2024/11/13 更新

写真b

ヨシダ タケヤ
吉田 竹也
YOSHIDA Takeya
所属
人文学部 人類文化学科 教授
職名
教授
主な研究課題

長期研究:周縁的観光現象の人類学的探究
長期研究:楽園観光地における宗教と観光の研究
長期研究:楽園の観光人類学
長期研究:バリ宗教の人類学的研究
長期研究:人類学的観光研究の再考
専攻分野
文化人類学

学位

  • 博士 ( 2008年5月   大阪大学 )

      詳細を見る

    博士

    学位論文名:バリ宗教と人類学−人類学的解釈学の探究

  • 文学修士 ( 1990年3月   南山大学 )

      詳細を見る

    修士

研究分野

  • 人文・社会 / 文化人類学、民俗学  / 観光 宗教 理論 インドネシア 奄美・沖縄

学歴

  • 南山大学   文学研究科   文化人類学専攻

    - 1994年3月

所属学協会

  • 日本島嶼学会(2004.4〜現在に至る)

  • 日本社会学会会員(1999.7〜現在に至る)

  • 日本民俗学会会員(1987.6〜1998.3まで)

  • 日本文化人類学会会員(1987.6〜現在に至る)

委員歴

  • 日本島嶼学会(2004.4〜現在に至る)  

  • 日本社会学会会員(1999.7〜現在に至る)  

  • 日本民俗学会会員(1987.6〜1998.3まで)  

  • 日本文化人類学会会員(1987.6〜現在に至る)  

論文

  • 人類学的パラドクス論覚書――論理空間から社会空間へ

    吉田 竹也

    アカデミア人文・自然科学編   28   1 - 27   2024年6月

     詳細を見る

    担当区分:筆頭著者, 最終著者, 責任著者   記述言語:日本語   掲載種別:研究論文(大学,研究機関等紀要)  

  • 観光の定義の困難さについて――概念の脱構築から観光の周縁の記述へ

    人類学研究所研究論集   12   4 - 45   2023年3月

     詳細を見る

    出版者・発行元:南山大学人類学研究所  

     本稿は、観光の定義の困難さをめぐる理論的考察を主題とする。観光研究者の中には、観光研究の学際性、観光現象の総合的性格や時代変化といった点から、観光をあえて定義せずに観光研究を前進させる立場を採る者もいる。ただし、そうした研究者が、定義なしで議論を進めることの妥当性の根拠を論じているわけではない。また、一方で、観光の定義が困難であるとしても、定義なしで当の概念を使用し議論を進めることに懐疑的・否定的な立場の研究者もいる。
     本稿では、ヴァレン・スミスの定義をはじめとする代表的な観光の定義が抱える難点・限界・問題を前景化し、観光を定義すること、つまり縮約した命題の束に還元することの困難さを確認した上で、そうした観光の定義なしで観光研究を進めることを可能ならしめると思われる3つの理論的・方法的可能性を、観光研究の外部に見出そうとする。そして、結論として、観光の定義の脱構築に向かうのではなく、観光現象、とりわけ周縁的な観光現象の記述に向かうことこそ重要である、ということを論じる。

  • アノマリーとしての世界自然遺産――奄美・沖縄の事例に関する観光リスク論的考察

    島嶼研究   22巻 ( 1号 )   109 - 120   2021年2月

     詳細を見る

    本稿は、2021年の世界遺産記載が期待される奄美・沖縄における自然遺産観光のあり方について、人類学的観光論、とくに観光リスク論的な観点から、検討しようとしたものである。推薦された4島地域では、今後、世界遺産中心部の保護と観光化抑制、そして遺産周辺地域の観光「中心」化が進められるであろう。ただ、奄美・沖縄の世界自然遺産は、通常の世界自然遺産における観光振興および管理対応がかならずしも当てはまらない特徴をもっている。今後、この事例を世界自然遺産のアノマリーとして捉えつつ、遺産保護の体制づくりを更新していくことが、未来に向けた新たな価値創出につながると考えられる。

  • 観光恐慌2020年に関する覚書――観光リスク論の観点から

    アカデミア 人文・自然科学編   21   297 - 306   2021年1月

     詳細を見る

    出版者・発行元:南山大学  

    本稿は、2020年に世界が直面した新型コロナウイルス禍による観光不況を「観光恐慌」と捉え、この観光恐慌に関する若干の論点を整理した覚書である。今回の観光恐慌は、現代観光が複製技術革命後に広範に流通可能となった記号にもとづく差別化の困難さという構造的問題を抱えていることをあらためて前景化させた。また、観光と医療とを接続したリスク社会論や、観光を疑似的生活必需品とする消費行動理解の必要性をも示している。観光振興や観光発展を前提とした従来の観光研究の枠組みが、コロナウイルスによっていま突き崩されているのであり、観光研究はこれに向かい合い、抜本的なパラダイム転換へと進むべきである。

  • 安らかならぬ楽園のいまを生きる――日本人ウブド愛好家とそのリキッド・ホーム

    人類学研究所研究論集   7   68 - 109   2019年3月

     詳細を見る

    出版者・発行元:南山大学人類学研究所  

    本稿は、現代のリスク社会における「ホーム」の流動性・液状性を記述しようとする人類学的研究である。本稿における「ホーム」は、想像の次元にあって希求される、だが捕まえようとしてもすり抜けていくことがある、安らぎの居場所/帰還のトポスと設定される。当事者がもつ理念や理想と、直面する現実との間に場合によってはあるずれに焦点を当て、アウェイと溶け合う状況にある「リキッド・ホーム」の具体的なあり方を、バリの観光地を事例に主題化しようとする。

  • ひとつになった乙姫と白百合の現存在――恒久平和を念願する時限結社の超越過程

    人類学研究所研究論集   6   20 - 57   2019年3月

     詳細を見る

    出版者・発行元:南山大学人類学研究所  

    本稿は、沖縄の糸満市にある「ひめゆり平和祈念資料館」に焦点を当て、その設立と運営の経緯を整理することから、非営利組織の変化について考察しようとする人類学的研究である。なお、本稿は、沖縄を含む楽園観光地の宗教と観光の関係を主題とする私の中期的な研究の一環をなすものである。

