者とは中国でも日本でも、船に住まうがゆえに学校教育へ接近できぬ存在であり、彼らにとっては義務教育制度の施行と受容自体が、自らの生活習慣を否定する意味を持っていた。
本研究では、1)国家の描く「国民像」と教育制度の歴史、2)船上生活者を学校へ向かわせる力、3)学校や宿舎における教育・福祉の実践、4)それらを受け止める船上生活者自身の態度に注目する。
船上生活者の教育と福祉に関する文化人類学的研究:日本と中国の比較(4)
2019年
南山大学 南山大学パッヘ研究奨励金I-A-2
担当区分:研究代表者
配分額:300000円
本研究は、2016年度から開始している長期的研究の一部を成す。国家の理念や政治体制に大きな差異が認められる近代以降の日本と中国において、船上生活者の子どもたちをめぐり実施されてきた学校教育・社会福祉のあり方を比較検討し、それらが持つ意味を、「国家の意図」というマクロな側面と、「当事者の受け止め方」というミクロな側面から考察することを目指している。
2017年度は、日本については都市部の各種行政資料・小学校発行の文集・写真・港湾労働者の労働運動関係資料等の記録を収集した。そこから、船上生活者の児童のための学校・寄宿舎が建設される経緯やそこでの子どもたちの経験、陸上の家屋建設の流れ(関東大震災後の復興住宅、労働運動との関係、汽車住宅の設置等)を分析するための素地を作ることができた。特に名古屋市公文書館の文書からは、港区に水上児童寮(昭和17年)が設立されるまでには、行政担当者がすでに開設されていた東京都水上尋常小学校(昭和5年)や神戸市立水上児童寮(昭和12年)への査察やニューズレターや手紙のやりとりをくり返していた様子を垣間見ることができた。また、名古屋市港区で育った男性(60代、両親が船上生活経験者)へのインタビューからは、知多半島の内陸出身の父親にとって海運会社へ就職はいわば「憧れ」であったこと、操船技術をもたなくとも船を任されて荷の運搬を担っていたこと、母親と自身が陸上の家屋に住み始めた後も父親は一人で船と家屋を行き来しながら運搬をしていたことなどを知ることができた。さらに資料からは、都市部の船上生活者の居住問題は震災・戦災による混乱や土地価格高騰といった都市部特有の住宅難と密接に関わっていたことがわかった。今後も詳細な分析を進める必要がある。
中国では、船上生活者を学校へ向かわせる社会システムを分析するために、操船免許制度の導入がもたらした影響についてインタビューを試みた。導入当時(正確な年代は不詳)、一定以上の年齢に達していた船上生活者たちは「すでに操船技術を有している」という事実に基づき試験を免除されたこと、他の者が小型漁船の操船免許を獲得するためには小学校を会場にして1週間ほど実施される出張講座の受講とルールの理解度を測る選択式の試験が課されるようになったことなどが明らかになった。
課題名「台湾の「海女(ハイルー)」に関する民族誌的研究 —東アジア・環太平洋地域の海女研究構築を目指して—」
2019年
神奈川大学国際常民文化研究機構 国際常民文化研究機構共同研究(A一般)
担当区分:研究代表者
配分額:2000000円
「海女は日本と韓国にしか存在しない固有の文化…」「海女を世界文化遺産に」[朝日新聞社 2010「海女の幸を残したい」]。――メディアを通して流布されてきた言説。「ロマンあふれる古代に誘う日本・韓国の固有文化の担い手」、あるいは「半裸で潜水漁を行う物珍しき女性」といった固定化された「海女」のイメージ創出に民俗学やその他の学問が果たしてきた責任は重い。日本でも、『魏志倭人伝』『万葉集』などの記述から日本人のルーツや古層文化を知る糸口として、海女に注目する研究が数多登場してきた[cf. 最上孝敬 1977 『原始漁法の民俗』]。当然ながら、こうした海女研究に対する批判も存在する。秋道智彌は、日本の潜水漁師を日本文化の源流たる「倭の水人」や「日本の海人」の伝統と結びつける態度を排し、むしろ環太平洋の島嶼の漁民との共通性に目を向ける姿勢が必要と説く[秋道 1988 『海人の民族学』]。また、安室知は商品価値の高い魚介類を対象とした海女の潜水漁のみを単独に論じる従来の研究に疑問を呈し、それを男女・漁法の区別なく「海付きの村」の生業全体の中で捉えることの重要性を強調する[安室 2011「アマ論・再考」]。
