研究者詳細

教職員基本情報
氏名
Name
青柳 宏 ( アオヤギ ヒロシ , AOYAGI Hiroshi )
所属
Organization
人文学部人類文化学科
職名
Academic Title
教授
専攻分野
Area of specialization

言語学

学会活動
Academic societies

日本英語学会会員(1986.11〜1998.3)
日本英文学会会員(1989.4〜2013.3)
アメリカ言語学会(Linguistic Society of America)会員(1994.9〜現在に至る)
日本言語学会会員(1996.4〜現在に至る)
日本語学会(旧国語学会)会員(1996.4〜現在に至る)
日本語文法学会(2007.10〜現在に至る)

著書・学術論文数
No. of books/academic articles
総数 total number (32)
著書数 books (4)
学術論文数 articles (28)

出身学校
学校名
Univ.
卒業年月(日)
Date of Graduation
卒業区分
Graduation
   Classification2
国際基督教大学教養学部語学科 1884年03月  卒業 
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出身大学院
大学院名
Grad. School
修了課程
Courses
   Completed
修了年月(日)
Date of Completion
修了区分
Completion
   Classification
南カリフォルニア大学大学院言語学専攻 博士課程  1998年08月  修了 
国際基督教大学大学院教育学研究科教育方法学専攻英語科教育法専修 博士前期課程  1986年03月  修了 
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取得学位
       
学位区分
Degree
   Classification
取得学位名
Degree name
学位論文名
Title of Thesis
学位授与機関
Organization
   Conferring the Degree
取得年月(日)
Date of Acquisition
博士 Ph.D. (in Linguistics)  On the Nature of Particles in Japanese and Its Theoretical Applications  南カリフォルニア大学大学院言語学専攻  1998年08月 
修士 M.A. (in Linguistics)    南カリフォルニア大学大学院言語学専攻  1993年05月 
修士 M.A. (in Education)    国際基督教大学大学院教育学研究科英語科教育法専攻博士前期課程  1986年03月 
学士 B.A.    国際基督教大学教養学部語学科  1984年03月 
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研究経歴
長期研究/短期研究
Long or Short
   Term research
研究課題名
Research Topic
長期研究  自然言語における形式と意味 

概要(Abstract) 日本語・英語などの個別言語の分析をもとに,自然言語における形式(語彙構造,統語構造)と意味(論理形式)の関係を明らかにする。特に,普遍文法の観点から,論理形式が言語間できわめて均一であるのに比して,語彙構造,統語構造に言語間でどのような差異がみられるのか,また,その差が何に起因するのかを考える。 

短期研究  動詞形態と機能範疇に関する日韓比較研究 

概要(Abstract) 機能範疇の違いが言語間に存在する様々な統語的差異をどのように生み出しているのかという問題に日本語と韓国語から何らかの解答を提出することを目標とする。
よく知られているように、日本語と韓国語はいずれもSOV型の膠着言語であり、統語的に酷似している。しかし、否定形式、連体接尾辞の有無、軽動詞(light verb)の出現の仕方、複合述語の連結順序、動詞重複構造、ヴォイスの形態など二言語間には微妙な差もある。ここで注目すべきことは、これらの差異にはいずれも機能範疇がからんでいると考えられることである。
従来の研究では無視されたり、単に事実の指摘だけに終わることの多かった日韓語の差異をも機能範疇という観点から捉えることができれば、本研究が日韓対照研究、ひいては比較統語論研究全般にあらたな貢献が可能だと考える。 

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著書
年度
Year
著書名
Title of the books
著書形態
Form of Book
NeoCILIUS
   請求番号/資料ID
Request No
出版機関名 Publishing organization,判型 Book Size,頁数 No. of pp.,発行年月(日) Date
2005  日本語の助詞と機能範疇  単著   
ひつじ書房  , A5  , 202+viii  , 2006/03   

概要(Abstract) 日本語のとりたて詞(係助詞・副助詞)、格助詞が一般言語理論の中でどのように位置づけられるべきかを明らかにするとともに、時制辞、補文標識などの接辞とあいまってどのように日本語を類型論的に特徴づけているかを論じた。 

備考(Remarks)  