  • 合理化のパラドクスをめぐる覚書

    年報人類学研究   7号   137 - 149   2018年3月

     詳細を見る

    出版者・発行元:南山大学人類学研究所  

    本稿は、マックス・ヴェーバーの「合理化」概念の理論的展開の可能性を、「合理化のパラドクス」という論点に焦点を当てて考察・整理しようとする覚書である。なお、この論考は、インドネシアのバリと日本の沖縄を事例とした、楽園観光地における観光と宗教の合理化について考察しようとする中期的研究の一環をなすものであり、民族誌的研究への接続を念頭におきつつ、その前段における一般 理論的整理を目指したものである。

  • バリ宗教の合理化論をめぐる再検討―ギアツからヴェーバーへ

    文化人類学   81(2)   302 - 311   2016年9月

     詳細を見る

    出版者・発行元:日本文化人類学会  

    本稿は、ギアツの論考「同時代のバリにおける「内在的改宗」」に示される宗教合理化論を、ヴェーバーの宗教合理化論と対比させ、合理化論の彫琢可能性をバリを事例に探求しようとするものである。中心となる論点は、ある視点での合理化が別の視点では非合理化でありうるという契機に注目することで、ヴェーバーの合理化論の豊かな可能性を引き出す解釈の方向性を探求することにある。ギアツの合理化論の理論的外延を明確にしつつ、合理化概念の別様の可能性を明らかにすることが、この論考のおもな射程である。

  • ヴェーバー合理化論の基盤認識と人類学――客観性・因果連関・歴史の叙述

    アカデミア 人文・自然科学編   12   1 - 21   2016年6月

     詳細を見る

    出版者・発行元:南山大学  

    本稿は、マックス・ヴェーバーの合理化論の基盤にある解釈学的認識を明確にし、これを人類学とくにクリフォード・ギアツの解釈人類学と対比し、両者の共通性を再確認しようとする試論である。管見のかぎり、彼らの解釈学的認識の具体的な関係性を整理した先行研究は存在しない。本稿は、両者の共通性を、おなじく解釈学的な問題関心を共有する立場から、検証しようとするものである。

  • 地上の煉獄と楽園のはざま―沖縄本島南部の慰霊観光をめぐって

    人類学研究所研究報告   3   41 - 94   2016年3月

     詳細を見る

    出版者・発行元:南山大学人類学研究所  

    本稿は、戦争直後の沖縄の苦難から、慰霊観光地化そして楽園観光地化という過程をあらためて振り返ることから、「危機と再生の人類学」について考察を試みるものである。結論では、危機と再生とは相互背反的なものではなく、同時に並走し共在しうること、より正確にいえば、危機の潜勢態としてのリスクは、再生と並行し、さらにいえば再生を内部に取り込みつつ深化しうることが、指摘される。なお、本稿は、観光と宗教の関係を合理化とリスク社会化という観点から捉える、筆者の中期的な研究の一環をなすものでもある。

  • 楽園観光地の構造的特徴―シミュラークル、脆弱性、観光地支配

    島嶼研究   17 ( 1 )   1 - 20   2016年2月

     詳細を見る

    出版者・発行元:日本島嶼学会  

    本稿は、バリと沖縄の事例を通して楽園観光について論じた拙書の論点を踏まえつつ、楽園観光という観光形態よりも、楽園観光地がもつ構造的な特徴を明確化することに向けた研究であり、島嶼において展開するこの種の観光地の基本的なメカニズムをまずは一般化して捉えることにより、事例研究への足掛かりを得ようとするものである。

  • シミュラークルと沈黙の記憶――バリ島の観光地ウブドの絵画をめぐって

    人類学研究所 研究論集   1   181 - 200   2013年3月

     詳細を見る

    出版者・発行元:南山大学人類学研究所  

    インドネシアのバリ島の観光地ウブドにおける絵画を取り上げ、物質文化と社会的な記憶との関連について論じたものである。ウブドの絵画について、マクレイによる先行研究があるが、その議論を再検討し、バリ芸術がシミュラークルとしての特徴をもつとともに、語りえない沈黙の記憶を語っているのではないかとする解釈を提起する。

  • 反観光論に向けてのプロレゴメナン

    アカデミア人文・自然科学編   3   175 - 198   2012年1月

     詳細を見る

    出版者・発行元:南山大学  

    観光研究は、政策論や経営工学の立場を中心としているが、人類学や社会学においてもひとつの下位領域を構成しつつある。しかしながら、実学志向的な観光研究全体の中において、観光がもたらす負の側面に着目した一部の人類学的観光研究が占めるべき位置づけは、かならずしも明確になっているとはいえない。本稿は、今日の人類学的観光研究の向かうべき方向性のひとつを「反科学」にあるとみなし、反科学としての観光論の基本的な論点整理を試みたものである。

  • バリ島のエコツーリズムの逆説

    島嶼研究   第11号   35 - 43   2011年3月

     詳細を見る

    出版者・発行元:日本島嶼学会  

    バリ島の文化観光についてはすでにおおくの議論があるが、自然観光について論じた研究はほとんどない。この論考は、人類学的な参与観察とインタヴューに基づき、バリ島のエコツーリズムの現状について暫定的な総括を行ったものであり、大衆観光型の開発と結び付いたエコツーリズムが、バリ島の環境破壊をもたらしていく危険性が高いことを指摘するものである。

  • 世界の夜明けのたそがれ-楽園観光地バリの明と暗-

    アカデミア(人文・自然科学編新編)   1   1 - 30   2011年1月

     詳細を見る

    出版者・発行元:南山大学  

    インドネシアのバリ島は、世界に数ある楽園イメージを売り物とした観光地(楽園観光地と呼ぶことにする)のひとつである。この論文では、楽園観光地バリの形成過程と現状を、楽園らしからぬ一面にも目配りしながら記述する。近年のバリ研究は、陰りの見えつつあるバリ観光の現状をやや悲観的な観点からとらえようとする傾向がある。ただ、こうしたバリの現状は、インドネシア通貨危機やクタでの爆弾テロ事件などによる危機が顕在化する以前の、スハルト時代からの観光開発の負の側面が顕在化したものだと理解することができる。論文では、オランダによる植民地支配以前にさかのぼり、「楽園」のイメージで捉えられたバリの観光化の軌跡をあらためて振り返り、現状の把握へとつなげ、議論を整理する。

