研究者詳細

教職員基本情報
氏名
Name
鈴木 達也 ( スズキ タツヤ , SUZUKI Tatsuya )
所属
Organization
外国語学部英米学科
職名
Academic Title
教授
専攻分野
Area of specialization

英語学,言語学

学会活動
Academic societies

日本英文学会中部支部(中部英文学会)会員(1990.10〜現在に至る)
日本英文学会中部支部学会誌『中部英文学』編集委員(1993.10〜1997.9)
日本英語学会会員(1988.11〜現在に至る)
近代英語協会会員(1988.5〜現在に至る)
日本英文学会会員(1988.5〜1990.3)
日本英文学会会員(1993.4〜現在に至る)
Nanzan GLOW (The Second GLOW Meeting in Asia)(第2回アジアGLOW学会)大会準備委員会委員(1999.9)
映画英語教育学会会員(2011.4〜2014.2)
大学英語教育学会会員(2011.11〜現在に至る)
日本英文学会中部支部事務局書記(2012.4〜2013.3)
日本英文学会中部支部理事(2013.4〜2021.3)
大学英語教育学会中部支部研究企画委員(2013.4〜現在に至る)
日本英文学会中部支部副支部長(2014.4〜2015.3)
大学英語教育学会運営委員(セミナー事業委員会英語教育セミナー担当)(2014.4〜2015.3)
大学英語教育学会中部支部副支部長(2015.4〜2017.3)
日本英文学会中部支部監事(2015.4〜2018.3)
大学英語教育学会理事(2015.6〜2017.6)
日本英文学会中部支部副支部長(2018.4〜2020.3)

社会活動
Community services

大学基準協会大学評価委員会大学評価分科会第5群委員(2009.4〜2010.3)
大学基準協会大学評価委員会文学系第2専門評価分科会(2010.4〜2011.3)
第63回高円宮杯全日本中学生英語弁論大会愛知県大会審査員(2011.10.1)
第64回高円宮杯全日本中学生英語弁論大会愛知県大会審査員(2012.10.6)
第66回高円宮杯全日本中学生英語弁論大会愛知県大会審査員(2014.10.4)
第67回高円宮杯全日本中学生英語弁論大会愛知県大会審査員(2015.10.3)
第68回高円宮杯全日本中学生英語弁論大会愛知県大会審査員(2016.9.24)
大学基準協会大学評価委員会大学評価分科会第44群委員(2017.4〜2018.3)
第69回高円宮杯全日本中学生英語弁論大会愛知県大会審査員(2017.10.1)
第70回高円宮杯全日本中学生英語弁論大会愛知県大会審査員(2018.9.22)
第71回高円宮杯全日本中学生英語弁論大会愛知県大会審査員(2019.9.21)
豊田工業大学学術アドバイザー
(2021.6〜現在に至る)

著書・学術論文数
No. of books/academic articles
総数 total number (37)
著書数 books (2)
学術論文数 articles (35)

出身学校
学校名
Univ.
卒業年月(日)
Date of Graduation
卒業区分
Graduation
   Classification2
南山大学外国語学部英米科 1982年03月  卒業 
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出身大学院
大学院名
Grad. School
修了課程
Courses
   Completed
修了年月(日)
Date of Completion
修了区分
Completion
   Classification
ワシントン大学大学院人文科学研究科言語学専攻 博士課程  1988年03月  修了 
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取得学位
   
学位区分
Degree
   Classification
取得学位名
Degree name
学位論文名
Title of Thesis
学位授与機関
Organization
   Conferring the Degree
取得年月(日)
Date of Acquisition
博士 言語学博士 Ph.D.(in Linguistics)  The Structure of English Gerunds  ワシントン大学 University of Washington大学院  1988年03月 
修士 文学修士(修第302号)  On Selection of POSS-ING and ACC-ING: A Syntactic Analysis  南山大学大学院  1984年03月 
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研究経歴
長期研究/短期研究
Long or Short
   Term research
研究課題名
Research Topic
長期研究  生成文法による英語統語論研究 

概要(Abstract) 生成文法理論的手法を用いて,英語における文と名詞句の構造,動名詞の構造,統語連鎖,あるいはwhの文法等を研究し,普遍文法の全貌解明へと発展する言語理論の基礎的研究を行う。普遍文法解明のために,英語学研究に加え,日本語を始め英語以外の言語の研究によって得られた成果も積極的に取り入れ,より深い研究を目指す。 

短期研究  英語名詞句の構造,英語動名詞の構造,統語連鎖,WH移動の統語分析,虚辞動詞の分析 

概要(Abstract) 修士論文のための研究以来,35年にわたって研究を続けている英語動名詞は,名詞句と文の特徴をあわせ持つ点で非常に特徴的である。そこで,短期的な研究としては動名詞の統語分析はもとより,関連する名詞句の構造分析,およびWHの文法など動名詞にかかわる統語的諸問題について研究を行っている。また,英語以外の言語の統語論にも目を向け,日本語における虚辞動詞の文法についても考察を行っている。 

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著書
年度
Year
著書名
Title of the books
著書形態
Form of Book
NeoCILIUS
   請求番号/資料ID
Request No
出版機関名 Publishing organization,判型 Book Size,頁数 No. of pp.,発行年月(日) Date
2011  『アメリカ研究統合化の役割としての「映画」』  共著   
行路社  , A5  , 246 p.  , 2011/11/20   

概要(Abstract) 担当部分:「前人未踏の未知の世界へ果敢に飛び出して行こう 『スタートレック』から学ぶ」(ベンジャミン・ドーマンとの共著)(p. 181-203)
 1960年代後半にアメリカでテレビ放映が始まって以来、全世界で多くのファンを勝ち取ったSFテレビシリーズのStarTrekは、史上最も影響力のあるSFテレビシリーズであると言っても過言ではない。宇宙を舞台として、多文化的、文化相互的、異世代間的な特徴を持つと言われるStarTrekではあるが、その原点は、アメリカ人が抱いているアメリカの西部開拓のイメージであると考えることができ、その意味で、アメリカ研究および異文化理解の教材としても極めて有効である。本稿は、南山大学外国語学部英米学科の専門科目であるSpecial Topics in English: Issues in Humanitiesの中でとりあげたStarTrekに関するディスカッションについて、詳細に記述するものである。 

備考(Remarks) 宮川佳三編『アメリカ研究統合化の役割としての「映画」』(南山大学地域研究センター共同研究シリーズ3)第9章
共著者:岩野一郎、牛田千鶴、大井由紀、奥田博子、紙村徹、川島正樹、ベンジャミン・ドーマン、宮川佳三、デイビッド・R・メイヤー 

