2025/02/21 更新

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ミナミ ユウゾウ
南 祐三
MINAMI Yuzo
所属
国際教養学部 国際教養学科 准教授
職名
准教授
連絡先
メールアドレス
主な研究課題
短期研究:フランスにおける対独協力者に対する粛清裁判(1944~1949年)の実態
その他の研究課題
対日・対独協力者の責任追及とその亡命活動を通じた記憶政治の国際比較研究
専攻分野
西洋史
フランス現代史
外部リンク

学位

  • 博士(文学) ( 2015年2月   早稲田大学 )

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    博士

    学位論文名:パリの週刊紙『ジュ・スイ・パルトゥ』によるコラボラシオン――ナショナリズム・ファシズム・協力主義――

研究分野

  • 人文・社会 / ヨーロッパ史、アメリカ史  / フランス近現代史

  • 人文・社会 / 史学一般

学歴

  • 早稲田大学   文学研究科   史学(西洋史)

    - 2012年3月

  • 早稲田大学   教育学部   地理歴史専修

    - 2002年3月

所属学協会

  • 世界史研究会

  • 早稲田大学西洋史研究会

  • 現代史研究会

  • 日本ユダヤ学会

  • 日仏歴史学会

  • 歴史学研究会

  • 日本西洋史学会

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委員歴

  • 世界史研究会  

  • 早稲田大学西洋史研究会  

  • 現代史研究会  

  • 日本ユダヤ学会  

  • 日仏歴史学会  

  • 歴史学研究会  

  • 日本西洋史学会  

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留学歴

  • 2007年9月 - 2008年6月   パリ政治学院   交換留学生

論文

  • ヴィシー時代のココ・シャネルと対独協力

    ユリイカ   第53巻第8号   236 - 244   2021年7月

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    出版者・発行元:青土社  

    芸術・批評誌『ユリイカ』のココ・シャネル特集号に寄稿した論考。第二次世界大戦期、シャネルの祖国フランスの一部はドイツ軍によって占領されたが、シャネルはドイツが接収したパリの高級ホテルに住まい、ドイツ人貴族と親交を深めた。そうした対独協力の側面に光を当て、シャネルの華やかな生涯に潜む陰の歴史を描いた。

  • ジャック・バンヴィルのヴェルサイユ条約批判――一九二〇年代フランス右翼のドイツ観再検討のために――

    軍事史学   第56巻第4号   30 - 55   2021年3月

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    出版者・発行元:軍事史学会  

    100年の時を経て、近年、第一次世界大戦や大戦の終わらせ方に関する研究が活況を呈している。同様の観点から、研究雑誌『軍事史学』においても「特集 1920年代再考」が組まれ、本稿はそれに寄稿した論文である。注目したのは、大戦をつうじて固定され、少なくとも1920年代前半まで継続されたと考えられているフランスの反独感情の形成過程である。具体的な分析対象としては、第三共和政期フランス右翼の代表的な政治団体アクシオン・フランセーズの国際関係専門家で、歴史家兼ジャーナリストだったジャック・バンヴィルによる二つの著作を取り上げた。

  • ドイツ軍占領下のフランス(1940~44年)における権力と民衆――ヴィシー政府によるナチ・ドイツへの労働力提供――

    史學研究   296   45 - 73   2017年6月

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    出版者・発行元:広島史学研究会  

    2016年度広島史学研究会大会シンポジウム「戦時下の民衆と権力」での報告を文章化したものである。占領期フランスのヴィシー政府による対独協力の一環として行われた強制労働徴用の問題に焦点を当てた。具体的には、文書館史料を分析を踏まえ、ヴィシー政府がいかなるプロパガンダと情報統制によって民衆をドイツでの労働に駆り立てようとしたのか、またそれに対する民衆の反応はいかなるものだったのかを検討した。

  • 19世紀末から20世紀初頭におけるフランス右翼ナショナリズムとドイツ――モーリス・バレスを中心に

    西洋史論叢   38   35 - 50   2016年12月

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    出版者・発行元:早稲田大学西洋史研究会  

    早稲田大学西洋史研究会第67回大会のシンポジウム「ナショナリズム――ドイツとフランス、フランスとドイツ」における報告を文章化したものである。先行研究では、第三共和政のフランス右翼ナショナリズムは反独姿勢に象徴されるとみられがちだが、本稿は必ずしもそうではないことを実証した。ドイツ哲学に影響を受け、ドイツの事例を模範とすることを厭わなかったバレスに注目し、彼のナショナリズム理論のなかでドイツがいかに位置づけられているのかを分析した。

  • 対独協力主義プレス『ジュ・スイ・パルトゥ』による「フランス再生」――反「共和国精神」とファシズムへの親和性――

    史観   第164冊   65 - 87   2011年3月

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    出版者・発行元:早稲田大学史学会  

    対独協力という現象の重層性・複雑性を描き出すべく、対独協力を選択したグループをヴィシー派とパリの協力主義者に分類し、両者の間にある思想的相違点を分析した。両者はともに、共和政の打倒をめざしていた点では共通していたが、そのために用いる手段としてのファシズムへの信頼性や、進行中の戦争がもたらす未来のヨーロッパ像についての見通しにおいて、決定的に相違していたことが本稿の考察から判明した。

