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NeoCILIUS
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掲載誌名 Journal name,出版機関名 Publishing organization,巻/号 Vol./no.,頁数 Page nos.,発行年月(日) Date
2018  「知の専有 vs. 知の共有」の違いをもたらす2つの要因:日本企業アジア子会社における比較事例研究  単著  Z||330||Ko51  
国際ビジネス研究  , 国際ビジネス研究学会  , 第10巻第2号  , pp.75-89  , 2018年10月   

概要(Abstract)  日本企業の海外子会社における“人材の現地化”に関しては、従来、多くの研究において、「ヒトを通じた“直接的コントロール”」という日本企業の特徴ゆえにその進展が遅れ気味となる傾向が確認されるとともに、この“現地化の遅れ”が、現地における優秀な人材の定着、現地市場や現地知識を活かしたイノベーション等の各面で悪影響をもたらす点が指摘されてきた。その一方、近年いくつかの研究において、「人材の現地化を“早めること”から問題が生じる可能性」が併せて指摘されるとともに、数量統計的な分析においても、現地化の進展が必ずしも当該企業のパフォーマンスの改善をもたらす訳ではない点が確認されてきた。
 本研究は、筆者によるアジア子会社への聞き取り調査において、上述の「現地化を早めることから生じる問題点」の“1つの具体的なあり方”として、登用された現地人幹部による“知の専有”(知の囲い込み)の問題が確認された点をふまえ、3つの事例の比較考察を通じ、「なぜ & どのように“知の専有”の問題が生じるのか」という疑問を考察した。
 すなわち、筆者が2007年と2013年に行った調査において、いくつかの事例では、現地人材の幹部職への登用に伴い、彼らによる“知の専有”が生じる傾向が指摘される一方、別のいくつかの事例では、彼らの幹部職への登用に伴い、彼らを含むメンバー間の“知の共有”が一層促される傾向が指摘されたが、これらの事例で“知の専有”、“知の共有”の各々が生じた状況を考察してみると、両者のいずれもが、石田(1994等)が論じた「職務の分担が不明確な境界領域への対応」と深く関わる形で生じた点が確認された。この点をふまえ、本研究では、石田の分析枠組に若干の変更を加えた「グレーゾーンに関わる“対応型vs. 放置型”モデル」を用いて“知の専有”、“知の共有”の双方が生じる具体的な状況を説明するとともに、「知の専有 vs. 知の共有」の違いをもたらす誘因に関して比較的詳細な回答が得られた3つの事例に注目し、これら事例間の相違点を考察する。そして、「(i)“個人的技量への依存度”の大きさ」が「“知の専有”を促す(“知の共有”を妨げる)要因」となる一方、「(ii)“グレーゾーン対応能力”の育成を通じて実感される“成長機会”の大きさ」が「“知の共有”を促す要因」となると推察される点を確認した。
 

備考(Remarks)  

2017  「“実力に応じた登用”を促す“補完的な関係”」に関する考察 中小企業のアジア子会社における現地人材登用への含意をさぐる  単著  Z||330||C67  
中小企業季報  , 大阪経済大学 中小企業・経営研究所  , 2017年度 No1.  , pp.19-37  , 2017/4/20   

概要(Abstract)  中小企業の海外子会社では,資金等,各種資源の制約に直面する中で,現地人材の幹部への登用にあたり,“早すぎる登用”[登用を機に彼らの“□型意識”(知の囲い込み等)が顕在化する]の問題が生じる可能性がある。筆者の過去の事例研究では,“実力に応じた登用”[登用の実施が彼らの“○型意識”(知の共有意識等)を促す]の実現に向け,“自社の強み” を活かし,「方策1: □型& ○型双方の技能を育て,融合を図る(事例Y)」,または「方策2:ビジョンの共有等を通じ,“成長機会” が実感できる程度を高める(事例Z)」のいずれかに取り組むことの重要性が指摘された。
 本研究では,上記の2 事例に関し,技能の育成が進展する局面に応じた“ 実力に応じた登用” のあり方が考察されるとともに、その後半局面において,「“方策1” と“方策2” 間の“ 補完的な関係” が生じるメカニズム」が確認された。すなわち、両事例ともに、「“□型&○型”の段階的融合」の進展』が本格化する以前の「局面1」においては、各メンバーの「“目標像”を理解する力」や「“成長機会”を実感できる経験」が不十分な中、“方策2”が十分な成果を上げられず、局面の移行に“方策1”が主導的な役割を果たした点が確認された。これに対し、「“□型&○型”の段階的融合」の進展』が本格化して以降の「局面2」においては、各メンバーの理解力や経験が高まる中で上記“2つの方策”の間で補完的な関係が生じ、「両者が互いにプラスの影響を及ぼしつつ、“実力に応じた登用”の一層の実現が促された」点が確認された。 

