研究者詳細

研究助成
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年度
Year
助成名称または科学研究費補助金研究種目名
Name of grant or research classification for scientific research funding
研究題目
Research Title
役割(代表/非代表)
Role
助成団体
Granting body
助成金額
Grant amount
2018  国際常民文化研究機構共同研究(A一般)  課題名「台湾の「海女(ハイルー)」に関する民族誌的研究 —東アジア・環太平洋地域の海女研究構築を目指して—」 
代表  国際常民文化研究機構  2,000,000 

研究内容(Research Content) 「海女は日本と韓国にしか存在しない固有の文化…」「海女を世界文化遺産に」[朝日新聞社 2010「海女の幸を残したい」]。――メディアを通して流布されてきた言説。「ロマンあふれる古代に誘う日本・韓国の固有文化の担い手」、あるいは「半裸で潜水漁を行う物珍しき女性」といった固定化された「海女」のイメージ創出に民俗学やその他の学問が果たしてきた責任は重い。日本でも、『魏志倭人伝』『万葉集』などの記述から日本人のルーツや古層文化を知る糸口として、海女に注目する研究が数多登場してきた[cf. 最上孝敬 1977 『原始漁法の民俗』]。当然ながら、こうした海女研究に対する批判も存在する。秋道智彌は、日本の潜水漁師を日本文化の源流たる「倭の水人」や「日本の海人」の伝統と結びつける態度を排し、むしろ環太平洋の島嶼の漁民との共通性に目を向ける姿勢が必要と説く[秋道 1988 『海人の民族学』]。また、安室知は商品価値の高い魚介類を対象とした海女の潜水漁のみを単独に論じる従来の研究に疑問を呈し、それを男女・漁法の区別なく「海付きの村」の生業全体の中で捉えることの重要性を強調する[安室 2011「アマ論・再考」]。
本研究も、秋道・安室らと共通の構えをもつ。その最大の契機は、藤川・新垣・齋藤がそれぞれに台湾(基隆・宜蘭・澎湖)で「海女(ハイルー)」と呼ばれる女性たちと出会っていたことにある。事実、基隆以南の東海岸から澎湖諸島に至る西側まで、台湾各地の海沿いには広く「海女の民俗」が存在するにもかかわらず、台湾の海女は研究上、二重の意味で見落とされてきたといえる。まず、農本主義的伝統の根強い漢族研究では、海を生業の場とする人々自体が等閑視されてきた。さらに、東アジア研究においても、「海女といえば日本か韓国」との先入観が、台湾の海女を透明人間化してきたといえる。
本研究は次の三点を目標として掲げる。1)台湾基隆の海付きの村を対象に、海女の潜水漁・海藻の手繰り寄せ・その他の漁撈活動をめぐる民族誌的調査を実施し、それを「村のくらし」全体の中に位置づけて描くこと。2)漢族研究の文脈で台湾の海女民俗を捉えるための視座を獲得すること。3)台湾の事例を日本の海付きの村と比較しながら、東アジアあるいは環太平洋島嶼部全体を射程に入れた新たな形の「アマ研究」模索のための足がかりを掴むこと。 

備考(Remarks) 共同 

2017  科学研究費補助金  船上生活者の教育と福祉に関する文化人類学的研究:日本・中国の都市部と村落部の比較 
代表  日本学術振興会  900,000 

研究内容(Research Content) 本研究は、国家の理念や政治体制に大きな差異が認められる日本と中国において、船上生活者の子どもたちをめぐり実施されてきた学校教育・社会福祉のあり方を比較検討し、それらの意味を「国家の意図」と「当事者の受け止め方」という両面から考察することを目的とする。近代以降、どの国でも学校教育とは「国民」を作り上げる営為と共にあり、それは「正しい国民像」から逸脱した者の「排除」ないし「矯正」と表裏一体の関係にある。船上生活者とは中国でも日本でも、船に住まうがゆえに学校教育へ接近できぬ存在であり、彼らにとっては義務教育制度の施行と受容自体が、自らの生活習慣を否定する意味を持っていた。
本研究では、1)国家の描く「国民像」と教育制度の歴史、2)船上生活者を学校へ向かわせる力、3)学校や宿舎における教育・福祉の実践、4)それらを受け止める船上生活者自身の態度に注目する。 