  • 観光地の発展と構造的ポジショナリティ-ゆんぬの島の民族誌的研究

    島嶼研究   9号   1 - 22   2009年9月

     詳細を見る

    出版者・発行元:日本島嶼学会  

    この論文は、観光地の発展ではなく、発展から低迷へと進んだ事例に焦点を当てて、観光が抱えるリスクについて検討したものである。ゆんぬの島(与論島の別称)は、沖縄が復帰を果たす以前、日本最南端の島だった。沖縄の復帰とそれにつづく海洋博の開催に前後する1970年代、与論はこの沖縄の観光開発を触媒とした空前の観光ブームに沸いた。しかしながら、やがて亜熱帯のビーチリゾートをもとめるおおくの観光客は、沖縄の本島・離島へ、そしてさらには国外に点在する楽園観光地へと向かうようになった。与論は、複合的な観光資源と観光サイトを抱える沖縄という観光圏の中に、イメージのレベルでは帰属しているが、組織的には十分なつながりを打ち立てるにはいたらず、観光地としての独自色をあらためて打ち出し顧客にアピールできないまま、低迷状態に陥ったといってよい。論文では、端的にいえば、奄美の中の与論ではなく沖縄の外の与論というこのポジショナリティ、つまりは与論観光の沖縄観光への従属的な関係性に焦点を当て、これが与論観光低迷の構造的な要因の中心にあることを論じた。

  • バリ宗教と人類学-人類学的解釈学の探究

    (学位論文)   268(A4)   2008年5月

     詳細を見る

    バリ宗教と人類学的研究との相互規定的な関係性について論じた『バリ宗教と人類学−解釈学的認識の冒険』に、理論面および民族誌的記述面での加筆・修正を施して、学位論文としたものである。

  • 文化というまなざし-人類学的文化論覚書-

    アカデミア(人文・社会科学編)   84号   43 - 126   2007年1月

     詳細を見る

    出版者・発行元:南山大学  

    この論考は、20世紀後半における文化人類学の主要な理論的立場や議論を整理していくことによって、「文化」概念の可能性と限界について考察したものである。文化を象徴とみなす視点が確立され、ここから構造主義、解釈人類学、ポストモダン人類学などの立場が成立していったことを論じた上で、今日の人類学が、一方では文化を体系だったものとみなす視点と、他方では文化を断片化し脱構築しようとする視点という、対照的な2つの視点が並存する状況にあることを確認し、あらためて文化概念がひとつの文化であることを再帰的に捉え議論する方向性の必要性を明確にする。

  • バリ島ウブドの日本人店舗(2)-爆弾テロ事件以降の出来事をめぐる覚書-

    人類学研究所通信   第12号   14 - 25   2004年3月

     詳細を見る

    出版者・発行元:南山大学人類学研究所  

    この論考は、バリ島の1観光地ウブドにおける日本人(国籍変更を果たした元日本人も含む)が営む店舗ビジネスの特徴について論じる主論文「バリ島ウブドの日本人店舗」を補遺するものであり、具体的には、2002年10月のバリ島爆弾テロ事件後の観光不振が、彼ら日本人たちのビジネスとその心理に与えた影響について、備忘録的に記述したものである。

  • 民族誌論覚書-20世紀人類学のパラダイムと民族誌-

    アカデミア(人文・社会科学編)   第77号   1 - 79   2003年6月

     詳細を見る

    出版者・発行元:南山大学  

     フィールドワークをおこない民族誌を記述するという作業は、文化人類学にとって必修の手続きであり、この学問の方法上の柱でもある。しかし今日ではこうした作業にさまざまな問題点が指摘されている。この論考は、今日の人類学のおかれた社会状況にも触れながら、「民族誌」という方法の成立とその後の展開を、人類学の主要な方法論的枠組の変遷と絡めて押さえ、「民族誌」という方法の特性を学説史的な観点から整理したものである。

  • 「バリ宗教」の誕生-植民地統治下における宗教表象枠組の素描-

    アカデミア(人文・社会科学編)   73号   89 - 141   2001年6月

     詳細を見る

    出版者・発行元:南山大学  

    戦後のバリ宗教については、バリ人自身がこれを一神教として捉える理解枠組を構築してきたのにたいして、人類学者や外国人観光客の側はそうしたバリ人側の宗教理解枠組を十分視野に入れず、オリエンタリスティックな戦前以来の多神教的な理解を温存させあるいは強化させてきた、という問題がある。こうした異文化理解に関わる重大な問題の起源は、20世紀前半の植民地時代にあるといってよい。この論文では、さしあたりオランダによる植民地体制の確立までの経過を追いながら、バリの植民地化に関わる主要な出来事に関連して垣間見える、バリ側とオランダ側との認識のずれを整理するとともに、オランダ側の主導する文化政策のもとに「バリ宗教」という理解枠組がバリにおいてたちあがる前後の状況を、近年の歴史人類学的バリ研究の成果を整理することによって、記述しようとする。

  • 現代バリ宗教と祈り

    アカデミア(人文・社会科学編)   71号   143 - 167   2000年3月

     詳細を見る

    出版者・発行元:南山大学  

    現在のバリ宗教において、祈りは一神教的神観念の浸透を端的に示す行為契機だといえる。とくに儀礼の脈絡から外れたところで行われる祈りを見れば、このことが明確になる。ところがこうした儀礼の外で行われる祈りに注目した研究はほとんどない。この論文では、現在のバリ人が儀礼以外のいかなる機会に祈るのかについて記述するとともに、バリ人の宗教生活の偏差の背景となる、現代バリ社会の構造的変容に触れ、宗教変容と社会変容というふたつの問題系を考察するための整理を試みる。

