2024/11/26 更新

写真b

ナガイ エイジ
永井 英治
NAGAI Eiji
所属
国際教養学部 国際教養学科 教授
職名
教授
主な研究課題
長期研究:室町幕府訴訟制度の研究

長期研究:大学アーカイブズの理念と活用

短期研究:学術史としての大学史研究

短期研究:鎌倉末〜室町期の幕府裁判と地域社会
専攻分野
日本中世史、高等教育史、アーカイブズ学

学位

  • 文学修士 ( 1989年3月   名古屋大学 )

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    修士

研究分野

  • 人文・社会 / 日本史  / 日本中世史

学歴

  • 名古屋大学   文学研究科   後期課程

    - 1992年3月

所属学協会

  • 名古屋歴史科学研究会研究委員(1997年7月〜1998年6月)

  • 中世史研究会委員(1991年7月〜1992年6月、1994年7月〜1995年6月、2008年9月〜現在)

委員歴

  • 名古屋歴史科学研究会研究委員(1997年7月〜1998年6月)  

  • 中世史研究会委員(1991年7月〜1992年6月、1994年7月〜1995年6月、2008年9月〜現在)  

論文

  • 戦中期北京輔仁大学の日本人教員とその戦後-成立期新制大学の教員移動に関する試論-

    近代日本研究   23   203 - 243   2007年3月

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    出版者・発行元:慶應義塾福沢研究センター  

    本稿は、日中戦争期、日本軍による占領下の北京で、外国人修道会が経営した輔仁大学が存続可能であった要因を、日本からの干渉に対する交渉の結果として捉え、とくに日本人教員の招聘要請と日本語言文学系の設置に焦点を据えて分析を加えた。その際、輔仁大学の姿勢を明らかにするため、同様の事情を負った燕京大学を比較の対象とした。輔仁大学の存続は、干渉への妥協と評価すべき点が大きく、招聘・派遣された日本人教員には、事態への認識が大きく欠けていた。さらに、戦前・戦中期に植民地・占領地の高等教育機関に勤務した日本人教員の多くは戦後、新制大学に職を得ていったが、輔仁大学の日本人教員のように、戦中期の自らの教育活動を省察することは乏しかった。日本の敗戦は、東アジアの高等教育機関の国民国家的再編をもたらしたが、日本に即した場合、教員という点で戦中期から戦後への無批判な連続性は明らかであった。新制大学が植民地・占領地の高等教育機関の旧教員を含みこんで成立したことは、戦後の高等教育を再検討する重要な論点となる。

  • 学会アーカイブズという課題

    名古屋大学大学文書資料室紀要   15   45 - 69   2007年3月

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    出版者・発行元:名古屋大学大学文書資料室  

    今日、アーカイブズの必要性は認識されつつあるが、研究者の団体である学会が独自のアーカイブズの持つ必要性を認識しているか、現状では疑問である。これは、学術史における学会の位置付け、学会活動などが、正当に論じられていないことに起因する。本稿では、学会が運営され活動する過程において作成される文書記録について、作成の段階から現用としての管理のあり方、さらに、研究対象としての利用の可能性を検討し、学会史料が学術史の構築において重要であることを確認した。その上で、学会が独自のアーカイブズを設置し難い現状では、関係する大学や研究機関が当該アーカイブズを肩代わりする方法が考えられ、学会史料の散逸を防止すべきことを指摘した。

  • アーカイブズにおける評価選別-歴史学と大学アーカイブズの視点から-

    南山経済研究   20 ( 2 )   145 - 161   2005年10月

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    出版者・発行元:南山大学経済学会  

    史料保存題について、アーカイブズ学およびアーキビストと、歴史研究者との間には、大きな溝が存在している。それがアーカイブズで行なわれる評価選別である。本稿では、史料の全保存を要望する歴史研究者の論理が、史料学の蓄積によってむしろ強化されていることを指摘し、すべての史料が評価選別の対象となるような主張を批判した。物理的制約のため、全史料を保管することはほとんど不可能であるが、史料そのものの保管が重要である場合と、抽出された情報のみの保管が可能な場合もある。アーカイブズは評価選別を無批判の大前提とするのではなく、史料群の性格に即して保存の基準を検討すべきである。