備考(Remarks)  

2014  “早すぎる登用”と”実力に応じた登用” 中小企業のアジア子会社における現地人材登用への含意をさぐる  単著   
日本中小企業学会論集  , 日本中小企業学会  , 第33巻  , pp.43-55  , 2014/07/30   

概要(Abstract) 本論文は、アジアに進出する日本の中小企業が、現地人材の育成や登用にあたり直面する問題に関して、以下の2点を論じた。(1) 中小企業の場合、資金面や(日本本社側の)人材面での制約が大きく、「現地人材の育成に“時間と手間をかける余裕”が相対的に乏しい」ため、「特定の現地人材の“個人的技量への依存度”が高い段階で当該人材を経営幹部に登用すると、そのことによって、彼らの“知識専有意識”が顕在化してしまう」という“早すぎる登用”の問題に直面しやすい,(2) これに対し、筆者が2007年に聞き取り調査を行った中小企業Y社の場合は、(ア)日本人経営陣に中国留学経験者がおり、現地人材との緊密なコミュニケーションが可能であった,(イ)当該工場はY社にとって唯一の海外量産拠点であり、日本本社ができる限りの支援を行った,という「2つの恵まれた条件」を活かし、この問題の解決を図ることができた。 

備考(Remarks)  

2014  現地人材育成の進展とアジア子会社の展開可能性(その2): 中国出張報告  単著   
南山大学アジア・太平洋研究センター報  , 南山大学アジア・太平洋研究センター  , 第9号  , pp.103-111  , 2014/05/30   

概要(Abstract) 本研究ノートは、筆者が2013年8月に中国で行った日本企業のアジア子会社に対して行った聞き取り調査の結果をふまえ、近年のアジア子会社における活動内容の拡がりに関して以下の2点を論じた。(1) 多くのアジア子会社が、現地人材育成に関わる“融合型の経験”を通じて習得してきた“○型対応能力”(“グレーゾーン対応意識・能力”や“知識共有意識・能力”)を有効に活かし、「より主体的かつ創造的な課題対応を求められる領域へ」と自らの活動領域を拡げつつある,(2) この結果、アジア子会社の果たすべき役わりが、従来の「日本本社から“与えられた仕事”(使命)を着実に遂行すること」から「自らの力で“新たな仕事”(活躍の場)を見つけ、これを実現すること」へと次第に拡がりつつある。 

備考(Remarks)  

2013  現地人材育成の進展とアジア子会社の展開可能性: シンガポール・マレーシア出張報告  単著   
南山大学アジア・太平洋研究センター報  , 南山大学アジア・太平洋研究センター  , 第8号  , pp.83-88  , 2013/6/30   

