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学術論文
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年度
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論文題目名
Title of the articles
共著区分
Collaboration
   Classification
NeoCILIUS
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掲載誌名 Journal name,出版機関名 Publishing organization,巻/号 Vol./no.,頁数 Page nos.,発行年月(日) Date
2022  海外子会社が継続的な高度化を実現するプロセスの考察: 日系中小メーカー2社の中国子会社の事例から  単著  AN00145725 
中小企業季報  , 大阪経済大学 中小企業・経営研究所  , 2022/no.2-4合併号  , pp.51-83  , 2023/03/20   

概要(Abstract) 本稿は、1990年代半ばに中国に進出して以降活動内容の高度化を遂げつつ、2021年の時点では新規用途での設計開発や同業他社との共同開発等を進めるに至った日系製造企業2社に注目し、中小企業の海外子会社が継続的な高度化を実現するプロセスの考察を行った。その際、Kim (2013)等が提示した「4領域の知識の連携」という概念を援用しつつ、「高度化の進展とともに“知の連携”の範囲が徐々に広がる」という点をとらえるべく、「“4領域の知の連携”に向けた“3つの局面”」という枠組みを示し、当該2事例において高度化が進展する状況を描写した。 

備考(Remarks)  

2018  「知の専有 vs. 知の共有」の違いをもたらす2つの要因:日本企業アジア子会社における比較事例研究  単著  Z||330||Ko51  
国際ビジネス研究  , 国際ビジネス研究学会  , 第10巻第2号  , pp.75-89  , 2018年10月   

概要(Abstract)  日本企業の海外子会社における“人材の現地化”に関しては、従来、多くの研究において、「ヒトを通じた“直接的コントロール”」という日本企業の特徴ゆえにその進展が遅れ気味となる傾向が確認されるとともに、この“現地化の遅れ”が、現地における優秀な人材の定着、現地市場や現地知識を活かしたイノベーション等の各面で悪影響をもたらす点が指摘されてきた。その一方、近年いくつかの研究において、「人材の現地化を“早めること”から問題が生じる可能性」が併せて指摘されるとともに、数量統計的な分析においても、現地化の進展が必ずしも当該企業のパフォーマンスの改善をもたらす訳ではない点が確認されてきた。
 本研究は、筆者によるアジア子会社への聞き取り調査において、上述の「現地化を早めることから生じる問題点」の“1つの具体的なあり方”として、登用された現地人幹部による“知の専有”(知の囲い込み)の問題が確認された点をふまえ、3つの事例の比較考察を通じ、「なぜ & どのように“知の専有”の問題が生じるのか」という疑問を考察した。
 すなわち、筆者が2007年と2013年に行った調査において、いくつかの事例では、現地人材の幹部職への登用に伴い、彼らによる“知の専有”が生じる傾向が指摘される一方、別のいくつかの事例では、彼らの幹部職への登用に伴い、彼らを含むメンバー間の“知の共有”が一層促される傾向が指摘されたが、これらの事例で“知の専有”、“知の共有”の各々が生じた状況を考察してみると、両者のいずれもが、石田(1994等)が論じた「職務の分担が不明確な境界領域への対応」と深く関わる形で生じた点が確認された。この点をふまえ、本研究では、石田の分析枠組に若干の変更を加えた「グレーゾーンに関わる“対応型vs. 放置型”モデル」を用いて“知の専有”、“知の共有”の双方が生じる具体的な状況を説明するとともに、「知の専有 vs. 知の共有」の違いをもたらす誘因に関して比較的詳細な回答が得られた3つの事例に注目し、これら事例間の相違点を考察する。そして、「(i)“個人的技量への依存度”の大きさ」が「“知の専有”を促す(“知の共有”を妨げる)要因」となる一方、「(ii)“グレーゾーン対応能力”の育成を通じて実感される“成長機会”の大きさ」が「“知の共有”を促す要因」となると推察される点を確認した。
 

備考(Remarks)  

2017  「“実力に応じた登用”を促す“補完的な関係”」に関する考察 中小企業のアジア子会社における現地人材登用への含意をさぐる  単著  Z||330||C67  
中小企業季報  , 大阪経済大学 中小企業・経営研究所  , 2017年度 No1.  , pp.19-37  , 2017/4/20   