備考(Remarks)  

2017  南山大学パッヘ研究奨励金I-A-2  船上生活者の教育と福祉に関する文化人類学的研究:日本と中国の比較(2) 
代表    216,000 

研究内容(Research Content) 本研究は、2016年度から開始している長期的研究の一部を成す。国家の理念や政治体制に大きな差異が認められる近代以降の日本と中国において、船上生活者の子どもたちをめぐり実施されてきた学校教育・社会福祉のあり方を比較検討し、それらが持つ意味を、「国家の意図」というマクロな側面と、「当事者の受け止め方」というミクロな側面から考察することを目指している。
2017年度は、日本については都市部の各種行政資料・小学校発行の文集・写真・港湾労働者の労働運動関係資料等の記録を収集した。そこから、船上生活者の児童のための学校・寄宿舎が建設される経緯やそこでの子どもたちの経験、陸上の家屋建設の流れ(関東大震災後の復興住宅、労働運動との関係、汽車住宅の設置等)を分析するための素地を作ることができた。特に名古屋市公文書館の文書からは、港区に水上児童寮(昭和17年)が設立されるまでには、行政担当者がすでに開設されていた東京都水上尋常小学校(昭和5年)や神戸市立水上児童寮(昭和12年)への査察やニューズレターや手紙のやりとりをくり返していた様子を垣間見ることができた。また、名古屋市港区で育った男性(60代、両親が船上生活経験者)へのインタビューからは、知多半島の内陸出身の父親にとって海運会社へ就職はいわば「憧れ」であったこと、操船技術をもたなくとも船を任されて荷の運搬を担っていたこと、母親と自身が陸上の家屋に住み始めた後も父親は一人で船と家屋を行き来しながら運搬をしていたことなどを知ることができた。さらに資料からは、都市部の船上生活者の居住問題は震災・戦災による混乱や土地価格高騰といった都市部特有の住宅難と密接に関わっていたことがわかった。今後も詳細な分析を進める必要がある。
中国では、船上生活者を学校へ向かわせる社会システムを分析するために、操船免許制度の導入がもたらした影響についてインタビューを試みた。導入当時(正確な年代は不詳)、一定以上の年齢に達していた船上生活者たちは「すでに操船技術を有している」という事実に基づき試験を免除されたこと、他の者が小型漁船の操船免許を獲得するためには小学校を会場にして1週間ほど実施される出張講座の受講とルールの理解度を測る選択式の試験が課されるようになったことなどが明らかになった。 

備考(Remarks)  

2016  南山大学パッヘ研究奨励金I-A-2  船上生活者の教育と福祉に関する文化人類学的研究:日本と中国の比較 
代表     

研究内容(Research Content)  本研究は、国家の理念や政治体制に大きな差異が認められる近代以降の日本と中国において、船上生活者の子どもたちをめぐり実施されてきた学校教育・社会福祉のあり方を比較検討し、それらが持つ意味を、「国家の意図」というマクロな側面と、「当事者の受け止め方」というミクロな側面から考察することを目指す。
 本研究では、「日本と中国において、船上生活者に対して実施された学校教育・社会福祉とは、何を意味してきたのか」という問いに重層的な答えを与えるために、以下の研究方法を採る。まず、行政資料や教科書、副読本といったテキストの分析を通して、1)国家の描く「国民像」と教育制度の近現代史、2)船上生活者を学校へ向かわせる力を解明する。また、教育や福祉の現場に関わってきた元・教員や用務員、保育士といった人々の回想録やインタビューを通して、3)学校や宿舎における教育・福祉実践の実態を描き出す。さらには、4)都市と漁村の船上生活者の元でのインタビューや参与観察を通して、教育・福祉実践を受け止める船上生活者自身の受容・拒絶・無関心といった態度について明らかにする。
 