  • 極右週刊紙『ジュ・スイ・パルトゥ』(1930-1944年)の反ユダヤ主義

    ユダヤ・イスラエル研究   23   35 - 45   2009年3月

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    出版者・発行元:日本ユダヤ学会  

    フランス・ファシズム思想を解明すべく、その特徴の一つである反ユダヤ主義に注目した。具体的には、『ジュ・スイ・パルトゥ』の1930年代末における二つの「ユダヤ」特集号と、ヴィシー時代におけるユダヤ関連記事を分析し、同紙の反ユダヤ論の特徴を整理した。同紙が親ファシズムのメディアであったことから、ヒトラーの反ユダヤ政策にも好意的であったと短絡しがちであるが、実際には同紙はナチスの反ユダヤ主義を批判してもいる。そうした思考のメカニズムを解明した。

  • ナショナリズム・ファシズム・コラボラシオン――フランス極右週刊紙『ジュ・スイ・パルトゥ』(1930-1944)のドイツ観――

    現代史研究   54   19 - 34   2008年12月

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    出版者・発行元:現代史研究会  

    『ジュ・スイ・パルトゥ』をモデルに、《ヴィシー時代の対独協力主義者は、なぜその道を選んだのか》、また《その主張(協力主義イデオロギー)はいかにして導き出されたのか》という問題を検討した。考察手順としては、まず、1930年代における同紙のドイツ観を紙面分析から描き出し、次に、ヴィシー時代における協力主義者としての主張を検討し、最後に、これら二つに時期の言説をつなぐ同紙の主張の論理構造の解明を試みた。

  • 国際情報紙から対独協力主義メディアへ――パリの極右週刊紙『ジュ・スイ・パルトゥ』の誕生とその展開――

    立正西洋史   25   37 - 58   2008年10月

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    出版者・発行元:立正大学西洋史研究会  

    本稿は第一に、ヴィシー時代に対独協力主義の典型例となる『ジュ・スイ・パルトゥ』が、そもそもいかなる経緯で創刊されたのかを探り、出版元のファイヤール書店の社歴に注目しながら、同紙の創刊過程を検討した。第二に、1930年代からヴィシー時代におけるフランス右翼メディアの全体像を提示した。発行部数や執筆者などの一覧表を作成し、比較検討により各メディアの特徴を指摘した。

  • ピエール・ガクソットと極右週刊紙『ジュ・スイ・パルトゥ』の分岐点

    早稲田大学大学院文学研究科紀要   第52輯、第四分冊   41 - 48   2007年2月

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    出版者・発行元:早稲田大学大学院文学研究科  

    『ジュ・スイ・パルトゥ』のメンバー間にみられる思想的相違点を探るべく、二代目編集長ガクソットとより若いメンバーの言説との比較考察を行った。その結果、保守的なガクソットがドイツに対しても慎重な態度を保持していた一方で、若いメンバーのなかには、より積極的にナチズムを賞賛し、フランス再生の模範と捉える者がいたことを描き出した。そこから、両者の溝がのちに同紙を分裂させる要因になったことを解明した。

  • 1930年代フランス極右新聞『ジュ・スイ・パルトゥ』の対ドイツ観

    西洋史論叢   27   27 - 40   2005年12月

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    出版者・発行元:早稲田大学西洋史研究会  

    両大戦間期フランス右翼のドイツ観に着目しながら、当時のフランス右翼の世界観の解明を試みた。考察対象は、ファイヤール書店から創刊されたパリの極右週刊紙『ジュ・スイ・パルトゥ』である。同紙の1930年代における紙面分析から、親ドイツ的側面と反ドイツ的側面を析出した。最もドイツに好意的な右翼メディアの一つだった同紙の背後にある、戦争回避やフランス国家の再生といったより本質的な主張を描き出した。

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書籍等出版物

  • ナチス・ドイツとフランス右翼――パリの週刊紙『ジュ・スイ・パルトゥ』によるコラボラシオン――

    ( 担当: 単著)

    彩流社  2015年6月 

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    総ページ数:319 p.  

    フランス現代史における「暗部」といわれるヴィシー時代について、特にコラボラシオン(対独協力)に着目してその実態を究明した。具体的な分析対象は、対独協力主義メディア『ジュ・スイ・パルトゥ』(1930~1944年)である。同紙の1930年代におけるドイツ観の分析と、ナチス・ドイツに敗戦したあとの政治的言説を検討した。それらの考察をつうじて、「協力主義者はいかなる過程を経てその道を選択したのか」という問題を実証研究により明らかにした。

  • ジャン=イヴ・カミュ、ニコラ・ルブール『ヨーロッパの極右』

    ( 担当: 共訳)

    みすず書房  2023年4月 

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    総ページ数:432 p.  

    本書は、Jean-Yves Camus et Nicolas Lebourg, Les Droites extrêmes en Europe, Éditions du Seuil, 2015の全訳である。監訳者として全編の翻訳に関わった。

  • グレーゾーンと帝国――歴史修正主義を乗り越える生の営み

    ( 担当: 共著)

    勉誠社  2023年3月 

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    総ページ数:536 p.  

    戦時期の「抵抗と協力のあいだ」(グレーゾーン)に生まれた歴史的現象について、最新の研究成果を交えて、地域横断的に比較分析した共同研究の成果。コラム「コラボラシオンの中のグレーゾーン――「反独コラボ」シャルル・モラス」(183-198 p.)を担当した。 

  • アンリ・ルソー『過去と向き合う――現代の記憶についての試論』

    吉田書店  2020年10月 

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    総ページ数:317 p.  

