2024/12/07 更新

写真b

ウエダ カオル
上田 薫
UEDA Kaoru
所属
経済学部 経済学科 教授
職名
教授
主な研究課題
長期研究:応用ミクロ経済学

短期研究:経済活動と紛争
専攻分野
応用ミクロ経済学

学位

  • Ph.D(Economics) ( 2000年1月   Boston University )

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    博士

    学位論文名:Three Essays on Distributive Attitudes and Public Choice

研究分野

  • 人文・社会 / 理論経済学

学歴

  • ボストン大学大学院   経済学研究科   Economics専攻

    - 2000年1月

所属学協会

  • 日本経済学会

委員歴

  • 日本経済学会  

論文

  • Selective incentives and intragroup heterogeneity in collective contests.

    Journal of Public Economic Theory   Vol.20 no.4   477 - 498   2018年8月

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    出版者・発行元:Wiley Periodicals, Inc.  

    構成員の異質性を導入した集団間コンテストにおいて各集団が個別報酬制を内生的に決定する場合の分析を行なった。プライズの評価における異質性は個別報酬制に影響を与える一方、貢献能力に関する異質性は影響しないことが明らかになった。さらに各個人の貢献について限界費用の弾力性が一定である場合には、コスト・シェアリングの程度が構成員のプライズの評価の分布のLehmer mean となることも示した。

  • Intra-group Heterogeneity in Collective Contests

    Social Choice and Welfare   Vol.43, Issue1.   219 - 238   2014年6月

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    出版者・発行元:Springer  

    各集団の内部でプライズに対する評価が一様でないような集団コンテストを考え、その均衡の存在、一意性、特徴について分析した。集団内の評価の分布が不平等であることが勝利確率を高めるかどうかは、その集団にとってコンテストが"hard"なものかどうかによって異なってくることを示した。また、集団行動に関するオルソンの予測が(selective incentive に関するものを除き)全て覆る場合があることを示した。

  • Prize Sharing in Collective Contests

    European Economic Review   Vol.55 ( issue5 )   678 - 687.   2011年6月

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    出版者・発行元:Elsevier  

    集団レントシーキングについて、各集団内で獲得した利権の分配ルールを内生化(集団の外部から観察不能な構成員間の契約として決まる)したモデルを考え、利権獲得活動の効率性において有利な集団の選ぶ分配ルールの特徴づけや、この内生化が大集団の優位性に及ぼす影響などを分析した。非効率な集団ほど構成員に強いインセンティブを与える分配ルールを選ぶこと、利権が僅かでも公共財的部分を持つだけで小集団の優位性は完全に消滅することなど、従来の直感と異なる興味深い結果が得られた。

  • フランチャイズ制におけるロイヤルティ契約-二重のモラルハザード問題の観点から-

    流通研究   第12巻第3号   1 - 12   2009年12月

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    出版者・発行元:日本商業学会  

    コンビニエンス・ストア業界では加盟店が本部に支払うロイヤルティに関して粗利益ロイヤルティ方式が主流であり、売上高ロイヤルティは例外的存在でしかない。この現象について本稿は、加盟店が本部を介さずに一部の商品を直接に仕入れる状況では、「二重のモラルハザード問題」の解決のために粗利益ロイヤルティの採用が有利になるからだという仮説を提示する。

  • Collective contests for commons and club goods

    Journal of Public Economics   Vol.93, Issues 1-2   48 - 55   2009年2月

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    出版者・発行元:Springer  

    海底資源・水資源などに関する紛争を念頭に置きつつ、獲得後に勝利集団内で共同利用される財をめぐる、集団間紛争のモデルを分析した。規模の小さい集団が紛争で優位に立つのはどのような場合か、規模の大きい集団の方が獲得した財の利用が非効率であるにも関わらず有利になるのはどのような場合か、といった問題について、各個人の紛争に投入する努力の限界費用に関する弾力性、共同利用が生む混雑の効果に関する弾力性など幾つかの弾力性概念を用いて判定できることを示した。また、集団内での共同利用の管理の高度化が、前段階の共同資源獲得の紛争において有利な集団を変えてしまう可能性があることも示した。

