2024/11/29 更新

写真b

オウ レイゼン
王 冷然
OH Reizen
所属
法学部 法律学科 教授
職名
教授
主な研究課題
長期研究:損害賠償の法理

短期研究:投資取引訴訟における損害賠償額の減額事由
専攻分野
民法

学位

  • 法学修士 ( 2005年3月   東北大学 )

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    修士

    学位論文名:イギリス法における履行期前の契約違反

  • 法学士 ( 2003年3月   新潟大学 )

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    学士

  • 博士(法学) ( 2008年3月   東北大学 )

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    博士

    学位論文名:「適合性原則」の意義とその判断構造

研究分野

  • 人文・社会 / 民事法学  / 民法、消費者法、損害賠償

  • 人文・社会 / 民事法学  / 民法、不法行為法、契約法、消費者法

学歴

  • 東北大学   法学研究科

    - 2008年3月

  • 東北大学   法学研究科

    - 2005年3月

  • 新潟大学   法学部   法律学科

    - 2003年3月

所属学協会

  • 中日民商法研究会

  • 金融法学会

  • 日本消費者法学会

  • 日本私法学会

委員歴

  • 中日民商法研究会  

  • 金融法学会  

  • 日本消費者法学会  

  • 日本私法学会  

論文

  • 中国の遺言制度と必留分制度

    王 冷然

    南山法学   47巻 ( 3・4号 )   237 - 276   2024年6月

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    記述言語:日本語  

  • 日本法における過失相殺と損害軽減義務について(①)―統合か併存か

    南山法学   46巻3・4号   177 - 221   2023年9月

  • 裁判例から見る債務不履行における過失相殺

    沖野眞己ほか編『これからの民法・消費者法(Ⅰ)河上正二先生古稀記念』   pp293 - 328   2023年3月

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    出版者・発行元:信山社  

    本稿では、債務不履行での過失相殺に関する57件の裁判例を取り上げて、債務不履行における過失相殺の認定状況を整理・検討した結果、裁判例における債権者の過失の認定には、「行為規範違反型」と「行為過失型」との2類型に分けて、それぞれの認定手法の内容を明らかにすることができた。債権者の行為規範違反と原因行為を取り上げて債権者の過失として判断する裁判例には、債権者の行為が債務不履行や損害の発生ないし拡大の回避に向けられたものであると言えるのに対し、単なる債権者の行為だけを取り上げて債権者の過失として判断する裁判例には、債権者の行為が必ずしも債務不履行や損害の発生ないし拡大の回避に向けられたものとは言えない。
     また、債権者の過失を認定するに当たって、契約関係以外の要素が考慮される場合もあるが、裁判例の多くは契約の当事者としての債権者の行為を中心に判断していることが判明した。さらに、不履行であった債務が結果債務かそれとも手段債務であるかは、過失相殺の認定に一定の差異をもたらしたことも明らかにされた。しかも、債務不履行の過失相殺に関する裁判例の認定状況については、リスク分配の考え方からも経済的効率性の考え方からも、説明がつかないところがある。

  • 投資取引をめぐる法規制・被害救済の変遷と課題

    現代消費者法   57号   pp50 - 62   2022年12月

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    出版者・発行元:民事法研究会  

    本稿では、とくに適合性原則、説明義務を中心に、投資取引に関する法規制の内容や変遷を整理したうえで、裁判実務での認定や判断基準を解析し、ADRの利用状況も分析した。

  • 投資取引損害賠償と過失相殺に関する一考察(4・完)

    南山法学   45巻3・4合併号   423 - 460   2022年8月

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    本稿では、投資取引損害賠償に関する125件の裁判例を分析した結果、交通事故を中心に形成された従来の過失相殺の拡大適用は投資取引訴訟にも見受けられだけでなく、被害者たる顧客の自己責任を追及する司法判断の姿勢も明らかにされた。また、「被害者の過失」の考慮要素について、法的評価の矛盾や不合理性があり、規範的評価が欠けていることを踏まえて、事実行為的不法行為と取引的不法行為を分けて過失相殺を論じる必要を示し、投資取引における金融業者と顧客の非対等的関係を考慮し、金融業者の負う義務の性質や金融業者の過失と顧客の「過失」の非対等性の視点から被害者たる顧客の過失および過失相殺の割合に関する判断方法を提示した。