  • 初期室町幕府の荘園政策

    南山経済研究   19 ( 3 )   293 - 312   2005年3月

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    出版者・発行元:南山大学経済学会  

    本稿は、いわゆる半済令が、寺社本所および室町幕府において、寺社本所領回復令として受容され運用されたことを、法令の運用事例の網羅的収集に基づいて論じたものである。分析結果は、以下のようにまとめられる。足利義詮の寺社本所領回復令は、足利直義の政策を継承した義詮が主導した政策であり、義詮の御前沙汰で寺社本所領回復令の運用を求める訴訟は処理され、足利義詮御判御教書によって、寺社本所領回復が命じられた。寺社本所領回復令では、押領人を排除する沙汰付の徹底が、寺社本所領を回復する機会と理解され、自助努力では所領回復を実現し難い寺社本所に積極的に受容され、その結果、幕府に訴訟が殺到した。寺社本所領回復令は、武家領の回復令としても運用された。したがって、寺社本所領回復令とは、寺社本所領・武家領体制として理解される当該期荘園制の枠組みを維持しようとする政策であったと評価される。

  • 戦後の人類学と南山大学社会科学部人類学科設置の意義

    アカデミア人文・社会科学編   80   167 - 192   2005年1月

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    出版者・発行元:南山大学  

    敗戦後の人類学は、新たな戦略とともに人類学の研究基盤の整備を図る必要があった。本稿は、南山大学社会科学部人類学科について、戦後の人類学に果たした役割を考察したものである。まず、戦後初期に、GHQ/SCAPを介してアメリカの文化人類学へ積極的に近づき、戦中期に国策に協力した学問のイメージからの離脱を図った中で、南山大学の人類学科は、人類学のイメージ戦略にとっても有効で、学界の期待を集めたことを論じた。人類学が有する総合性はカリキュラムへ強く反映され、大学における人類学の発展に強い関心を持っていた学界のみならず、南山大学の人類学科にも強く影響したが、総合性の前提となる専門化が南山大学では強化され、カリキュラムに反映された。学部の段階から人類学の関連諸分野を履修できる南山大学の人類学科は、研究者養成という点で注目されるものであった。

  • 南北朝内乱期の使節遵行と地域社会の再編

    南山経済研究   19 ( 1 )   35 - 54   2004年6月

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    出版者・発行元:南山大学経済学会  

    本稿は、使節遵行に関する類型的な史料から導き出された断片的な事実を、戦争という視座から再構成したものである。作業の結果は、次のようにまとめられる。
    1.南北朝内乱という状況下、個別所領をめぐる紛争に戦争の一環という性格が付与され、紛争解決は戦争の中で処理された。このとき、守護の軍事動員権行使により徴発された武力が重要な役割を果たした。
    2.軍事的理由の下に行なわれた所領の収容を背景に、戦争に名を借りた押領が行なわれた。武力を持つ者は、戦争を所領拡大/回復の足掛かりに利用した。
    3.使節遵行に表徴される押領・知行回復は、従来の国制的枠組みを現地において塗り替える一円知行化、地域社会再編の過程が個別の事例において表出したものである。すなわち、南北朝内乱とは、押領と紛争解決の双方向からなる、地域社会再編の自己運動の過程であった。

  • 鎌倉末〜南北朝内乱初期の裁判と執行

    年報中世史研究   29   pp/73 - 88   2004年5月

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    出版者・発行元:中世史研究会  

    本稿は、室町幕府の「特別訴訟手続」が沙汰付と表現される、裁判の執行手続きから発展した点を重視して、その性格と成立に至る過程を分析したものである。裁許状の執行制度が生まれた鎌倉幕府末期段階では、判決に至るまでに原告被告双方の主張が審議されており、執行の段階で再審議は不要とする論理で、裁許状の執行が実施された。武力による政権交替という過程を経た建武政権は、混乱を鎮静化するため、自力救済の否定と表裏の関係にある強制執行制度の拡充を図った。この結果、紛争解決を求める者は、自己の主張のみに基づく強制執行を建武政権に求めることになり、室町幕府の「特別訴訟制度」の原型が成立した。室町幕府は、実力行使による知行の実現を「押領」と断じ、不法行為とすることによって、被「押領」者の主張に基づく原状回復の要求に応じる論理を整えた。このような制度が必要とされ背景には、所領をめぐる局地的な紛争が内乱に拡大される危険性があり、武力発動を制御すべきという認識があったといえる。