  • Channel Culture and Economic Performance in a Competitive Environment

    The Japanese Economy   Vol.32 No.3   92 - 104   2004年10月

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    出版者・発行元:M. E. Sharpe  

    組織文化の相違を組織内の利潤の分配ルールの相違と解釈したモデルを用い、競合する流通チェーン間の企業文化の相違がパフォーマンスの違いにどのように反映されるかを分析した。特に、平等主義的な組織文化を持つ流通チェーンほど優れたパフォーマンスを示すことを理論的に示した。さらにこの理論モデルを用いて、トヨタと日産の自動車販売組織のパフォーマンスに関する考察を行った。

  • Oligopolization in Collective Rent-Seeking

    Social Choice and Welfare   Vol.19 No.3   613 - 626   2002年7月

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    出版者・発行元:Springer  

    利権が私的財であるような(n集団の)集団レントシーキングにおいて、利権の集団内での配分が予め決められた分配ルールに従って行われるモデルを分析し、競合集団が集団の構成員数と分配ルールの双方において異なる場合に関する均衡の存在と一意性を証明、このモデルを用いて競合集団の幾つかがレントシーキングから撤退してしまう、「寡占化」が発生する条件を示した。さらに分配ルールの決定の段階まで考慮した二段階ゲームに一般化し、分配の履行にコストがかかる場合のルールの決定を考察した。

  • Three Essays on Distributive Attitudes and Public Choice

    114 pp.   1999年6月

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    出版者・発行元:ボストン大学  

    公共問題における平等主義と経済的誘因の関係について三部構成で論じた。第1部は複数のグループによるレントシーキングの問題を考える。各グループが構成員の厚生に関する平等主義の程度において異なる場合に、より平等主義的なグループほどレントを獲得できる確率が高く構成員の期待効用も高くなる、というのがそこでの結論である。第2部では単一グループを考え、生産物を分配する計画者が構成員の能力に関して区別が出来ない場合、平等主義的な分配が労働意欲に及ぼす影響を分析した。このとき能力の低いタイプと見てもらえることが分配に有利に働くために、能力の低いタイプが自分達のタイプを計画者に確信してもらおうとして働かなくなってしまうという効果が確認された。しかし、一定の条件の下では、この効果を考慮しても平等主義は生産にプラスに働くことがわかった。第3部はGames and Economic Behavior 掲載の論文にあたる。

  • On the Incentives to Cultivate Favored Minorities

    Games and Economic Behavior   25巻1号   132 - 143   1998年10月

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    選挙のルールに依存して候補者が有権者の一部のみに大きな利益を約束するような不平等な政策を提示するようになる可能性を論じたモデルの、拡張と再検討を行った。従来のモデルでは当選後に利用できる資金は一定とされていたものを、選挙民からの税の徴収の可能性と徴税コストの存在を考慮した。その結果、従来のモデルの結論はそのままでは成立しなくなること、しかし、従来のモデルにおいてより不平等な政策をもたらすとされていた選挙制度は、別の意味でやはり不平等な政策をもたらすものであることが確認された。

  • Egalitarianism and Incentives

    Journal of Economic Theory   71巻2号   324 - 348   1996年12月

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    共同生産を行う組織において、生産物の分配が社会厚生関数に基づいて行われるものとし、構成員はそのことを予期した上で生産への労働投入を各自で決めるというモデルを考察した。その目的は、組織の社会厚生関数の平等主義の程度が人々の努力水準にどのような影響を及ぼすかを分析することにある。その結果として、従来言われてきたこととは逆に、より平等主義的な社会厚生関数に基づいて分配を行う組織の方が構成員からより効率的な努力を引き出せることが明らかになった。