1994  『助動詞Do起源・発達・機能』(演算子移動と主語・助動詞倒置−指定辞・主要部一致の観点から−)  共著   
英潮社  , A5  , 345 pp  , 1994/05   

概要(Abstract) 担当部分:「演算子移動と主語・助動詞倒置−指定辞・主要部一致の観点から−」(p. 215-230)
 現代英語の疑問文における主語・助動詞倒置の現象を、指定辞・主要部一致の観点から解説したもので、WH演算子の移動、動詞による補部の選択、等の問題に言及しながら、主節と従属節の違いなどを生成文法の枠組みを用いて説明するものである。 

備考(Remarks) 中尾祐治,中村不二夫,天野政千代,水谷洋一,三浦常司,児馬 修,池上恵子,奥 浩昭,盛田義彦,鈴木達也,有元將剛 他2名 

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学術論文
年度
Year
論文題目名
Title of the articles
共著区分
Collaboration
   Classification
NeoCILIUS
   請求番号/資料ID
Request No
掲載誌名 Journal name,出版機関名 Publishing organization,巻/号 Vol./no.,頁数 Page nos.,発行年月(日) Date
2023  POSS-ingにおける英語属格主語に関する制限について  単著   
アカデミア 文学・語学編  , 南山大学  , 第115号  , pp. 37-50  , 2024/01/31   

概要(Abstract)  本稿は、(i)のようなPOSS-ingの属格主語に関連して、統率束縛理論の下で格標示とθ標示の関連性を指摘したChomsky 1986の提案を、現在のミニマリスト・プログラムの枠組みの下で再解釈するものである。
(i) I was impressed by [John's playing Bach on the guitar last night].
 Chomsky 1986は、(ii)に見られる動名詞と時制文の間に見られる対比を説明するために、(iii)のような属格標示とθ標示を連結させる提案を行ったが、本稿では、ラベル付与のためのlabeling algorismの前提条件となる探索条件(iv)を提案して、奇妙なPOSS-ingの属格主語の特性が原理的に説明されることを示す。
(ii) a. *John's seeming to be intelligent
b. John seems to be intelligent.
(iii) If α is an inherent Case-marker, then α Case-marks NP if and only if [α] θ- marks the chain headed by NP.
(iv) labeling algorism (LA)の探索対象{XP, YP}において、XP、YPは互いにθ関係を持たなくてはならない。
 また、提案(iv)により、(v)が示すようなseemと形容詞に関わる虚辞の属格表現に見られる対比についても、seemと形容詞のθ標示の違いによって原理的な説明が与えられることを示す。
(v) a. It seems [that John is intelligent].
b. *its seeming [that John is intelligent]
(vi) a. It is obvious [that John is intelligent].
b. its being obvious [that John is intelligent]
 

備考(Remarks)  

2021  「英語縮約関係節」における制約について  単著   
『ことばの様相–現在と未来をつなぐ-』  , 開拓社  , pp. 40-51  , 2022/03/24   

概要(Abstract) 本稿では、定形関係節や不定詞関係節とは異なり、英語縮約関係節の形成については演算子が関与していないとする鈴木 (2018)の提案を踏まえた上で、鈴木 (2018)では未解決の問題とされていたseemを用いた英語縮約関係節が容認されない理由について考察した。ラベル付与に関して、A移動一般については問題がないことを示す一方、seemのような上昇動詞の場合、(1a)のような、演算子が関与する定形関係節では問題がないが、(1b)のような動名詞の場合には容認されないことを説明する必要がある。
(1) a. We have been looking for a trace of life forms
    that seem to have been extinct for two billion
    years.
  b. *We have been looking for a trace of life forms
    seeming to have been extinct for two billion
    years.

このことについて本稿では、(2)のようなラベル付与のためのアルゴリズムにθ関係についての制限を提案した。
(2)  labeling algorism (LA)の探索対象{XP, YP}において、
   XP、YPは互いにθ-関係を持たなくてはならない。

動名詞の場合、CPの領域が欠如しており、そのため、CからTへの素性継承も存在しないため、共有される顕著な素性によってラベル付与を行う選択肢がなく、そのため、適切なラベル付与が行われず、結果としてインターフェースでの適切な解釈が得られないことによって(1b)は非文法的となると主張した。
 本稿の提案は、同じくCPの領域を欠いていると考えられるPOSS-ingやACC-ingに見られる奇妙な振る舞いについても一定の説明を与えるものであることも示した。未解決の問題も多々あるが、それらは今後の研究の課題としたい。 

備考(Remarks)  

2020  ACC-ingの構造について  単著   
アカデミア 文学・語学編  , 南山大学  , 第108号  , pp. 49-68  , 2020/06/30   

概要(Abstract)  本稿は、(i)のようなACC-ingの外部構造についてミニマリスト・プログラム(Chomsky 1995、2001、2013、2015 他)に基づく分析を行うものである。
(i) I remember John singing a lot of beautiful songs at the party last week.
ACC-ingは節に近い特徴を示し(Horn 1975、Reuland 1983、Abney 1987、Pires 2006 他)、内部構造はTPあるいはそれに準ずる節構造を持っていると考えられている。一方、外部構造については諸説あり、S’ を仮定する分析(Reuland 1983)、DPを仮定する分析(Abney 1987 他)、TPまでの構造しか仮定しない分析(Suzuki 1998、Pires 2006 他)がある。本稿は、S’分析、DP分析、TP分析を概観した上で、Bošković and Lasnik (2003)の空補文標識に関するPF Mergerの分析を踏まえたCP分析を提案するものである。ACC-ingが格位置にしか現れ得ないことから、ACC-ingの空補文標識は、格認可に関わる要素とのPF Mergerが想定される。さらに Chomsky (2013,2015)が提案するラベル付与のシステムとACC-ingの分析の整合性についても検討を加え、ACC-ingの外部構造に関する妥当な分析を探るものである。 

備考(Remarks)  

2019  ELF時代における「通じる英語」についての一考察  単著   
アカデミア 文学語学編  , 南山大学  , 第106号  , pp. 1-15  , 2019/06/30   

概要(Abstract) 国際英語(World Englishes)や共通語としての英語(English as a lingua franca, ELF)といった概念が広く受け入れられている今日,日本における英語教育は大きく様変わりしてきたと言って良い。英語による英語の授業やタスク遂行型, コミュニケーション重視の授業が広く行われ,実用的な英語の習得を目指している。しかしながら,英語母語話者による英語の使用よりも非母語話者による英語の使用の方が多くなった現実を踏まえて英語の様々なバリエーションが認められるようになると,果たしてどのような英語を学ぶことが適切であるのかという問題が顕在化してくると同時に,「通じる英語」とはどのような英語なのかについて検討する必要性が生じてくる。本稿は,「通じる英語」をめぐる諸問題を踏まえつつ,そもそも日本の英語教育の目的とは何なのかについて検討するものである。 