  • 南北朝内乱期の所領返付政策について

    雲雀野(豊橋技術科学大学紀要)   19   93 - 104   1997年3月

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    出版者・発行元:豊橋技術科学大学  

  • 中世における殺生禁断令の展開

    年報中世史研究   18   18 - 47   1993年5月

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    出版者・発行元:中世史研究会  

    本稿の論点は、国家論と領域支配の2点であり、以下のようにまとめられる。古代王権による殺生禁断令は、国土の領有を宗教的文脈で宣言するものであった。中世の朝廷はこれを継承したが、鎌倉幕府は後期には律宗の戒律復興運動を背景に、自ら殺生禁断を命じるものとなった。一方の朝廷は、殺生禁断令の対象を京中という限定された領域での市場統制へと変化させた。古代格式法の段階から、静謐・清浄の維持を目的として対象領域を限定した殺生禁断令が発令されていたが、中世では荘園領主により領域支配のイデオロギー装置として利用され、王権による殺生禁断令に社会的基盤を与えた。その論理の歴史的展開は、清浄でなければならない寺辺での殺生禁断から、寺領ゆえに殺生禁断でなければならず、その維持のため殺生を行なう者を排除するという飛躍であった。地頭が殺生禁断令を受容し、暴力を背景にして殺生禁断令による領域支配を展開するようになると、殺生禁断令の宗教的意味付けは希薄となり、一般な犯罪として寺社以外の本所領でも禁制の対象となった。鎌倉後期の戒律復興運動の前提には、このような状況があったと考えられる。

  • 鎌倉前期の公家訴訟制度-記録所・評定・新制-

    年報中世史研究   15   1 - 33   1990年5月

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    出版者・発行元:中世史研究会  

    後鳥羽院政期を中心に、当該期の記録所が朝廷だけでなく本所裁判においても訴訟審議を担う存在であったことを指摘し、あわせて、記録所での審議結果を確定する評定の構成についても指摘した。また、朝廷における裁判興行を宣言するものとなる新制について、従来指摘されていなかったものが出されていたことを指摘し、後鳥羽院政期における朝廷裁判の様相を論じた。

  • 南山大学史におけるヨハネス・ヒルシュマイヤーの時代

    アルケイアー記録・情報・歴史ー   15   55‐79   2020年11月

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    出版者・発行元:南山アーカイブズ  

  • 南北朝・室町初期の安芸国

    南山経済研究   34巻3号   281 - 289   2020年3月

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    出版者・発行元:南山大学経済学会  

    本稿は、南北朝・室町初期の安芸国の荘園・国衙領の状況について、押領と合力の視点から検討したものである。本稿の結論は以下の通りである:1、一族一揆を通して、合力・与同の関係は、一族内の秩序維持を果たした。2、訴訟は紛争解決の一手段であるが、その中に武力発動(の可能性)を含んでいた。3、隣国の国人が使節となる場合はリスクが伴った。4、国人一揆では、合力・与同の関係が地域秩序の形成に作用することがあった。

  • 古文書の機能と半現用文書概念

    アルケイアー記録・情報・歴史ー   14号   127 - 145   2019年11月

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    出版者・発行元:南山アーカイブズ  

    本稿は、古文書の1次的機能を「伝達」とする論説を批判したものである。まず、中世文書の当事者主義を前提とする限り、文書の内容は単なる「伝達」にとどまらず実現に向けて当事者に働きかけるものであることを確認した。次に、半現用文書概念を導入して、古文書の「伝達」と「効力」を分離させる議論に対し、半現用文書概念が現状ではまちまちであるため、論拠とするにふさわしくないことを論じ、総じて、中世文書の機能が現実に働きかけることを第1とすべきことを論じた。