  • Industry Specific Interests and Trade Protection

    季刊理論経済学   42巻4号   347 - 361   1991年2月

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    小国の特殊要素モデルに基づき、輸入財産業の保護水準が当該産業の資本保有者達のロビー活動で決定されるという政治経済学的モデルを分析した。主要な結論は、全ての輸入産業の保護水準を同時に決定するような政策決定のルールを採るほうが、各産業の保護水準を独立に決定するようなルールに比べて、輸入財産業のみならず輸出財産業にとっても望ましいというものである。また、関税と数量規制の同値性が、輸入財産業間のロビー活動の戦略的相互作用によって成立しなくなることも示した。

  • 支払意志の数理解析-ヒックス合成財を経て支払意志関数へ-

    南山経済研究   Vol.33 no.3   275 - 299   2019年3月

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    出版者・発行元:南山大学経済学会  

     n財に関する一般的な無差別曲線を用いた消費者行動モデルの設定からヒックス合成財を経由し支払意志概念を導出する手続きを示した。消費の最適解において分析対象となる財(支払意志の測定対象となる財)に関する需要がゼロになる場合を取り扱い可能とした点は、本稿の証明の大きなメリットである。さらに所得効果ゼロを前提しないヒックス合成財モデルを用いることで、無差別曲線図を用いずにギッフェン財のケースを導出する手続きと、効用フロンティアを用いずにシトフスキー・パラドックスを導出する手続きを示した。

  • 過剰能力定理と非価格政策:デムゼッツの所説をめぐる論争 1959-1972

    南山経済研究   第31巻第3号   193 - 225   2017年3月

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    出版者・発行元:南山大学経済学会  

    独占的競争の理論の初期における重要論点のひとつであった「過剰能力定理」に対するハロルド・デムゼッツの批判を発端とする、1960年代・70年代に行なわれた一連の論争の経緯と内容を検討する。この論争を産業組織論におけるハーバード学派とシカゴ学派の思想的対立として捉えるのではなく、企業の非価格政策を考慮に入れた場合の効率性の基準に関する理論的・建設的論争という側面から整理することを試みた。

  • 集団コンテストにおける "hidden information" 問題ー二次の費用関数による分析ー

    南山経済研究   第29巻第3号   159 - 173   2015年3月

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    複数の集団がひとつの利権を目指して競合する集団コンテストのモデルを、利権評価の集団内異質性とコストシェアリングによる個別的誘因の利用可能性を考慮に入れて構築した。特に、個人のコンテストに関わる費用が二次関数となる場合を考え、コストシェアリングの程度が利権評価の集団内の分布に関するハーフィンダール・ハーシュマン指標を用いて表現できることを示した。

  • オルソン『集合行為論』の数学モデルについて

    南山経済研究   第25巻第2号   149 - 159.   2010年10月

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    出版者・発行元:南山大学経済学会  

    オルソンの『集合行為論』で示された数学モデルを首尾一貫した形で再構成しつつ、その基本にある論理を明らかにする。最初にオルソン自身の数学モデルの欠陥を示し、続いて「小なる者による大なる者の搾取」および「集団規模のパラドックス」の議論の妥当性を検討する。最後に集合行為のモデルとクールノー寡占モデルの関係に関するオルソンの議論を批判し、より妥当な解釈を提示する。

  • 対称的レントシーキングの長期に関する一考察:初期の論争の整理と一般化について

    南山経済研究   第20巻第3号   287 - 295   2006年3月

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    レントシーキングによるレント消失の程度に関する初期の論争において、産業の長期均衡からの類推により主張された、参入によるレント消失効果について一般的分析を試みた。対称的レントシーキングのモデルを用い、均衡の存在と一意性を再確認した後、参入による長期均衡におけるレント消失の程度を与える公式を導いた。そこで明らかになったのは、限界費用の弾力性の値の活動水準ゼロにおける極限が、決定的なパラメータであるということである。