本研究も、秋道・安室らと共通の構えをもつ。その最大の契機は、藤川・新垣・齋藤がそれぞれに台湾(基隆・宜蘭・澎湖)で「海女(ハイルー)」と呼ばれる女性たちと出会っていたことにある。事実、基隆以南の東海岸から澎湖諸島に至る西側まで、台湾各地の海沿いには広く「海女の民俗」が存在するにもかかわらず、台湾の海女は研究上、二重の意味で見落とされてきたといえる。まず、農本主義的伝統の根強い漢族研究では、海を生業の場とする人々自体が等閑視されてきた。さらに、東アジア研究においても、「海女といえば日本か韓国」との先入観が、台湾の海女を透明人間化してきたといえる。
本研究は次の三点を目標として掲げる。1)台湾基隆の海付きの村を対象に、海女の潜水漁・海藻の手繰り寄せ・その他の漁撈活動をめぐる民族誌的調査を実施し、それを「村のくらし」全体の中に位置づけて描くこと。2)漢族研究の文脈で台湾の海女民俗を捉えるための視座を獲得すること。3)台湾の事例を日本の海付きの村と比較しながら、東アジアあるいは環太平洋島嶼部全体を射程に入れた新たな形の「アマ研究」模索のための足がかりを掴むこと。
船上生活者の教育と福祉に関する文化人類学的研究:日本と中国の比較(3)
2018年
南山大学 南山大学パッヘ研究奨励金I-A-2
担当区分:研究代表者
配分額:300000円
本研究は、2016年度から開始している長期的研究の一部を成す。国家の理念や政治体制に大きな差異が認められる近代以降の日本と中国において、船上生活者の子どもたちをめぐり実施されてきた学校教育・社会福祉のあり方を比較検討し、それらが持つ意味を、「国家の意図」というマクロな側面と、「当事者の受け止め方」というミクロな側面から考察することを目指している。
2017年度は、日本については都市部の各種行政資料・小学校発行の文集・写真・港湾労働者の労働運動関係資料等の記録を収集した。そこから、船上生活者の児童のための学校・寄宿舎が建設される経緯やそこでの子どもたちの経験、陸上の家屋建設の流れ(関東大震災後の復興住宅、労働運動との関係、汽車住宅の設置等)を分析するための素地を作ることができた。特に名古屋市公文書館の文書からは、港区に水上児童寮(昭和17年)が設立されるまでには、行政担当者がすでに開設されていた東京都水上尋常小学校(昭和5年)や神戸市立水上児童寮(昭和12年)への査察やニューズレターや手紙のやりとりをくり返していた様子を垣間見ることができた。また、名古屋市港区で育った男性(60代、両親が船上生活経験者)へのインタビューからは、知多半島の内陸出身の父親にとって海運会社へ就職はいわば「憧れ」であったこと、操船技術をもたなくとも船を任されて荷の運搬を担っていたこと、母親と自身が陸上の家屋に住み始めた後も父親は一人で船と家屋を行き来しながら運搬をしていたことなどを知ることができた。さらに資料からは、都市部の船上生活者の居住問題は震災・戦災による混乱や土地価格高騰といった都市部特有の住宅難と密接に関わっていたことがわかった。今後も詳細な分析を進める必要がある。
中国では、船上生活者を学校へ向かわせる社会システムを分析するために、操船免許制度の導入がもたらした影響についてインタビューを試みた。導入当時(正確な年代は不詳)、一定以上の年齢に達していた船上生活者たちは「すでに操船技術を有している」という事実に基づき試験を免除されたこと、他の者が小型漁船の操船免許を獲得するためには小学校を会場にして1週間ほど実施される出張講座の受講とルールの理解度を測る選択式の試験が課されるようになったことなどが明らかになった。
課題名「台湾の「海女(ハイルー)」に関する民族誌的研究 —東アジア・環太平洋地域の海女研究構築を目指して—」
2018年
神奈川大学国際常民文化研究機構 国際常民文化研究機構共同研究(A一般)
担当区分:研究代表者
配分額:2000000円