  • 戦後教育改革期における旧制から新制への転換と学校間接続―南山学園の事例研究―

    アルケイア―記録・情報・歴史―   13   81 - 100   2018年11月

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    出版者・発行元:南山アーカイブズ  

    本稿は、戦後教育改革期における旧制から新制への学校制度転換において、学生・生徒による選択が生じた場合、新制と旧制のいずれかを選ぶかに注目して、学制改革期の学校間接続について南山学園を対象に分析したものである。はじめに、旧制名古屋外国語専門学校から新制南山大学が設置された際に旧制か新制かの選択肢が生じたとき、新制選択者が少数派であった理由を取得できる資格という視点から分析した。つぎに、旧制南山中学校が新制南山中学校に転換し、南山高等学校が設置される過程で、旧制か新制かの選択となったときの進路動向について分析した。その結果、旧制選択者は少数派ではなかったことを指摘し、上級学校への進学が問題とならない場合、旧制と新制はほぼ同じ卒業資格で捉えられ、在学年限が短い選択肢が選ばれる傾向にあることを論じた。

  • 室町幕府奉行人書下について

    アルケイア―記録・情報・歴史ー   12   147 - 169   2017年11月

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    出版者・発行元:南山アーカイブズ  

  • 日本中世古文書学と日本中世アーカイブズ学

    アルケイア―記録・情報・歴史ー   11号   29 - 49   2017年3月

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    出版者・発行元:南山アーカイブズ  

    第1に、日本近代歴史学の黎明期に古文書学を形づくった久米邦武と黒板勝美の業績を検討し、現在に至る古文書概念がライバルでもあった二人によって形成され、日記との区別、古文書の要件などが規定されたことを述べた。ただし、黒板は効力を問題にしながら、効力が発生する手続きについて論じなかったため、機能論へ展開しなかった。第2に、上島有に代表される日本中世アーカイブズ学について、アーカイブズ学から文書の生成過程について議論を援用したことで、時代の枠を外したアーカイブズ学の可能性が認められることを指摘した。

  • 南山アーカイブズとヒルシュマイヤプロジェクトー研究資源アーカイブズの可能性

    アルケイア―記録・情報・歴史―   10   57 - 73   2016年3月

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    出版者・発行元:南山アーカイブズ  

  • 南山大学と戦争遺跡

    アルケイアー記録・情報・歴史ー   9   65 - 94   2015年3月

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    出版者・発行元:南山アーカイブズ  

  • 建武政権~初期室町幕府の裁判に見る「濫妨」と「押領」の交錯

    南山経済研究   29 ( 1 )   33 - 44   2014年6月

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    出版者・発行元:南山大学経済学会  

  • 『師守記』紙背文書にみる文書管理

    アルケイア―記録・情報・歴史―   7   153 - 177   2013年3月

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    出版者・発行元:南山大学史料室  

    本稿では、南北朝内乱初期の下級官人である中原師守の日記を対象に、基礎作業として、自筆書き継ぎ本であることの意味を確認したうえで、裏書についての検討から日記の紙背の位置付けを考えた。つぎに記主である師守の家で受領した文書群の管理方法について考察し、それらのうちから不要と判断され、日記の料紙に使われる過程を検討した。以上の作業の結果、紙背文書の分析から、現用→非現用・廃棄=再利用の過程について概要が明らかにできることを指摘した。

  • MLAにおける所蔵資料の特性と利用

    アルケイア―記録・情報・歴史―   6   163 - 191   2012年3月

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    出版者・発行元:南山大学史料室  

    資料を保存し利用するための機関であるM(博物館)、L(図書館)、A(アーカイブズ)の連携は今日的課題であるが、理念が先行し、連携のための具体的な模索は十分とは言い難い。デジタルアーカイブズは、MLAの連携を推進する方法として、また、その利便性において不可逆的に普及・進行しているが、デジタルアーカイブズとして提供される情報の真正性をMLAそれぞれにおいて担保するオリジナルの特性についての議論は、MLAの連携を検討するためにも基礎作業となる。本稿では、このような認識の上に、MLAそれぞれの特性に規定され、収蔵資料の真正性を担保する手段は異なるものとなることを指摘し、MLA連携ためのの基礎的理解を確認したものである。