    本書は、Henry Rousso, Face au passé : Essais sur la mémoire contemporaine, Belin / Humensis, 2016の全訳である。第II部「フランスの国民的記憶について」(74-173 p.)の訳出を担当した。

  • 現代フランス哲学入門

    ( 担当: 共著)

    ミネルヴァ書房  2020年7月 

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    総ページ数:480 p.  

    川口茂雄・越門勝彦・三宅岳史編集のもと刊行された現代フランス哲学の入門書である。「コラム 人民戦線」(158-159 p.)および 「コラム アクシオン・フランセーズ」(160-161 p.)を担当した。

  • エリア・スタディーズ179:フランスの歴史を知るための50章

    ( 担当: 単著)

    明石書店  2020年5月 

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    総ページ数:373 p.  

    中野隆生・加藤玄編集のもと刊行されたエリア・スタディーズのフランス史である。「41章 第一次世界大戦とフランス――崩されゆく国民的神話」(292-298 p.)および 「42章 両大戦間期のフランス――体制崩壊の危機を乗り越え、社会の分裂を招いた20年」(299-305 p.)を担当した。

  • 新しく学ぶフランス史

    ( 担当: 共著)

    ミネルヴァ書房  2019年11月 

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    総ページ数:323 p.  

    本書は、平野千果子編集のもと刊行された新たなフランス史の通史である。とりわけ、「宗教・対外関係・ジェンダー」という新たな視点からフランスの歴史を描き直そうという意欲的な試みである。その中で「第9章 大戦から大戦へ――変動する世界とフランス社会」(226-240 p.)と「コラム ホロコーストとフランス」(241-243 p.)を担当した。

  • 富山大学人文学部叢書II 人文知のカレイドスコープ

    ( 担当: 共著)

    桂書房  2019年3月 

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    総ページ数:115 p.  

    富山大学人文学部所属の研究者たちによる論文集である。「フランス右翼ナショナリズムの論理構造――シャルル・モラスが設定した二つの「敵」――」(14-24 p.)を担当した。

  • リチャード・J・エヴァンズ『力の追求——ヨーロッパ史1815-1914』

    ( 担当: 共訳)

    白水社  2018年5月 

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    総ページ数:433 p.  

    本書は、Richard J. Evans, The Pursuit of Power : Europe 1815-1914, London(Allen Lane), 2016の全訳である。7章「民主主義の挑戦」(213-320 p.)の訳出を担当した。

  • ヨーロッパの政治文化史 統合・分裂・戦争

    ( 担当: 共著)

    成文堂  2018年3月 

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    総ページ数:297 p.  

    本書は、早稲田大学地域・地域間研究機構に属するプロジェクト研究所である、早稲田大学ヨーロッパ文明史研究所の共同研究の成果である。所長である森原隆編集のもと刊行された「統合・分裂・戦争」をテーマとしたヨーロッパ史の論文集で、「第16章 解放期から第四共和政下フランスにおける粛清――対独協力者はいかにして裁かれたのか――」(275-297 p.)を担当した。

  • 歴史を社会に活かす 楽しむ・学ぶ・伝える・観る

    ( 担当: 共著)

    東京大学出版会  2017年5月 

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    総ページ数:310 p.  

    本書は歴史学研究会編集のもと刊行された企画出版で、どうすれば歴史を社会に活かすことができるか、という問題にこたえることを目指した。歴史学者のみならず、歴史と社会との接点を担う関係者(出版編集者、学校教育者、博物館関係者)による論考も収められている。その中の「伝える――多様化するメディアと情報」の章に設置されたコラム「ヴィシー時代のフランスにおける新聞・ラジオの戦争協力」(202-205 p.)を担当した。

  • ヨーロッパ史のなかの思想

    ( 担当: 共著)

    彩流社  2016年3月 

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    総ページ数:365 p.  

    大内宏一(早稲田大学教授・ドイツ近代史)編集のもと刊行された「思想」をキーワードとしたヨーロッパ史に関する論文集。「近くて遠いナショナリストたち――シャルル・モーラス著『君主政についてのアンケート』から読み解く君主主義者と共和主義者の思想的相違」(185-214 p.)を担当した。

  • ジャン=フレデリク・ショーブ「「人種」カテゴリーによる差別と排斥――近世イベリア半島における反ユダヤ政策を事例に

    ( 担当: 単訳)

    早稲田大学西洋史研究会 西洋史論叢  2014年12月 

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    担当ページ:pp. 183-198  

    Jean Frédéric Schaub, « L’antisémitisme : cas particulier ou matrice du racisme occidental ? »の全訳である。平成26年4月に早稲田大学高等研究所の招聘研究員として来日し、講演を行ったフランス人研究者ジャン=フレデリク・ショーブによる上記論文を翻訳した。近世スペイン氏を専門とするショーブ氏による反ユダヤ主義についての論文であり、近代反ユダヤ主義の特徴の一つと認識されている人種差別主義的要素(血による差別)の萌芽を近世イベリア半島の異端審問の過程において見出すことができることを論じている。

  • ヨーロッパ・「共生」の政治文化史

    ( 担当: 共著)

    成文堂  2013年3月 

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    総ページ数:396 p.  