2013  複雑述語研究の現在  共著   
ひつじ書房  , B5  , 27 p.  , 2014/01   

概要(Abstract)  本稿は日本語と中国語の複合動詞を表す複合事象のタイプに着目して比較対照した論考である。
 日本語で生産的な「押し倒す」のような複合動詞は語彙的に生成されるのに対し、これと意味的に対応する中国語の「推倒」のような複合動詞は統語的に生成される。また、事象タイプでみると、日本語の「押し倒す」は達成事象を表すのに対し、中国語の「推倒」は到達事象を表すという違いがある。
 影山(1993)以来一般に日本語の生産的な語彙的複合動詞は「他動性調和原則」に従うといわれる。ところが、「(目を)泣き腫らす」「飲み疲れる」のような例外的とみられる語彙的複合動詞はこの原則に従わず、また表す事象タイプも到達事象である。
 一方、中国語にも「校正」「拡大」のような語彙的に生成されるとみられる複合動詞も存在し、達成事象を表す。
 また、日本語の統語的複合動詞の後項となる「〜始める」「〜続ける」などの動詞にはアスペクト動詞が多く、複合動詞全体が表す事象は到達事象になることが多い。
 すなわち、日中両語において、(例外的なものを除くと)語彙的複合述語は達成事象を、統語的複合述語は到達事象を表すという一般化が成立する。
 さらに、主要部後置型の日本語で複合動詞全体のアスペクトが後項によって決まるのは当然であるが、主要部前置型といわれる中国語においてもやはり全体のアスペクトが後項によって決まっているようにみえるのは、実は前項と後項の間にアスペクトを決定する機能範疇が存在するためであるとの仮説を提案した。 

備考(Remarks) 共著者:張楠 

2010  統語論の新展開と日本語研究−命題を越えて−  共著   
開拓社  , B4  , 33  , 2010/11   

概要(Abstract) 日本語のかき混ぜ規則(scrambling)は意味的に空だといわれている。文の真理条件を変更したり、英語のWH移動のように演算子−変項(operator-variable)構造を作ったりはしないからである。しかし、文の談話機能的な広義の意味解釈を含めると、かき混ぜ規則は決して意味的に空ではない。本稿では、まず、かき混ぜ規則によって文頭に移動した句が焦点をなすことを実証的に示す。すなわち、このことは、日本語においては助詞ハによる主題化とかき混ぜ規則とで情報構造上の役割分担が厳密にできていることを意味する。さらに、Vallduví (1992, 1995)が提案する情報構造(IS)という独自の表示のレベルを採用し、これに修正を加えて、統語構造と情報構造の写像関係を明らかにする。加えて、いわゆる主題のハ句と対照のハ句の統語的、情報構造的な違いについても論じる。本稿の結論は、少なくとも日本語の主題や焦点などの表示に関するかぎり、Rizzi (1987)で提案された従来より複雑なCP、TP構造を仮定する必要はない、ということである。 

備考(Remarks) 総頁数:385p.+xiii、執筆担当部分:第6章「日本語におけるかき混ぜ規則・主題化と情報構造」、pp. 193–225、共著者:長谷川信子、遠藤喜雄、ほか8名 

1999  Linguistics: In Search of the Human Mind–a Festschrift for Kazuko Inoue–  共著   
開拓社  , B5  , 33  , 1999/10   

概要(Abstract)  

備考(Remarks) 総頁数:799p.+xix、執筆担当部分:"On Association of Quantifier-like Particles with Focus in Japanese"、 pp. 24–56)、共著者: Y. Abe, M. Arimoto、ほか30名 

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学術論文
年度
Year
論文題目名
Title of the articles
共著区分
Collaboration
   Classification
NeoCILIUS
   請求番号/資料ID
Request No
掲載誌名 Journal name,出版機関名 Publishing organization,巻/号 Vol./no.,頁数 Page nos.,発行年月(日) Date
2014  On Serialized Verbs in Japanese and Korean  単著   
Harvard Studies on Korean Linguistics  , Harvard ISOKL and Harvard-Yenching Institute  , XV  , pp. 219-231  , 2014年4月   

概要(Abstract) 日本語の語彙的複合述語が語根√root同士の併合であるのに対し、韓国語の複合動詞は語根に動詞化素vが併合したものが生産的で、その帰結として両言語の複合動詞にさまざまな違いが生じることを論じ、さらに、日本語には動詞化素vが併合する前に語根と併合するlexical aspectがあり、そのため「〜あげる」を初めとする後項がアスペクト的な意味を持つ複合動詞が多いことを指摘した。 

備考(Remarks)  

2009  On Information Packaging of Topicalized and Scrambled Sentences in Japanese  共著   
Proceedings of the 18th International Congress of Linguists  , Linguistic Society of Korea  , 276-294  , 2009/04   