備考(Remarks)  

2016  科学研究費補助金  船上生活者の教育と福祉に関する文化人類学的研究:日本・中国の都市部と村落部の比較 
代表  日本学術振興会   

研究内容(Research Content)  本研究は、国家の理念や政治体制に大きな差異が認められる日本と中国において、船上生活者の子どもたちをめぐり実施されてきた学校教育・社会福祉のあり方を比較検討し、それらの意味を「国家の意図」と「当事者の受け止め方」という両面から考察することを目的とする。近代以降、どの国でも学校教育とは「国民」を作り上げる営為と共にあり、それは「正しい国民像」から逸脱した者の「排除」ないし「矯正」と表裏一体の関係にある。船上生活者とは中国でも日本でも、船に住まうがゆえに学校教育へ接近できぬ存在であり、彼らにとっては義務教育制度の施行と受容自体が、自らの生活習慣を否定する意味を持っていた。
 本研究では、1)国家の描く「国民像」と教育制度の歴史、2)船上生活者を学校へ向かわせる力、3)学校や宿舎における教育・福祉の実践、4)それらを受け止める船上生活者自身の態度に注目する。 

備考(Remarks) 2016~2019年度の助成 

2015  南山大学パッヘ研究奨励金I-A-2  土地と住居空間をめぐる人類学的研究―東アジアの水辺生活者の視点から 
代表    400,000 

研究内容(Research Content) 本研究の目的は、日本・台湾・中国の各地で船上や水辺に暮らす「水辺生活者」の日常生活に焦点を当て、土地・家屋が持つ意味とは何なのかを問うことにある。陸上の世界に対する彼らの執着・拒絶・無関心といった態度を、各地のマクロな社会的コンテクストに位置づけ考察することで、マジョリティ(=陸上定住者)のものとして各地域社会に広がる、土地・家屋が有する文化的意味といったものを、水辺の側から逆照射し、地域ごとの特徴を比較検討することが可能となる。 

備考(Remarks)  

2013  大学院生等に対する研究活動助成  「中国福建省南部における水上居民の「陸地定住」をめぐる人類学的研究―「漂泊」/「定住」の狭間を生きる連家船漁民の事例から」 
代表  公益信託澁澤民族学振興基金   

研究内容(Research Content) 1949年以降、中国で進められた陸上定住政策により土地と住居を得た水上居民たちにとって、「陸地定住」が意味するものとは何かを問う。福建省南部九龍江河口において、長く陸地に土地を所有せず、船で暮らしてきた「連家船漁民」と呼ばれる人々は、1960年代、集団化の中で農村の耕作地を譲り受けて集合住宅を建設し、そこは漁村という生活・生産の拠点として機能し始めた。しかし、現実に眼を向ければ、内海や外海へ漁に出る人々が依然として漁村全体の77%を占め、彼らの大半は夫婦や家族で3ヶ月から半年ほどの間、出先の港に漁船を泊め、その船で寝泊まりして過ごす。休漁期に漁村へ戻っても、食事を家で摂るのみで、昼は船で網を修繕し、夜は甲板の下部で寝泊まりをする人も多い。彼らにとって、住居の獲得は移動生活の終焉と定住生活の開始を意味してきたといえるだろうか。かつて、土地や住居を持たぬことから差別の眼差しに曝されたという連家船漁民たちの話からわかるように、(研究者を含めた)周囲の人々にとって、水上や船上の世界は貧しく、悲惨なものとして陸上世界とは真逆の意味を付加されがちである。しかし、この調査から窺えるのは、水/陸という世界の間に、さほど明瞭な境界を設けずに、その間をいとも簡単に乗り越えながら、両世界に跨った生活を営もうとする連家船漁民の態度である。 