「海女は日本と韓国にしか存在しない固有の文化…」「海女を世界文化遺産に」[朝日新聞社 2010「海女の幸を残したい」]。――メディアを通して流布されてきた言説。「ロマンあふれる古代に誘う日本・韓国の固有文化の担い手」、あるいは「半裸で潜水漁を行う物珍しき女性」といった固定化された「海女」のイメージ創出に民俗学やその他の学問が果たしてきた責任は重い。日本でも、『魏志倭人伝』『万葉集』などの記述から日本人のルーツや古層文化を知る糸口として、海女に注目する研究が数多登場してきた[cf. 最上孝敬 1977 『原始漁法の民俗』]。当然ながら、こうした海女研究に対する批判も存在する。秋道智彌は、日本の潜水漁師を日本文化の源流たる「倭の水人」や「日本の海人」の伝統と結びつける態度を排し、むしろ環太平洋の島嶼の漁民との共通性に目を向ける姿勢が必要と説く[秋道 1988 『海人の民族学』]。また、安室知は商品価値の高い魚介類を対象とした海女の潜水漁のみを単独に論じる従来の研究に疑問を呈し、それを男女・漁法の区別なく「海付きの村」の生業全体の中で捉えることの重要性を強調する[安室 2011「アマ論・再考」]。
本研究も、秋道・安室らと共通の構えをもつ。その最大の契機は、藤川・新垣・齋藤がそれぞれに台湾(基隆・宜蘭・澎湖)で「海女(ハイルー)」と呼ばれる女性たちと出会っていたことにある。事実、基隆以南の東海岸から澎湖諸島に至る西側まで、台湾各地の海沿いには広く「海女の民俗」が存在するにもかかわらず、台湾の海女は研究上、二重の意味で見落とされてきたといえる。まず、農本主義的伝統の根強い漢族研究では、海を生業の場とする人々自体が等閑視されてきた。さらに、東アジア研究においても、「海女といえば日本か韓国」との先入観が、台湾の海女を透明人間化してきたといえる。
本研究は次の三点を目標として掲げる。1)台湾基隆の海付きの村を対象に、海女の潜水漁・海藻の手繰り寄せ・その他の漁撈活動をめぐる民族誌的調査を実施し、それを「村のくらし」全体の中に位置づけて描くこと。2)漢族研究の文脈で台湾の海女民俗を捉えるための視座を獲得すること。3)台湾の事例を日本の海付きの村と比較しながら、東アジアあるいは環太平洋島嶼部全体を射程に入れた新たな形の「アマ研究」模索のための足がかりを掴むこと。
船上生活者の教育と福祉に関する文化人類学的研究:日本・中国の都市部と村落部の比較
2018年
日本学術振興会 科学研究費補助金 平成30年度 若手研究(B) 若手研究(B)
担当区分:研究代表者 資金種別:競争的資金
配分額:900000円
本研究は、国家の理念や政治体制に大きな差異が認められる日本と中国において、船上生活者の子どもたちをめぐり実施されてきた学校教育・社会福祉のあり方を比較検討し、それらの意味を「国家の意図」と「当事者の受け止め方」という両面から考察することを目的とする。近代以降、どの国でも学校教育とは「国民」を作り上げる営為と共にあり、それは「正しい国民像」から逸脱した者の「排除」ないし「矯正」と表裏一体の関係にある。船上生活者とは中国でも日本でも、船に住まうがゆえに学校教育へ接近できぬ存在であり、彼らにとっては義務教育制度の施行と受容自体が、自らの生活習慣を否定する意味を持っていた。
本研究では、1)国家の描く「国民像」と教育制度の歴史、2)船上生活者を学校へ向かわせる力、3)学校や宿舎における教育・福祉の実践、4)それらを受け止める船上生活者自身の態度に注目する。
船上生活者の教育と福祉に関する文化人類学的研究:日本と中国の比較(2)
2017年
南山大学 南山大学パッヘ研究奨励金I-A-2
担当区分:研究代表者
配分額:216000円
本研究は、2016年度から開始している長期的研究の一部を成す。国家の理念や政治体制に大きな差異が認められる近代以降の日本と中国において、船上生活者の子どもたちをめぐり実施されてきた学校教育・社会福祉のあり方を比較検討し、それらが持つ意味を、「国家の意図」というマクロな側面と、「当事者の受け止め方」というミクロな側面から考察することを目指している。
2017年度は、日本については都市部の各種行政資料・小学校発行の文集・写真・港湾労働者の労働運動関係資料等の記録を収集した。そこから、船上生活者の児童のための学校・寄宿舎が建設される経緯やそこでの子どもたちの経験、陸上の家屋建設の流れ(関東大震災後の復興住宅、労働運動との関係、汽車住宅の設置等)を分析するための素地を作ることができた。特に名古屋市公文書館の文書からは、港区に水上児童寮(昭和17年)が設立されるまでには、行政担当者がすでに開設されていた東京都水上尋常小学校(昭和5年)や神戸市立水上児童寮(昭和12年)への査察やニューズレターや手紙のやりとりをくり返していた様子を垣間見ることができた。また、名古屋市港区で育った男性(60代、両親が船上生活経験者)へのインタビューからは、知多半島の内陸出身の父親にとって海運会社へ就職はいわば「憧れ」であったこと、操船技術をもたなくとも船を任されて荷の運搬を担っていたこと、母親と自身が陸上の家屋に住み始めた後も父親は一人で船と家屋を行き来しながら運搬をしていたことなどを知ることができた。さらに資料からは、都市部の船上生活者の居住問題は震災・戦災による混乱や土地価格高騰といった都市部特有の住宅難と密接に関わっていたことがわかった。今後も詳細な分析を進める必要がある。