概要(Abstract) Aoyagi (2006)で提案した、日本語においてかきまぜ規則で文頭に置かれた要素は「焦点」の解釈を受けるという仮説が、音韻的にも支持されることを示した。さらに、Vallduví (1992, 1995)の提案を修正して、2種類のinformation packagingを認めれば、統語構造と情報構造の間の写像がより透明化されうる可能性を示した。 

備考(Remarks) 共著者:加藤幸子(要旨査読付論文) 

2008  とりたて詞の形態的、統語的、意味的ふるまいについて−係助詞、副助詞という分類の有意性を中心に−  単著   
日本語文法  , 日本語文法学会  , 第8巻2号  , 37–53  , 2008/09   

概要(Abstract) 伝統的な国語学で区別された係助詞と副助詞をまとめた「とりたて詞」という呼称は便利ではあるが、助詞の接続順序などの形態・統語的な現象や作用域の広狭などの意味的な現象は、その呼称はどうあれ、2種の助詞を区別して初めて説明可能になることを論じた。 

備考(Remarks) (査読付論文) 

2007  日本語におけるかきまぜ規則の情報構造的意味  単著   
語言與文化論述  , 台灣国立中山大学人文社会科学研究中心  , 371-395  , 2008/02   

概要(Abstract)  日本語のかきまぜ規則は基本的に情報構造上の焦点(focus)をつくる操作であることを実証し、Valluduvi (1992)の情報パッケージ理論を採用すれば、かきまぜ規則適用後のIPをその左端にあるXPとそれ以外を2分割することで、適切に文の情報構造を派生することができる。また、主題文にも同様の分割が起こるが、この場合Valluduviが提案したものとは別の情報パッケージ構造が必要となる。
 本稿の主張が正しければ、Rizzi (1997)のようなC-システムの複雑化は必ずしも不要になる。 

備考(Remarks) 査読付論文 

2007  とりたて詞の統語的、形態的ふるまいについて〜係助詞・副助詞という分類の有意性を中心に〜  単著   
日本語文法学会第8回大会予稿集  , 日本語文法学会  , 31-40  , 2007/10   

概要(Abstract) 奥津(他)(1986)以来、山田(1936)ら伝統的国語学者による係助詞と副助詞の別をひとまとめにして「とりたて詞」と呼ぶことが一般に行われているが、複数の助詞の接続順序、焦点結合(association with focus)の最大領域の広狭などの諸事実を説明するためには、(その呼称はともかく)やはり2種類の助詞の区別を立てることは必要であると論じた。 

備考(Remarks) シンポジウム「取り立て研究の可能性」招待発表論文 

2006  On Morphological Merger: Toward an Explanation of Verbal Agglutination in Japanese and Korean  単著   
Nanzan Linguistics  , the Center for Linguistics, Nanzan University  , No. 3  , 1-32  , 2006/06   

概要(Abstract) 形態的併合(morphological merger)は、PF側の派生の形態部門において、主要部と主要部を併合する操作であるが、Marantz (1984)以来、その適用が隣接条件(adjacency condition)に従うことが認められているだけで、その詳細には不明な点が多い。そこで、本稿ではこの操作を一般に知られている他の操作−特に、主要部上昇(head raising)と主要部下降(head lowering)−に帰することができないか検討した。Embick and Noyer (2001)はこれをPFにおける主要部下降だとしたが、この提案には概念的にも経験的にも問題が多いことを指摘したうえで、顕在的統語部門と同様にPFにおいても許される移動の形式は上昇(raising)だけで、日本語などで観察される主要部下降の結果のように見える現象を、Fukui and Takano (1998)が提案した線形化(Linearization)の副産物であるとみる可能性を示唆した。また、この見方で基本語順の異なる英語やフランス語の事実も説明可能であることを論じた。 

備考(Remarks)  

2003  Morphological case vs Abstract CASE  単著   
Journal of Language Sciences  , the Korean Association of Language Sciences  , Vol. 11, no. 1  , 111-143  , 2004/02   

概要(Abstract) 日本語や韓国語における格は、Chomsky (1981)以来一般に仮定されている、いわゆる抽象格(abstract Case)ではなく、Marantz (1991)のいう形態格(morphological case)であると考えるべきだと主張した。 

備考(Remarks) (査読付論文) 