  • 「中国民法典制定における土地工作物責任の到達点-建物からの落下物による損害を中心に」

    日本不動産学会誌   第35巻3号   67 - 73   2021年12月

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     本稿は、中国民法典に規定された土地工作物責任の内容を概観したうえ、建物からの落下物によって生じた損害の責任に関する条文の内容を紹介し、理論および運用上の問題点を検討するものである。
     土地工作物責任に関する中国民法典の規定は、旧不法行為法の規定を基にしながら、条文配置の調整や内容の拡充を行い、同じく七箇条の条文であるものの、旧不法行為法の規定より改善されたことが確かである。特に、建物からの落下物による損害の責任に関する条文の内容は大幅に補充され、建物使用者に補償責任を負わせるだけでなく、不動産サービス事業者を賠償責任者に追加することによって、当該条文に対する国民の不公平感がある程度緩和されるように思われる。これらの改善点は評価に値する一方、中国の学者に指摘されたように、受け皿条文を用意せず、列挙的に土地工作物責任を定めるという立法手法は、物から生じた損害のすべてに対応することができない問題を生じうるまた、中国で高く評価された建物からの落下物による損害に関する条文規定は、加害者になる可能性のある建物使用者の補償責任の範囲や不動産サービス事業者等建物管理者の補充責任との適用関係など運用上重要なことについて何も定めず、司法判断に委ねることになる。

  • 「新しい中国民法典における約款規制」

    南山法学   第45巻2号   pp61 - 87   2021年12月

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     本稿は、約款の定義、組入規制、内容規制、約款の解釈に関する中国民法典の規定内容を紹介したうえ、それぞれの意味や問題点を検討するものである。
     新しい中国民法典は、既存の単行法を維持しながら、必要な修正をしたうえで成立した。このように誕生した中国民法典は一からの立法というより、法改正の産物である。約款規制に関しては、基本的に既存の契約法の規定内容を承継し、運用過程に指摘された問題点について必要最小限の修正を行うだけで民法典の条文になった。政治的に民法典を成立させるスケジュールによって、条文間の整合性や内容上の正確性などについては綿密な議論を行う余裕が与えられなかったこともあるか、組入合意や不意打ち条項が規定されず、組入規制の対象はすべての約款条項ではなく、「重要条項」に限定され、しかも「重要条項」が内容規制の対象にもされているといった問題を生じた。他方、約款の概念や解釈原則に関しては、基本的にオーソドックスな規定が設けられている。
     また、中国民法典編纂過程で、既存の中国契約法の規定を承継して約款規制の条文を制定するにあたって、学説の見解を全部採用しなかったものの、多く指摘された問題点に関して、最高人民法院の司法解釈を蹴って、学説の主張を取り入れて、条文の内容が改善されたのは事実であり、このこと自体には大きな意味があり、法整備も理論研究も発展途中である中国では、ようやく学説の重要性が認識されるようになったと思われる。

  • 「約款規制に関する日中民法典の比較」

    消費者法研究   第10号   195 - 232   2021年9月

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    出版者・発行元:信山社  

     約款規制に関する日本民法典の規定と中国民法典の規定を比較し、約款の定義、組入規制、不当条項規制については、日中両国の民法典は同じく規定を設けているが、それぞれの規定内容には大きな相違が見られる。また、約款規制において、一般的に規定される約款の解釈原則については、中国民法典は定めているが、日本民法典は定めておらず、逆に、一般的に成文法に規定されない約款の変更について、日本民法典は定めているが、中国民法典は定めていない。
     このような差異が生じたのは、恐らく約款に関する両国の理論の蓄積状況と、立法における両国の独自の事情が関係しているように思われる。つまり、約款に関する中国民法典の条文上の問題は理論的研究が十分ではなく、政治的な立法スケジュールに由来するところが多いのに対し、日本民法典の条文上の問題は約款規制に対する経済界からの反対に起因するところが大きい。いずれにしても、約款に関する日中両国民法典の規律内容には問題があるものの、民法典に約款規制の条文が設けられていることには大きな意味があり、今後、両国の学説・判例は、問題点を意識しながら、法解釈作業を行い、条文上の不備を修正し、充実した法理を形成していくに違いない。