中国では、船上生活者を学校へ向かわせる社会システムを分析するために、操船免許制度の導入がもたらした影響についてインタビューを試みた。導入当時(正確な年代は不詳)、一定以上の年齢に達していた船上生活者たちは「すでに操船技術を有している」という事実に基づき試験を免除されたこと、他の者が小型漁船の操船免許を獲得するためには小学校を会場にして1週間ほど実施される出張講座の受講とルールの理解度を測る選択式の試験が課されるようになったことなどが明らかになった。
船上生活者の教育と福祉に関する文化人類学的研究:日本・中国の都市部と村落部の比較
2017年
日本学術振興会 科学研究費補助金 平成29年度 若手研究(B) 若手研究(B)
担当区分:研究代表者 資金種別:競争的資金
配分額:900000円
本研究は、国家の理念や政治体制に大きな差異が認められる日本と中国において、船上生活者の子どもたちをめぐり実施されてきた学校教育・社会福祉のあり方を比較検討し、それらの意味を「国家の意図」と「当事者の受け止め方」という両面から考察することを目的とする。近代以降、どの国でも学校教育とは「国民」を作り上げる営為と共にあり、それは「正しい国民像」から逸脱した者の「排除」ないし「矯正」と表裏一体の関係にある。船上生活者とは中国でも日本でも、船に住まうがゆえに学校教育へ接近できぬ存在であり、彼らにとっては義務教育制度の施行と受容自体が、自らの生活習慣を否定する意味を持っていた。
本研究では、1)国家の描く「国民像」と教育制度の歴史、2)船上生活者を学校へ向かわせる力、3)学校や宿舎における教育・福祉の実践、4)それらを受け止める船上生活者自身の態度に注目する。
船上生活者の教育と福祉に関する文化人類学的研究:日本・中国の都市部と村落部の比較
2016年
日本学術振興会 科学研究費補助金 平成28年度 若手研究(B) 若手研究(B)
担当区分:研究代表者 資金種別:競争的資金
本研究は、国家の理念や政治体制に大きな差異が認められる日本と中国において、船上生活者の子どもたちをめぐり実施されてきた学校教育・社会福祉のあり方を比較検討し、それらの意味を「国家の意図」と「当事者の受け止め方」という両面から考察することを目的とする。近代以降、どの国でも学校教育とは「国民」を作り上げる営為と共にあり、それは「正しい国民像」から逸脱した者の「排除」ないし「矯正」と表裏一体の関係にある。船上生活者とは中国でも日本でも、船に住まうがゆえに学校教育へ接近できぬ存在であり、彼らにとっては義務教育制度の施行と受容自体が、自らの生活習慣を否定する意味を持っていた。
本研究では、1)国家の描く「国民像」と教育制度の歴史、2)船上生活者を学校へ向かわせる力、3)学校や宿舎における教育・福祉の実践、4)それらを受け止める船上生活者自身の態度に注目する。
船上生活者の教育と福祉に関する文化人類学的研究:日本と中国の比較
2016年
南山大学 南山大学パッヘ研究奨励金I-A-2
担当区分:研究代表者
本研究は、国家の理念や政治体制に大きな差異が認められる近代以降の日本と中国において、船上生活者の子どもたちをめぐり実施されてきた学校教育・社会福祉のあり方を比較検討し、それらが持つ意味を、「国家の意図」というマクロな側面と、「当事者の受け止め方」というミクロな側面から考察することを目指す。
本研究では、「日本と中国において、船上生活者に対して実施された学校教育・社会福祉とは、何を意味してきたのか」という問いに重層的な答えを与えるために、以下の研究方法を採る。まず、行政資料や教科書、副読本といったテキストの分析を通して、1)国家の描く「国民像」と教育制度の近現代史、2)船上生活者を学校へ向かわせる力を解明する。また、教育や福祉の現場に関わってきた元・教員や用務員、保育士といった人々の回想録やインタビューを通して、3)学校や宿舎における教育・福祉実践の実態を描き出す。さらには、4)都市と漁村の船上生活者の元でのインタビューや参与観察を通して、教育・福祉実践を受け止める船上生活者自身の受容・拒絶・無関心といった態度について明らかにする。