2001  Does Japanese Take Lower case or Upper Case?  単著   
文部科学省科学研究費補助金成果報告書『複合述語と項構造 〜 項構造の統語表示に関する比較研究』  , 南山大学  , 35-62  , 2002/03   

概要(Abstract) 一般言語理論では項位置に出現する名詞句はすべて抽象格(abstract Case=Upper Case)に関する形式素性(formal features)を持ち,それぞれ対応する機能範疇が持つ素性との間に照合関係(checking relation)が成り立つときのみ認可されると考えられているが,日本語の格に関しては,むしろ音韻部門において付与される形態格(morphological case=Lower case)であると考えるべきである。これにより,格助詞のみならず係助詞や副助詞をも含んだ助詞の複雑な 

備考(Remarks)  

1999  いわゆる「総記」のガに関する覚え書き  単著   
『アカデミア』文学・語学編  , 南山大学  , 67号  , 769-788  , 1999/09   

概要(Abstract) 久野(1973)以来広く認められている「総記」という概念が実は原子的(atomic)なものではなく、総称的(generic)な解釈と義務的焦点(obligatory focus)の読みが合わさったもので、久野のいう「中和」は後者にしか起こらないことを示した。 

備考(Remarks)  

1996  On Kuroda’s Scope Mystery  単著   
『アカデミア』文学・語学編  , 南山大学  , 61号  , 97-133  , 1996/09   

概要(Abstract)  

備考(Remarks)  

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その他研究業績
年度
Year
題名等
Titles
カテゴリ
Category
細目
Authorship
掲載雑誌名等 Publishing Magazine,発行所 Publisher,巻/号 Vol./no.,頁数 Page nos.,発行年月(日) Date
2009  On the Asymmetries in Passives between Japanese and Korean  学会招待講演  その他 
日本英語学会第27回大会  , 日本英語学会(於:大阪大学豊中キャンパス)  , 2009/11   

概要(Abstract) 日本語の受身文「太郎が花子に髪を切られた」には「髪」が「太郎」のものである解釈と「花子」のものである解釈の2通りがあるが、韓国語の対応する受身文には後者の解釈はない。また、韓国語には日本語の「太郎が花子に泣かれた」のような自動詞語幹の間接受身文も存在しない。これらの事実はWashio (1992)などで論じられているが、本稿ではさらに日韓語の受身文における違いとヤリ・モライ表現における違いを関係づけ、日本語にはTPより高い位置に適用句(Applicative Phrase)が存在すると仮定すれば、すべてを統一的に説明することができると提案した。すなわち、このことは自然言語がPylkkänen (2000, 2008)、McGinnis (2001)らの提案する2つの適用句に加えて第3の適用句を許容することを意味する。 

備考(Remarks)  

2009  On the Left-edge Puzzle: How Do Syntax and Phonology Interact with Information Structure?  シンポジウム発表  その他 
東北大学大学院文学研究科公開シンポジウム「統語構造と文脈−言語認知脳科学の可能性−」  , 東北大学(川内南キャンパス)  , 2009/06   

概要(Abstract) Aoyagi (2006)で提案した、日本語においてかきまぜ規則で文頭に置かれた要素は「焦点」の解釈を受けるという仮説が、音韻的にも支持されることを示した。さらに、Vallduví (1992, 1995)の提案を修正して、2種類のinformation packagingを認めれば、統語構造と情報構造の間の写像がより透明化されうる可能性を示唆した。 

備考(Remarks)  

2008  On the Left-edge Puzzle: How Does Scrambling Interact with Semantics and Information Structure?  ワークショップ発表  共著 
the First Workshop for the International Research Project on Comparative Syntax and Language Acquisition  , 南山大学言語学研究センター  , 2008/11   

概要(Abstract) 日本語においては、ハ句を文頭に置く操作がもっぱら主題化であるのに対し、かきまぜ規則である句を文頭に置くと、その句は「焦点」の解釈を受けるというAoyagi (2006)の仮説が音韻的にも支持されることを示した。さらに、Vallduví (1992, 1995)の提案を修正して、2種類のinformation packagingを認めれば、統語構造と情報構造の間の写像がより透明化されうる可能性を示唆した 

備考(Remarks)  

2007  南山大学連続講演会講演集「教養教育への扉」  その他  共著 
(株)N.E.S.  , 194p  , 2008/03   

概要(Abstract) 2007年度に開催した南山大学連続講演会「教養教育への扉」(全8回)の講演をまとめた講演集。各回とも今日的な問題を学問横断的にさまざまな視野から検討し、それを実践に移していく教養を学ぶものとして開催された。
本著者は「ことばの不思議」と題して、言語獲得における「プラトンの問題」を中心に、われわれの母語に関する知識が先天的、遺伝的形質(すなわち、普遍文法)にしばられていることを論じた(pp.73-100)。 

