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年度
Year
著書名
Title of the books
著書形態
Form of Book
NeoCILIUS
   請求番号/資料ID
Request No
出版機関名 Publishing organization,判型 Book Size,頁数 No. of pp.,発行年月(日) Date
2010  適合性原則と私法秩序  単著   
信山社  , A5  , 416  , 20100320   

概要(Abstract) 本書では、日本の金融取引法ならびに消費者契約法改正論議でも注目を浴びている、いわゆる「適合性原則」について、その本来的な意義と、これに違反する場合の民事責任についてあるべき判断構造を明らかにすることを目的とした。
本書は、適合性原則を生み出した米国法を素材に、米国における適合性原則の起源、発展およびその内容を明らかにし、適合性原則違反に対しての全米証券取引委員会(SEC)の審決を具体的に分析することで、SECは適合性原則違反による行政責任の有無を認定するとき、ブローカーおよび顧客の主観的態様の如何を問わず、顧客の投資目的と財産状態に照らして行われた投資取引が当該顧客に適合であるかどうかを客観的に判断していることを判明したうえで、民事裁判におけるブローカーの民事責任(損害賠償)に関する裁判例の分析を行い、両者の結果を比較することによって、適合性原則違反による民事責任の成立要件、判断構造、行政判断との関係を検討し、行政責任の認定基準と異なり、連邦裁判所は、適合性原則違反による民事責任を認定するとき、顧客の投資目的を中心に投資取引が当該顧客に適合するか否かを判断したうえで、民事責任に導くために、不適合についてのブローカーの主観的要件を必要とすると共に、不適合であることについて顧客の認識の有無も問題としていることを明らかにした。つまり、米国においては、適合性原則違反に対し、行政上と民事上の責任認定それぞれに応じて、その判断構造が異なり、それに即して適合性原則の意味および投資者の自主性との関係もそれぞれ異なっている。
また、日本の裁判例ならびに学説の状況を検討して、その問題点を指摘するとともに、米国法からの示唆をもとに、今後の日本におけるあるべき適合性原則の考え方や、違反に対する民事責任追及の判断構造の方向性を示した。これによって、これまで漠然と語られてきた「適合性原則」とされるものの法的意義や本来的機能が、わずかなりとも解明できたのではないかと考えている。
 

備考(Remarks)  

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