  • 独占的競争の理論と経済学方法論:「シカゴ学派」による批判に関する論争 1947‐1963

    南山経済研究   第17巻第3号   305 - 326   2003年3月

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    出版者・発行元:南山経済学会  

    1940年代末から50年代にかけてチェンバリンの「独占的競争の理論」に対し経済学方法論を根拠として行われた批判とそれに関連する論争を、原点に依拠しつつ整理・検討した。誤解された形で紹介されることの多いシカゴ学派の「仮定の無関係性」テーゼについて、その本来の議論の内容を確認すると共に、チェンバリン批判として見る限りにおいては概ね空振りに終わっていること、その一因が方法論的規則の性急な当てはめにあることなどを論じた。

  • コミュニティーと経済効率性:その準備的考察

    南山経済研究   第16巻第3号   259 - 270   2002年3月

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    地域性と共同性を特徴として論じられる「コミュニティー」を、構成員自身の手によって供給される公共財の消費者の集団と捉え、その活動と経済効率性の両立の可能性の準備的考察を試みた。コミュニティーの私的財に関する分配ルールは何らかの平等主義を反映すべきという想定の下、特にマキシミン・ルールを用いる場合にはコミュニティーの全ての構成員が同様の効用水準を達成するようなパレート最適を実現出来ることを示した。

  • 生産協同組合の理論と共有資源

    南山経済研究   14 ( 1・2 )   183 - 196   1999年9月

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    出版者・発行元:南山経済学会  

    生産協同組合が、構成員間の所得の分配について均等分配ルールと相対努力ルールを適切に組み合わせることにより、最適な生産活動が実現できるというAmartya Senの有名な結果の拡張を試みた。この議論は農業における共同生産の問題を考える際に採り上げられることが多いが、農業における共同生産の問題を考える際に無視できないのが共有資源の存在である。こうした資源は公共財的性格を持つため、生産物の分配ルールの調整によって最適な共有資源管理まで実現できるかどうかは必ずしも明らかではない。本論文は、生産技術に僅かな制約を加えることによって、最適な資源管理と生産活動の同時達成の可能性を示している。

  • A Note on Strategic Delegation without Observable Contract

    南山経済研究   13 ( 3 )   205 - 212   1999年3月

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    出版者・発行元:南山経済学会  

    寡占市場では、企業が競争緩和のために組織形態を敢えて非効率なものにする可能性がある。たとえば、組織全体の効率を考えればマイナスでしかないような流通部門の独立などが行われるというのである。しかし、こうした戦略的垂直的分離の議論には、独立させた部門と本社との間の契約が競争相手に観察できなければ、競争の緩和は生じないという有力な批判がある。本稿では、独立させた部門を更に複数に分割することによって、契約が観察不能な場合にも競争緩和を達成し得る可能性を示している。

  • Employment and Malnutrition in a Small Open Economy

    南山経済研究   10 ( 3 )   397 - 405   1996年3月

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    出版者・発行元:南山経済学会  

    労働生産性が労働者の農産物消費量に依存するために非自発的失業が生じるという、発展途上国の効率賃金モデルに基づき、その様な小国における貿易政策の効果を分析した。これにより、工業に対して関税、数量規制などの保護を行うことは雇用量を増加させるのに対し、農業についての保護貿易は失業の増加をもたらすという結論を得た。更に、農産物などの食糧不足により十分な労働力が供給出来ないような経済では、自国農業の保護よりもむしろ農地改革等による所得の平等化政策を行うべきだという結論を得た。

  • 垂直的制限行為と経済厚生

    南山経済研究   4巻3号   395 - 414   1990年2月

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    出版者・発行元:南山大学経済学会  

    製造業者と流通業者ないし下請け業者の間で見られるいわゆる垂直的制限行為については、水平的な企業間カルテルと区別し、供給側を全体として見たときの内部効率性を高めるとする考え方が有力である。本論文の特徴は、この主張に対する重大な留保として、ブランド間の競争を考慮する場合には、各供給者内部を非効率化して競争緩和を図る手段として垂直的制限行為が用いられる可能性があることを指摘した点にある。また、異なる垂直的制限行為がブランド関競争の下では全く異なる厚生上の帰結をもたらすことも示した。