備考(Remarks)  

2018  タスク遂行重視,コミュニケーション重視の英語教育と第二言語習得におけるパラメータ再設定  単著   
アカデミア文学・語学編  , 南山大学  , 第104号  , pp. 1-17  , 2018/06/30   

概要(Abstract) Studies suggest Universal Grammar (UG) is accessible, at least in certain aspects, also in second language acquisition (Ionin, Ko, and Wexler, 2004; Ko, Ionin and Wexler, 2010; Yamada, 2012; Niwa and Hayashi, 2010; Kume, 2016 among others). Assuming that feature re-assembly and parameter resetting are at work in second language acquisition, one may think that task-based and communication-based approaches are effective in English education. However, as Hasegawa (2015) points out, referring to recent students’ failure of acquiring function words, task-based and communication-based approaches may be misleading English learners in Japan. This article points out that the problems arise from the fact that the EFL (English as a Foreign Language) context in Japan providing insufficient time for contacting the target language gives too much challenge to second language learners. In addition, it is also suggested that the lack of a clear distinction between linguistic competence and communicative competence in English education in Japan leads to communication not using the English language, but merely using English words without grammar, which cannot be considered to be language from the perspective of linguistics. 

備考(Remarks)  

2017  日本語と英語の違いへの気付き:小学校英語教育と大学英語教育の接点  共著   
『アカデミア』文学・語学編  , 南山大学  , 第103号  , pp. 241-257  , 2018/01/31   

概要(Abstract) The purpose of this research is two-fold. One has to do with a proposal for an effective activity at the elementary school level to promote students' noticing phonological differences between English and Japanese. The students' awareness of the differences on English syllabic structure and Japanese moraic structure helps them to acquire a variation of English that is more understandable for both native and non-native speakers of English with appropriate rhythm of the language. The other has to do with an interface between elementary school English education and college English education from the perspective of understanding the above-mentioned differences. Not only noticing the differences but also understanding them from a linguistics point of view will help the more mature learners to acquire a variation of English that is more understandable without adding unnecessary vowels that may cause irregular rhythm. Some enhancement seems necessary for oral communication-based approaches, which are widely adopted in college English education, because such barriers as negative transfer of mother tongue may prevent the learners from noticing the differences between the two languages. 

備考(Remarks) 加藤みゆき氏との共著 

2017  英語縮約関係節の構造について  単著   
『中部英文学』  , 日本英文学会中部支部  , 第37号  , pp. 21-29  , 2018/01/20   

概要(Abstract)  本稿は、ミニマリスト・プログラムの枠組みで英語の縮約関係節(Reduced Relative Clause: RRC)の構造を探り、一般に関係節と捉えられ得る定形節の関係節、不定詞の関係節、そしてRRCの3つを比較することでRRCの特徴を明らかにした後、RRCは定形節の関係節、不定詞関係節とは異なりCPの構造は持っておらず、従って演算子が関与しない付加構造による関係節であることを示すものである。RRCが付加詞であることから、単に対併合(pair-Merge)(Chomsky 2004, 2013, 2015等)によって生成する分析も考えられるが、本稿では、Chomsky (2013, 2015)によるラベル付与の理論とHornstein (1999)によるPROの分析ならびにNunes (2001)によるsideward movementを組み合わせることによって、一見奇異に思われるRRCの特徴に対して自然な説明が与えられることを示すものである。 

備考(Remarks) 『英文學研究』支部統合号(日本英文學會)Vol. X、pp. 139-147 

2015  英語教育における階層的句構造分析の活用について:他教科との連携  単著   
JACET中部支部紀要  , 大学英語教育学会中部支部  , 第13号  , pp. 39-53  , 2015/12/25   

概要(Abstract) Although the notion of constituency, one of the most important basic concepts in human language, plays a central role in generative grammar, it has not attracted much attention in the research canon of Japan's English education (Nakamura 2012, Kaneko 2012, 2013). Shedding light on the insights obtained through analyses in generative grammar concerning binding, reconstruction, operator scope, and C-command, this article argues the importance of incorporating hierarchical phrase structures into English education, and shows that what appears to be too complicated to present to early English learners (i.e., the C-command explanation concerning scope interactions between negative not and adjuncts) can actually be explained in terms of one of the basic concepts that are made available to early learners in mathematics (i.e., distributive property). Thus this article explores possibility of linking English education with other subjects. 

備考(Remarks)  

2015  英語動名詞の構造について  単著   
『アカデミア』(文学・語学編)  , 南山大学  , 98号  , pp. 1-13  , 2015/06/30   

概要(Abstract) This is a syntactic study of an English verbal gerund, POSS-ing, within the framework of the Minimalist Program (Chomsky 1995, 2001, 2005, 2007, 2008). The present article revises Suzuki's (2013) analysis of POSS-ing schematically shown in (i), proposing that the gerund has the structure consisting of a vP dominated by D as shown in (ii).
(i) [DP D [TP T [vP v [VP V-ing ... ]]]]
(ii) [DP D [vP v [VP V-ing ... ]]]
Suzuki (2013) argued on the basis of the structure (i) that the EPP feature of T in POSS-ing comes from the matrix verb V (or v) via D as a result of serial feature inheritance. On the other hand, the present article, following Saito (2011), claims on the basis of the structure (ii) that the locus of the EPP feature of POSS-ing is v, and the feature is not inherited by its complement V because of the lack of ϕ-features of v. This analysis is more favorable in that it does not need the speculative serial feature inheritance, and the EPP difference between ordinary NPs and gerunds can be explained in terms of presence/absence of verbal projections. 