概要(Abstract)  中小企業の海外子会社では,資金等,各種資源の制約に直面する中で,現地人材の幹部への登用にあたり,“早すぎる登用”[登用を機に彼らの“□型意識”(知の囲い込み等)が顕在化する]の問題が生じる可能性がある。筆者の過去の事例研究では,“実力に応じた登用”[登用の実施が彼らの“○型意識”(知の共有意識等)を促す]の実現に向け,“自社の強み” を活かし,「方策1: □型& ○型双方の技能を育て,融合を図る(事例Y)」,または「方策2:ビジョンの共有等を通じ,“成長機会” が実感できる程度を高める(事例Z)」のいずれかに取り組むことの重要性が指摘された。
 本研究では,上記の2 事例に関し,技能の育成が進展する局面に応じた“ 実力に応じた登用” のあり方が考察されるとともに、その後半局面において,「“方策1” と“方策2” 間の“ 補完的な関係” が生じるメカニズム」が確認された。すなわち、両事例ともに、「“□型&○型”の段階的融合」の進展』が本格化する以前の「局面1」においては、各メンバーの「“目標像”を理解する力」や「“成長機会”を実感できる経験」が不十分な中、“方策2”が十分な成果を上げられず、局面の移行に“方策1”が主導的な役割を果たした点が確認された。これに対し、「“□型&○型”の段階的融合」の進展』が本格化して以降の「局面2」においては、各メンバーの理解力や経験が高まる中で上記“2つの方策”の間で補完的な関係が生じ、「両者が互いにプラスの影響を及ぼしつつ、“実力に応じた登用”の一層の実現が促された」点が確認された。 

備考(Remarks)  

2014  “早すぎる登用”と”実力に応じた登用” 中小企業のアジア子会社における現地人材登用への含意をさぐる  単著   
日本中小企業学会論集  , 日本中小企業学会  , 第33巻  , pp.43-55  , 2014/07/30   

概要(Abstract) 本論文は、アジアに進出する日本の中小企業が、現地人材の育成や登用にあたり直面する問題に関して、以下の2点を論じた。(1) 中小企業の場合、資金面や(日本本社側の)人材面での制約が大きく、「現地人材の育成に“時間と手間をかける余裕”が相対的に乏しい」ため、「特定の現地人材の“個人的技量への依存度”が高い段階で当該人材を経営幹部に登用すると、そのことによって、彼らの“知識専有意識”が顕在化してしまう」という“早すぎる登用”の問題に直面しやすい,(2) これに対し、筆者が2007年に聞き取り調査を行った中小企業Y社の場合は、(ア)日本人経営陣に中国留学経験者がおり、現地人材との緊密なコミュニケーションが可能であった,(イ)当該工場はY社にとって唯一の海外量産拠点であり、日本本社ができる限りの支援を行った,という「2つの恵まれた条件」を活かし、この問題の解決を図ることができた。 

備考(Remarks)  

2014  現地人材育成の進展とアジア子会社の展開可能性(その2): 中国出張報告  単著   
南山大学アジア・太平洋研究センター報  , 南山大学アジア・太平洋研究センター  , 第9号  , pp.103-111  , 2014/05/30   

概要(Abstract) 本研究ノートは、筆者が2013年8月に中国で行った日本企業のアジア子会社に対して行った聞き取り調査の結果をふまえ、近年のアジア子会社における活動内容の拡がりに関して以下の2点を論じた。(1) 多くのアジア子会社が、現地人材育成に関わる“融合型の経験”を通じて習得してきた“○型対応能力”(“グレーゾーン対応意識・能力”や“知識共有意識・能力”)を有効に活かし、「より主体的かつ創造的な課題対応を求められる領域へ」と自らの活動領域を拡げつつある,(2) この結果、アジア子会社の果たすべき役わりが、従来の「日本本社から“与えられた仕事”(使命)を着実に遂行すること」から「自らの力で“新たな仕事”(活躍の場)を見つけ、これを実現すること」へと次第に拡がりつつある。 