    本書は、2004年4月に発足した早稲田大学総合研究機構の組織の一つ、早稲田大学ヨーロッパ文明史研究所による共同研究の成果である。所長である森原隆編集により刊行された「共生」をテーマとしたヨーロッパ史に関する論文集で、「第7章 「共生」の場としてのパリ・ジャーナリズム――対独協力プレスと占領当局――」(126-151 p.)を担当した。

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MISC

  • 2021年の歴史学界 回顧と展望 ヨーロッパ(現代―フランス)

    史学雑誌   第131編第5号   378 - 382   2022年5月

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    出版者・発行元:公益財団法人史学会  

  • 書評 中村督著『言論と経営――戦後フランス社会における「知識人の雑誌」』(名古屋大学出版会、2021年)

    現代史研究   67   111 - 117   2021年12月

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    掲載種別:書評論文,書評,文献紹介等   出版者・発行元:現代史研究会  

  • 抑圧された記憶を取り戻し、信頼すべき共和制国家の裏切りを問う――フランスという「国家の理論」を考察した歴史書:ピエール・ビルンボーム著、大嶋厚訳『ヴィシーの教訓』

    図書新聞   3513   p. 2   2021年9月

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    掲載種別:書評論文,書評,文献紹介等   出版者・発行元:武久出版株式会社  

  • 書評 渡辺和行『ドゴールと自由フランス――主権回復のレジスタンス――』

    歴史学研究   983   45 - 49   2019年5月

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    掲載種別:書評論文,書評,文献紹介等   出版者・発行元:歴史学研究会  

  • 「資料編―解説・解題」、「資料編―新聞報道にみる戦争 2.フランスの新聞」

    日露戦争を報道した海外紙記事翻訳集:2009-2013松山市受託研究報告書   2014年3月

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    出版者・発行元:成文堂  

    立命館大学日露戦争史料調査会の編集による2009-2013年松山市受託研究の成果報告書。フランス日刊紙(『フィガロLe Figaro』や『ル・タンLe Temps』)における、日露戦争や第一次世界大戦、満州事変に関わる記事の翻訳(68-74 p.)およびフランスの新聞に関する「解説・解題」(58-59 p.)を担当した。

  • パリの週刊誌『ジュ・スイ・パルトゥ』による反体制プロパガンダ――1930年代からヴィシー期におけるフランス右翼ナショナリズムの隆盛と限界――

    ヨーロピアン・グローバリゼーションと諸文化圏の変容 研究プロジェクト報告書V   235 - 244   2012年3月

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    出版者・発行元:東北学院大学オープン・リサーチ・センター  

    平成23年9月に開催された、東北学院大学オープン・リサーチ・センター公開フォーラム「危機の時代と「国民」、プロパガンダ――戦間期ドイツ、ロシア、フランス――」において、講演者の一人として参加。その時の講演内容を文章化したものである。フランスの極右週刊紙『ジュ・スイ・パルトゥ』の反体制プロパガンダの意図と構造について論じた。

  • 1930年代の遺産と記憶――フランス人民戦線70周年と日仏比較」参加記

    日仏歴史学会会報   23   9 - 12   2008年5月

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    出版者・発行元:日仏歴史学会  

  • マルク・ブロック著、平野千果子訳『奇妙な敗北――1940年の証言――』

    史学雑誌   第116編11号   115 - 116   2007年11月

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    出版者・発行元:公益財団法人史学会  

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講演・口頭発表等

  • 第三共和政期フランス右翼シャルル・モラスによる共和主義政治批判 招待

    南祐三

    日本大学経済学部グローバル社会文化研究センター(共催:日本大学史学会)シンポジウム「両大戦間期における複数政党制の「終焉」に関する比較研究」  2024年7月  日本大学経済学部グローバル社会文化研究センター

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    開催年月日: 2024年7月

    会議種別:口頭発表(招待・特別)  

    開催地:日本大学  

  • フランスにおける対独協力者に対するエピュラシオン(粛清)1944〜1953年――司法裁判と大赦に注目して――

    南山学会人文・自然系列 春学期研究例会  2023年7月  南山学会

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    フランスで第二次世界大戦末期から1950年代初頭にかけて実施された、対独協力者に対するエピュラシオン(粛清)とアムニスティ(大赦)の実態について分析した。 エピュラシオンに関して、まず司法に基づく裁きとそれ以外の形式による粛清行為を区別して整理し、特に司法裁判の制度的特徴についてまとめた。次に、判決の一覧表から司法裁判の一般的な傾向について解説した。  アムニスティについては、まず1951年および53年のアムニスティ法制定に至る政治過程を確認し、同法の思想的背景について概観した。続いて、粛清のための特別法廷に関連する文書館史料からいくつかの具体的な事例を抽出し、対独協力者がいかにして訴追され、どんな調査が実施され、どのようなプロセスを経て赦されていくのかについて検討した。  まとめとしては、第一に、粛清裁判の実施にあたり1944年8月26日のオルドナンスによって導入された「祖国反逆罪」の適用が、フランスの共和国的価値を再確認する機能を果たしていたことを指摘した。ドイツ軍に占領されていた4年間、実質的な敗戦国で、ナチへの協力国家だったフランスは、この罪状により約98000人の対独協力者に有罪判決を出すなかで、裁く側(レジスタンス勢力)を含め、共和国フランスはどうあるべきか、そのナショナル・アイデンティティを再認識したのである。  第二に、この研究をつうじて見えてきたこととして、コラボラシオン(対独協力)というフランス現代史における暗部は、その後のエピュラシオンそしてアムニスティ(大赦)までを検討してようやくその全体像が把握できる問題であることを述べた。とりわけ戦後から現代にいたるまでのフランスの政治社会の基礎や変遷を理解するうえで、その作業は不可欠であることを指摘した。