備考(Remarks) 編者:浜名優美 共著者:真野倫平、宮澤元、藤原道夫、青柳宏、渡辺義和、森千香子、江田信豊、林雅代 

2007  ことばの獲得の不思議  寄稿  単著 
きんか  , 近畿化学工業界  , 2008年3月号  , 1-5  , 2008/03   

概要(Abstract) 母語の獲得にまつわる不思議を外国語学習との相違、言語資料の貧弱さ(刺激の貧弱さ)、「プラトンの問題」、新語の創造などの観点から一般読者に分かりやすく論じた。 

備考(Remarks)  

2007  日本語におけるかきまぜ規則の意味的、情報構造的影響について  ワークショップ招待講演  その他 
2008年第1回大阪大学外国語学部Syntax Workshop  , 大阪大学(箕面キャンパス)  , 2008/01   

概要(Abstract) 日本語におけるかきまぜ規則が、たとえSaito (1989)がいう意味で空(すなわち、量化子−変項構造は作らない)であったとしても、数量詞の作用域や焦点など、意味的、情報構造的な影響はあることを論じた。 

備考(Remarks)  

2007  日本語におけるかきまぜ規則の意味的、情報構造的影響について  学術招待講演  その他 
大阪大学ゲストスピーカープログラム  , 大阪大学(豊中キャンパス)  , 2008/01   

概要(Abstract) 日本語におけるかきまぜ規則が、たとえSaito (1989)がいう意味で空(すなわち、量化子−変項構造は作らない)であったとしても、数量詞の作用域や焦点など、意味的、情報構造的な影響はあることを論じた。 

備考(Remarks)  

2007  とりたて詞の統語的、形態的ふるまいについて  学会招待講演  その他 
日本語文法学会第8回大会  , 日本語文法学会(於:筑波大学)  , 2007/10   

概要(Abstract) 奥津(他)以来、「とりたて詞」として一括されることが多い係助詞と副助詞の区別が、助詞の連結順序、焦点結合の最大領域の広狭などから、必要であることを論じた。 

備考(Remarks) シンポジウム「取り立て研究の可能性」招待講演 

2007  Causatives Meaning Passive Revisited  学会招待講演  その他 
Morphology and Lexicon Forum 2007  , Morphology and Lexicon Forum(於:神戸大学)  , 2007/07   

概要(Abstract) 韓国語において使役形態素と受動形態素が同形でありうるのは、どちらの派生にも複数の軽動詞vが関与しているためで、それゆえHalle & Marantz (1993)の語彙挿入(vocabulary insertion)では区別されないからだと論じた。 

備考(Remarks)  

2006  On morphological merger: a perspective from Japanese and Korean  研究会招待講演  その他 
仙台地区言語学研究会(SACL)  , 東北学院大学  , 2007/02   

概要(Abstract) 形態的併合については、従来隣接条件だけを満たせばよいと考えられてきたが、これを広く認められている主要部上昇、または主要部下降に帰する可能性について検討した。日本語や韓国語の動詞重複構造などのデータを合理的に説明するためには、韓国語ではPF部門において主要部上昇が起こると考えるのが妥当であるが、日本語においてAoyagi (2006)で提案した主要部下降による分析には概念的、経験的問題があり、むしろFukui and Takano (1998)で提案された線形化の副産物であると考えた方がよいことを主張した。 

備考(Remarks)  

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研究発表
年度
Year
題目又はセッション名
Title or Name of Session
細目
Authorship
発表年月(日)
Date
発表学会等名称 Name, etc. of the conference at which the presentation is to be given, 主催者名称 Organizer, 掲載雑誌名等 Publishing Magazine,発行所 Publisher,巻/号 Vol./no.,頁数 Page nos.
2012  On (so-called) Lexical and Syntactic Compound Verbs in Japanese and Korean  単独  2013/03/26 
韓国国立ソウル大学言語学コロキアム  , 韓国国立ソウル大学   