備考(Remarks) 単独での助成 

2013  2013年度研究助成  「水上生活者の子どものために設置された児童福祉施設の研究―『住むための船』から『学ぶための寮』へ移った子どもたちの視点から」 
非代表(共同研究者)  一般財団法人 住総研   

研究内容(Research Content) 本研究では日本と中国をフィールドとし、「住むための船」で生活する子どものために設置された住居兼教育機関について、民俗学、建築史学、文化人類学的な方法によってあきらかにすることを目的とする。
 

備考(Remarks) 研究主査:厚香苗、共同研究者:藤原美樹、藤川美代子 

2013  科学研究費補助金  「琉球列島と台湾における台風災害と復興過程に表れる人のつながりに関する比較研究」 
非代表(研究協力者)  日本学術振興会   

研究内容(Research Content) 台風常襲地域である沖縄・奄美・台湾における台風被害の歴史的実態を明らかにし、それぞれの地域社会が台風にどのように対応し、台風被害からどのように復興を図ってきたかを明らかにすることを目的とする。そこから、個々の地域において自然環境と人との相互作用が生み出してきた災害に対応するための社会的・文化的構造を解明することを目指す。 

備考(Remarks) 研究代表者:玉城毅、研究分担者:西村一之、研究協力者:山田浩世、藤川美代子 

2011  2011年度奨励研究  現代中国の社会変化期における水上居民の暮らし 
代表  神奈川大学日本常民文化研究所非文字資料研究センター   

研究内容(Research Content) 共産党政権下に入る時期の前後から現在までの中国社会において、福建省南部の水上居民たちの具体的な暮らしぶりがどのように変化してきたのか、「連家船漁民」と呼ばれる人々の語りを積み重ねながら理解することを目的とする。具体的には、投網・延縄・流動定置網・運搬といった作業タイプの異なる人たちがこれまでにたどってきた道のりについて、国共内戦での解放軍参加、学校への入学や共産党入党、集団労働への参加、改革開放後の生業選択といったいわば公的な生活の面と、親との関係、婚姻、子育てといった私的な生活の面という両面に注目しながら把握する。彼らの生活はもちろん国家レベルの政策や社会変化という大きなうねりと無縁ではありえない。マクロとミクロの視点を合わせて、決して一枚岩ではない連家船漁民の人々の過去と現在を捉えることを目指す。 

備考(Remarks) 単独での助成 

2010  2010年度奨励研究  中国福建省南部における水上生活者の葬送儀礼とその変遷 
代表  神奈川大学日本常民文化研究所非文字資料研究センター   

研究内容(Research Content) 福建省南部の九龍江河口で暮らしてきた水上生活者の葬送儀礼と祖先祭祀の変遷について、彼らを取りまく国家や地域社会の変化というマクロな視点でたどり、それらに付随する死や死者に対する観念を導き出すことを主な課題とする。研究の対象時期を、彼らが土地を得て定住する1960年代の前後に大きく分け、後半は迷信打破という共産党の思想が強まる時期や土葬が禁止される時期などの変化に注目する。 

備考(Remarks) 単独での助成 

2009  2009年度 笹川科学研究助成 (海洋部門)  「「連家船」で暮らす水上生活者たちの生活戦術―中国福建省九龍江河口に生きる「連家船」の人々の漁法・取引に関する人類学的研究―」 
代表  日本科学協会   

研究内容(Research Content) 中国福建省の九龍江に暮らしてきた連家船漁民と呼ばれる船上生活者たちの漁法や漁獲物の取引に焦点を当て、現地調査を中心としながら、文献資料の情報を織り交ぜて研究した。一口に連家船漁民といっても、その船の形態や規模、漁法の方法、そこに乗り込む人の数や関係、取引相手が異なることに注目する。また、国際社会の影響を受け、中国では独特な禁漁期間を設けていることにも触れている。 

備考(Remarks) 単独での助成 

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