備考(Remarks)  

2013  On Genitive Subjects in English  単著   
Deep Insights, Broad Perspectives: Essays in Honor of Mamoru Saito  , Kaitakusha  , pp. 361-380  , 2013/11/22   

概要(Abstract)  本論文は、拡大投射原理の観点から名詞句と動詞的動名詞(特にPOSS-ing)の違いについて論じるものである。Chomsky (1986)は、名詞句と動詞的動名詞における拡大投射原理に関わる違いについて、内部構造に最大投射があるか否かという観点から説明を試みた。しかしながらその説明は、限定詞句の仮説のもとでは成立せず、また、Saito and Murasugi (1990, 1999)や有元・村杉 (2005)で提案されている一般的な削除規則とも整合性が無い。提案された一般的な削除規則を支持しつつ、本論文ではDをフェーズ主要部とは認めない仮定のもと、V、D、T間に連続的な素性継承があるとする分析を提案している。 

備考(Remarks) Edited by Yoichi Miyamoto, Daiko Takahashi, Hideki Maki, Masao Ochi, Koji Sugisaki, and Asako Uchibori.
還暦記念論文集第18章 

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その他研究業績
年度
Year
題名等
Titles
カテゴリ
Category
細目
Authorship
掲載雑誌名等 Publishing Magazine,発行所 Publisher,巻/号 Vol./no.,頁数 Page nos.,発行年月(日) Date
2010  Cynthia L. Allen, Genitives in early English: Typology and evidence書評  書評  単著 
『英文学研究』支部統合号  , 日本英文学会  , Vol. III  , 337-344  , 2011/1   

概要(Abstract) Cynthia L. Allen著の8章、354ページからなるGenitives in early English: Typology and evidenceの書評である。必ずしも史的研究あるいは生成文法の専門的な知識を持たない読者に対しても比較的容易に理解ができるように、各章毎に簡単な解説を加えて内容を紹介した。英語の属格構文の研究の歴史は長いが、本書では、近年格段の進歩を遂げた電子コーパスを活用すると同時に、新たな視点から地道な資料分析を行って、従来広く受け入れられてきた定説をも見直して、属格構文の歴史的変化に説得力のある説明を加えようとする姿勢が貫かれている。書評を通して、著者が示している、分析においては資料の慎重な吟味が常に必要であるという基本姿勢を強調した。 

備考(Remarks) 『中部英文学』第XXX号, 59-66, 日本英文学会中部支部 

2008  On the Structure of the True Hybrid Gerund in Early Modern English: A Minimalist Approach  学術論文  単著 
科学研究費補助金成果報告書「現代言語理論における有標性:言語理論と言語獲得からのアプローチ」(研究代表者:村杉恵子)  , 239-263  , 2009/3   

概要(Abstract)  英語の動詞的動名詞は、半名詞的、半動詞的という意味において中間的特性を持っていると広く主張されて来た。しかしながら実際には、POSS-INGとACC-INGという最もよく知られている動詞的動名詞が「中間的」であると呼ばれる理由は、Abney (1987)が指摘するように、外的には名詞句のような振る舞いをする一方で、内部的には節のような振る舞いをするということにある。このような中間的特性は、過去20年の間に多くの研究者が提案したように、節の構造が限定詞句に支配されるような分析を採用すれば、うまく説明することができるので、英語の動詞的動名詞の中間的特性を説明するのに限定詞句の仮説は理想的な解決であるかのように思われるかも知れない。
 しかしながら、本稿の議論が正しければ、限定詞句の仮説は英語動名詞の分析にとっては理論的に必要条件とはなり得ても、十分条件にはなり得ないと言える。というのも、英語動名詞の史的発達の観点を考慮すると、動詞的動名詞の名詞的特性は外的な振る舞いに限定されるわけではないからである。本稿では、初期近代英語の真の中間的動名詞に言及しながら英語の動詞的動名詞の中間的特性についての議論を拡張し、ミニマリスト理論の「併合」に基づく構造構築のシステムを採用する分析の方が、過去20年の間に提案された分析よりも優れていることを示すものである。 

備考(Remarks)  

2000  Ever After  翻訳  共訳 
スクリーンプレイ出版  , 156pp  , 2000/10   

概要(Abstract) 名作映画完全セリフ集スクリーンプレイ・シリーズのEver Afterの翻訳及び語学的解説を行なった。主に語学的解説を担当し、セリフやト書きの特別な言い回し・俗語・固有名詞などの詳しい解説や例文、英語訳などをつけた。 

備考(Remarks) 本人担当部分:全編にわたり、主に語学的解説を担当、共訳者:玉崎孫治、鈴木達也、今村洋美、河村春美、都築雅子 

2000  『米語会話きまり文句辞典』  翻訳  単訳 
マクミランランゲージハウス  , 521 pp  , 2000/05   

概要(Abstract) リチャード・スピアズ著のイディオム辞典Phrases and Idiomsを例文も含めて翻訳した。見出し語については、イディオム的な訳を避け、語源を考慮の上、直訳に近い翻訳を行なっている。 

備考(Remarks) 原書名:Phrases and Idioms: A Practical Guide to American English Expressions 

1998  英語学用語辞典  用語辞典  その他 
三省堂  , 912pp  , 1999/01   

概要(Abstract) 英語学書・論文に現れた英語学の用語9,500項目に渡り(内55項目担当)適切な用例を添えてその定義を簡潔に記述し、また用語の初出論文・研究書も示した。 

備考(Remarks) 執筆担当部分:内u,v,wから55項目、執筆者:青井順子、赤野一郎、阿部幸一、天野政千代、荒木一雄、有馬道子、有村兼彬、有元將剛、有吉淳一郎、鈴木達也 他193名 

1997  A Review of Abraham et al. (eds.), Minimal Ides: Syntactic Studies in the Minimalist Framework  書評  単著 
『英文学研究』  , 日本英文学会  , 138-143  , 1998/03   

概要(Abstract) Abraham他編集のミニマリスト理論に基づく論文集の書評であり、生成文法理論研究における本書の貢献について述べると同時に各論文の主な主張について簡単な要約を加えた。 

備考(Remarks) English Number 1998 

1997  A Review of Akira Watanabe, Case Absorption and WH-Agreement  書評  単著 
Journal of Linguistics  , Cambridge University Press  , 34/1  , 286-293  , 1998/03   

概要(Abstract) 渡辺明著Case Absorption and WH-Agreementの書評論文であり、ミニマリスト理論に基づいて著者が提案した三層的格照合仮説を用いると、格吸収及びWH一致の現象がいかに原理的に説明できるかということについて、各章毎に簡単な解説を加え紹介した。 

備考(Remarks)  

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研究発表
年度
Year
題目又はセッション名
Title or Name of Session
細目
Authorship
発表年月(日)
Date
発表学会等名称 Name, etc. of the conference at which the presentation is to be given, 主催者名称 Organizer, 掲載雑誌名等 Publishing Magazine,発行所 Publisher,巻/号 Vol./no.,頁数 Page nos.
2017  ACC-ingの構造について  単独  2017/10/28 
日本英文学会中部支部第69回大会  , 日本英文学会中部支部   