概要(Abstract)  従来日本語にも韓国語にも生産性の高い語彙的複合動詞が存在すると考えられてきたが、生成エンジンが統語部門だけである分散形態論のモデルでは、これらはすべて統語部門で形成されると考えられる。両者の違いは、併合のレベルの違いにある。つまり、日本語では範疇未指定の語根と語根を併合したあとに品詞を決定づけるvと併合するが、韓国語では前項と後項のそれぞれの語根をvと併合したのちに両者をさらに併合する方法が生産的である。さらに、影山(1993)の「他動性調和原則」やKo & SohnのMatching Conditionは実は独立した原則ではなく、併合操作の帰結とみなすべき可能性がある。 

備考(Remarks) 招聘発表 

2012  On Aspectual Properties of Resultative Compound Verbs in Chinese and Japanese  単独  2013/02/27 
台灣国立中山大学人文系日中対照言語学ワークショップ  , 台灣国立中山大学   

概要(Abstract)  日中両語には語彙的複合述語と統語的複合述語のいずれもが存在し、前者は達成事象を後者は到達事象を表すという共通点がみられることを指摘し、主要部後置型の日本語においてのみならず、主要部前置型とみられる中国語においても後項が事象タイプを決定しているように見えるのは、前項と後項の間に介在する機能範疇の働きによるものだとの提案を行った。 

備考(Remarks) 招聘発表 

2012  On Aspectual Properties of Resultative Compound Verbs in Chinese and Japanese  単独  2013/02/26 
台灣国立師範大学英語系言語学コロキアム  , 台灣国立師範大学   

概要(Abstract)  日中両語には語彙的複合述語と統語的複合述語のいずれもが存在し、前者は達成事象を後者は到達事象を表すという共通点がみられることを指摘し、主要部後置型の日本語においてのみならず、主要部前置型とみられる中国語においても後項が事象タイプを決定しているように見えるのは、前項と後項の間に介在する機能範疇の働きによるものだとの提案を行った。 

備考(Remarks) 招聘発表 

2012  On Applicative/Aspect Positions in Japanese and Korean  単独  2012/11/04 
日韓方言と言語記述に関する国際シンポジウム2012  , 京都大学   

概要(Abstract)  日本語と韓国語ではVPの上下に位置する機能範疇を用いる点では同じだが、vPより高い位置の機能範疇は日本語においてのみ使われ、これが両言語の「文法化」の差異となって現れるとの主張を行った。 

備考(Remarks) 招聘発表 

2011  中国語複合動詞の分類再考ー語彙的アスペクトの観点からー  共同  2011/11/26 
日本言語学会第143回大会  , 日本言語学会   

概要(Abstract) 中国語の単純動詞は一般に活動動詞(activity verbs)か状態動詞(stative verbs)しか存在しないといわれる。ただし、単純動詞でも「校正」タイプのように2音節のもの、また「殺死」のような複合動詞も含めると、Vendler/Dowtyの動詞4分類にある達成動詞(accomplishment verbs)や到達動詞(achievement verbs)も存在することを主張した。 

備考(Remarks)  

2009  On the Source of Asymmetries in Passives between Japanese and Korean  単独  2009/08 
the 11th Seoul International Conference on Generative Grammar  , 韓国生成文法学会(於:韓国外国語大学)   

概要(Abstract) 日本語の受身文「太郎が花子に髪を切られた」には「髪」が「太郎」のものである解釈と「花子」のものである解釈の2通りがあるが、韓国語の対応する受身文には後者の解釈はない。また、韓国語には日本語の「太郎が花子に泣かれた」のような自動詞語幹の間接受身文も存在しない。これらの事実はWashio (1992)などで論じられているが、本稿ではさらに日韓語の受身文における違いとヤリ・モライ表現における違いを関係づけ、日本語にはTPより高い位置に適用句(Applicative Phrase)が存在すると仮定すれば、すべてを統一的に説明することができると提案した。 

備考(Remarks)  

2008  On Information Packaging of Topicalized and Scrambled Sentences in Japanese  その他  2008/07 
the 18th International Congress of Linguistis  , 国際言語学者会議(於:高麗大学)   

概要(Abstract) Aoyagi (2006)で提案した、日本語においてかきまぜ規則で文頭に置かれた要素は「焦点」の解釈を受けるという仮説が、音韻的にも支持されることを示した。さらに、Vallduví (1992, 1995)の提案を修正して、2種類のinformation packagingを認めれば、統語構造と情報構造の間の写像がより透明化されうる可能性を示唆した。 