概要(Abstract)  本研究ノートでは、筆者がアジア太平洋研究センターの助成を受けて2013年3月に行った日本企業のアジア子会社に対する聞き取り調査と関連し、(1)調査実施にあたっての筆者の“問題意識”と“2つの作業仮説”、および (2)調査結果の概要と今後の検討課題、の2点について論じた。
 (1)については、まず、筆者が以前に行った調査から、多くのアジア子会社が、日本企業と現地人材との間に存在する“ミスマッチ問題”の解決に向け、「“異なる環境への適応”を図りつつ、“従来の日本企業の強み”を活かす“融合型の経験”」(「“□型&○型”の段階的融合」の取り組み)を重ねてきたことが明らかになった点を指摘するとともに、「近年、多くの日本企業が、このような“融合型の経験”を(日本本社を含む)自社のアジア展開に積極的に活かそうとしているのではないか」という問題意識を提起した。そして、この点をふまえた上で、「仮説1:“融合型の経験”の蓄積と“○型対応能力”の育成 → アジア子会社の活動領域の拡大」、「仮説2:“融合型の経験”の蓄積と“○型対応能力”の育成 → “本社-子会社間”の連携強化 & アジア子会社側の主体性の向上」、という“2つの作業仮説”を提示した。
 (2)については、(ア) 筆者が今回行った調査[日系企業9社(シンガポール2社、マレーシア7社)を訪問]から、全体的な傾向として、上記“2つの作業仮説”と概ね整合的な観察事実が確認されたこと、(イ) 今後は、回答内容のより詳細な検討を通じ、各事例が置かれた状況および背景にある諸要因と関連づけながら、各事例間の“共通性”および“差異性”を説明することが検討課題となること、の2点を指摘した。 

備考(Remarks)  

2012  ”早すぎる登用”と”実力に応じた登用”  日系企業中国子会社における事例研究  単著  Z/330/A28 
南山経済研究  , 南山大学経済学会  , 27巻1号  , pp.57-89  , 2012/6/29   

概要(Abstract)  本研究は、筆者が2007年に日系企業に対して行った調査でのいくつかの事例において、「現地人材登用のタイミング」が、各社の中国子会社における「“日本企業の特徴 vs. 現地環境”のミスマッチ問題」に重要な影響を及ぼしていると推察された点をふまえ、2つの事例に注目しながら、各々の事例における「現地人材の“登用のあり方”と“ミスマッチ問題の解決に向けた取り組み”との関わり」、さらには、両者のかかわりに影響を及ぼしたと考えられる諸要因について考察を行った。
 その結果、現地人材の間で「高い流動可能性を前提とした“□型意識”(知識専有意識、明確責任分担意識等)」が根強い段階で幹部への登用が進められた事例Xの場合には、その“早すぎる登用”が彼らの“知識専有意識”を顕在化させ、「“○型vs.□型”のミスマッチ」の解決に悪影響を及ぼした点を確認した。その一方、現地人材の「長期定着性を前提とした“○型対応能力”(知識共有意識、グレーゾーン対応能力等)」が育成された程度に応じて幹部への登用が進められた事例Yの場合には、その“実力に応じた登用”が彼らの“○型対応能力”をさらに育成する意欲を高め、「“○型vs.□型”のミスマッチ」の改善を促した点を確認した。
 さらに、両事例の間にこのような違いをもたらした背景として、製品市場の動向、日本本社からの支援可能性、特定人材の個人的技量に対する依存度の高さ等の要因が関わっている点を指摘するとともに、今後日本企業における“内なる国際化”をはじめとする取り組みが進む中で、このような状況が変化する可能性についても指摘した。 

備考(Remarks)  

2012  Skill Development by Asian Affiliates of Japanese MNEs: Misalliance Problem and Hybrid of ○&□ Model  単著  Z/330/A28 
The Nanzan Journal of Economic Studies  , The Society of Economics, Nanzan University  , Vol.27, No.2  , pp.159-184  , 2012/10/31   

概要(Abstract) In this study, in examining possible roles of Japanese MNEs (multi-national enterprises) for their skill development of Asian developing countries, we will focus on the “misalliance problem”, or the “gap”in the mentality or notion of “job” or “profession” between Japanese employees and local employees.
Based on the author’s interviews to Asian affiliates of Japanese MNEs, the nature of the misalliance is captured by the two aspects of (1) long term commitment vs. higher mobility, and (2) flexible engagement vs. well-defined engagement. On the first aspect, J-type skills are characterized by “context specific skills” developed through intra-firm OJTs, while the local conditions are characterized by “occupational skills” acquired through formal education or TVET institutes. On the second aspect, J-type skills are illustrated as “○-model with larger gray areas”, while the local conditions are illustrated as “□-model with smaller gray areas”.
Thus, using this “○vs.□-model” framework, the observed modifications in the original J-type skills in Asian affiliates are stylized as the “stepwise hybrid of □&○-model” [1st stage: □-model adjustment; 2nd stage: ○&□-skill development], where the misalliance problem can be mitigated in terms of (a) manners of tasks and job assignment, (b) mode of skills and knowledge, and (c) manners of coordination.
Finally, possible implications for “○vs.□-model” are discussed, where a seemingly ongoing “convergence towards hybrid of ○&□-model” between Japanese parents and Asian affiliates is likely to promote a closer collaboration across the global production network of Japanese MNEs. 