  • 日本新民法上有关保护个人保证人的规定

    李昊主编『日本民法修正---回顾与反思』   80 - 97   2020年7月

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    出版者・発行元:北京大学出版社  

     改正された日本民法に新たに設けた「個人保証人の保護」に関する条文について、審議過程での論点や現在の条文が定めれた経緯を含め、個人保証人を保護する各条文の意味や問題点を分析した。

  • 日本新民法上的定型格式条款的规定内容

    李昊主编『日本民法修正----回顾与反思』   66 - 79   2020年7月

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    出版者・発行元:北京大学出版社  

  • 適合性原則違反に関する裁判実務の判断手法の再検討―公益法人を対象とするものを中心に―

    先物・証券取引被害研究   49号   36 - 49   2019年11月

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    出版者・発行元:先物取引被害全国研究会  

    学校法人や医療法事などの公益法人と金融機関との投資取引紛争において、適合性原則違反の有無に関する裁判例の判断を精査し、最高裁平成17年7月14日判決以降の適合性原則違反に関する裁判実務の判断手法を明らかにしたうえ、その問題点および解決策を論じたものである。

  • 投資取引損害賠償と過失相殺に関する一考察(3)

    南山法学   42巻3・4合併号   331 - 399   2019年6月

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    本稿は金融業者の適合性原則と説明義務違反の両方が違反された場合の過失相殺に関する裁判例の認定状況および複数の義務違反の場合の過失相殺に関する裁判例の認定状況を精査したうえ、顧客のいかなる要素が「被害者の過失」として評価され、そのような評価にどのような問題が存在するかについて分析を行った。

  • 投資取引損害賠償と過失相殺に関する一考察(2)

    南山法学   42巻2号   89 - 136頁   2019年2月

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     本稿は金融業者の説明義務違反のみが認定された場合の過失相殺に関する裁判例の認定状況を精査したうえ、顧客のいかなる要素が「被害者の過失」として評価され、そのような評価にどのような問題が存在するかについて分析を行った。

  • 关于日本新民法上的定型格式条款的规定

    中日民商法研究   17巻   175 - 195   2018年9月

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    出版者・発行元:元照出版有限公司  

     日本改正債権法に新しく定められている「定型約款」の規定について、その内容や制定の経緯のみならず、新規定の問題点も分析し、中国語で書いたものである。

  • 投資取引損害賠償と過失相殺に関する一考察(1)

    南山法学   41巻第3・4合併合   327 - 362   2018年8月

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    金融業者の損害賠償責任の重要な法的根拠とされている「適合性原則」のみが違反された場合、損害賠償額を認定する際に、過失相殺に関する裁判例の認定状況を精査し、顧客側のいかなる事由が「被害者の過失」として評価されているかを明らかにし、そのような判断手法に潜む問題点を分析した。

  • 新民法における個人保証人保護の規定について

    南山法学   41巻1号   41 - 82頁   2017年10月

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     本論文は、120年ぶりに改正された民法の中に、新しく設定された個人保証人保護の規定について、その内容のみならず、法制審議会での審議過程を整理し、条文内容の変化を精査し、国会審議での質疑応答状況も踏まえて、新法に定められた個人保証人保護規定の意義および問題点を検討したものである。

  • 从日本的一个判例看成年监护制度和监护人责任的关联性

    中日民商法研究   16巻   131 - 145   2017年9月

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    出版者・発行元:法律出版社  

    日本での高齢者による他人に損害を与えた場合、その配偶者や子が損害賠償責任を負うべきかどうかに関する最高裁判決を素材とし、中国の改正された民法総則上の成年後見規定と比較しながら、成年後見制度と監督者責任との関係をどのように考えるべきかについて検討したものである。

  • 日本民法(债权关系)修改上有关保护个人保证人的规定(中国語)