備考(Remarks) 共同発表者:加藤幸子 

2007  日本語におけるかきまぜ規則の意味的、情報構造的影響について  単独  2007/12 
第109回現代日本語学研究会  , 名古屋大学留学生センター   

概要(Abstract) 日本語におけるかきまぜ規則が、たとえSaito (1989)がいう意味で空(すなわち、量化子−変項構造は作らない)であったとしても、数量詞の作用域や焦点など、意味的、情報構造的な影響はあることを論じた。 

備考(Remarks)  

2005  On the predicate focus constructions in Korean and Japanese  単独  2005/08 
the 11th International Symposium on Korean Linguistics  , Harvard University   

概要(Abstract) 日本語、韓国語におけるVPを-wa/nunによって焦点化する現象は、日本語ではPFにおける主要部下降、韓国語では主要部上昇を仮定することよって説明可能であることを論じた。 

備考(Remarks)  

2005  You go up, I go down!  単独  2005/08 
the 7th Seoul International Conference on Generative Grammar  , 韓国生成文法学会(於:建国大学、韓国、ソウル)   

概要(Abstract) 韓国語、日本語における-wa/nunによる述部の焦点化とその違いは、韓国語がPFにおいて主要部上昇により連鎖を形成するのに対して、日本語は同部門において主要部下降を選択するためであると論じた。 

備考(Remarks)  

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研究助成
年度
Year
助成名称または科学研究費補助金研究種目名
Name of grant or research classification for scientific research funding
研究題目
Research Title
役割(代表/非代表)
Role
助成団体
Granting body
助成金額
Grant amount
2013  南山大学パッヘ研究奨励金I-A-2  日本語、韓国語、中国語の複合動詞の比較対照研究 
代表    300000 

研究内容(Research Content)  

備考(Remarks)  

2012  南山大学パッヘ研究奨励金I-A-2  日韓(中)語のボイス・アスペクトの交替現象に関する対照研究 
代表    300,000円 

研究内容(Research Content)  日中韓の3言語における複合述語に着目し、ボイス・アスペクトの比較対照研究を行った。
 日本語と中国語の複合述語においては、前者において生産的な「押し倒す」タイプが語彙的であり、後者において生産的な「推倒」タイプが統語的という違いがあるが、いずれの言語においても語彙的なものと統語的なものの両方が存在し、語彙的なものが達成事象を表し、統語的なものが到達事象を表すという違いがあることが判明した。また、主要部後置型の日本語においてのみならず、主要部前置型といわれる中国語においても後項が複合述語全体の事象タイプを決めているようにみえるのは、ある機能範疇が介在するためであるとの仮説を提案した。
 一方、日本語と同様に韓国語にも語彙的な複合述語と統語的な複合述語の両方が存在するとされてきたが、分散形態論の立場からみると、少なくとも生産的なものに関しては、語彙的な複合述語を認める必要はないとの見解に達した。ただし、日本語では語根と語根を直接併合した複合述語が生産的であるのに対し、韓国語では前項と後項の語根をまず品詞を特定する機能範疇と併合したのちに両者のさらなる併合を行うことが多い。さらに、両言語で前項と後項の形態的他動性が一致するのは、影山(1993)などが提案する「他動性調和原則」によるのではなく、この併合という操作からの帰結であるとする仮説を提案した。 

備考(Remarks)  

2011  科学研究費補助金  機能範疇の働きと(ミクロ)パラメターに関する日韓対照研究 
代表  日本学術振興会  2,600,000円 

研究内容(Research Content)  パラメター研究がかつてのマクロ・パラメターの研究からミクロ・パラメターの研究が主流になりつつある現在、類似性の高い日本語と韓国語を比較対照することは一般言語理論の進展にとって大いに貢献が期待される。
 本研究は、日韓両語を統語論(移動、削除など)、形態論(使役・受身などのボイスや適用形、複合述語など)、言語獲得(項削除、かき混ぜの獲得など)の観点から総合的に比較対照しようという試みである。 

備考(Remarks) 2011年度〜2013年度
共同(研究分担者:高野祐二、杉崎鉱司) 

2010  南山大学パッヘ研究奨励金I-A-2  ボイスおよび情報構造に関する日韓対照研究 
研究代表者    300,000 

研究内容(Research Content) 研究助成 

備考(Remarks)  

2009  南山大学パッヘ研究奨励金I-A-2  日韓語におけるボイスおよび情報構造の対照研究 
研究代表者    300,000 

研究内容(Research Content) 研究助成 

備考(Remarks)  

2008  南山大学パッヘ研究奨励金I-A-2  日韓語における動詞形態の対照研究、および日本語の情報構造について 
研究代表者    300,000 

研究内容(Research Content) 研究助成 

備考(Remarks)  