備考(Remarks) This study is based on the author’s presented paper at the 3rd conference of Academic Network for Development in Asia (Coordinated by Graduate School of International Development, Nagoya University), which is printed on the Proceedings, The International Seminar on Skills Development for the Emerging New Dynamism in Asian Developing Countries under Globalization, March 5-7, 2011, pp.393-418. 

2007  アジア子会社における現地人材育成の取り組みをさぐる: 日系企業等への現地聞き取り調査から  単著   
南山大学アジア太平洋研究センター報  , 南山大学アジア太平洋研究センター  , 3号  , 1-13  , 2008/3   

概要(Abstract) この論文は、筆者が2007年7月から9月にかけて日系企業等20社のアジア子会社に対して行った現地聞き取り調査にもとづき、彼らが現地人材の育成および登用を進めるにあたって直面している課題、およびこれら課題の解決に向けた取り組みのあり方を考察した。
主な結論としては、(1)今回調査で訪れた大半の事例では、筆者がかつて調査を行ったシンガポールやマレーシアに立地する日系企業の場合とほぼ同様の形で、「“○型vs.□型”のミスマッチ」ともいうべき問題に直面する一方、この問題の解決に向けて「短期的な“□型の対応”」と「長期的な“○型対応能力”の育成」の両者を組み合わせる形で取り組みを進めていた,(2)中国に立地する事例の大半では、生産規模拡大ペースが急なために「長期的な“○型対応能力”の育成」を行う余裕が限られていたが、その実現にあたっては、(ア)日本本社からの人的・技術的な支援,(イ)他のアジア子会社での経験を活かす能力が重要なポイントとなると考えられる,という2点が挙げられる。 

備考(Remarks)  

2005  「○型vs.□型」モデルの再考 日系メーカーアジア子会社における取り組みから  単著  Z/330/Ko51 
国際ビジネス研究学会年報  , 国際ビジネス研究学会  , 2005年  , 29-44  , 2005/09   

概要(Abstract) 日系メーカー海外子会社に関して先駆的な研究を行ってきた石田(1982)は、「日本企業の“職務のあり方”」と「現地従業員の“職務意識”」との間に“非補完性”が存在する点に注目し、「○型vs.□型」というフレームワークを用いて人材育成上の諸課題を論じた。本論文は、筆者による聞き取り調査に基づき、石田のフレームワークの有用性を確認する一方で、いくつかの変更を加えた新たなフレームワークを提示し、日系メーカーアジア子会社が近年進めている“非補完性”の解決に向けた取り組みのあり方を例証した。 

備考(Remarks) 林 尚志 

2004  日系メーカーアジア子会社における人材育成:“○型&□型”の融合に向けた取り組みをめぐって  単著   
南山経済研究  , 南山大学経済学会  , 19巻1号  , 1-34  , 2004/06   

概要(Abstract) 本論文では、筆者が行った日系メーカーアジア子会社に対する聞き取り調査の結果に基づき、アジア子会社が人材育成を進める上で、「日本企業の従来の職務のあり方:○型」と「現地従業員の職務に対する考え方:□型」との間での“非補完性”が重要な課題となってきた点を確認した。また、その解消にあたって、多くの事例で「“□型&○型”の融合」とも言うべき取り組みが行われてきた点を確認するとともに、これらの取り組みを体系的に整理することを試みた。 

備考(Remarks) 林 尚志 

2002  Production Networks of Japanese and American Automobile Industry: Contrasting Evolution and Converge  単著   
南山経済研究  , 南山大学経済学会  , 17巻2号  , 191-211  , 2002/10   