    中日民商法研究   15巻   102 - 127   2017年3月

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    出版者・発行元:法律出版社  

     第13回中日民商法研究会における報告内容をまとめたものであり、個人保証人の保護について、「「民法(債権関係)の改正に関する中間試案に提示された方策を起点とし、「民法(債権関係)の改正に関する要綱仮案」を経て、「民法(債権関係)の改正に関する要綱案」まで規定内容の変化を精査し、「改正法案」に定められている個人保証人の保護策の意義および問題点を検討したものである。

  • 米国における適合性原則の現状―適合性原則の内容の深化について―

    消費者法   第8号   15 - 20   2016年8月

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    出版者・発行元:民事法研究会  

    第8回日本消費者法学会における報告内容をまとめたものであり、米国における現在の適合性原則の内容を検討し、日本における適合性原則の理解の深化について示唆を示した。

  • 高齢者の投資取引における適合性原則の意義と役割―最高裁平成17年7月14日判決以降の下級審裁判例の分析を中心に―

    徳島大学社会科学研究   29号   1 - 68   2015年12月

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    本論文は、最高裁平成17年判決以降の下級審裁判例を素材に、高齢者の投資取引訴訟において、適合性原則違反の有無を判断するに際し、高齢者の属性に関する考慮要素がどのように認定されているか、高齢者であることが判断にどのように作用しているかにつき、具体的事実関係に分け入って分析し、高齢者の投資取引において適合性原則がいかなる意義を有し、どのような役割を果たしうるかを論じたものである。

  • 米国における適合性原則の現状―適合性原則の内容の深化について―

    現代消費者法   28号   26 - 36   2015年9月

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    出版者・発行元:民法法研究会  

    本論文は、米国における適合性原則の生成・発展の過程、改正された現在の適合性原則の内容を中心に検討し、また投資取引以外の領域での適合性原則の運用状況を確認したうえ、適合性原則の内容への理解について、日本法への示唆を提示したものである。

  • 弁護士の善管注意義務と説明義務―最高裁平成25年4月16日判決民集67巻4号1049ペ頁を手がかりとして

    徳島大学社会科学研究   28号   1 - 60   2014年12月

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    本論文は、弁護士の事務処理の場合を素材に、最高裁平成25年判決を出発点において、弁護士の善管注意義務と説明義務との関係をどのように考えるべきかを中心に検討し、両者の間に密接な関係性があるものの、説明義務はあくまで善管注意義務が尽くされたことを前提に行われるものであり、説明をもって専門家的判断責任を一方的に依頼者に転嫁することが認められるべきではないことを論じたものである。

  • 「合理的根拠適合性」とは何か?

    柴田潤子ほか編『企業と法の現代的課題-市川兼三先生古稀祝賀論文集』   21 - 51   2014年10月

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    出版者・発行元:成文堂  

    本論文は、米国における適合性原則の改正内容を素材に、今まであまり注目されなかった、適合性原則に内包されている「合理的根拠適合性」に焦点をあて、その意味の解明を通じて、日本における適合性原則に対する理解を深化させることを目的とするものである。

  • 日本的适合性原则及其运用情况(中国語)

    中日民商法研究   14巻   87 - 100   2014年9月

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    出版者・発行元:法律出版社  

     本論文は、日本での適合性原則に関する裁判例の動向や学説の状況および問題点について、中国語で紹介したものである。

  • 医療行為における患者の期待権―医師の行為義務からのアプローチ―

    徳島大学社会科学研究   27号   1 - 50   2013年12月

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     本論文は、医師の医療行為に過失があるものの、患者の死亡や身体障害など悪しき結果との因果関係を立証できないとき、医師に損害賠償責任を追及できないが、行われた医療行為が「適切な医療行為」でないと判断される場合、患者の期待権侵害を理由に医師に損害理賠償責任を負わせるための法的根拠およびその要件について検討したものである。

  • 適合性原則に関する基礎的考察

    私法   75号   214 - 221   2013年4月

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    出版者・発行元:有斐閣  

     本論文は、米国および日本における「適合性原則」をめぐる議論状況や運用実態などを整理したうえ、顧客を保護するためには、適合性原則を「狭義」と「広義」に区別すべきではなく、むしろ、適合性原則を一本化して、個々の顧客の属性に応じて適合する投資取引を顧客に勧誘することに適合性原則を純化することについて検討したものである。