備考(Remarks)  

2013  現地人材育成の進展とアジア子会社の展開可能性: シンガポール・マレーシア出張報告  単著   
南山大学アジア・太平洋研究センター報  , 南山大学アジア・太平洋研究センター  , 第8号  , pp.83-88  , 2013/6/30   

概要(Abstract)  本研究ノートでは、筆者がアジア太平洋研究センターの助成を受けて2013年3月に行った日本企業のアジア子会社に対する聞き取り調査と関連し、(1)調査実施にあたっての筆者の“問題意識”と“2つの作業仮説”、および (2)調査結果の概要と今後の検討課題、の2点について論じた。
 (1)については、まず、筆者が以前に行った調査から、多くのアジア子会社が、日本企業と現地人材との間に存在する“ミスマッチ問題”の解決に向け、「“異なる環境への適応”を図りつつ、“従来の日本企業の強み”を活かす“融合型の経験”」(「“□型&○型”の段階的融合」の取り組み)を重ねてきたことが明らかになった点を指摘するとともに、「近年、多くの日本企業が、このような“融合型の経験”を(日本本社を含む)自社のアジア展開に積極的に活かそうとしているのではないか」という問題意識を提起した。そして、この点をふまえた上で、「仮説1:“融合型の経験”の蓄積と“○型対応能力”の育成 → アジア子会社の活動領域の拡大」、「仮説2:“融合型の経験”の蓄積と“○型対応能力”の育成 → “本社-子会社間”の連携強化 & アジア子会社側の主体性の向上」、という“2つの作業仮説”を提示した。
 (2)については、(ア) 筆者が今回行った調査[日系企業9社(シンガポール2社、マレーシア7社)を訪問]から、全体的な傾向として、上記“2つの作業仮説”と概ね整合的な観察事実が確認されたこと、(イ) 今後は、回答内容のより詳細な検討を通じ、各事例が置かれた状況および背景にある諸要因と関連づけながら、各事例間の“共通性”および“差異性”を説明することが検討課題となること、の2点を指摘した。 

備考(Remarks)  

2012  ”早すぎる登用”と”実力に応じた登用”  日系企業中国子会社における事例研究  単著  Z/330/A28 
南山経済研究  , 南山大学経済学会  , 27巻1号  , pp.57-89  , 2012/6/29   

概要(Abstract)  本研究は、筆者が2007年に日系企業に対して行った調査でのいくつかの事例において、「現地人材登用のタイミング」が、各社の中国子会社における「“日本企業の特徴 vs. 現地環境”のミスマッチ問題」に重要な影響を及ぼしていると推察された点をふまえ、2つの事例に注目しながら、各々の事例における「現地人材の“登用のあり方”と“ミスマッチ問題の解決に向けた取り組み”との関わり」、さらには、両者のかかわりに影響を及ぼしたと考えられる諸要因について考察を行った。
 その結果、現地人材の間で「高い流動可能性を前提とした“□型意識”(知識専有意識、明確責任分担意識等)」が根強い段階で幹部への登用が進められた事例Xの場合には、その“早すぎる登用”が彼らの“知識専有意識”を顕在化させ、「“○型vs.□型”のミスマッチ」の解決に悪影響を及ぼした点を確認した。その一方、現地人材の「長期定着性を前提とした“○型対応能力”(知識共有意識、グレーゾーン対応能力等)」が育成された程度に応じて幹部への登用が進められた事例Yの場合には、その“実力に応じた登用”が彼らの“○型対応能力”をさらに育成する意欲を高め、「“○型vs.□型”のミスマッチ」の改善を促した点を確認した。
 さらに、両事例の間にこのような違いをもたらした背景として、製品市場の動向、日本本社からの支援可能性、特定人材の個人的技量に対する依存度の高さ等の要因が関わっている点を指摘するとともに、今後日本企業における“内なる国際化”をはじめとする取り組みが進む中で、このような状況が変化する可能性についても指摘した。 

備考(Remarks)  

2012  Skill Development by Asian Affiliates of Japanese MNEs: Misalliance Problem and Hybrid of ○&□ Model  単著  Z/330/A28 
The Nanzan Journal of Economic Studies  , The Society of Economics, Nanzan University  , Vol.27, No.2  , pp.159-184  , 2012/10/31   