土地と住居空間をめぐる人類学的研究―東アジアの水辺生活者の視点から
2015年
南山大学 南山大学パッヘ研究奨励金I-A-2
担当区分:研究代表者
配分額:400000円
本研究の目的は、日本・台湾・中国の各地で船上や水辺に暮らす「水辺生活者」の日常生活に焦点を当て、土地・家屋が持つ意味とは何なのかを問うことにある。陸上の世界に対する彼らの執着・拒絶・無関心といった態度を、各地のマクロな社会的コンテクストに位置づけ考察することで、マジョリティ(=陸上定住者)のものとして各地域社会に広がる、土地・家屋が有する文化的意味といったものを、水辺の側から逆照射し、地域ごとの特徴を比較検討することが可能となる。
「中国福建省南部における水上居民の「陸地定住」をめぐる人類学的研究―「漂泊」/「定住」の狭間を生きる連家船漁民の事例から」
2013年
公益信託澁澤民族学振興基金 大学院生等に対する研究活動助成
担当区分:研究代表者
1949年以降、中国で進められた陸上定住政策により土地と住居を得た水上居民たちにとって、「陸地定住」が意味するものとは何かを問う。福建省南部九龍江河口において、長く陸地に土地を所有せず、船で暮らしてきた「連家船漁民」と呼ばれる人々は、1960年代、集団化の中で農村の耕作地を譲り受けて集合住宅を建設し、そこは漁村という生活・生産の拠点として機能し始めた。しかし、現実に眼を向ければ、内海や外海へ漁に出る人々が依然として漁村全体の77%を占め、彼らの大半は夫婦や家族で3ヶ月から半年ほどの間、出先の港に漁船を泊め、その船で寝泊まりして過ごす。休漁期に漁村へ戻っても、食事を家で摂るのみで、昼は船で網を修繕し、夜は甲板の下部で寝泊まりをする人も多い。彼らにとって、住居の獲得は移動生活の終焉と定住生活の開始を意味してきたといえるだろうか。かつて、土地や住居を持たぬことから差別の眼差しに曝されたという連家船漁民たちの話からわかるように、(研究者を含めた)周囲の人々にとって、水上や船上の世界は貧しく、悲惨なものとして陸上世界とは真逆の意味を付加されがちである。しかし、この調査から窺えるのは、水/陸という世界の間に、さほど明瞭な境界を設けずに、その間をいとも簡単に乗り越えながら、両世界に跨った生活を営もうとする連家船漁民の態度である。
「水上生活者の子どものために設置された児童福祉施設の研究―『住むための船』から『学ぶための寮』へ移った子どもたちの視点から」
2013年
一般財団法人 住総研 2013年度研究助成
本研究では日本と中国をフィールドとし、「住むための船」で生活する子どものために設置された住居兼教育機関について、民俗学、建築史学、文化人類学的な方法によってあきらかにすることを目的とする。
「琉球列島と台湾における台風災害と復興過程に表れる人のつながりに関する比較研究」
2013年
日本学術振興会 科学研究費補助金 (文化人類学・民俗学) 「基盤研究(C)」 基盤研究(C)
資金種別:競争的資金
台風常襲地域である沖縄・奄美・台湾における台風被害の歴史的実態を明らかにし、それぞれの地域社会が台風にどのように対応し、台風被害からどのように復興を図ってきたかを明らかにすることを目的とする。そこから、個々の地域において自然環境と人との相互作用が生み出してきた災害に対応するための社会的・文化的構造を解明することを目指す。
現代中国の社会変化期における水上居民の暮らし
2011年
神奈川大学日本常民文化研究所非文字資料研究センター 2011年度奨励研究 奨励研究
担当区分:研究代表者
共産党政権下に入る時期の前後から現在までの中国社会において、福建省南部の水上居民たちの具体的な暮らしぶりがどのように変化してきたのか、「連家船漁民」と呼ばれる人々の語りを積み重ねながら理解することを目的とする。具体的には、投網・延縄・流動定置網・運搬といった作業タイプの異なる人たちがこれまでにたどってきた道のりについて、国共内戦での解放軍参加、学校への入学や共産党入党、集団労働への参加、改革開放後の生業選択といったいわば公的な生活の面と、親との関係、婚姻、子育てといった私的な生活の面という両面に注目しながら把握する。彼らの生活はもちろん国家レベルの政策や社会変化という大きなうねりと無縁ではありえない。マクロとミクロの視点を合わせて、決して一枚岩ではない連家船漁民の人々の過去と現在を捉えることを目指す。