概要(Abstract) 本論文では、日米自動車組立メーカーの生産ネットワークのあり方の変遷を、主要文献のサーベイに基づき、以下のように論じた。すなわち、過去の日本メーカーの競争優位性が、文脈技能を活用した社内外との効率的なコミュニケーションによって説明される一方、米メーカーの競争力の回復が、コミュニケーションの簡便化を実現したモジュラー化戦略への移行によって説明される。また、今後日米両メーカーのあり方は今後似通ってくるものの、日本メーカーは文脈技能の活用という従来の特色を活かす形で取り組みを続けるものと予想される。 

備考(Remarks) Takashi Hayashi 

2002  日系メーカーアジア子会社における人材育成: 日本型システムの適応可能性をめぐって  単著   
国際経済  , 日本国際経済学会  , 53号  , 180-183  , 2002/08   

概要(Abstract) 本論文は、日本国際経済学会全国大会(神戸大学)において筆者が報告した内容を再構成し、以下を論じた。すなわち、従業員の意識や労働市場のあり方が日本とは異なるアジア子会社において人材育成を進めるに当たっては、(1)業務内容の単純化・定型化など、「技能の文脈度」を低める、(2)日本本社とほぼ同様の技能育成を目標としつつも、その途上においては、マニュアルの積極的活用、権限・責任体制の明確化をすすめる等、現地環境への適応を進めている点が明らかにされた。
 

備考(Remarks) 林 尚志 

2000  日本型人材育成システムの適応可能性:日系メーカーシンガポール・マレーシア子会社における事例研究  単著   
南山経済研究  , 南山大学経済学会  , 15巻2号  , 135-165  , 2000/10   

概要(Abstract) 本研究では、日系メーカー現地子会社に対する聞き取り調査に基づき、「現地子会社は、状況に応じて"現地環境への適応"を進めながらも、基本的には"日本型システム本来の強み"を活かす方向で現地人材の育成を進めている」という仮説に関し、(1)労働市場のあり方など現地環境との"非補完性ゆえの非効率性"、(2)日本型システム本来の強みとしての"文脈技能の効率的な育成・活用"という2つの概念を用いながら、例証を試みた。 

備考(Remarks) 林 尚志 

1999  日本型人材育成システムの有効性と課題:日系メーカーシンガポール・マレーシア子会社における事例研究  単著   
南山経済研究  , 南山大学経済学会  , 14巻1・2号  , 345-375  , 1999/09   

概要(Abstract) 従来、日系メーカーの人材育成は、文脈技能の効率的な形成・活用を図る補完的システムによって特徴づけられることが指摘されてきた。 本研究では、日本本社とアジア子会社との比較分析を通じて、このシステムの有効性が「従業員の意識・行動パターンや労働市場のあり方」と深く関わっており、これらが大きく異なるシンガポール・マレーシア子会社の場合、文脈技能の育成・活用を図る上で種々の非効率が生じることを示した。 

備考(Remarks) 林 尚志 

1998  Modified J-System of Human Resource Development: A Case Study of Japanese MNEs in Singapore in Electric Machinery  単著   
Papers and Proceedings of International Symposium, Foreign Direct Investment in Asia  , Economic Research Institute, Economic Planning Agency  , pp. 227-278  , 1998/10/22   