  • 貿易保護の政治経済学

    フィナンシャル・レビュー   14 ( October )   125 - 143   1989年10月

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    出版者・発行元:大蔵省財政金融研究所  

    管理貿易に関する政治経済学的分析の必要性とその含意を、所得再分配が理想的に行われないという現実の政治プロセスから説明する。更に、そうした分析の一例として、関税政策の決定についての政治経済学的アプローチを、三つの産業から成る小国という簡単なモデルにより検討する。その結果として、貿易政策が様々な利益集団によって左右されるとしても、政策決定のルールを適切に設定することにより、弊害を小さくすることが可能であることを示唆する結論を導いている。

  • 競争と市場価格:独占的競争と中間財市場

    経済学論集   53 ( 4 )   47 - 59   1988年1月

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    出版者・発行元:東京大学経済学会  

    財市場及び生産要素市場の双方において独占的競争の状態にある産業について、財及び生産要素の差別化の程度が需要ショック及び供給ショックに対する企業の財価格及び生産要素価格の調整の大きさにどう影響するか、各企業が他企業に生じたショックについて十分には知り得ないという想定の下で分析した。その際合理的期待均衡の概念が用いられた。産業全体としての平均的なプライス・コスト・マージンの産業全体のショックに対する変動と産業構造の関わりについての実証研究を情報の不完全性の観点から基礎づけるような結果を得た。

  • 二段階ゲームによる代理人集団コンテストの均衡について

    南山経済研究   27 ( 3 )   233 - 247   2013年3月

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    出版者・発行元:南山経済学会  

    武力紛争、訴訟などコンテストとして分析される状況の多くでは、利権を争う主体が互いに代理人を立てて争う形が採られる。この論文では代理人が個人ではなく集団である場合を考え、それらの集団の規模や内部報酬ルールが相違する一般的な形の代理人集団コンテストの二段階ゲームを考えた。モデルの部分ゲーム完全均衡の存在、集団間の非対称性の程度に応じての均衡の場合分け、および均衡の一意性が示される。

  • 準公共財の集団レントシーキングにおける均衡と分類:Cobb-Douglas便益関数と線形費用関数による特定化を用いて

    南山経済研究   第21巻第3号   255−266   2007年3月

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    集団レントシーキングにおいて争われる利権が、勝利集団で独占される性質の準公共財である場合を考え、その利権の便益関数をCobb-Douglas型に費用関数を線形関数に特定化したうえで、私的利権に関する集団内分配ルールが内生的であるモデルの分析を行った。この特定化のメリットは、分配ルールに関して生じる均衡のタイプを、モデルのパラメータの値に明示的に関連付けながら分類できる点にある。これにより、どのようなタイプの均衡が実際に生じ得るか明確になると共に、均衡のタイプ決定に関わりのないパラメータがどれであるかも明らかになった。

  • 限界投票者関数による多数候補者間の空間的選挙競争モデルの分析:Scoring rule に関する Cox の定理に関連して

    南山経済研究   第19巻第3号   351 - 368   2005年3月

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    限界投票者関数の概念を用い、有権者のタイプ空間と政策空間を区別して定義した一般的な空間的選挙競争モデルの中で、3人以上の多数候補者による選挙競争の均衡の特徴づけの拡張が可能であることを示した。特に、収束均衡に関するCoxの定理とこれに関わる諸結果が維持されることを確認した。

  • 空間的選挙競争モデルにおける限界投票者関数とその応用:Wittman-Roemer モデルでの最小差別化原理に関連して

    南山経済研究   第18巻第3号   169 - 182.   2004年3月

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    有権者の選好の違いを表わすタイプ空間と政策空間を区別した空間的選挙競争モデルを考え、限界投票者関数という概念を導入し、連続性と単調性を持つことを示した。さらにこれらの特性を利用することにより、Wittman-Roemerモデルでの最小差別化原理に関し、完全な特徴づけを行った。その過程において、先行するOsborneの特徴づけの試みの誤りを示した。