  • 南山大学人類学博物館設置に至る経緯

    南山大学人類学博物館オープンリサーチセンター研究報告   第1冊   157 - 166   2011年3月

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    出版者・発行元:南山大学人類学博物館  

  • 南山大学経済学部、半世紀を越えて

    南山経済研究   25 ( 3 )   5 - 27   2011年3月

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    出版者・発行元:南山大学経済学会  

    本稿は、南山大学経済学部が社会科学部社会学科の1コースとして出発しながら、これを直接の母体としながら経済学部が成立し、さらに、他の社会学系学部を生み出す母体となったことを、社会の中の大学という視点から論じたものである。また、南山大学がカトリック大学であることから、経済学部史から「カトリック大学における経済学」という論点が抽出され、南山大学では、この論点がカトリック大学における教育・研究に一般化されて用いられたことを指摘した。

  • アーカイブズ概念の拡張のために

    アルケイア-記録・情報・歴史-   4   31 - 56   2010年3月

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    出版者・発行元:南山大学史料室  

    現在の日本では、多様な分野でアーカイブ(ズ)が構築されている。アーカイブズ学では、このようなアーカイブズをcollecting archivesとして狭義のアーカイブズすなわちinstitutional archivesと区別する。本稿では、アーカイブズへの収蔵が資料に与える影響について、フロー/ストックの視点から分析を加えながら、collecting archivesが文化資源学的発想において資料の利用可能性を広げることを指摘した。

  • アーカイブズの収蔵対象

    アルケイア-記録・情報・歴史-   3   95 - 112   2009年3月

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    出版者・発行元:南山大学史料室  

    アーカイブズの収蔵対象から設置母体の業務文書以外を排除しようという主張に対して、本稿は、業務文書の保管はアーカイブズの機能の大前提と考え、その上で、大学アーカイブズや自治体アーカイブズなどが、業務文書を収蔵対象とすることの意義を主張したものである。大学アーカイブズにおいては、教育研究資料を収蔵対象とすることは設置母体である大学の性格からもたらされるものであり、自治体アーカイブズにおいては、地域伝来史料の所蔵如何は自治体アーカイブズの定義によっては収蔵対象となることを論じ、アーカイブズの収蔵対象を限定する発想に批判的検討を加えた。

  • 南北朝〜室町期の権力と紛争解決

    歴史学研究   846   55 - 64   2008年10月

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    出版者・発行元:青木書店  

  • 南山大学文学部中国語学中国文学科廃止の諸側面

    アルケイア-記録・情報・歴史-   1   99 - 125   2007年3月

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    出版者・発行元:南山大学史料室  

    本稿は、南山大学における中国語学中国文学廃止について、いくつかの側面から検討を加えたものである。考察の結果は次のようにまとめられる。
    1.日華文化研究所の廃止を同時に決定した神言会総会長の指向は、南山大学から中国研究を排除するものであり、それは、南山大学の教育研究方針と矛盾しなかった。
    2.中国語学中国文学科の廃止をめぐる軋轢の要因は、合意調達が十分に働かなかったことにあり、ここに大学運営におけるガバナンスの問題が読み取れる。
    3.南山大学文学部中国語学中国文学科は中国語学に重点を置いており、学科の廃止は第二外国語、外国語講習会にも連動し、南山大学におけるすべての中国語学教育の停止となった。そこには、敗戦後の中国語学教育が教養語学教育に傾斜したことが影響していた。

  • 戦後設置の専門学校の歴史的意義-外国語専門学校の「遺産」-

    アカデミア人文・社会編   82   175 - 217   2006年1月

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    出版者・発行元:南山大学  

    本稿は、戦後設置の外国語専門学校が果した役割を分析し、さらに、それらの専門学校が新学制に残した「遺産」について考察したものである。
    外国語専門学校から、制度上、直接つながる「遺産」は、外国語学部と短期大学の外国語学科である。しかし、外国語学部は、外国語の修得を前提とした地域研究を教育・研究の目的とすることにより、外国語専門学校から大きく性格を変えた。短期大学の外国語学科は、外国語専門学校の機能を一部継承したが、戦後高等教育の中に定着しなかった。実業教育としての外国語教育が要請された時代において、外国語専門学校における教育は可能なものであった。