  • 消費者保護と適合性原則

    佐藤祐介=松岡勝造編『消費者市民社会の制度論』   201 - 219   2010年2月

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    出版者・発行元:成文堂  

     本論文は、投資取引領域に適用される勧誘規制ルールである「適合性原則」は、投資取引のみならず、消費者取引一般に適用することが可能かどうかについて、日本での議論状況を整理し、投資者保護問題と消費者保護問題の差違を踏まえて、投資者保護法理として形成された適合性原則の消費者取引への適用の可能性を検討したものである。

  • 中国における新しい物権法の概要と仮訳

    New Business Law   857号   16 - 37   2007年5月

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    出版者・発行元:商事法務  

    本論文は、中国経済の急激な市場化に対応すべく、新しく制定された中国の新物権法の立法背景、思想的対立状況、その内容および比較法的特徴などを明らかにして、その特質を紹介・解説したものであり、日本で最初に同法の日本語訳を付録として公表したものである。

  • 中国の消費者権益保護法と懲罰的損害賠償(上)・(下)

    New Business Law   841号、842号   19 - 27、43~52   2006年9月

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    出版者・発行元:商事法務  

    本論文は、中国の消費者権益保護法の概要とその特徴を紹介し、その特色や考え方を分析・紹介し、とりわけ、事例を挙げて、同法に基づく懲罰的損害賠償の運用状況およびその考え方の特質を明らかにし、日本法への懲罰的損害賠償請求の導入の可能性などを検討したものである。

  • イギリス法における履行期前の契約違反

    法学   69巻3号   53 - 99   2005年8月

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    本論文は、履行期が未だ到来していない段階に、履行義務の違反という民事責任が観念できるかという疑問にこたえるべく、最初に履行期前の契約違反法理を確立したイギリス法における判例法の生成過程、理論構成、要件と効果を明らかにし、そのような比較的検討が日本法に与える示唆をえようとしたもの。

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書籍等出版物

  • 民法学入门

    ( 担当: 共訳)

    北京大学出版社  2019年8月 

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    総ページ数:396p.  

     河上正二先生の名著『民法学入門』<第2版増補版>(日本評論社、2014年)を中国語に翻訳したものである。当該訳書は原著を翻訳するだけでなく、中国の読者にとって理解しにくい日本法の知識や学説、判例などについて、、「訳者注」の形で説明し、また2017年民法改正をうけて、原著に使われた条文が改正されたものについても、、「訳者注」でて説明をいれてます。

  • 適合性原則と私法秩序

    ( 担当: 単著)

    信山社  2010年3月 

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    総ページ数:416  

    本書では、日本の金融取引法ならびに消費者契約法改正論議でも注目を浴びている、いわゆる「適合性原則」について、その本来的な意義と、これに違反する場合の民事責任についてあるべき判断構造を明らかにすることを目的とした。 本書は、適合性原則を生み出した米国法を素材に、米国における適合性原則の起源、発展およびその内容を明らかにし、適合性原則違反に対しての全米証券取引委員会(SEC)の審決を具体的に分析することで、SECは適合性原則違反による行政責任の有無を認定するとき、ブローカーおよび顧客の主観的態様の如何を問わず、顧客の投資目的と財産状態に照らして行われた投資取引が当該顧客に適合であるかどうかを客観的に判断していることを判明したうえで、民事裁判におけるブローカーの民事責任(損害賠償)に関する裁判例の分析を行い、両者の結果を比較することによって、適合性原則違反による民事責任の成立要件、判断構造、行政判断との関係を検討し、行政責任の認定基準と異なり、連邦裁判所は、適合性原則違反による民事責任を認定するとき、顧客の投資目的を中心に投資取引が当該顧客に適合するか否かを判断したうえで、民事責任に導くために、不適合についてのブローカーの主観的要件を必要とすると共に、不適合であることについて顧客の認識の有無も問題としていることを明らかにした。つまり、米国においては、適合性原則違反に対し、行政上と民事上の責任認定それぞれに応じて、その判断構造が異なり、それに即して適合性原則の意味および投資者の自主性との関係もそれぞれ異なっている。 また、日本の裁判例ならびに学説の状況を検討して、その問題点を指摘するとともに、米国法からの示唆をもとに、今後の日本におけるあるべき適合性原則の考え方や、違反に対する民事責任追及の判断構造の方向性を示した。これによって、これまで漠然と語られてきた「適合性原則」とされるものの法的意義や本来的機能が、わずかなりとも解明できたのではないかと考えている。