  • マトゥル・バンタン-バリ島のヒンドゥーの供物と儀礼-

    アカデミア(人文・社会科学編)   70号   311 - 345   1999年9月

     詳細を見る

    出版者・発行元:南山大学  

    バリ人の宗教生活の実質は多彩な供物を用いた種々の儀礼活動にあるといえる。この論文では、バリ島の1地域における筆者の観察をもとに、主要な儀礼活動の概略を記述するとともに、多様な儀礼にほぼ一貫して見出される構造パタンを抽出する。そして儀礼実践が近年人々に浸透しつつあるヒンドゥーイデオロギーと微妙なもたれあいの関係にあることを指摘し、宗教実践と宗教観念の相互作用関係を注意深く理解しようとする視線から、儀礼にいそしむ現代バリ人の宗教生活を理解しようとすることが必要であることを指摘する。

  • 現代バリ島の方位認識と象徴分類

    アカデミア(人文・社会科学編)   68   1 - 19   1998年9月

     詳細を見る

    出版者・発行元:南山大学  

    バリ文化における方位観・象徴分類の重要性は、従来のバリ研究においても論じられている。しかしながらこの方位観を近年の宗教変容との連関で論じた研究は存在しないといってよい。この論文は、筆者の収集したデータに基づき、方位認識を現代の社会的脈絡に位置づけ、宗教的知識の一部として理解するとともに、方位観がコスモロジーとしての一面だけでなく、イデオロギーとしての一面をももっていることを指摘する。

  • 現代バリ宗教の変容論

    社会人類学年報   Vol. 22   155 - 169   1996年10月

     詳細を見る

    出版者・発行元:東京都立大学 社会人類学会  

    既存のバリ宗教研究のおおくは、戦後のバリ宗教に生じている一種の改革運動をかならずしも重視せず、戦前・戦後を通じて基本的に変わらない「伝統的なバリ宗教」を描こうとしてきた。しかし今日、すくなくとも人々の宗教観念は確実に変貌を遂げており、この観念次元の変化を受けたかたちで行為面でもいくつかの変化や変化の兆しが観察される。こうした現代バリ宗教の変容の主要な点を、筆者の収集したデータに基づいて記述し、現状を考察する。

  • ムスポ-バリ島のヒンドゥーの祈り-

    人類学研究所通信   3・4   2 - 12   1995年4月

     詳細を見る

    出版者・発行元:南山大学人類学研究所  

    戦後のバリでは、一種の宗教改革運動の影響を受けて、人々の宗教生活にかなりの変容が見受けられるようになっている。とくに一神教的神観念の浸透と、神への祈り(ムスポ)の重視という点は、この改革運動の影響力を如実に物語る点である。この論文では、筆者の収集した民族誌的データに基づき、現在のバリ宗教における祈りという行為と、この行為を背後で支える神観念について記述し、そこに見られるいくつかの特徴を指摘する。

  • 表層の遊戯-バリの闘鶏に関するもうひとつの解釈-

    南方文化   21輯   70 - 85   1994年11月

     詳細を見る

    出版者・発行元:天理南方文化研究会  

    バリの闘鶏は、「深層の遊戯」という形容とともに、文化人類学ではよく知られた民族誌的現象である。しかし筆者が見聞する限り、今日の闘鶏のあり方は50年代の調査に基づいた従来の研究が提示する姿とはかけ離れたものであり、ある意味ではこれと対照的な特徴を示すものである。この論文では、90年代のバリの1地域における闘鶏の姿を筆者の収集したデータに基づいて記述するとともに、既存の闘鶏解釈がはらむ問題点を整理する。

  • バリ島の暦とワリゴ

    歴史と構造-文化人類学的研究-   22   19 - 30   1994年3月

     詳細を見る

    出版者・発行元:南山大学大学院文化人類学研究室  

    バリには、複数の暦のシステムと、それらの暦に連関する、主に吉凶にまつわる知識(ワリゴ)がある。この論文では、バリ人の社会生活、とりわけ宗教生活にとってきわめて重要な意義をもつこの暦とワリゴについて、その基本的特徴をまとめるとともに、従来のバリの暦に関する研究が論じていない、暦に連関するいくつかの民族誌的事実を、筆者の収集したデータに基づいて指摘する。

  • ギアツの文化システム論-その可能性と限界-

    ソシオロジ   36巻3号   21 - 36   1992年12月

     詳細を見る

    出版者・発行元:社会学研究会  

    上記の論文でも触れた意味の様相理論の可能性を、クリフォード・ギアツの文化システム理論を批判的に再検討することで、理論研究の面から明確にしようとする。ギアツの文化システム理論には認識上理論上いくつか不整合な点が存在するが、それらの難点は「意味」概念を様相論的に再定式化する観点から、説明可能なものとなる。この点を論じ、ギアツの文化システム理論の可能性と限界を整理する。

  • 現代バリ宗教の様相論-意味システムの複合性に関する予備的考察-

    民族学研究   56巻3号   297 - 307   1991年12月

     詳細を見る

    出版者・発行元:日本民族学会  

    戦後のバリ宗教に関しては、宗教の合理化・近代化を論じる議論がある一方、逆に伝統の重視や伝統への回帰現象を論じる議論がある。これら2つの議論は、一見すると互いに相反する2つの現象を論じているように見えるが、実はおなじ事態がもつ別の様相を、それぞれ異なる理論的観点から論じているにすぎないといいうる。この論文では、意味の様相理論の立場に立って、こうしたバリ宗教の現状を再解釈し整理しようとする。

  • 文化システムとしての祭礼-バリ島のオダランの意味構成-

    南方文化   17輯   37 - 52   1990年11月

     詳細を見る

    出版者・発行元:天理南方文化研究会  

    バリ島の寺院祭礼は、供物、儀礼的手続き、トランス、バロン・ランダ劇、影絵劇(ワヤン)、闘鶏などを主要な構成要素とする。これら構成要素は形態的にも意味論的にも地域によってきわめて多様なあり方を示すが、その一方でバリ語で「ラメ」と呼ばれる特定の価値観を実現したものであるという点で、互いに重なり合う意味論的特性をももっている。こうした寺院祭礼の多様性と意味論的統合性について考察する。