  • 南北朝内乱期の荘園制と幕府・朝廷

    南山経済研究   20 ( 1 )   25 - 35   2005年6月

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    出版者・発行元:南山大学経済学会  

    本稿は、いわゆる応安半済令における「勅許」の問題と同法令による荘園興行、および永和年間(1375〜79)の寺社本所領回復策について検討を加え、自社本所領回復政策における幕府と朝廷の関係を法形式によるのではなく、実態的に分析したものである。その結果、足利義満登場後の寺社本領回復政策は幕府のそれに朝廷が依存する図式で理解され、この図式の延長が朝廷の徳政を変化させたと論じた。

  • 南山大学経済学部創設前史

    南山経済研究   18 ( 3 )   183 - 201   2004年3月

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    出版者・発行元:南山大学経済学会  

    南山大学経済学部の前身である社会科学部社会学科の特質について、設置に至る経緯とカリキュラムを中心に論じ、愛知県下の大学設置状況を背景とした経済学部設置に対する地域からの要望を指摘した。

  • 南北朝内乱初期の裁判における幕府・朝廷関係

    年報中世史研究   22   73 - 88   1997年5月

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    出版者・発行元:中世史研究会  

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書籍等出版物

  • 南山大学七十五年史

    ( 担当: 共編者(共編著者))

    南山大学  2022年3月 

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    総ページ数:597  

  • 南山学園史料集10 ヒルシュマイヤー著作集 教育論

    ( 担当: 共編者(共編著者))

    南山アーカイブズ  2015年3月 

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    総ページ数:254p.+12p.  

  • 新編三好町誌 本文編

    ( 担当: 共著)

    愛知県みよし市  2013年8月 

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    総ページ数:1146p.  

  • 南山学園史料集6 南山大学の人類学

    ( 担当: 編集)

    南山学園  2011年3月 

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    総ページ数:134p.  

    南山大学における人類学の教育研究に係る制度的発展に関する史料を収集し、編集した。研究所、学科、博物館の設置に重点を置いた。

  • 新編 三好町誌 資料編 歴史

    ( 担当: 共編者(共編著者))

    愛知県みよし市  2010年7月 

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    総ページ数:739p.  

  • 愛知県史 資料編10 中世3

    ( 担当: 共編者(共編著者))

    愛知県  2009年3月 

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    総ページ数:1049p.  

  • HOMINIS DIGNITATI 南山学園創立75周年記念誌

    ( 担当: 共編者(共編著者))

    南山学園  2007年11月 

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    総ページ数:632p.  

  • 南山学園史料集 名古屋外国語専門学校史料集

    ( 担当: 編集)

    南山学園  2005年4月 

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    総ページ数:155p.  

    南山大学の前身校である名古屋外国語専門学校に関する史料を収録し、解説を加えた。

  • 愛知県史 資料編9 中世2

    ( 担当: 共編者(共編著者))

    愛知県  2005年3月 

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    総ページ数:1097p.  

  • 長久手町史 本文編

    ( 担当: 共著)

    長久手町役場  2003年3月 

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    総ページ数:568p.  

    山田郡を中心に、南北朝・室町期の尾張国の守護・守護代・黒人、荘園について叙述した。

  • 南山大学五十年史

    ( 担当: 共著)

    南山大学  2001年3月 

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    総ページ数:568p.  

  • 殺生禁断

    ( 担当: 単著)

    東京堂出版 日本中世史研究事典  1995年6月 

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    担当ページ:pp.73-74   著書種別:事典・辞書

  • 日本歴史地名大系21岐阜県の地名

    ( 担当: 共著)

    平凡社   1988年7月 

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    担当ページ:1181p.   著書種別:事典・辞書

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MISC

  • 「南山学園史料集14 聖園女学院史料集』解説

    『南山学園史料集14 聖園女学院史料集』   202 - 208   2019年3月

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    出版者・発行元:南山アーカイブズ  

  • 外岡慎一郎『武家権力と使節遵行』

    日本歴史   840   107 - 108   2018年5月

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    掲載種別:書評論文,書評,文献紹介等   出版者・発行元:吉川弘文館  