概要(Abstract)  本発表は、(1)のようなACC-ingの外部構造についてミニマリスト・プログラム(Chomsky 1995, 2013, 2015他)に基づく分析を行うものである。
(1) I remember John singing a lot of beautiful songs at the party last week.
 ACC-ingは節に近い特徴を示すことから(Horn 1975, Emonds 1976, 1985, Reuland 1983, Abney 1987, Pires 2006他)、内部構造はTPあるいはそれに準ずる節構造を持っていると考えられている。一方、外部構造については諸説あり、DPを仮定する分析(Abney 1987他)、TPまでの構造しか仮定しない分析(Suzuki 2001, Pires 2006他)がある。
 本発表ではDP分析、TP分析に加え、Bošković and Lasnik (2003)が提案するnull Cに関するPF Mergerの分析を踏まえたCP分析の可能性についても検討を行う。Bošković and Lasnikは、null Cは[+V]範疇をホストとするPF Mergerによって認可されると主張するが、ACC-ingがnull Cを持つとすれば、格位置にしか現れ得ないことから格認可に関わる要素とのPF Mergerが想定される。さらにChomsky (2013, 2015)が提案するラベル付与のシステムとACC-ingの分析の整合性についても検討を加え、ACC-ingの外部構造に関する妥当な分析を探る。 

備考(Remarks)  

2017  タスク遂行重視、コミュニケーション重視の英語教育と第二言語習得におけるパラメター再設定  単独  2017/06/04 
第33回(2017年度)中部支部大会  , 大学英語教育学会(JACET)   

概要(Abstract)  原理変数理論(Chomsky 1981他)に基づく第二言語習得研究において、普遍文法(UG)の第二言語習得への関わりが指摘されている(Ionin 2003, Ionin, Ko, & Wexler 2004、Kume 2016他)。原理変数理論では、生得的なUGの原理と生後の言語刺激に基づく変数設定の組み合わせによって母語獲得が行われると仮定されているが、第二言語習得においてもUGへのアクセスが可能であり、変数の再設定によって第二言語習得が行われるという主張である。本発表では、変数再設定による第二言語習得論を仮定した上で、近年大学も含めて日本で急速に推し進められているタスク遂行重視、コミュニケーション重視の英語教育において見られる(1)のような機能語の不十分な習得(長谷川2015)を例に、タスク遂行重視、コミュニケーション重視の英語教育がもたらす英語学習上の問題点について議論した。
(1)            A       B
 a. What's this?    *Book.  That is a book.
 b. Where is the pen?  *Table. (It's) on the table.
 長谷川も指摘するように、コミュニケーションの視点からはAも容認され得るが、英語としてはBのみが容認可能である。本発表では、機能語の不十分な習得は英語文法の正しい理解という問題にとどまらず、第二言語習得における変数再設定の点からも深刻な問題をもたらすことを示した。
 

備考(Remarks)  

2016  英語縮約関係節の構造について  単独  2016/10/15 
日本英文学会中部支部第68回大会  , 日本英文学会中部支部   

概要(Abstract)  本研究は、ミニマリスト・プログラム(Chomsky 1995他)に基づき、(1)のような英語のReduced Relative Clause(RRC)の構造を明らかにするものである。
(1) We must find the enemy ship cloaking itself with the device.
 RRCは実際には縮約関係節ではなく、CPを欠く節構造であるため演算子が関わっていない。Chomsky (2004)の対併合による付加詞の分析を仮定し、RRCが対併合によって生成され、その意味解釈は演算子ではなくPROに依存していることを示し、RRCでは(A) 先行詞が常にRRCの「主語」であること、(B) (2)のような前置詞随伴や前置詞残留が見られないことを説明する。
(2) *The enemy tries to mass-produce the device [ with which [PRO cloaking their ship]]. 

備考(Remarks) 於:富山大学 

2014  英語教育における階層的句構造分析の活用について  単独  2014/02/28 
大学英語教育学会(JACET)中部支部2014年度春季定例研究会  , 大学英語教育学会(JACET)中部支部   

概要(Abstract)  中村(2012)、金子(2012、2013)等も指摘するように、従来の英語教育においては、SVOのような表層・線形的情報に言及することが多く、「構成素」等の階層的句構造に関わる情報は重要視されてこなかった。コミュニケーション能力育成に重きを置く現在の英語教育では、益々その傾向が強くなっていると言える。
 本発表は、束縛現象、再構築、演算子の作用域、構成素統御等、言語理論における研究で明らかにされてきた階層的句構造に関わる抽象的な諸概念をいかに具体的に英語教育に活かしていくべきかについて議論するものである。発表では、特に動詞句に関わる諸現象に焦点を当て、英語教育における階層的句構造分析の有効性を示した。 

備考(Remarks) 於:名古屋工業大学 

2012  関係節をいかに教えるか:英語教育と英語学の視点  単独  2012/10/28 
日本英文学会中部支部第64回大会  , 日本英文学会中部支部   

概要(Abstract)  日本英文学会中部支部第64回大会(於:南山大学)シンポジウム「新学習指導要領時代の英語学教育」の講師として、新学習指導要領の解説と、関係節の分析について説明すると同時に、シンポジウムコーディネーターとして、シンポジウムの進行およびまとめを行った。 

備考(Remarks)  

2011  高等学校における英語表現IIの学習方法の最適化について  単独  2011/08/28 
映画英語教育学会第17回全国大会  , 映画英語教育学会   

概要(Abstract)  高等学校英語教育の新学習指導要領によって「英語表現II 」が導入されたが、多くの高等学校においては、設定された到達目標と現実的な到達目標との間に少なからぬ隔たりがあり、効果的な「英語表現II 」の学習方法について至急検討を行い、有効な学習方法について具体的な提案を行う事が必要である。
 本発表では、表情・しぐさやポーズ(間)、イントネーションなど、映画を用いた教材を使用することによって大きな学習効果が期待される項目について具体例を示しながら考察した上で、高い学習効果が見込める教材作成をするためのポイントや問題点についての検討を行った。さらに、文化的な要因によって言語間に生ずる多様性の問題など、実際に映画を用いた教材を使用する場面において見落とされがちな問題点についても言及し、補助教材の使用も含めたそれらの対処方法を示すことによって、新学習指導要領の「英語表現II 」の学習方法の最適化についての提案を行った。 