概要(Abstract) This study examines the human resource development (HRD) by Asian affiliates of Japanese manufacturing MNEs in the context of efficient choice problem among the three alternative systems, i.e., (1) J-system: application of the original Japanese system, (2) S-system: adaptation to the locally dominant Singapore system, or (3) modified J-system: certain arrangement of both elements of J-system and S-system.
According to the recent interviews with 15 Japanese MNEs’ affiliates in Singapore in electric machinery, each of these firms have implemented either one or two system(s) among the three alternatives. Following this observation, the efficient choice problem is discussed with assuming that (i) each of three systems has its own gains and losses, and their sizes are dependent on various factors such as technical and socio-institutional conditions, and (ii) Japanese MNEs would choose the system where the net gain is maximized. Based on these assumptions, (a) relative sizes of gains and losses, and (b) effects of various factors on their sizes, are examined in order to illustrate underlying factors for the choice of HRD system.
In J-system, if successfully implemented, both static and dynamic gains can be expected from contextual skill. However, due to socio-institutional conditions in Singapore, there is a risk of substantial efficiency losses, while facing the trade-off between higher wage level and higher rate of labor turnover. In contrast, S-system is based on “occupational skill” and it is complementary with local conditions, however, no potential gains are expected from contextual skill.
On the other hand, in Modified J-system, several practices are observed in recent interviews which can improve the trade-off between J-system and S-system. For instance, “modularization and routinization of tasks” (S-system) and “QCC (quality control circle) activities” (J-system) are jointed together, which can reduce static efficiency losses while reserving dynamic gains from contextual skill. In addition, instead of the original “lower speed in competition for promotions” (J-system), “higher speed in picking out for promotions” are implemented, which can improve the trade-off between higher wage level and higher rate of labor turnover.
However, Modified J-system may not be always implemented, as the costs of modification of J-system can be substantial depending on some technical and socio-institutional conditions. For instance, when the pace of process innovations are very high, the modularization of tasks (Modified J-system) can cause significant losses in efficiency, and J-system is likely to be implemented. 

備考(Remarks)  

1997  Evolution of Intrafirm Division of Labor by Japanese Manufacturing MNEs: A Theoretical Illustration of “Slicing up Value Added Segments  単著   
Papers and Proceedings of International Symposium, Foreign Direct Investment in East Asia  , Economic Research Institute, Economic Planning Agency, Government of Japan  , Vol. 1  , pp.95-161  , 1998/3/26   

概要(Abstract) Focusing on the idea of “slicing up value added segments”, this study proposes a set of theoretical models which illustrates various dimensions of the recently growing division of labor by Japanese manufacturing MNEs’ parents and their Asian affiliates.
Based on empirical findings reviewed in section II, a set of theoretical models is proposed in sections III to VI, which examines following two questions, i.e., (1) How can this stylized pattern of division of labor be illustrated, which has the common characteristic of “slicing up value added segments” while there are several dimensions to slice up the segments? (2) What are the key variables which can explain a general trend of dynamic upgrading of Asian affiliates as well as its diversity among observed cases?
In section VII, after summarizing previous discussions, an application of theoretical models to the empirical findings in Hayashi (1995, 1996b) is attempted, which can explain an observed diversity in the dynamic upgrading of Asian affiliates to a certain extent, while the remaining research questions are pointed out. 

備考(Remarks)  

1996  アジア子会社における製品開発度の高度化  単著   
国際経済  , 世界経済評論社  , 47巻2号  , 143-145  , 1996/09   

概要(Abstract) 本論文は、国際経済学会全国大会(関西大学)において筆者が報告した内容を再構成し、以下を論じた。 すなわち、(1)近年、日系電機メーカーがアジア子会社に対して技術移転を進めている状況は"製品開発度"という概念によって検証できること,(2)アジア子会社において製品開発度が上昇する点は、"高度化に関する基本モデル""多層的プロダクトライフサイクルモデル""開発−生産2部門モデル"によって定式化できること,(3)筆者の聞き取り調査でみられた製品開発度のばらつきは、これらモデルと整合的な形で説明できること,の3点である。 

備考(Remarks) 林 尚志 

1996  アジア子会社への企業内技術移転(3):製品開発度高度化に関する理論的分析  単著   
南山経済研究  , 南山大学経済学会  , 11巻1号  , 17-53  , 1996/06   

概要(Abstract) 本論文は、日系電機メーカーアジア子会社における製品開発度の高度化に関し、理論モデルに基づく定式化を行うとともに、その結果が聞き取り調査と整合的である点を確認した。 すなわち、(1)「日本本社が製品開発度の高い活動領域を分担し、アジア子会社が低い活動領域を分担する」分業形態が導かれる,(2)比較静学分析から、「子会社の課題対応能力の向上によって子会社の活動領域が拡大し、製品開発度の高度化が実現する」点が導かれる,(3)モデルの拡張により、子会社が開発部門までを担当するようになる条件が導かれる,の3点である 

備考(Remarks) 林 尚志 

1995  アジア子会社への企業内技術移転(2):製品開発度高度化のメカニズム  単著   
南山経済研究  , 南山大学 経済学会  , 10巻3号  , 421-438  , 1996/03   