2007  南山大学パッヘ研究奨励金I-A-2  動詞形態と機能範疇に関する日韓比較研究 
研究代表者    300,000 

研究内容(Research Content) 研究助成 

備考(Remarks)  

2006  南山大学パッヘ研究奨励金I-A-2  日韓語の存在文・所有文とアスペクト表現の比較研究 
研究代表者     

研究内容(Research Content) 研究助成 

備考(Remarks)  

2005  南山大学パッヘ研究奨励金I-A-2  動詞形態と機能範疇に関する日韓比較研究 
研究代表者     

研究内容(Research Content) 研究助成 

備考(Remarks)  

2002  南山大学パッヘ研究奨励金I-A  機能範疇と比較統語論 
研究代表者     

研究内容(Research Content) 研究助成 

備考(Remarks)  

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教育活動
年度
Year
タイトル
Title
内容等
Content
活動期間
Period of Activities
2007  コンソーシアム科目の企画、講義担当、およびワークショップの企画、運営 

平成19年度文部科学省「魅力ある大学院教育」イニシアティブ「言語科学国際共同研究のカリキュラム化」におけるイギリス・ケンブリッジ大、インド・ハイデラバード国立言語研究所との合同コンソーシアム科目「統語論研究」の企画、講義を担当し、それに続く"Interface Conditions"に関するワークショップを企画、運営した。 

2007/09/17-20 
2005  海外(韓国)における「フィールドワーク(文化人類学)」の企画、実施、および報告書作成 

「フィールドワーク(文化人類学)」の学外授業(於韓国・釜山)の企画、準備、実施、および報告書作成 

2005/12/25/-2006/01/04 
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研究活動/社会的活動
年度
Year
活動名称
Name of activities
活動期間
Period of Activities
2012  海外研究出張  2013/03/10〜2013/03/27 

活動内容等(Content of Activities) 韓国国立ソウル大学人文学部言語学科ナム・スンホ教授の招聘による日韓対照共同研究のための出張 

2012  講演会講師  2013/02/01 

活動内容等(Content of Activities) 近畿化学工業会における「韓国はハン(恨)のナラ(国)−隣国のより深い理解に向けて−」と題する招聘講演 

2010  研究海外出張  2011/03/07-26 

活動内容等(Content of Activities) 日韓語のボイス比較研究のための共同研究打ち合わせ(漢陽大学)および資料収集 

2010  学会誌編集委員  2010/04ー現在 

活動内容等(Content of Activities) 日本語文法学会誌『日本語文法』編集委員 

2009  学会評議員  2009/04/01ー2012/03/31 

活動内容等(Content of Activities) 日本言語学会評議員(中部地区代表) 

2008  論文査読委員  2008-to date 

活動内容等(Content of Activities) Article reviewer for Natural Language and Linguistic Theory 

2007  講演会講師  2007/07/21 

活動内容等(Content of Activities) 南山大学連続講演会「教養教育への扉」(於:南山大学名古屋キャンパス)における講演。題目「ことばの不思議」 

2007  論文要旨査読委員  2007/04 

活動内容等(Content of Activities) 日本言語科学会 発表論文要旨査読 

2007  論文査読委員  2007-to date 

活動内容等(Content of Activities) Article reviewer for Lingua 

2006  論文要旨査読委員  2006/04 

活動内容等(Content of Activities) Abstract reviewer for Formal Approaches to Japanese Linguistics 4 (FAJL4) 

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著書・学術論文に関する統計情報
年度
Academic Year
学術研究著書の件数
No. of Academic Books
学会誌・国際会議議事録等に掲載された学術論文の件数
No. of Academic Articles in Journals/Int'l Conference Papers
学内的な紀要等に掲載された学術論文の件数
No. of Academic Articles Pub'd in University Bulletins
学会受賞等の受賞件数
No. of Academic Awards Received
国際学会でのゲストスピーカーの件数
No. of Times as Guest Speaker at Int'l Academic Conferences
国際学会での研究発表の件数
No. of Presentations of Papers at Int'l Academic Conferences
国内学会でのゲストスピーカーの件数
No. of Times as Guest Speaker at National Academic Conf.
国内学会での研究発表の件数
No. of Papers Presented at National Academic Conf.
2022 
2021 
2020 
2019 
2018 
2017 
2016 
2015 
2014 
2013 
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2024/05/16 更新