  • 1940年代後半から1950年代における右翼プレスの再編――対独協力者のその後に着目して――

    第179回(再編第54回)関西フランス史研究会例会  2019年1月  関西フランス史研究会

  • ヴィシー期フランスの統治体制――中間団体と情報統制に着目して――

    中国基層社会史研究会  2018年12月  中国基層社会史研究会研究例会

  • フランス右翼ナショナリズムの論理構造――Ch・モラスが設定したふたつの「敵」

    第9回富山大学人文学部コレギウム  2018年9月  富山大学人文学部

  • 第二次世界大戦後におけるフランス右翼プレスの再編

    近現代史研究会第116回研究会  2017年10月  近現代史研究会

  • ドイツ軍占領下フランス(1940~44年)における権力と民衆―ヴィシー政府による情報統制―

    2016年度広島史学研究会大会シンポジウム「戦時下の民衆と権力」  2016年10月  広島史学研究会

  • 19世紀末から20世紀初頭におけるフランス右翼ナショナリズムとドイツ

    早稲田大学西洋史研究会第67回大会(共催:早稲田大学ヨーロッパ文明史研究所)シンポジウム「ナショナリズム再考―ドイツとフランス、フランスとドイツ―」  2015年12月  早稲田大学西洋史研究会

  • 19世紀末フランス右翼ナショナリズムにおける「あるべき国家像」――シャルル・モーラス著『君主政についてのアンケート』をめぐって――

    フランス経済史研究会  2015年12月  フランス経済史研究会

  • 対独協力ジャーナリズムとドイツ当局

    ドイツ現代史学会第37回大会  2014年9月  ドイツ現代史学会

  • アクシオン・フランセーズの反ユダヤ主義――シャルル・モーラスのふたつの「敵/エトランジェ」――

    日本ユダヤ学会2013年度関西例会  2013年11月  日本ユダヤ学会

  • モーラス主義とファシズム――『アクシオン・フランセーズ』と『ジュ・スイ・パルトゥ』の分岐点――

    フランス史研究会第34回大会  2012年12月  フランス史研究会

  • 1930年代フランス右翼による「あるべきフランス国家像」――『アクシオン・フランセーズ』と『ジュ・スイ・パルトゥ』の比較考察――

    京都大学西洋史読書会第80回大会  2012年11月  京都大学西洋史読書会

  • ヴィシー期パリにおける仏独「共生」――対独協力メディアの統制と活動の実態――

    早稲田大学西洋史研究会第60回大会  2012年7月  早稲田大学西洋史研究会

  • パリの週刊誌『ジュ・スイ・パルトゥ』による反体制プロパガンダ――1930年代からヴィシー期におけるフランス右翼ナショナリズムの隆盛と限界――

    東北学院大学オープン・リサーチ・センター公開フォーラム「危機の時代と「国民」、プロパガンダ――戦間期ドイツ、ロシア、フランス――」  2011年9月  東北学院大学オープン・リサーチ・センター