概要(Abstract) 本論文は、近年日系電機メーカーアジア子会社において、製品開発度が高まる形で企業内技術移転が進展している点に関し、以下を論じた。 すなわち、(1)製品開発度の高まりとともに、変化や異常など諸課題に対応する能力が求められる,(2)これに伴い、高い技能を有する人材及び市場や関連メーカーとのコミュニケーションの重要性が高まる,(3)近年製品開発度が高まっている背景には、アジアの経済発展や日系メーカーの経験蓄積等によって(2)の条件が整い、アジア子会社の課題対応能力が高まってきた点が指摘される,の3点である。
 

備考(Remarks) 林 尚志 

1995  アジア子会社への企業内技術移転(1):日系電機メーカーにおける事例研究  単著   
南山経済研究  , 南山大学経済学会  , 10巻2号  , 355-378  , 1995/10   

概要(Abstract) 本論文は、筆者が行った聞き取り調査に基づき、日系電機メーカーが東アジア子会社に進めてきた"企業内技術移転"に関し、以下を論じた。 すなわち、(1)調査を行った9ケースの全てにおいて「より容易な内容からより困難な内容へ」と企業内技術移転が着実に進展してきた,(2)この進展状況は、"製品の性格"と"活動内容"を組み合わせた"製品開発度"という概念により把握可能である,(3)"現時点"および"将来展望"のアジア子会社の製品開発度をケース間で比較すると、かなりのばらつきがみられる,の3点である。 

備考(Remarks) 林 尚志 

1995  アジア子会社との分業形態の深化をめぐって:電子部品メーカーへのインタビュー調査から  単著   
日本中小企業学会論集(経済システムの転換と中小企業)  , 同文館  , 14号  , 41-49  , 1995/04   

概要(Abstract) 本論文は、日本中小企業学会全国大会(神戸大学)において報告した内容を再構成し、以下を論じた。 すなわち、(1)近年、組立メーカーと同様、日系部品メーカーにおいても、本社とアジア子会社との間で"アイテムライフサイクル型"の分業形態が広範に見られた,(2)各事例を検討すると、製品や企業の特性の相違により、[a]製品デザイン進化型、[b]用途or市場拡大型、[c]ライフサイクル超圧縮型の三者に細分類が可能である,(3)今後分業形態の深化に伴って、生産移転ラグの圧縮が予想される,の3点である。 

備考(Remarks) 林 尚志 

1994  Restructuring of Items within a Product Line: A Case Study of Japanese Multinational Enterprises in  単著   
Environment and Planning A  , Pion Limited(London)  , Vol.26/no.4  , 509-526  , 1994/04   

概要(Abstract) 本論文は、近年東アジア地域が急速な成長を遂げる中、事業環境の急激な変化に直面している日系電機メーカーの事業再構築活動に焦点を当て、以下の諸点を論じた。すなわち、(1)彼らの活動は、垂直的再構築(日本本社で、高度化アイテムが次々と開発される)と水平的再構築(従来日本本社で生産されていたアイテムが、次々とアジア子会社へ移転される)の同時進行として特徴づけられる,(2)コスト環境の変化に伴い、日本本社の水平的再構築が加速し、その分、アジア子会社の垂直的再構築が加速化している,の2点である。 

備考(Remarks) T.Hayashi 

1993  アイテム−ライフサイクル企業内分業(2):分業形態決定に関する理論的分析  単著   
南山経済研究  , 南山大学経済学会  , 8巻2号  , 93-119  , 1993/10   

概要(Abstract) 本論文は、博士論文の理論分析部分に改良を加え、"アイテムライフサイクル型"分業形態に関し、以下を論じた。 すなわち、(1)この形態は「ライフサイクル進展に伴いアジア子会社のコスト優位性が向上すること」によって生じると説明される,(2)コスト優位性をもたらす諸要因は、要素価格の地域間格差、要素集約度の動態的変化、要素価格の動態的変化の三者を用いて体系的に定式化される,(3)上記三者を用いれば、既存の諸研究において"外部経済性ないし近接の利益"とされていた諸要因を簡潔に定式化できる,の3点である。 