概要(Abstract) In this study, in examining possible roles of Japanese MNEs (multi-national enterprises) for their skill development of Asian developing countries, we will focus on the “misalliance problem”, or the “gap”in the mentality or notion of “job” or “profession” between Japanese employees and local employees.
Based on the author’s interviews to Asian affiliates of Japanese MNEs, the nature of the misalliance is captured by the two aspects of (1) long term commitment vs. higher mobility, and (2) flexible engagement vs. well-defined engagement. On the first aspect, J-type skills are characterized by “context specific skills” developed through intra-firm OJTs, while the local conditions are characterized by “occupational skills” acquired through formal education or TVET institutes. On the second aspect, J-type skills are illustrated as “○-model with larger gray areas”, while the local conditions are illustrated as “□-model with smaller gray areas”.
Thus, using this “○vs.□-model” framework, the observed modifications in the original J-type skills in Asian affiliates are stylized as the “stepwise hybrid of □&○-model” [1st stage: □-model adjustment; 2nd stage: ○&□-skill development], where the misalliance problem can be mitigated in terms of (a) manners of tasks and job assignment, (b) mode of skills and knowledge, and (c) manners of coordination.
Finally, possible implications for “○vs.□-model” are discussed, where a seemingly ongoing “convergence towards hybrid of ○&□-model” between Japanese parents and Asian affiliates is likely to promote a closer collaboration across the global production network of Japanese MNEs. 

備考(Remarks) This study is based on the author’s presented paper at the 3rd conference of Academic Network for Development in Asia (Coordinated by Graduate School of International Development, Nagoya University), which is printed on the Proceedings, The International Seminar on Skills Development for the Emerging New Dynamism in Asian Developing Countries under Globalization, March 5-7, 2011, pp.393-418. 

2007  アジア子会社における現地人材育成の取り組みをさぐる: 日系企業等への現地聞き取り調査から  単著   
南山大学アジア太平洋研究センター報  , 南山大学アジア太平洋研究センター  , 3号  , 1-13  , 2008/3   

概要(Abstract) この論文は、筆者が2007年7月から9月にかけて日系企業等20社のアジア子会社に対して行った現地聞き取り調査にもとづき、彼らが現地人材の育成および登用を進めるにあたって直面している課題、およびこれら課題の解決に向けた取り組みのあり方を考察した。
主な結論としては、(1)今回調査で訪れた大半の事例では、筆者がかつて調査を行ったシンガポールやマレーシアに立地する日系企業の場合とほぼ同様の形で、「“○型vs.□型”のミスマッチ」ともいうべき問題に直面する一方、この問題の解決に向けて「短期的な“□型の対応”」と「長期的な“○型対応能力”の育成」の両者を組み合わせる形で取り組みを進めていた,(2)中国に立地する事例の大半では、生産規模拡大ペースが急なために「長期的な“○型対応能力”の育成」を行う余裕が限られていたが、その実現にあたっては、(ア)日本本社からの人的・技術的な支援,(イ)他のアジア子会社での経験を活かす能力が重要なポイントとなると考えられる,という2点が挙げられる。 

備考(Remarks)  

2005  「○型vs.□型」モデルの再考 日系メーカーアジア子会社における取り組みから  単著  Z/330/Ko51 
国際ビジネス研究学会年報  , 国際ビジネス研究学会  , 2005年  , 29-44  , 2005/09   

概要(Abstract) 日系メーカー海外子会社に関して先駆的な研究を行ってきた石田(1982)は、「日本企業の“職務のあり方”」と「現地従業員の“職務意識”」との間に“非補完性”が存在する点に注目し、「○型vs.□型」というフレームワークを用いて人材育成上の諸課題を論じた。本論文は、筆者による聞き取り調査に基づき、石田のフレームワークの有用性を確認する一方で、いくつかの変更を加えた新たなフレームワークを提示し、日系メーカーアジア子会社が近年進めている“非補完性”の解決に向けた取り組みのあり方を例証した。 

備考(Remarks) 林 尚志 

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