  • 祭礼のモナドロジー-バリ島のオダランの解釈学-

    文学研究科修士論文   126p.   1990年1月

     詳細を見る

    出版者・発行元:南山大学  

    インドネシアのバリ島の宗教において、オダラン(寺院祭礼)はきわめて重要な儀礼である。しかし、既存の研究はオダランを構成する諸部分を主題化するにとどまり、オダランの総体を明確にしているとはいえない。この論文では、意味論の観点に立ってオダランの意味構成を分析・考察したものである。

  • ギァーツの宗教論ノート-現象学的観点から-

    歴史と構造-文化人類学的研究-   17   23 - 34   1989年3月

     詳細を見る

    出版者・発行元:南山大学大学院文化人類学研究室  

    クリフォード・ギアツは、独自の文化システム理論の観点から「宗教」の理論的定義を行っている。彼の議論は、人類学の宗教理論の中でかなり影響力をもっているが、そこには理論上・方法上いくつかの矛盾や不整合な点がある。その主要な問題点として、model ofとmodel forの概念、および「意味の問題」をめぐる論理的破綻につい て論じ、彼の宗教論の可能性と限界について整理する。

  • 今日の祖名継承法-沖永良部島一村落に於ける「ナーチキ」をめぐって-

    民族学研究   53巻2号   214 - 228   1988年9月

     詳細を見る

    出版者・発行元:日本民族学会  

    沖永良部島には、祖先の名にちなんだ名前を子どもにつける、ナーチキと呼ばれる習慣がある。この種の名づけの習慣は、従来「祖名継承法」として、構造機能主義的親族論の観点から論じられてきた。しかしナーチキの名前継承関係は、かならずしも構造機能主義の観点から整合的に説明されえない特徴をもつ。この点を明らかにし、ナーチキを当該社会の文化的価値観に位置づけるもうひとつの理解枠組の可能性について検討する。

  • バリ研究と多様性:C.Geertzの村落論とJ.S.Lansingの現象学的モノグラフについて

    歴史と構造-文化人類学的研究-   16   19 - 35   1988年3月

     詳細を見る

    出版者・発行元:南山大学大学院文化人類学研究室  

    バリの文化・社会は地域毎にきわめて多様である。このバリの多様性は、バリ研究を進展させるひとつの契機であるとともに、何らかの一般化を阻むひとつのアポリアでもある。この論文では、バリの「多様性」を独特の理論的方法的観点から主題化した2つの研究を取り上げ、民族誌的研究における「多様性」問題の、解決ならぬ再生産について検討する。

▼全件表示

書籍等出版物

  • 周縁観光論―観光サバルタンの把握に向けて

    ( 担当: 単著)

    南山大学人類学研究所  2023年6月 

     詳細を見る

    総ページ数:198p.  

    本研究は、南山大学人類学研究所モノグラフ・シリーズ第2号として刊行され、ウェブページで公開された。内容は、文化人類学的な民族誌的研究と社会学など周辺諸学の理論研究とを組み合わせ、現代観光を、その中心的な特徴や現象に着目する視座からではなく、周縁に着目する視座から捉えようとしたものである。

  • 基本概念から学ぶ観光人類学

    ( 担当: 共著)

    ナカニシヤ出版  2022年4月 

     詳細を見る

    総ページ数:188p.  

    観光人類学における基本概念をわかりやすく解説することによって観光人類学の理解をはかる一般向けのテキストである。担当箇所は「第2章 ホスト/ゲスト,ツーリストーー21世紀の液状化のなかで」(pp. 31-42)であり、ホスト・ゲスト・ツーリストの基本概念を基本文献とともに解説するとともに、21世紀におけるホストとゲストの液状化と、近い将来の日本におけるホストとゲストの変化を展望している。

  • 人間・異文化・現代社会の探究―人類文化学ケースブックー 第2版

    ( 担当: 単著)

    樹林舎  2022年4月 

     詳細を見る

    総ページ数:191p.  

    2018年に出版した初版の一部を改稿し、新たにコラムを設け、第2版を出版した。内容は、①人類文化学という未完の学問、②人間にとって文化とは何か、③異文化理解とは何か、④現代社会の特徴、という4つのテーマについて記述した、全15章からなる概説書である。

  • 神の島楽園バリ――文化人類学ケースブック

    ( 担当: 単著)

    樹林舎  2021年7月 

     詳細を見る

    総ページ数:210 p.  

    本書は、人類学的バリ研究のエッセンスをコンパクトにまとめることを目指したものである。議論は大きく4つのパートに分かれる、第1章~第3章は導入部であり、本書の議論構成、人類学の視点、楽園観光について概観する。第4章以下がバリに関する各論となる。第4章~第6章は近代史編であり、バリの植民地支配とそこでの近代化について記述する。第7章~第10章は宗教文化編であり、バリ宗教の実態と変化について記述する。第11章~第14章は現代観光編であり、第二次世界大戦後の大衆観光時代における楽園観光地バリについて記述する。第7章以下は、バリ中部のウブド周辺で筆者が収集したデータを基盤とする。これらの議論から、バリというひとつの社会にたいする人類学的理解の要所を明確にしようとする。

  • 生き方としてのフィールドワーク――かくも面倒で面白い文化人類学の世界

    ( 担当: 共著)

    東海大学出版部  2020年3月 

     詳細を見る

    総ページ数:333p.  

    本書は、フィールドワークという人類学的実践の核心をなす営みについて、それぞれ研究テーマも研究対象地域も異なる10人があらためて反省的に捉え直すことを通して、フィールドワークが人類学的方法において占める位置づけを確認し、人類学的探究がもちうる普遍性について考察した論文集である。

  • 地上の楽園の観光と宗教の合理化――バリそして沖縄の100年の歴史を振り返る

    ( 担当: 単著)

    樹林舎  2020年3月 

     詳細を見る

    総ページ数:430p.  