備考(Remarks) 林 尚志 

1993  Intrafirm Transfer of Production  単著   
国際経済  , 世界経済評論社  , 44巻  , 128-132  , 1993/10   

概要(Abstract) 本論文は、国際経済学会全国大会(福島大学)において筆者が報告した内容を再構成し、以下を論じた。 すなわち、(1)近年、日系電機メーカーの本社とアジア子会社との間で広範に行われている製品差別化型分業は、"アイテムライフサイクル企業内分業"として定式化される,(2)これにより、近年研究が進展しているクォリティーラダーモデルと整合的な分業形態を、その発生メカニズムにまで遡って定式化できる,(3)また、マクロ経済要因等の諸条件変化の影響を体系的に把握することが可能となる,の3点である。
 

備考(Remarks) 林 尚志 

1993  アイテム−ライフサイクル企業内分業(1):電気機械産業日系多国籍企業における事例研究  単著   
南山経済研究  , 南山大学経済学会  , 8巻1号  , 1-25  , 1993/06   

概要(Abstract) 本論文は、筆者が博士論文作成時に行った聞き取り調査の結果を再検討し、日系メーカーの本社とアジア子会社との間で"アイテムライフサイクル型"と名付けられる企業内分業形態が広範に見られることを確認するとともに、新たに以下の諸点を論じた。すなわち、(1)"アイテムライフサイクル型"と一部重複する形で、28事例中の7事例において"工程間分業"が行われていた,(2)工程間分業の発生要因として、製品輸入制限等の政府政策要因(3事例)及び自動化の程度等の技術関連要因(4事例)の両者が指摘された,の2点である。
 

備考(Remarks) 林 尚志 

1992  Intrafirm Transfer of Production along an Item’s Life Cycle(博士論文)  単著   
University of Hawaii at Manoa  , 212 pp.  , 1992/05   

概要(Abstract) 本論文は、近年日系電機メーカーが、本社とアジア子会社との間で構築しつつある企業内分業体制に注目し、以下を論じた。すなわち、(1)聞き取り調査28例中の24例において、"アイテムライフサイクル型"と名付けられる製品差別化型分業が行われていた,(2)この分業形態は、"アイテムライフサイクル進展に伴うアジア子会社のコスト優位性の向上"という概念を用いて理論的に導出される,(3)予想される諸環境の変化を考慮すれば、日本本社からアジア子会社への生産移転ラグが縮小する傾向が予想される,の3点である。 

備考(Remarks) Takashi Hayashi 

1987  二つの直接投資と発展途上国の雇用拡大  単著   
六甲台論集  , 神戸大学大学院経済学研究会  , 34巻3号  , 60-77  , 1987/10   

概要(Abstract) 本論文は、筆者の修士論文を再構成し、以下を論じた。すなわち、(1)多国籍企業が途上国に行う直接投資として、(ア)低コスト追求型投資と(イ)誘致政策活用型投資の2類型が理論的に導出される,(2)途上国が雇用拡大を図る場合、上記(イ)タイプの直接投資に依存する傾向が強いが、これに依存するほど誘致のための国民経済的コストは増大する,(3)長期的なコスト削減のためには、(a)労働集約性が高い、(b)円滑な技術移転が期待される、等の条件を満たす産業を戦略的に誘致することが有効である,の3点である。
 

備考(Remarks) 林 尚志 

1987  直接投資によるLDCの労働需要拡大(修士論文)  単著   
神戸大学  , 160pp.  , 1987/03   

概要(Abstract) 近年、多くの途上国(LDC)が「多国籍企業による直接投資」を通じて工業における労働需要の拡大を図ってきたが、本論文はこの点に関して以下を論じた。 すなわち、(1)人材及び各種インフラが欠如している途上国の場合、"企業誘致のための国民経済的なコスト"を支払わない限り"十分な労働需要の拡大"は期待できず、両者のトレードオフ関係に直面する,(2)日系企業の活用に成功したタイの繊維産業と失敗した同国の自動車産業の比較研究により、両者の両立をもたらすための諸要因を考察することが可能となるという点である。
 

備考(Remarks) 林 尚志 

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