MISC

  • 最高裁平成17年1月27日判決民集59巻1号200頁に関する判例研究 査読

    王 冷然

    法学   70巻 ( 2号 )   189 - 201   2005年6月

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    記述言語:日本語   掲載種別:速報,短報,研究ノート等(学術雑誌)  

    不動産を目的とする一個の抵当権が数個の債権を担保し、そのうちの一個の債権のみについての保証人が当該債権に係る残債務全額につき代位弁済した場合において、当該抵当不動産の換価による売却代金が被担保債権のすべてを消滅させるに足りないときの上記売却代金からの弁済受領額に関する判例研究である。

  • 最高裁平成17年7月14日判決(民集59巻6号1323頁)に関する判例研究 査読

    王 冷然

    法学   70巻 ( 4号 )   147 - 160   2006年10月

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    記述言語:日本語  

    証券会社の担当者によって勧誘された証券が当該顧客に適合性を有するか否か、また、適合性原則に違反した勧誘行為がいかなる場合に不法行為になるかという適合性原則の運用および民事責任との関係に関するリーディングケースとなった最高裁の判例研究である。

  • 最高裁平成24年2月2日判決(民集66巻2号89頁)に関する判例研究 査読

    王 冷然

    法学   77巻 ( 4号 )   116 - 126   2013年10月

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    記述言語:日本語  

    人の氏名、肖像等を無断で使用する行為がいわゆるパブリシティ権を侵害するものとして不法行為上違法となるかどうかについての判断基準を判示した最初の最高裁の判例研究である。

  • 外国人に対する先物取引の勧誘行為と不法行為(東京地判平成5・8・31)

    消費者法判例百選[第2版]   24 - 25   2020年9月

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    出版者・発行元:有斐閣  

    外国人を相手に投資取引を勧誘するときに、適合性原則違反の有無が問題となる裁判例を素材に、適合性原則違反の有無を判断するにあたって、「外国人」という属性がどのように考慮されるべきかを検討した。

  • 在留外国人に対する先物取引の勧誘行為と不法行為 招待 査読

    廣瀬久和=河上正二編・消費者法判例百選<別冊ジュリスト200号>   22 - 23   2010年6月

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    記述言語:日本語   出版者・発行元:有斐閣  

    外国人に対する投資勧誘行為がいかなる要件の下で不法行為になるかに関する裁判例の解説で、外国人という観点からの能力問題や適合性原則の応用可能性を検討したものである。

  • 「差玉向かい」取引手法に関する説明義務

    金融・商事判例   増刊1511号   52 - 57   2017年3月

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    先物取引において、業者側が「差玉向かい」取引手法を利用することを顧客に説明すべきかどうかに関する最高裁の二つ判決を中心に、説明義務の認定について検討したものである。

  • 「投資取引訴訟における過失相殺の実情と課題」 招待

    王 冷然

    先物・証券取引被害研究   ( 53号 )   26 - 39   2024年9月

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    記述言語:日本語  

  • 適合性原則の理論的基礎

    先物・証券取引被害研究   41号   9 - 21   2013年11月

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    最新の裁判例を素材として、日本での理解状況を中心に適合性原則をどのように捉えるべきか、また運用する際に、説明義務や助言義務との関係をどのように認識すべきかについて、理論的な検討を行ったものである。

  • 新・判例ハンドブック 民法総則

    121 - 126   2015年5月

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    出版者・発行元:日本評論社  

    無効および取消しに関するいくつかの判例を解説したものである。

  • 「定型約款の規定について

    ビジネス法務   16巻3号   104 - 108   2016年3月

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    債権法改正において、新設された「定款約款」に関する規定の内容やおよび銀行実務に与えうる影響を検討したものである。

  • 「適合性原則」の現在と未来

    現代消費者法   23号   50 - 53   2014年6月

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    受賞スピーチとして、日本での適合性原則をめぐる議論状況や将来の展望について言及したものである。