    本書は、「楽園」のイメージで知られる観光地バリの過去100年ほどを回顧し、この社会の観光と宗教の「合理化」の過程を、マックス・ヴェーバーとクリフォード・ギアツの合理化論との対話を通して、探求しようとする研究である。なお、補論として、沖縄の事例についても取り上げる。 本研究の議論は2部構成である。第1部は、観光と宗教の「合理化」という問いの設定に関わる理論的枠組みの検討である。第2部は、この第1部に示す認識・理論的枠組み・理念型をもとにした、バリの100年にわたる観光と宗教の関係に関する民族誌的記述である。そして、バリほど質量ある記述をなしえないが、バリと対比しその特徴を再確認するために、補論で沖縄の観光と宗教の関係について記述する。

  • 第6章 観光の理論的分析に向けて-バリにおける経済二元論と文化のインヴォリューション論

    ( 担当: 単訳)

    ミネルヴァ書房 1. 『ホスト・アンド・ゲスト―観光人類学とはなにか―』(市野澤潤平、東賢太朗、橋本和也監訳、430 p.)  2018年6月 

     詳細を見る

    担当ページ:pp. 153-178 (26p.))  

    バリ島における観光発展が、伝統文化の衰退ではなく伝統保存・改良・再創造とともに進行するという理論的問題を検討した論文を、出版後のバリの社会・観光の状況や当該論文の視点がもつ問題点を訳注によって指摘し補った訳稿である。

  • 人間・異文化・現代社会の探究―人類文化学ケースブック

    ( 担当: 単著)

    樹林舎  2018年4月 

     詳細を見る

    総ページ数:173p.  

    本書は、人間とその文化を学ぶ上でのいくつかの基本的な知識や考え方についてまとめた「人類文化学入門」あるいはむしろ「人文学入門」といえるものである。内容は、この「人類文化学」と呼ぶ学問の特徴とそうした学問的関心の背景や広がりを明確にする第1章~第3章、人間という生き物にとっての文化の特徴を明確にする第4章~第5章、科学的で論理的な思考のレッスンを行う第6章~第8章、異文化理解の考え方についてのレッスンを行う第9章~第11章、現代社会の特徴の一端を明確にする第12章~第14章、というまとまりからなっており、これに締め括りの第15章を付している。

  • 反楽園観光論―バリと沖縄の島嶼をめぐるメモワール

    ( 担当: 単著)

    人間社  2013年7月 

     詳細を見る

    総ページ数:414p.  

    人類学の視点から「楽園観光」つまり楽園というイメージにもとづき展開された観光の構造的特徴を、インドネシアのバリ島と国内の沖縄の島嶼観光地を事例として、論じる。

  • 社会変動と宗教の〈再選択〉-ポスト・コロニアル期の人類学研究

    ( 担当: 共著)

    風響社  2009年3月 

     詳細を見る

    総ページ数:300  

    この論文集は、人類学研究所第8期長期研究プロジェクトの成果報告書である。執筆担当部分では、インドネシアのバリ島の植民地時代以降の宗教変容および観光化の経緯と、2002年の爆弾テロ事件とそれに前後する社会的変転について論点を整理し、現状のバリを、宗教の再選択と経済の選択とが合致した時代から、この2つの選択が相容れないものとなる時代への移行期として理解しうることを論じた。

  • アジア市場の文化と社会-流通・交換をめぐる学際的まなざし

    ( 担当: 共著)

    風響社  2005年11月 

     詳細を見る

    総ページ数:260  

     この論文集は、人類学研究所第7期長期研究プロジェクトの成果を刊行したものである。グローバリズムの進行する中で、1990年代後半にアジア諸地域を揺るがせた通貨危機・経済危機を念頭におきつつ、宗教や文化と経済現象、とりわけアジア諸地域の「市場」との連関性について、人類学をはじめとして、国際政治、地域研究、経済学、文学などの複合的な視点から、探求しようとする。執筆担当部分では、バリ島の観光地ウブドにおける日本人のビジネスや彼らの生き方を、ウブドというローカルにしてグローバルな観光地のもつ特性や固有の論理に照らして理解することの重要性を論じた。

  • バリ宗教と人類学-解釈学的認識の冒険

    ( 担当: 単著)

    風媒社  2005年3月 

     詳細を見る

    総ページ数:330pp.  

    この著作は、著者の10年以上に及ぶ参与観察で得られたデータを、既存の人類学的バリ研究の成果と照らし合わせることにより、既存の研究が総体として保持しているいわゆるオリエンタリスティックな偏向を浮き彫りにする。そして人類学者らバリ研究者によるバリ宗教表象が、バリ人側の宗教表象とずれながらも、おなじく植民地時代以降の歴史過程の中で構築されてくるそのあり方を素描する。そして、この二つの表象系の間の関係性について論じることから、人類学的研究のあり方について反省的に考察しようとする。

  • 文化人類学を再考する

    ( 担当: 共著)

    青弓社  2001年12月 

     詳細を見る

    総ページ数:348 pp.  

    現在の文化人類学は,従来の理論や方法論的枠組に対する根本的な見直しの直中にある。この著作は,こうした中で改めて各執筆者が「文化人類学の再考」という主題にとりくんだ論文集であり,民族誌の記述がはらむイデオロギー性の問題を皮切りに,妖術研究,解釈人類学などの理論面から,ボルネオやベトナム,タイなど特定地域研究にからむ問題まで,多彩な領域やテーマをとり上げ,既存の文化人類学的研究のはらむ問題点を整理し,あらたな議論の可能性の基盤を再構築しようとするものである。

  • 文化人類学への誘い

    ( 担当: 共著)

    (株)みらい  2000年4月 

     詳細を見る

    総ページ数:215 pp.  

    現在の世界は民族やその宗教文化を巻き込んだ、さまざまな問題を抱えるにいたっている。かつて「未開社会」を研究していた文化人類学は、それまでの議論の蓄積の上に、いまやグローバルな問題に関心をもつ学問となりつつある。この著作は、異文化認識、エスニック・アイデンティティ、先住民運動、国際結婚などのテーマをとりあげ、これらの問題について個々の社会の事例を検討することを通して、「モダンの諸相」にアプローチすることをねらった文化人類学的研究である。

  • 変貌する社会-文化人類学からのアプローチ-

    ( 担当: 共著)

    ミネルヴァ書房  1997年5月 

     詳細を見る

    総ページ数:295 pp.  