備考(Remarks) 於:名古屋学院大学名古屋キャンパス白鳥学舎 

2011  Biolinguisticsとしての生成文法と英語教育  単独  2011/06/04 
大学英語教育学会(JACET) 第28回(2011年)中部支部大会シンポジウム  , 大学英語教育学会  , 『JACET中部支部紀要』  , JACET中部支部  , 第9号  , pp. 13-26   

概要(Abstract) 基礎科学としての生成文法は、そのままの形では英語教育に取り入れることはできないが、提案されたモデルに即した形での応用が試みられ、その意味で、生成文法と英語教育には常にある種のインターフェースが存在していたと言える。生成文法は、80年代に原理・変数理論の枠組みを採用し、説明的妥当性の満足を目指しながら多くの言語事実に説明を与えてきた。例えば、Haegeman and Guéron (1999)のEnglish Grammarは、生成文法的な視点から英語の様々な構文について非常に興味深い説明を与えている。しかしながら、現在のミニマリストプログラムにおいては、説明的妥当性のさらに先を目指した新しい意味での「原理的な説明」を求めてBiolinguisticsとしての性格を強める一方、英語教育への応用に関しては非常に難しいモデルとなっているとも言える。本発表では、生成文法が現在のモデルにいたるまでにどのような変貌を遂げたのかについて概観した後、最新の生成文法理論と英語教育の可能なインターフェースについて考察した。 

備考(Remarks) 於:名城大学天白キャンパス
大会テーマ「大学英語教育における理論と実践の連携」 

2007  The Structure of English Gerunds  単独  2007/05 
Cambridge-Nanzan Syntax Workshop  , University of Cambridge   

概要(Abstract) 英語動名詞は名詞的な動名詞と動詞的な動名詞の2種類に大別されることが知られており、その動詞的動名詞の研究対象としては、主語が所有格の形で示されるPOSS-INGと主語が対格で示されるACC-INGが代表的である。しかしながら初期近代英語においては、現在の基準に照らし合わせると、名詞的な動名詞と動詞的な動名詞の中間とも言える動名詞が存在し、その構造に関しては未だよく分かっていない点が多い。本発表は、この初期近代英語における動名詞にも言及しながら、英語動名詞の構造分析の再考を試みるものである。 

備考(Remarks) 「魅力ある大学院教育」イニシアティブ(大学院GP)関連事業、於:ケンブリッジ大学 

2006  The Structure of English Gerunds  単独  2006/10 
日本英文学会中部支部第58回大会シンポジウム  , 日本英文学会中部支部   

概要(Abstract) Reuland(1983)は、英語のACC-INGはS'に支配されたSであると主張した。その後「限定詞句の仮説」が導入されるとDPがIPを支配する構造が提案されたが、拙論(1998)ではその分析の問題点を指摘した後、ACC-INGはDPを持たないTPであると主張した。この提案の背景には、ACC-INGには間接疑問文が存在せず、wh句の移動先となるようなCP/DP指定辞が欠如しているという考えがあるが、本発表ではTopicalization、否定倒置の事実をも考慮した最近のwh移動の研究成果を取り入れてACC-INGは不完全なCPシステムを持っていると主張した。 

備考(Remarks) 於:三重大学 

2006  On Indirect Questions of English Gerunds  単独  2006/09 
Tsing Hua-Nanzan Workshop on Movement and Interpretation  , 南山大学大学院人間文化研究科言語科学専攻   

概要(Abstract) 英語における動詞的動名詞であるPOSS-INGとACC-INGは、いずれも間接疑問文として起こることができない。このことは、DPとしての性格が強いPOSS-INGについては自然なことのように思われる一方、より文的な性格の強いACC-INGについては必ずしも明快な説明が得られるわけではない。本発表では、間接疑問文の欠如をCPシステムの欠如と結びつける従来の分析に疑問を投げかけ、話題化、焦点化、否定倒置の事実とwh基準などを考慮しながら、なぜACC-INGの間接疑問文が存在しないかについて論じている。 

備考(Remarks) 「魅力ある大学院教育」イニシアティブ(大学院GP)関連事業、於:南山大学 

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研究助成
年度
Year
助成名称または科学研究費補助金研究種目名
Name of grant or research classification for scientific research funding
研究題目
Research Title
役割(代表/非代表)
Role
助成団体
Granting body
助成金額
Grant amount
2018  南山大学パッヘ研究奨励金I-A-2  ラベル付与理論とPROのA移動分析に基づく英語ing構文の統語的分析 
代表    ¥100,000 

研究内容(Research Content)  本研究の目的は、1980年代の統率・束縛理論(Chomsky, 1981)以来、PROと表記されてきた発音のない代名詞的要素を主語に持つ-ing構文について、Hornstein (1999)他が提唱する「A移動によるPRO分析」を踏まえて、最新のChomsky (2013, 2015)のラベル付与の理論の枠組みで分析することである。
 PROの扱いについては、近年のミニマリスト・プログラム(Chomsky, 1995他)では、null Caseを用いた格理論による分析が行われていたが、Hornstein (1999)他が提唱する「A移動によるPRO分析」により、全く新しい視点からの分析が可能となった。本研究は、主に不定詞のPROについての研究が行われている「A移動によるPRO分析」を最新のChomsky (2013, 2015)のラベル付与の理論の枠組みに取り入れて、-ing構文におけるPROの研究を行い、-ing構文の分析に新たな可能性を拓くものである。
 本研究では特に次の3つの点について検討を行うこととする。(1)Pires (2006)が「A移動によるPRO分析」を用いて行ったACC-ingの分析を最新のChomsky (2013, 2015)のラベル付与の理論の枠組みで分析し、その妥当性を検証する。(2)Pires (2006)の理論に必要な修正を施し、申請者がラベル付与の理論に「A移動によるPRO分析」を取り入れて行った英語縮約関係節の分析との融合を試み、英語ing構文の一般理論構築を目指す。(3)不定詞を中心に行われてきた「A移動によるPRO分析」に動名詞からの視点を加えることにより、「A移動によるPRO分析」そのものの精緻化を目指す。 

備考(Remarks)  