  • 個人保証における保証人保護の方策

    ビジネス法務   14巻3号   134 - 138   2014年3月

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     債権法改正において、個人保証人保護に関する規定の内容や問題点を紹介したものである。

  • 米国における「合理的根拠適合性」

    消費者ニュース   109号   15 - 18   2016年10月

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    米国で重視されている「合理的根拠適合性」の内容を紹介するものである。

  • 債権法改正が銀行実務に与える影響の実証的研究

    ビジネス法務   12巻12号   106 - 110   2012年12月

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    債権法改正において、銀行実務に影響を与えうるいくつかの論点を中心に論じたものである。

  • 「適合性原則」のこれから―津谷賞受賞を機に―

    消費者法ニュース   100号   305 - 306   2014年7月

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    日本での適合性原則に関する将来像を内容とするものである。

  • アメリカにおける適合性原則違反の行政責任認定

    消費者ニュース   79号   292 - 294   2009年4月

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    アメリカにおいて、自主規制である適合性原則違反に対して、監督機関である証券取引委員会によって行われる行政責任の内容を紹介するものである。

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講演・口頭発表等

  • 適合性原則に関する基礎的考察

    日本私法学会  日本私法学会

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    開催年月日: 2012年10月

    記述言語:日本語   会議種別:口頭発表(招待・特別)  

    米国および日本における「適合性原則」をめぐる議論状況や運用実態などを整理したうえ、顧客を保護するためには、適合性原則を「狭義」と「広義」に区別すべきではなく、むしろ、適合性原則を一本化して、個々の顧客の属性に応じて適合する投資取引を顧客に勧誘することに適合性原則を純化することについて報告を行った。

  • 米国における適合性原則の現状 招待

    王 冷然

    日本消費者法学会  日本消費者法学会

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    開催年月日: 2015年11月

    記述言語:日本語   会議種別:シンポジウム・ワークショップ パネル(指名)  

    米国における適合性原則の生成・発展の過程、改正された現在の適合性原則の内容や、投資取引以外の領域での適合性原則の運用状況および日本法への示唆について、報告を行った。

  • 中日両国の民法典における定型約款の規定について

    中日民商法研究会  2020年9月  北京大学

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    中国と日本の両国の民法典に定められている「定型約款」の規定内容を比較して、それぞれの問題点と両国共有の問題点を分析した。

  • 適合性原則違反に関する裁判実務の判断手法の再検討―公益法人を対象とするものを中心に

    全国証券問題研究会  2019年3月 

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    第59回全国証券問題研究会において、「適合性原則違反に関する裁判実務の判断手法の再検討—公益法人を対象とするものを中心に」を題にして、顧客が公益法人である場合に、適合性原則違反の有無に関する裁判例の判断手法を分析し、その問題点を指摘した。

  • 適合性原則違反による損害賠償と過失相殺―日本の裁判例を中心に

    中日民商法研究会  2018年9月  中国社会科学院法学研究所

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    金融業者が適合性原則に違反し顧客に投資勧誘を行った場合、損害賠償額を判定するにあたって、裁判例はどのように過失相殺を認定しているか、そのような認定手法にどのような問題点があるかについて、報告を行った。

  • 日本改正民法における定型約款の規定について

    中日民商法研究会  2017年9月  中国社会科学院法学研究所

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    改正された日本民法に新たに設定された定型約款に関する規定について、その内容や意味、問題点を中心に報告を行った。

  • 適合性原則の理念および適用範囲

    International High-end Forum on Rule of Law and reform  2016年11月  中国・浙江大学

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     日本と米国における適合性原則の現状を踏まえて、適合性原則の理念とはなにか、投資取引のみならず、消費者取引全般にも適用できるかについて、報告を行った。

  • 成年後見制度と成年後見人責任との関連性~最高裁平成28年3月1日判決を手がかりとして~

    中日民商法研究会  2016年9月  中国社会科学院法学研究所

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    比較法的視点から中国の民法総則草案に規定されている成年後見制度の問題点と日本最高裁判決を素材に、成年後見制度と監督者責任の関連性について報告を行った。