  • 歴史学をつうじて自分を深める

    早稲田大学史学会連続講演会「わたしと歴史学、わたしと考古学」  2011年5月  早稲田大学史学会

  • 協力主義メディア『ジュ・スイ・パルトゥ』による「フランス再生」

    2010年度早稲田大学史学会大会  2010年10月  早稲田大学史学会

  • 反共和国精神とファシズムへの親和性――協力主義メディア『ジュ・スイ・パルトゥ』による「フランス再生」――

    第2回占領期フランス研究会  2010年10月  占領期フランス研究会

  • 対独協力メディア『ジュ・スイ・パルトゥ』の反ユダヤ主義

    日本ユダヤ学会第5回学術大会  2008年10月  日本ユダヤ学会

  • 1930年代フランス極右新聞『ジュ・スイ・パルトゥ』の対ドイツ観

    日本西洋史学会第56回大会  2006年5月  日本西洋史学会

  • フランス極右新聞の対ドイツ観――1930年代の『ジュ・スイ・パルトゥ』紙を中心に――

    早稲田大学西洋史研究会第46回大会  2005年7月  早稲田大学西洋史研究会

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共同研究・競争的資金等の研究課題

  • フランス第四共和政における右翼ジャーナリズムの再建

    2023年

    南山大学  南山大学パッヘ研究奨励金I-A-2 

      詳細を見る

    担当区分:研究代表者 

    配分額:400000円

     本研究の目的は、第二次世界大戦中のCollaboration、つまり対独協力により、活動の正当性を失ったフランス右翼ジャーナリズムが戦後いかにして再建されたのかという問題を考察することで、大戦前後の右翼史やジャーナリズム史を連続性の視点から捉えなおすことである。
     19世紀末のフランスには、すでに発行部数100万部を超える日刊紙が存在していた。両大戦間期には政治週刊誌が隆盛し、フランスの政治的・社会的動向にジャーナリズムはいっそう重要な役割を果たすようになった。そうしたなかで到来した第二次世界大戦は、フランスの主要メディアを解体し、再編する機会となった。対独協力を働いたか否かという点において、諸メディアがふるいにかけられたからである。1944年9月から実行された粛清裁判において、対独協力の罪に問われたすべての媒体は戦後の活動を禁止された。ジャーナリズムに限らず、一般的に対独協力者の多くはいわゆる右翼勢力である。したがって戦後、フランス・ジャーナリズムは政治的左右のバランスを著しく欠いた状態となった。しかし同時に、対独協力者の追及の厳しさや政治性に対する批判の声は小さくなく、早くも1940年代末から50年代にかけて、対独協力者には恩赦が与えられ、それに呼応するかのように右翼ジャーナリズムも再編されていく。
     注目すべきことに、その過程でレジスタンス勢力が分裂し、その中道および右翼の一部がかつての対独協力右翼に歩み寄るという現象が起きている。ところが先行研究は、この点を深く掘り下げて分析しておらず、概して、対独協力によって右翼プレスは衰退し、レジスタンスのおかげで左翼ジャーナリズムは政治的正当性を得たという見取り図を示すにとどまっている。しかし、戦後フランスの政治的複雑性を理解するためには、対独協力者が意外にも早く赦しを与えられ(1951年と53年に恩赦法が制定された)、裁いた者と裁かれた者との和解により、フランスが大戦で傷ついた自らを癒していったプロセスを解明する必要があると思われる。

  • 対日・対独協力者の責任追及とその亡命活動を通じた記憶政治の国際比較研究

    2023年

    南山大学  科学研究費補助金 基盤研究(C) 

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    資金種別:競争的資金

    配分額:360000円

     本課題「対日・対独協力者の責任追及とその亡命活動を通じた記憶政治の国際比較研究」は、戦後各地で実施された「協力者」に対する諸裁判、その後の彼らの亡命活動を巡る地域社会からの応答を起点に大戦時の「加害/犠牲」を巡る記憶に社会的意味付けが施されたと捉えて、そのアジアおよびヨーロッパの事例を比較検討しながら論じるものである。
     今日、国民国家あるいはグローバルな枠組みの下で共有された大戦の記憶は、原爆投下を含めた「ホロコースト」、あるいはユダヤ人や慰安婦など犠牲者の救済を主たる準拠点とするものである。一方で「対日・対独協力者」の経験が現すような「加害/犠牲」の枠組みに留まらない複雑な歴史認識の在り方は一部捨象されることになった。本研究目的は、戦後の諸裁判ならびに彼らの亡命活動が及ぼした政治的かつ社会的影響を精査することで、現在の国際社会における歴史認識問題を産んだ記憶政治の分析に新たな貢献を果たすことにある。
     第二次大戦を巡る記憶政治の研究は近年著しい発展を遂げているが、「協力者」の処遇を巡って戦後社会でいかなる歴史認識が構築されたかは未だ開拓途上の主題である。その要因として、特に本課題の分析対象である中国/欧州の粛清裁判(漢奸裁判)が研究対象として長くタブー視されていたことが挙げられる。そのため本研究の独自性は、中国史/西洋史研究者の共同研究グループ(下記参照)が、異なる政治的・社会的背景を持つ地域(中国・フランス・ユーゴスラヴィア)の諸裁判の実態について国際比較を通じて鮮明化させる点に備わっている。
     また戦後の現地社会では「協力者」として非難を受けることを避けるため、当事者の経験に関する複層的な語りは抑圧されていた。ただし「協力者」の一部は戦後の責任追及を契機に亡命し、その後の活動を通じてトランスナショナルな規模で各国の記憶政治に働きかける構図が産まれていた。本研究の創造性は、この新たな研究領域に視点を広げながら、冷戦初期の国際情勢を踏まえて戦争経験者が「下から」果たした主体的役割を照射する点にある。

  • フランスにおける対独協力者に対する粛清裁判(1944~1949年)の実態

    2023年

    日本学術振興会  科学研究費補助金 若手研究 

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    担当区分:研究代表者  資金種別:競争的資金

    配分額:780000円

    本研究は、フランスにおける対独協力者に対する粛清裁判の実態を解明するものである。ナチに協力した人びとを裁く行為は、第二次世界大戦後のフランスの出発点となるべき重要な取り組みだった。リンチや略式処刑など違法な制裁を含め、対独協力者を罰した行為は「エピュラシオン(粛清、浄化)」と総称される。それは、国家の「裏切り者」に対する報復措置でもあった。本研究はそのなかでも、ド=ゴールを首班とする共和国臨時政府が実行した1944~1949年における粛清のための司法裁判を分析する。とりわけ「国家反逆罪」という罪名に着目しつつ、法廷における対独協力をめぐる具体的な議論の内容を明らかにする。

  • 第一次世界大戦と「戦争文化」-「敵を憎む心」の形成と戦後社会への影響

    2023年

    日本学術振興会  科学研究費補助金 基盤研究(B) 