2016  南山大学パッヘ研究奨励金I-A-2  言語横断的分析による不定形節の普遍的特性の解明について 
代表    124,000円 

研究内容(Research Content)  本研究は、不定形節が持つ普遍的な特性を明らかにすることを目指し、ミニマリスト・プログラムの枠組みを用いた英語動名詞と現在分詞の統一分析と日本語の連用形や「お...になる」タイプの敬語をも射程に入れた言語横断的な分析を行うプロジェクトの第1期と位置づけるものである。
 当初の計画では、研究の前半は近年行われてきたACC-ingの分析(Reuland (1983)、Pires (2006)等)を総括し、解明すべき問題点を洗い出し、理論的背景を十分踏まえて、本研究の意義を明確化し、研究の後半で、最新のPOP(Problems of Projection)(Chomsky 2013、2015)の枠組みにおける動名詞研究の理論的意義についての考察を行い、プロジェクトの次年度以降の研究へとつなげるとしていた。
 前期の研究をしている過程で、不定形節の一つである「英語縮約関係節」の分析が本研究にとって重要な意味を持ち得ることが判明し、後期に行なう予定であった最新のPOPの枠組みによる不定形節の検討を前倒しして集中的に研究を行った。その成果は、2016年10月15日開催の日本英文学会第68回中部支部大会(富山大学)にて口頭発表を行なった。大会での発表のフィードバックを踏まえて研究を継続し、その成果は、2017年4月に『中部英文学』第37号(査読付き)に投稿した。(採否については2017年8月頃判明)
 内容は、ミニマリスト・プログラム(Chomsky 1995, 2004, 2013, 2015他)に基づいた英語縮約関係節の統語的分析であり、一般に付加詞としての関係節は対併合によって生成されると仮定し、定形関係節や不定詞関係節とは異なり、英語縮約関係節はCPの構造を持たないことを示した上で、演算子が関与していない関係節であると主張した。さらに、英語縮約関係節の分析とChomsky (2013, 2015)によるラベル付与の理論との整合性についても検討を行った。今後の検討課題とせざるを得ない問題も数多く存在するが、本研究が英語縮約関係節の研究にとどまらず、定形関係節や不定詞関係節も含む関係節全般、あるいは広く付加詞全般に関わる研究課題となり得ることも示唆した。 

備考(Remarks)  

2014  南山大学パッヘ研究奨励金I-A-2  「名詞句、節、動名詞の統語構造について:生成文法と英語教育の橋渡し」 
代表    145,000円 

研究内容(Research Content)  「名詞句、節、動名詞の統語構造について:生成文法と英語教育の橋渡し」をテーマに、今年度は特にミニマリスト・プログラム(Chomsky 1995, 2001, 2005, 2007, 2008他)の枠組みに基づいて英語の動詞的動名詞の一つであるPOSS-ingの統語的分析を行った。
 Suzuki (2013)がPOSS-ingに対して提案した概略(1)のような構造に修正を施し、vPがDに支配される(2)のような構造を提案した。
(1) [DP D [TP T [vP v [VP V-ing ... ]]]]
(2) [DP D [vP v [VP V-ing ... ]]]
 Suzuki (2013)は,(1)の構造に基づいて、POSS-ingのTが持つEPP素性は素性の連続継承の結果、Dを経由して主節のV(またはv)から継承されたものであると主張したが、本研究では、Saito (2011)の提案に従って、(2)のような構造に基づいて、POSS-ingのEPP素性はvに存在し、かつvがφ素性を欠いているためにvからVへのEPP素性の継承が行われず、vに保持されていると主張した。この分析は、素性の連続継承のメカニズムを排除することができ、また名詞句と動名詞のEPPに関する違いを動詞の投射の有無によって説明することができるという利点があり、Suzuki (2013)の分析よりも好ましいと思われる。 

備考(Remarks)  

2005  南山大学パッヘ研究奨励金I-A-2  ミニマリスト・プログラムにおけるWH移動の分析について 
     

研究内容(Research Content) 研究助成 

備考(Remarks)  

2003  南山大学パッヘ研究奨励金I-A-2  述語の型と範疇の種類との相関関係について 
     

研究内容(Research Content) 研究助成 

備考(Remarks)  

2002  南山大学パッヘ研究奨励金I-A-2  ミニマリスト・プログラムにおける英語動名詞の構造研究 
     

研究内容(Research Content) 研究助成 

備考(Remarks)  

2001  南山大学パッヘ研究奨励金I-A  英語のget受け身構文の統語論的分析と照応空範疇について 
     

研究内容(Research Content) 研究助成 

備考(Remarks)  

2000  南山大学パッヘ研究奨励金I-A  The Structure of English Gerunds: A Preliminary Study 
     

研究内容(Research Content) 研究助成 

備考(Remarks)  

1999  南山大学パッヘ研究奨励金I-A  Let's Get Started: A Preliminary Study of Get Construction in English 
     

研究内容(Research Content) 研究助成 

備考(Remarks)  

1998  南山大学パッヘ研究奨励金I-A  日本語コピュラ構文の統語的研究 
     

研究内容(Research Content) 研究助成 

備考(Remarks)  

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教育活動
年度
Year
タイトル
Title
内容等
Content
活動期間
Period of Activities
2023  学科科目「英文法論」(国際科目群)での支援 

すべて英語で授業を行う国際科目群の授業のため、授業のハンドアウト(スライド)を講義サーバにて提供し、受講生が十分復習できるようにして、授業評価でも高評価を得た。
過去の期末試験問題に基づく小テストを作成してWebClassに登録し、受講者自ら理解度を確認できるようにした。 

2023/09/16〜2023/11/10 
2023  学科科目「Special Topics in English: International Studies A」における支援 

すべて英語で授業を行う授業のため、受講生が十分復習できるように、授業のハンドアウト(スライド)を講義サーバにて提供し、授業評価でも高評価を得た。
過去の期末試験問題に基づく小テストを作成してWebClassに登録し、受講者自ら授業の理解度を確認できるようにした。 

2023/06/05〜2023/07/22 
2023  卒業論文作成支援 

ゼミ生一人一人に就職活動計画を反映した卒業論文作成ロードマップを提出させ、各学生の就職活動に配慮した卒業論文指導を行った。
ゼミ用の卒業論文スタイルシートを更新してダウンロードサーバにアップロードし、受講生がいつでも参照できるようにした。
Zoomによるオンライン面談を適宜実施して、授業時間外の卒業論文指導を充実させた。 

2023/04/01〜2024/01/22 
2022  学科科目「英文法論」(国際科目群)での支援  

すべて英語で授業を行う国際科目群の授業のため、授業のハンドアウトに加えて、スライド、授業の録画も提供し、受講生が十分復習できるようにし、授業評価でも高評価を得た。
過去の期末試験問題に基づく小テストを作成し、受講者自ら理解度を確認できるようにした。  

2022/09/16〜2022/11/11 
2022  学科科目「Special Topics in English: International Studies A」における支援 