  • 組織文化と組織間競争

    南山経営研究   13 ( 2 )   219 - 231   1998年11月

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    出版者・発行元:南山経営学会  

    「組織(ないし)企業文化」とはその組織に特有な価値観や行動様式を指す概念であり、構成員に対し意思決定の基準を提供すると同時に組織内のコンフリクトを解決する際の指針の役割も果たすものとされている。本稿は組織文化がミクロ経済学の観点からどのように理解され得るのか解説し、平等主義的な組織文化が組織のパフォーマンスにどのように影響するか検討を加えている。更に、こうした議論を一般的な複占モデルに適用している。

  • On Monotone Comparative Statics of a Two-stage Supermodular Game

    南山経済研究   13 ( 1・2 )   89 - 95   1998年10月

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    出版者・発行元:南山経済学会  

    いわゆる supermodular game と呼ばれるモデルは、利得関数の凸性の仮定無しで均衡の存在を保証できること、パラメーターの変化に対して均衡が単調に変化することなど便利な性質を持っており、近年様々な形で産業組織論やマクロ経済学に応用されている。本稿では従来戦略形で定式化されてきた supermodular game を2段階ゲームに拡張し、ある特定の条件のもとでは、均衡の存在や均衡変化の単調性の結果が保存されることを示した。更に、企業参入に関するゲームへの応用例も示した。

  • コメ輸入自由化反対論と経済分析

    南山経済研究   06 ( 2 )   165 - 181   1991年10月

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    出版者・発行元:南山経済学会  

    ウルグアイ・ラウンドを背景に1985、6年頃から盛んに論じられるようになった日本のコメ輸入自由化反対論に対し、基本的な経済学的分析がどのような含意を持つのか、整理・説明を試みた。特に環境保護に基づく自由化反対論などに対し、経済理論によっても定式化、正当化できる議論であることを示した後で、にも関わらず輸入制限ではなく生産補助金による保護の方が同じ目的を一層適切に達成できることを論じた。更に、環境保護と輸入自由化を意図的にリンクさせることの含意を明らかにすることを試みた。

  • 内生的関税の理論と所得シェア関数

    南山経済研究   05 ( 2・3 )   81 - 97   1991年2月

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    出版者・発行元:南山経済学会  

    貿易政策への政治経済学的アプローチの代表的なモデルとして、関税率が多数決によって決定されるという内生的関税の議論がある。本論文は、所得シェア関数という分析用具を用いてこれを整理、発展させることを試みた。特に内生的関税のモデルを大国間の報復関税の議論に拡張し、各国における生産要素所有の分布の在り方が関税戦争の激しさの程度を左右する点を分析した所に特徴がある。

  • Asymmetric Information and Output Stability of Monopolistic-competitive Producers

    南山経済研究   03 ( 01 )   35 - 41   1988年6月

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    出版者・発行元:南山経済学会  

    独占的競争産業において財の差別化の程度が需要ショック及び供給ショックに対する企業の財価格の変動にどう影響するか、他企業に生じたショックについての情報が不完全という想定の下で合理的期待均衡の概念を用いて分析した。従来の研究では企業の決定変数は価格であるとしていたが、本稿の特徴は供給量を戦略変数とするような市場について検討した点にある。その結果、財が同質的になるとき産業の平均生産量は産業全体のショックに過剰反応するようになることが示された。

  • 破壊的コンテストの厚生分析

    南山経済研究   第38巻第3号   129 - 139   2024年3月

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    利権獲得の努力が利権自体の価値を減少させる破壊的コンテストと、利権の価値が外生的である標準的コンテストについて、プレイヤーたちの均衡利得を比較した。費用の弾力性が小さく、利権毀損の弾力性が大きく、コンテスト参加者数が小さいほど、破壊的コンテストの優越が発生しやすいことが明らかになった。