  • 『南山学園史料集 13 南山大学設置認可申請書』解説

    南山学園史料集   13   162 - 176   2018年3月

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    出版者・発行元:南山アーカイブズ  

  • 『南山学園史料集 11 創立五周年記念 南山学園史』解説

    南山学園史料集   11   87 - 93   2016年3月

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    出版者・発行元:南山アーカイブズ  

  • 『南山学園史料集 12 五軒家町キャンパスの構想』解説

    南山学園史料集   12   81 - 84   2016年

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    出版者・発行元:南山アーカイブズ  

  • ヨハネス・ヒルシュマイヤー「南山学園―その沿革と将来の展望」講演録と解説

    アルケイア―記録・情報・歴史   9   157 - 191   2015年3月

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    出版者・発行元:南山アーカイブズ  

  • 南山大学・キャンパス・小史

    南山学園史料集   9   82 - 83   2014年3月

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    出版者・発行元:南山学園  

  • 南山大学のレーモンド建築をめぐる言説の脱構築にむけて

    南山学園史料集   9   90 - 92   2014年3月

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    出版者・発行元:南山学園  

  • 『南山学園史料集 8 南山学園のレーモンド建築〈上〉』概要

    南山学園史料集   8   75 - 77   2013年3月

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    出版者・発行元:南山学園  

  • アントニン・レーモンドと南山学園―「南山学園のレーモンド建築」編集の趣旨―

    南山学園史料集   8   78 - 79   2013年3月

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    出版者・発行元:南山学園  

  • 岩元修一『初期室町幕府訴訟制度の研究』

    年報中世史研究   34   97 - 106   2009年5月

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    掲載種別:書評論文,書評,文献紹介等   出版者・発行元:中世史研究会  

  • アーカイブズと文化資源

    アルケイア-記録・情報・歴史-   3   62 - 67   2008年3月

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    出版者・発行元:南山大学史料室  

  • 古文書の書写と伝来からみた尾張国加藤家史

    科学研究費補助金(基盤研究C(1))研究成果報告書『尾張・三河武士における歴史再構築過程の研究』   11p.   2007年3月

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    出版者・発行元:研究代表者 青山幹哉  

  • 南山大学史料室について

    九州大学大学文書館ニュース   29   4 - 6   2007年3月

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    出版者・発行元:九州大学大学文書館  

  • 下級官人文献目録

    科学研究費補助金(基盤研究A(2))研究成果報告書『日本前近代社会における下級官人の研究-真継家を中心として-』   64p.   2005年3月

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    出版者・発行元:研究代表者 稲葉伸道  

  • 悪党研究会編『悪党の中世』

    年報中世史研究   25   147 - 154   2000年5月

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    掲載種別:書評論文,書評,文献紹介等   出版者・発行元:中世史研究会  

  • 1996年の歴史学会-回顧と展望-日本中世4

    史学雑誌   106 ( 5 )   84 - 90   1997年5月

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    出版者・発行元:史学会  

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共同研究・競争的資金等の研究課題

  • 鎌倉末〜室町期の幕府裁判と地域社会

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    鎌倉末〜室町期の幕府裁判の実現を、権力と地域社会の相互交渉の過程として捉え直す。また、この相互過程における裁判文書の機能を検討する。

  • 学術史としての大学史研究

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    大学での研究の歴史を、学術史に位置付ける。そのために、大学史料の発掘と、それらに関する史料学的な基礎研究もあわせて行なう。

  • 室町幕府訴訟制度の研究

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    所領紛争の解決とその維持における地域と守護・使節の機能を視野に入れて、室町幕府裁判制度を総合的に考察する。

  • 大学アーカイブズの理念と活用

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    大学アーカイブズの特質に基づく理念を構築し、その実践として大学史研究を行なう。

その他教育活動及び特記事項

  • 2021年4月 -2022年1月
    博物館実習での展示図録作成の指導
  • 2020年4月 -2021年1月
    博物館実習での展示図録作成の指導
  • 2015年6月
    教科書の分担執筆
  • 2009年
    テキストへの寄稿

社会貢献活動

  • 三好町誌編集委員会専門委員(2003年10月〜2013年8月)

  • 愛知県史特別調査委員(2001年4月〜2009年3月)

  • 長久手町史編さん執筆委員(1998年9月〜2003年3月)