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    資金種別:競争的資金

    配分額:364000円

    本研究は、第一次世界大戦という「総力戦」体制における民間人という問題圏を、東西ヨーロッパを中心に、日本も視野に入れ、研究するものである。具体的には、1.総力戦体制下における民間人と軍・兵士の関係、2. 「前線」と「銃後」社会の境界の溶解、3.戦後社会の「暴力化」における民間人の戦争体験の意味、といった課題を扱う。その際、単に戦争の中での客体としての民間人という問題だけでなく、民間人の側の主体的な契機にも着目することによって、戦争を生きる民間人の世界そして戦争が残した民間人の意識変化を多元的に明らかにすることを目指す。
     この研究で明らかになる新たな第一次世界大戦像は、19 世紀的な夜警的国民国家から20 世紀的な干渉国家的国民国家への転換と戦間期ヨーロッパ社会の「暴力化」を跡付けることに寄与することとなる。

  • フランスにおける対独協力者に対する粛清裁判(1944~1949年)の実態

    2022年

    日本学術振興会  科学研究費補助金 若手研究 

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    担当区分:研究代表者  資金種別:競争的資金

    配分額:780000円

    本研究は、フランスにおける対独協力者に対する粛清裁判の実態を解明するものである。ナチに協力した人びとを裁く行為は、第二次世界大戦後のフランスの出発点となるべき重要な取り組みだった。リンチや略式処刑など違法な制裁を含め、対独協力者を罰した行為は「エピュラシオン(粛清、浄化)」と総称される。それは、国家の「裏切り者」に対する報復措置でもあった。本研究はそのなかでも、ド=ゴールを首班とする共和国臨時政府が実行した1944~1949年における粛清のための司法裁判を分析する。とりわけ「国家反逆罪」という罪名に着目しつつ、法廷における対独協力をめぐる具体的な議論の内容を明らかにする。

  • 第一次世界大戦と「戦争文化」-「敵を憎む心」の形成と戦後社会への影響

    2022年

    日本学術振興会  科学研究費補助金 基盤研究(B) 

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    資金種別:競争的資金

    配分額:364000円

    本研究は、第一次世界大戦という「総力戦」体制における民間人という問題圏を、東西ヨーロッパを中心に、日本も視野に入れ、研究するものである。具体的には、1.総力戦体制下における民間人と軍・兵士の関係、2. 「前線」と「銃後」社会の境界の溶解、3.戦後社会の「暴力化」における民間人の戦争体験の意味、といった課題を扱う。その際、単に戦争の中での客体としての民間人という問題だけでなく、民間人の側の主体的な契機にも着目することによって、戦争を生きる民間人の世界そして戦争が残した民間人の意識変化を多元的に明らかにすることを目指す。
     この研究で明らかになる新たな第一次世界大戦像は、19 世紀的な夜警的国民国家から20 世紀的な干渉国家的国民国家への転換と戦間期ヨーロッパ社会の「暴力化」を跡付けることに寄与することとなる。

  • フランスにおける対独協力者に対する粛清裁判(1944~1949年)の実態

    2021年

    日本学術振興会  科学研究費補助金 若手研究 

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    担当区分:研究代表者  資金種別:競争的資金

    配分額:780000円

    本研究は、フランスにおける対独協力者に対する粛清裁判の実態を解明するものである。ナチに協力した人びとを裁く行為は、第二次世界大戦後のフランスの出発点となるべき重要な取り組みだった。リンチや略式処刑など違法な制裁を含め、対独協力者を罰した行為は「エピュラシオン(粛清、浄化)」と総称される。それは、国家の「裏切り者」に対する報復措置でもあった。本研究はそのなかでも、ド=ゴールを首班とする共和国臨時政府が実行した1944~1949年における粛清のための司法裁判を分析する。とりわけ「国家反逆罪」という罪名に着目しつつ、法廷における対独協力をめぐる具体的な議論の内容を明らかにする。

  • 第一次世界大戦と「戦争文化」-「敵を憎む心」の形成と戦後社会への影響

    2021年

    日本学術振興会  科学研究費補助金 基盤研究(B) 

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    資金種別:競争的資金

    配分額:416000円

     本研究は、第一次世界大戦という「総力戦」体制における民間人という問題圏を、東西ヨーロッパを中心に、日本も視野に入れ、研究するものである。具体的には、1.総力戦体制下における民間人と軍・兵士の関係、2. 「前線」と「銃後」社会の境界の溶解、3.戦後社会の「暴力化」における民間人の戦争体験の意味、といった課題を扱う。その際、単に戦争の中での客体としての民間人という問題だけでなく、民間人の側の主体的な契機にも着目することによって、戦争を生きる民間人の世界そして戦争が残した民間人の意識変化を多元的に明らかにすることを目指す。
     この研究で明らかになる新たな第一次世界大戦像は、19 世紀的な夜警的国民国家から20 世紀的な干渉国家的国民国家への転換と戦間期ヨーロッパ社会の「暴力化」を跡付けることに寄与することとなる。

  • フランスにおける対独協力者に対する粛清裁判(1944~1949年)の実態

    2020年

    日本学術振興会  科学研究費補助金 若手研究 

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    担当区分:研究代表者  資金種別:競争的資金

    配分額:1170000円

    本研究は、フランスにおける対独協力者に対する粛清裁判の実態を解明するものである。ナチに協力した人びとを裁く行為は、第二次世界大戦後のフランスの出発点となるべき重要な取り組みだった。リンチや略式処刑など違法な制裁を含め、対独協力者を罰した行為は「エピュラシオン(粛清、浄化)」と総称される。それは、国家の「裏切り者」に対する報復措置でもあった。本研究はそのなかでも、ド=ゴールを首班とする共和国臨時政府が実行した1944~1949年における粛清のための司法裁判を分析する。とりわけ「国家反逆罪」という罪名に着目しつつ、法廷における対独協力をめぐる具体的な議論の内容を明らかにする。