  • 明示的内部構造を有する集団によるコンテストについて

    南山経済研究   37 ( 3 )   161 - 174   2023年3月

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    出版者・発行元:南山大学経済学会  

    2段階CES関数によって集団の活動水準が表されるという定式化により、競合集団の各々が下位集団で表現される明示的内部構造を持つという方向に集団コンテストモデルを一般化した。その上で、集団の勝利確率を最大化するという意味で最適な報酬体系の特徴づけを行い、下位集団の個人間の貢献の補完性および集団内個人の異質性の程度の変化が、下位集団の個人及びその外に居る(同一集団の)個人の報酬に及ぼす影響を明らかにした。

  • 非対称な製品差別化の下での線形価格寡占モデルへのシェア関数アプローチ

    南山経済研究   第36巻第3号   205 - 219   2022年3月

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    出版者・発行元:南山大学経済学会  

    製品差別化に非対称性を導入した線形価格寡占モデルを考え、シェア関数アプローチを適用することで、全ての企業が正の生産・販売を選ぶ均衡が存在するための十分条件を与えた。さらに、そのような均衡における商品間の代替可能性ならびに需要・費用の非対称性と、価格・生産量・利潤の間の関係を明らかにした。

  • 自発的防災行動の単純モデル

    南山経済研究   第35巻第3号   299 - 313   2021年3月

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    災害リスクを共有する集団に属する個人の災害リスク低下への自発的貢献について、災害発生の確率を低下させるリスク削減型の貢献と損害の大きさを低下させる被害削減型の貢献という二つのタイプに区分し、均衡における貢献水準とタイプ間で生じる相違点について明らかにしている。。

  • 破壊的コンテストの単純モデル

    南山経済研究   第34巻第3号   233 - 248   2020年3月

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    利権獲得の努力が利権の価値を低下させるような「破壊的」コンテストの基本的モデルを提示し、その均衡の存在と一意性を確認するとともに、利権獲得の技術的効率性の上昇が獲得努力の総量を常に低下させるという破壊的コンテストに固有の結果を示した。

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書籍等出版物

  • ミクロ経済学-需要供給分析からの入門-

    ( 担当: 単著)

    日本評論社  2018年3月 

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    総ページ数:164p.  

    ミクロ経済学のうち需要供給分析と余剰分析に関する考え方を学ぶための教科書。価格受容者の仮定を用いない説明を試みている。

  • 日本的流通の経済学

    ( 担当: 共著)

    日本経済新聞社  1993年2月 

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    総ページ数:278 pp.  

    日本における流通業の多様性の背後に、共通の仕組や類似した行為を見出して分析することを通じ、日本的流通制度が安定的なものなのか過渡的な現象なのかを解明することを試みた。第一部では分析のための理論的枠組みを議論し、第二部では具体的産業における流通のケース・スタディを行い、最後の章を政策的提言に当てている。

講演・口頭発表等

  • Selective Incentives and Intra-Group Heterogeneity in Collective Contests.

    SAET Meeting in Taipei  2018年6月  SAET

共同研究・競争的資金等の研究課題

  • シェア関数アプローチの公共経済学への応用に関する研究

    2017年

    日本学術振興会  科学研究費補助金 基盤研究(C)一般 

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    資金種別:競争的資金

  • 集団レントシーキングの経済理論に関する体系的研究

    2012年

    南山大学  南山大学パッヘ研究奨励金I-A-2 

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    行政機構による許認可などで人為的に発生する独占的利益を奪い合う、非生産的な競合過程であるレントシーキングに関し、その多くの類型において競合主体が集団であることを明示的に設定に反映させた理論的分析を、統一的・体系的な枠組みの中で整理・発展させる。特に、集団間に非対称情報が存在する場合の分析、互いに異質な構成員から成る集団同士の競合過程の分析、危険回避的な個人から成る集団同士の競合過程の分析という三つの課題に対し、シェア関数という分析道具によるアプローチを試みている。これらを進展させ、シェア関数の理論自体の精緻化と、より広範な政策問題への応用を図ることが研究の内容となる。