  • 日本民法改正案における個人保証人保護について

    中日民商法研究会  2015年9月  中国社会科学院法学研究所

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    個人保証人の保護について、「「民法(債権関係)の改正に関する中間試案に提示された方策を起点とし、「民法(債権関係)の改正に関する要綱仮案」を経て、「民法(債権関係)の改正に関する要綱案」まで規定内容の変化を精査し、「改正法案」に定められている個人保証人の保護策の意義および問題点について、報告を行った。

  • 日本における適合性原則の運用状況

    中日民商法研究会  2014年9月  中国社会科学院法学研究所

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    日本での適合性原則に関する裁判例の動向や学説の状況および問題点について、報告を行った。

  • 適合性原則の理論的基礎

    先物取引被害研究会  2013年4月  先物取引被害全国研究会

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    最新の裁判例を素材として、日本での理解状況を中心に適合性原則をどのように捉えるべきか、また運用する際に、説明義務や助言義務との関係をどのように認識すべきかについて、報告を行った。

  • 投資取引訴訟における過失相殺の実情と課題 招待

    王 冷然

    第69回全国証券問題研究会  全国証券問題研究会

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    開催年月日: 2024年2月

    記述言語:日本語   会議種別:口頭発表(基調)  

    開催地:福井市  

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受賞

  • 津谷裕貴・消費者法学術実践賞 

    2014年3月   津谷裕貴・消費者法学術実践賞委員会   著書『適合性原則と私法秩序』

共同研究・競争的資金等の研究課題

  • 投資取引訴訟における損害賠償額の調整に関する実態的・法理論的研究

    2016年

    日本学術振興会  科学研究費補助金 基盤C 

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    担当区分:研究代表者  資金種別:競争的資金

    配分額:1100000円

  • 消費者取引にとって「適合性」とは何か?

    2013年

    公益財団法人 全国銀行学術研究振興財団  研究助成 

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    担当区分:研究代表者 

    配分額:750000円

  • 消費者取引における「適合性原則」の役割に関する比較法的研究

    2013年

    日本学術振興会  科学研究費補助金 基盤C 

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    担当区分:研究代表者  資金種別:競争的資金

    配分額:1300000円

  • 高齢消費者取引紛争における「適合性原則」の意義と機能についての基礎的考察

    2014年

    公益財団法人 民事紛争処理研究基金  研究助成 

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    担当区分:研究代表者 

    配分額:500000円

  • AIの活用時代における専門家責任の再構築に関する実態的・法理論的研究

    2021年

    日本学術振興会  科学研究費補助金 基盤研究(C)(一般) 

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    担当区分:研究代表者  資金種別:競争的資金

    配分額:4160000円

     人工知能(AI)の急速な発展によって、役務提供に関する環境にも大きな変化が生じており、特に役務提供者側の債務の内容や責任の認定方法、消費者側の選択や意思決定などが影響を受けている。このような社会背景のもとで、役務提供者と消費者との間の権利義務関係や責任の認定方法等について、新しい視点から再検討する必要がある。そこで、本研究では、医療や金融などの領域においてAIの活用による影響を視野に取り入れて、役務提供者の債務内容の形成および責任の認定について、比較法的観点を取り入れつつ、総合的に検討することにより、①AIの活用は消費者の意思決定や役務提供者の債務内容にいかなる影響を与えうるかを明らかにし、同時に、②役務提供者の「専門性」に着目し、AIを利用する場合における責任認定の判断構造を分析することにより、最終的に、③AIを利用する場合における専門家たる役務提供者の責任論を再構築することを目的とする。

  • 損害賠償の法理

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    契約違反や不法行為によっ損害が生じた場合、損害の認定および賠償額の調整に関する法理論を研究する。

  • 投資取引訴訟における損害賠償額の減額事由

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    投資取引訴訟における損害賠償額の調整をめぐる裁判の実態を精査し、そこに体現された損害賠償額を割合的に減額する根拠を分析し、その当否を検討する。

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その他教育活動及び特記事項

  • 2015年
    新・判例ハンドブック 民法総則
  • 2013年
    講演 適合性原則の理論的基礎
  • 2018年10月
    教育方法の実践