すべて英語で授業を行う授業のため、受講生が十分復習できるようにハンドアウトに加えてスライドも提供し、授業評価でも高評価を得た。
過去の期末試験問題に基づく小テストを作成し、受講者自ら授業の理解度を確認できるようにした。  

2022/06/06〜2022/07/22 
2022  卒業論文作成支援 

ゼミ生一人一人に就職活動計画を反映した卒業論文作成ロードマップを提出させ、各学生の就職活動に配慮した卒業論文指導を行った。
ゼミ用の卒業論文スタイルシートを更新してダウンロードサーバにアップロードし、受講生がいつでも参照できるようにした。
Zoomによるオンライン面談を適宜実施して、授業時間外の卒業論文指導を充実させた。  

2022/04/01〜2023/01/25 
2021  学科科目「英文法論」(国際科目群)での支援 

すべて英語で授業を行う国際科目群の授業のため、授業のハンドアウトに加えて、スライド、授業の録画も提供し、受講生が十分復習できるようにし、授業評価でも高評価を得た。
過去の期末試験問題に基づく小テストを作成し、受講者自ら理解度を確認できるようにした。 

2021/09/15〜2021/11/09 
2021  卒業論文作成支援 

ゼミ生一人一人に就職活動計画を反映した卒業論文作成ロードマップを提出させ、各学生の就職活動に配慮した卒業論文指導を行った。
ゼミ用の卒業論文スタイルシートを更新してダウンロードサーバにアップロードし、受講生がいつでも参照できるようにした。
Zoomによるオンライン面談を適宜実施して、授業時間外の卒業論文指導を充実させた。 

2021/04/01〜2022/01/25 
2020  3年ゼミ生による研究発表会開催 

学科科目「演習III」(3年ゼミ)にて、現代の若者の言語使用の視点から、新語、死語をテーマにした研究を行い、研究発表会(オンライン)を開催した。 

2020/11/17〜2021/02/23 
2020  学科科目「英文法論」(国際科目群)での支援 

すべて英語で授業を行う国際科目群の授業のため、授業のハンドアウトに加えて、スライド、授業の録画も提供し、受講生が十分復習できるようにし、授業評価でも高評価を得た。 

2020/09/14〜2020/11/10 
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研究活動/社会的活動
年度
Year
活動名称
Name of activities
活動期間
Period of Activities
2023  第56回中部地区私学教育研修会研究部会助言指導講師  2023/10/12〜2023/10/13 

活動内容等(Content of Activities) 中部9県が参加した「第56回中部地区私学教育研修会研究部会」(三重県津市)にて、外国語(英語)部会の助言指導講師を務め、研究発表に対する助言を行った。 

2021  豊田工業大学学術アドバイザー  2021/06/24〜2023/03/31 

活動内容等(Content of Activities) 豊田工業大学の一般教育分野における教育と学術研究に関する助言を行なった。 

2019  第71回高円宮杯全日本中学生英語弁論大会愛知県大会審査員  2019/09/21 

活動内容等(Content of Activities) 第71回高円宮杯全日本中学生英語弁論大会愛知県大会において、審査員を務めた。  

2019  第43回「南山大学英語教員セミナー」講師   2019/07/29~2019/07/31 

活動内容等(Content of Activities) 第43回「南山大学英語教員セミナー」にて講師ならびにコーディネーター役を務めた。

テーマ:「21世紀の英語教育」
講 師:Anthony Cripps(南山大学外国語学部教授)
Fern Sakamoto (南山大学外国語学部講師)
Sean Toland (南山大学外国語学部講師)
鈴木達也(南山大学外国語学部教授) 

2018  第70回高円宮杯全日本中学生英語弁論大会愛知県大会審査員  2018/09/22 

活動内容等(Content of Activities) 第70回高円宮杯全日本中学生英語弁論大会愛知県大会において、審査員を務めた。 

2018  第42回「南山大学英語教員セミナー」講師  2018/07/31〜2018/08/02 

活動内容等(Content of Activities) 活動内容等(Content of Activities) 第42回「南山大学英語教員セミナー」にて講師ならびにコーディネーター役を務めた。

テーマ:「英語教育をめぐる諸問題:何をどう教え、どのように評価するか」
講 師:Anthony Cripps(南山大学外国語学部教授)
Fern Sakamoto (南山大学外国語学部講師)
Sean Toland (南山大学外国語学部講師)
John Shillaw (南山大学外国語学部教授)
鈴木達也(南山大学外国語学部教授)  

2017  第69回高円宮杯全日本中学生英語弁論大会愛知県大会審査員  2017/10/01 

活動内容等(Content of Activities) 第69回高円宮杯全日本中学生英語弁論大会愛知県大会において審査員を務めた。 

2017  第41回「南山大学英語教員セミナー」講師  2017/07/31〜2017/08/02 

活動内容等(Content of Activities) 第41回「南山大学英語教員セミナー」にて講師ならびにコーディネーター役を務めた。

テーマ:「英語教育とアクティブ・ラーニング:その多面的理解を目指して」
講 師:江利川春雄(和歌山大学教育学部教授)
Anthony Cripps(南山大学外国語学部教授)
鈴木達也(南山大学外国語学部教授) 

2017  大学基準協会大学評価委員会大学評価分科会第44群委員  2017/04/01〜2018/03/31 

活動内容等(Content of Activities) 大学基準協会大学評価委員会大学評価分科会第44群委員として、評価者研修セミナーへの参加、および割り当てられた大学の評価作業を行った。 

2016  第68回高円宮杯全日本中学生英語弁論大会愛知県大会審査員  2016/09/24 

活動内容等(Content of Activities) 第68回高円宮杯全日本中学生英語弁論大会愛知県大会において審査員を務めた。 

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著書・学術論文に関する統計情報
年度
Academic Year
学術研究著書の件数
No. of Academic Books
学会誌・国際会議議事録等に掲載された学術論文の件数
No. of Academic Articles in Journals/Int'l Conference Papers
学内的な紀要等に掲載された学術論文の件数
No. of Academic Articles Pub'd in University Bulletins
学会受賞等の受賞件数
No. of Academic Awards Received
国際学会でのゲストスピーカーの件数
No. of Times as Guest Speaker at Int'l Academic Conferences
国際学会での研究発表の件数
No. of Presentations of Papers at Int'l Academic Conferences
国内学会でのゲストスピーカーの件数
No. of Times as Guest Speaker at National Academic Conf.
国内学会での研究発表の件数
No. of Papers Presented at National Academic Conf.
2023 
2022 
2021 
2020 
2019 
2018 
2017 
2016 
2015 
2014 
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2024/04/16 更新