中国福建省南部における水上生活者の葬送儀礼とその変遷
2010年
神奈川大学日本常民文化研究所非文字資料研究センター 2010年度奨励研究 奨励研究
担当区分:研究代表者
福建省南部の九龍江河口で暮らしてきた水上生活者の葬送儀礼と祖先祭祀の変遷について、彼らを取りまく国家や地域社会の変化というマクロな視点でたどり、それらに付随する死や死者に対する観念を導き出すことを主な課題とする。研究の対象時期を、彼らが土地を得て定住する1960年代の前後に大きく分け、後半は迷信打破という共産党の思想が強まる時期や土葬が禁止される時期などの変化に注目する。
「「連家船」で暮らす水上生活者たちの生活戦術―中国福建省九龍江河口に生きる「連家船」の人々の漁法・取引に関する人類学的研究―」
2009年
日本科学協会 2009年度 笹川科学研究助成 (海洋部門)
担当区分:研究代表者
中国福建省の九龍江に暮らしてきた連家船漁民と呼ばれる船上生活者たちの漁法や漁獲物の取引に焦点を当て、現地調査を中心としながら、文献資料の情報を織り交ぜて研究した。一口に連家船漁民といっても、その船の形態や規模、漁法の方法、そこに乗り込む人の数や関係、取引相手が異なることに注目する。また、国際社会の影響を受け、中国では独特な禁漁期間を設けていることにも触れている。
東南中国の船上生活者の暮らしとアイデンティティをめぐる人類学的研究
陸地の人々との関係性、住まい方や生業の変化、儀礼のやり方などの諸要素が、いかに連関して船上生活者たちの帰属意識を維持あるいは再編させているかを検討する。
定住/遊動をめぐる人類学的研究
定住/遊動という生活形態の差異が、いかにして人々の間にマジョリティ/マイノリティ、差別/被差別といった社会的関係性を生じさせるのかを検討する。
海に生きる人々が経験した近代的状況に関する人類学的研究
人は海という空間をいかに飼い馴らしてきたのか。「海」は自然のなかでも長らく、相対的に「本源的自然」に近い領域でありつづけてきた。とはいえ、海ももはや不確実性に満ちたむき出しの自然などではあり得ない。科学知の蓄積と情報科学技術の目覚ましい発達は海さえも予測・管理・制御可能な空間に仕立て上げ、そこに生きる人々をも管理・制御の対象として巻き込むことになったからだ。中国の船上生活者や台湾の海藻採集者らに注目し、自然や人を飼い馴らす技術の総体をさまざまな角度から捉えて、海に生きる人々が経験した近代化の一端を描くことを目指す。
研究プロジェクト
2024年11月 - 2025年2月
異文化との接触3
2024年11月 - 2025年1月
人類文化学演習ⅡC
2024年11月 - 2025年1月
人類文化学演習IC
2024年11月 - 2025年1月
民族誌論
2024年9月 - 2024年11月
人類文化学演習ⅡB
2024年9月 - 2024年11月
人類文化学演習IB
2024年9月 - 2024年11月
フィールドワーク(文化人類学)I1
2024年4月 - 2025年3月
研究指導IIA(文化人類学)<博前>~研究指導IID(文化人類学)<博前>
2024年4月 - 2025年1月
日本との出会い1
2024年4月 - 2024年5月
人類文化学演習ⅡA
2024年4月 - 2024年5月
人類文化学演習IA
2024年4月 - 2024年5月
人類文化学基礎演習IIA
2024年4月 - 2024年5月
歴史人類学研究(ナショナリズム論)
2024年4月 - 2024年5月
教育方法の実践
2024年1月
教育方法の実践
2023年4月
教育方法の実践
2023年1月
教育方法の実践
2022年4月
教育方法の実践
2022年1月
教育方法の実践
2021年7月
教育方法の実践
2021年4月
教育方法の実践
2021年1月
教育方法の実践
2021年1月
教育方法の実践
2020年11月
教育方法の実践
2020年10月
教育方法の実践
2020年7月
教材作成
2020年6月
教材作成
2020年4月