    従来の文化人類学は、外部社会からの影響を比較的受け難い小規模社会を扱う傾向があった。しかし世界各地がますます緊密に連関しあい互いに影響しあう今日、各地の文化・社会がそれぞれに示す変化の具体的な姿を明らかにすることも、文化人類学の重要な主題となる。この著作では「伝統」をキーワードに、社会変化の直中で伝統が創出され、揺らぎ、柔軟に対応していく様を、各地の民族誌資料を用いて描き出す。

▼全件表示

MISC

  • 「岩原紘伊著『村落エコツーリズムをつくる人びと―バリの観光開発と生活をめぐる民族誌』風響社 2020年 333頁」

    東南アジア―歴史と文化   52   155 - 159   2023年7月

     詳細を見る

    掲載種別:書評論文,書評,文献紹介等   出版者・発行元:東南アジア学会  

    2020年刊行の『村落エコツーリズムをつくる人びと―バリの観光開発と生活をめぐる民族誌』を、人類学的見地から評価した。

  • 書評:東賢太朗・市野澤潤平・木村周平・飯田卓(編)『リスクの人類学――不確実な世界を生きる』(世界思想社、2014年)

    年報人類学研究   5   8p   2015年3月

     詳細を見る

    掲載種別:書評論文,書評,文献紹介等   出版者・発行元:南山大学人類学研究所  

    2014年に刊行された『リスクの人類学――不確実な世界を生きる』(世界思想社、2014年)の書評である。本書が、社会学とはまた異なる、人類学的な民族誌研究に立脚したリスク論の可能性を提起することに成功していると評価しうること、しかしながら、理論的な考究という点ではかならずしも議論が突き詰められていないこと、とくに再帰的近代化論についての論究が残された論点となることを、指摘する。

  • バリ島 ティルタ・ウンプル寺院

    地図・地図資料   2014年1学期号   p.2(1p.)   2014年4月

     詳細を見る

    出版者・発行元:帝国書院  

    バリ島のティルタ・ウンプル寺院を一般向けに紹介したものである。

  • 「楽園」の宗教変容-バリ島のヒンドゥーの現在-

    『リトルワールド』   53号   p.12 - 17   1995年3月

     詳細を見る

    出版者・発行元:野外民族博物館リトルワールド  

    バリの独特の宗教伝統文化は、マスコミでもしばしば紹介されている。しかし観光客、あるいは一般的な日本人が漠然と抱いているバリ宗教のイメージ(すなわちインドのヒンドゥーに似ている、多神教的、 儀礼中心の宗教)は、バリ人自身が認識するバリのヒンドゥーのイメージ(イスラームやキリスト教に対比されうる一神教であり、神への祈りを中心にした宗教)と対照的である。この点を今日の宗教変容に関連させ明らかにし、繊細な異文化理解の必要性を指摘する。

  • 沖永良部島の祖先崇拝と社会-知名町正名地区調査報告書-

    B5判p.216   1990年5月

     詳細を見る

    出版者・発行元:南山大学文化人類学研究会  

    沖永良部島1村落における足掛け4年にわたる調査研究活動をもとに、さまざまな祖先祭祀行動の具体的な事例に見られる家族・親族構造の特性を明らかにするともに、そうした行動を背後で支える人々のエートス(観念的・情緒的な傾向)についても検討することによって、この社会の祖先祭祀に関わる生活習慣や社会行動を、文化と社会構造両面の相互作用の過程の中に位置づけ、総合的に理解しようとする。執筆担当部分:第1章「概要」(p.1〜11)、第4章「祖先崇拝」(p.76〜161)、第5章「信仰」(p.162〜212)を共同執筆した。

講演・口頭発表等

  • 奄美・沖縄の世界自然遺産と観光

    2022年次日本島嶼学会沖永良部大会  2022年10月  日本島嶼学会

     詳細を見る

    本発表は、文化人類学的な観光研究の立場から、奄美大島・徳之島・沖縄島北部・西表島の世界自然遺産と観光の関係について検討した拙論(吉田 2021)を、その後の民族誌的事実を反映させつつ、補足・修正したものである。

  • 観光サバルタンの探究に向けての予備的考察

    日本島嶼学会2020年次大会  2020年12月  日本島嶼学会

     詳細を見る

    本発表は、観光地支配の構造に取り込まれそこに従属する人々を「観光サバルタン」という新たな理念型によって定式化する可能性を提起し、今後の民族誌的研究に向けての論点整理を行おうとする、予備的な考察である。従来の観光研究では、観光に関わる主体を、ホストとゲスト、あるいは両者を媒介するミドルマンといった枠組みで捉える視点が支配的であった。ホスト&ゲストのパラダイムが無効であるとは思わないが、こうした枠組みによっては、観光者の中に富者と貧者との格差があり、観光業を営む主体の側にも強者と弱者や勝者と敗者との差異があり、そのような格差が観光地間の格差も含めて拡大しつつあることは、十分捉えられない。この差異つまりは観光現象の多様性や裾野の広がりを把握するとともに、現代観光の構造的特徴を再把握するために、観光サバルタンの探究は重要な視点となると考える。

  • ホスト&ゲスト論のオルタナティヴに向けて―バリ島ウブドの日本人のリキッド・ホーム、分科会12『ホスト・アンド・ゲスト』再考―観光人類学の新展開に向けて

    日本文化人類学会第52回研究大会  2018年6月  日本文化人類学会

     詳細を見る

    『ホスト・アンド・ゲスト』という論集の議論枠組みの有効性を踏まえつつ、「観光サバルタン」やホストでもありゲストでもあるような主体すなわち〈ホスト&ゲスト〉のリキッドな生に注目し、当該論集出版後の1990~2010年代の時代状況に即した新たな観光研究の議論枠組みの可能性を、バリ島の民族誌的事実に触れつつ提示する。