  • 1930 年代における『アクシオン・フランセーズ』の政治思想

    2013年

    早稲田大学  2013 年度特定課題研究助成費 特定課題A 

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    担当区分:研究代表者 

    配分額:269000円

     本研究は、1930年代におけるフランス右翼の思想分析の一環であり、いまなおフランスの「暗黒時代」として注目されるヴィシー期におけるコラボラシオン(対独協力)という現象の解明を視野に入れている。ヴィシー期にコラボラシオンの担い手となる右翼集団の一つに焦点を当て、1930年代における主張を検討した。具体的な分析対象として、19世紀末の設立以来、フランス右翼の思想的牽引役として大きな役割を担っていた『アクシオン・フランセーズ Action française』を取り上げた。

  • フランスにおける対独協力者に対する粛清裁判(1944~1949年)の実態

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     現代世界の成り立ちを考えるうえで、第二次世界大戦に関わった国々がその経験をどう清算し、戦後社会を構築していったのかという問題は重要な検討課題であり続けている。なかでも、戦争犯罪者への裁きの実態を明らかにすることは不可欠な作業である。本研究はフランスを分析対象として、この問題を検討するものである。
     1944~49年にかけてフランスで行われた対独協力者に対する粛清裁判は、戦後の国家再建の出発点に位置づけられる重要な取り組みだった。しかし、制度的枠組みや処罰の総数などは明確にされつつあるものの、裁判中の具体的な議論の内容については今なお不明確なところが多い。そこで本研究は、法廷で被告たちに示された罪状と、実際の議論の内容に焦点を当てて、粛清裁判の実態解明を試みる。
     ナチに協力した人びとを裁く行為は、第二次世界大戦後のフランスの出発点となるべき重要な取り組みだった。リンチや略式処刑など違法な制裁を含め、対独協力者を罰した行為は「エピュラシオン(粛清、浄化)」と総称される。それは、国家の「裏切り者」に対する報復措置でもあった。本研究はそのなかでも、ド=ゴールを首班とする共和国臨時政府が実行した1944~1949年における粛清のための司法裁判を分析する。とりわけ「国家反逆罪」という罪名に着目しつつ、法
    廷における対独協力をめぐる具体的な議論の内容を明らかにする。

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その他

  • 資料調査

    2024年3月

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    フランスの国立文書館にて、第二次世界大戦後フランスにおける粛清裁判の記録および大赦のための手続き資料に関する調査を実施した。

  • 宝塚歌劇団によるインタビュー取材

    2023年12月

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    宝塚歌劇団が2024年2月より公開する花組公演『アルカンシェル』について、そのスマートフォン・アプリ「宝塚歌劇Pocket」のコンテンツとして掲載する記事のインタビューに答えた。公演は、第二次世界大戦下フランスにおけるレジスタンスを題材としており、その歴史の専門家として、当時の時代状況やレジスタンスの活動実態などについて解説した。

  • 資料調査

    2023年8月

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    フランスの国立文書館にて、第二次世界大戦後フランスにおける粛清裁判の記録資料に関する調査を実施した。

  • 研究出張

    2023年5月

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    研究分担者として参加している科研費の共同研究・基盤研究(B)「第一次世界大戦と民間人―「武器を持たない兵士」の出現と戦後社会への影響」の研究会およびワークショップのために東京大学本郷キャンパスに研究出張した。当日は、ドイツのアルベルト・ルートヴィッ・フライブルク大学教授ヤェルン・レオンハルト氏による講演ののちに、研究会メンバーによる議論が展開された。

  • 講演

    2018年9月

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    富山大学人文学部が一般公開のうえで定期的に開催している人文知コレギウムの第9回において、「フランス右翼ナショナリズムの論理構造――Ch・モラスが設定したふたつの「敵」」というタイトルで講演した。

その他教育活動及び特記事項

  • 教材作成

    2023年

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    2023年度第1クォーター、 学科科目「GLS中級フランス語I」の授業のための教材を、授業計画に即して新たに作成した。この授業では教科書を用いているが、それだけでは説明が不十分と思われる文法事項に関して追加の教材を作成した。学生からも「(テキストだけでは難しいと感じていたが)プリントを使った文法の説明が理解の助けになった」と好評を得た。

  • 教材作成

    2023年

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    2023年度第3クォーター、 学科科目「グローバル化とメディア」の授業のための教材を、授業計画に即して新たに作成した。画像資料をなるべく多く用い、視覚からも理解しやすくなるように心掛けた。学生からは「写真や映像資料などを用いて興味を引き出していた」、「スライドが見やすくまとめられていた」などと好意的な評価が得られた。

  • 教科書の作成

    2019年

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    大学におけるフランス史の授業で教科書として利用されることを想定した書籍『新しく学ぶフランス史』(平野千果子編、ミネルヴァ書房、2019年)の作成に、共著者として参加した。

メディア報道

  • 極右なぜ躍進? 民衆不満の受け皿 新聞・雑誌

    中日新聞社  『中日新聞』名古屋版朝刊、『東京新聞』朝刊  第4面  2024年7月

     詳細を見る

    執筆者:本人以外