  • 紛争の経済学への集団コンテスト理論によるアプローチ

    2009年

    日東学術振興財団  日東学術振興財団第26回研究助成 

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    担当区分:研究代表者 

    配分額:500000円

    集団コンテスト理論に関するこれまでの研究を発展・拡張することにより、さらに広い意味での「紛争の経済分析」一般に貢献し得るモデルの構築を試みることを目的とした研究への助成金。コンテスト理論(レントシーキング理論とも言う)とは、行政機構による許認可などで人為的に発生する独占的利益を奪い合う非生産的な競合過程を分析するものであり、独占による社会的損失、公共財供給のゆがみ、途上国の汚職などの経済問題を理解する際に活用されてきた。こうした活動の多くが集団単位で行われていることを明示的に考慮した分析を行うのが集団レントシーキングの理論である。こうしたモデルを紛争の経済分析というさらに広範な問題に適用可能とするための拡張に関し、様々な方向での検討を試みる。

  • レントシーキングの経済理論に関する体系的研究

    2006年

    南山大学  南山大学パッヘ研究奨励金I-A-2 

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    研究助成

  • レントシーキングの経済理論に関する体系的研究

    2005年

    南山大学  南山大学パッヘ研究奨励金I-A 

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    研究助成

  • 政党間競争と選挙ルールに関する空間的モデルを用いた理論的分析

    2004年

    南山大学  南山大学パッヘ研究奨励金I-A-2 

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    研究助成

  • 政党間競争と選挙ルールに関する空間的モデルを用いた理論的分析

    2003年

    南山大学  南山大学パッヘ研究奨励金I-A-2 

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    研究助成

  • 現代産業組織論の視点から見た過剰生産能力論争の歴史的意義

    2002年

    南山大学  南山大学パッヘ研究奨励金I-A-2 

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    研究助成

  • 協同組合における平等主義の意義に関する理論的分析

    2001年

    南山大学  南山大学パッヘ研究奨励金I-A 

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    研究助成

  • 応用ミクロ経済学

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    ミクロ経済理論の具体的個別的問題への応用

  • 経済活動と紛争

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    経済活動に関わる政治的紛争や利害対立の問題を経済的誘因という観点から分析する

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その他

  • 査読者

    2018年

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    Journal of Public Economic Theory 投稿論文査読

  • 査読者

    2017年

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    Journal of Public Economic Theory 投稿論文査読。
    Journal of Economic Behavior and Organization 投稿論文査読。

  • 査読者

    2016年

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    Journal of Mathematical Economics 投稿論文査読

  • 査読者

    2015年

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    Social Choice and Welfare 投稿論文査読

  • 査読者

    2014年

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    Japanese Economic Review 投稿論文査読

  • 査読者

    2013年

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    Journal of Conflict Resolution 投稿論文査読。Economic Inquiry 投稿論文査読。

  • 査読者

    2012年

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    Journal of Public Economics 投稿論文査読、Journal of Economic Behavior and Organization 投稿論文査読

  • 査読者

    2011年

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    Journal of Economics 投稿論文査読、Public Choice 投稿論文査読

  • 査読者

    2009年

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    Journal of Public Economics 投稿論文査読

  • 査読者

    2007年

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    Games and Economic Behavior 投稿論文査読

  • 査読者

    2000年

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    Journal of Japanese and International Economies 投稿論文査読

  • 査読者

    1998年

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    European Journal of Political Economy 投稿論文査読

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その他教育活動及び特記事項

  • 2021年8月 -2021年9月
    産業組織論教材作成
  • 2018年
    産業組織論教材改稿
  • 2017年
    ゲーム理論教材作成
  • 2016年
    ミクロ経済学教材作成
  • 2014年6月 -2014年10月
    ミクロ経済学(大学院)
  • 2014年3月 -2014年5月
    社会科学研究(経済学研究概論)
  • 2013年
    三山崩しの解説
  • 2013年
    経済学のための数学
  • 2013年
    産業組織論A

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