  • 安らかならぬ楽園のいまを生きる ―バリ島ウブドの日本人の揺らぐホーム―

    共同研究「定着/非定着の人類学:「ホーム」とは何か」 , 人類学研究所  2017年8月  南山大学人類学研究所

     詳細を見る

    本発表は、バリ島の中でもウブド(Ubud)という内陸の観光地に焦点を当て、ここを生活の拠点とする日本人(国籍変更者やアイデンティティの面で両属的・両義的な者も含む)を事例に、現代のリキッドで揺らぐホームに生きる人々の一端を捉えようとする、民族誌的研究である。

  • ひとつになった乙姫と白百合の現存在―恒久平和を念願する時限結社の超越の過程

    共同研究「非営利組織の経営に関する文化人類学的研究」  2016年10月  人類学研究所

     詳細を見る

    本発表は、沖縄本島の糸満市にある「ひめゆり平和祈念資料館」に焦点を当て、その設立と運営の経緯を整理することから、非営利組織の変化とその背景について考察しようとする人類学的研究である。なお、本稿は、沖縄を含む楽園観光地の宗教と観光の関係を主題とする私の中期的な研究の一環をなす。

  • ギアツからヴェーバーへ

    日本文化人類学会第49回研究大会  2015年5月  日本文化人類学会

     詳細を見る

    クリフォード・ギアツのバリ研究に示される宗教合理化論を、ヴェーバーの宗教合理化論の論理と対比させつつ、批判的に再検討しようとする。この議論は、バリあるいは広く楽園観光地の宗教と観光の合理化に関する発表者の研究の一環をなす。理論的な検討が議論の中心となるが、新たな理解の可能性を、バリ宗教に関する民族誌的事実にも触れつつ考察する。

  • リスク社会の中の楽園観光、分科会A①「楽園観光の現在形―イメージからフィールドへ」

    日本文化人類学会第48回研究大会  2014年5月  日本文化人類学会

     詳細を見る

    分科会A①「楽園観光の現在形―イメージからフィールドへ」の中で、単独発表「リスク社会の中の楽園観光-バリ島ウブドの日本人観光ビジネスを中心に―」を行った。バリ島でのテロ事件収束後の観光回復基調の中で日本人観光客の減少傾向に直面する移住者の観光ビジネスを、リスク社会論の観点から論じた。

  • リスク社会と楽園観光

    人類学研究所共同研究「危機と再生の人類学」  2014年2月  南山大学人類学研究所

     詳細を見る

    人類学研究所共同研究「危機と再生の人類学」の一環としての研究発表である。共同研究における「危機」概念とリスク概念との関係を整理し、インドネシアのバリ島の事例を基に、現代のリスク社会と観光との関係を考察した。

  • 観光に抗する島――球美の島の民族誌的研究

    日本島嶼学会2011年次大会  2011年9月  日本島嶼学会

     詳細を見る

    球美の島つまり久米島は、沖縄本島にほど近い離島観光地のひとつである。久米島はおおくの観光資源を有し、沖縄県もこの島の観光地化を積極的に進めてきたといえるが、これまでの集客は微増程度にとどまっており、久米島観光はかならずしも順調な進展を遂げてきたとはいえない。しかし、そうした久米島観光のあり方は、急速な観光の発展や乱開発がもたらす負の側面を回避していると理解することもできる。発表では、この微増にとどまる久米島観光の正のポテンシャリティについて、現地の人々の認識を踏まえ、発表した。

  • バリ島の疑似エコツーリズム

    2009年次日本島嶼学会久米島大会  2009年10月  日本島嶼学会

     詳細を見る

    1990年代以降のバリ島では、大衆観光のいっそうの展開がみられるとともに、そうした大衆観光に代わるオールターナティヴツーリズムやサステナブルツーリズムも興隆し、両者が複雑に折れ重なった状況を看取することができる。エコツーリズムは本来、環境保全と観光振興とを有機的に結び付けることで現地社会の持続的な発展をねらった観光の形態である。しかし、現代のバリでは、エコツーリズムの名の下におこなわれる観光開発がバリにおける後戻りできない環境破壊を必然的にもたらすであろうという、ある種の逆説といいうるものが看取される。発表では、こうしたバリの現状を、村落観光、動物園施設、国立公園の3つの側面に焦点をあてて紹介した。

  • 差別化できなかった観光地-ゆんぬの島の構造的ディレンマ

    複合社会比較研究会例会  2008年10月  複合社会比較研究会

     詳細を見る

    奄美の与論島は、国内においていち早く亜熱帯の「楽園」として注目された観光地である。しかし、沖縄が本土復帰を果たし、観光化されていく中で、国内の「楽園」をもとめる観光客は、次第に沖縄の本島・離島に向かうようになり、観光地与論は沖縄観光圏の成立の過程で埋没してしまった。こうした与論観光のたどった経緯を経緯を振り返りながら、沖縄観光圏の中における与論の構造的な立ち位置について検討した。

  • 観光の選択?宗教の選択?-バリの社会と宗教の現状をめぐって-

    人類学研究所第8期長期プロジェクト研究会  2006年7月  南山大学人類学研究所

     詳細を見る

    2002年と2005年に、バリ島では爆弾テロ事件があった。バリ観光は、この10年ほどの間に、このテロによる打撃をはじめとして何度も浮き沈みを経験している。発表では、とくに2002年のテロ後のバリ社会の対応と、それに前後して起こったパリサド(インドネシアのヒンドゥー協議会)の分裂騒動を取り上げ、宗教の選択・経済の選択という論理に照らして、現代バリの観光地状況(それはある意味ではコロニアル/ポストコロニアル状況の上にあるものである)を理解する可能性について、予備的な考察をおこなう発表をした。

  • 観光地バリにおける宗教と観光の選択-その主体をめぐる予備的考察

    第8期長期プロジェクト予備研究会  2005年6月  南山大学人類学研究所

     詳細を見る

    長期プロジェクトのテーマ設定をめぐって、バリ島の事例から議論の可能性を探る研究発表である。バリにおける戦前・戦後の宗教改革および観光開発のあり方を概観するとともに、近年の観光と宗教・文化とが絡むいくつかのトピックについて論じながら、バリにおける観光や宗教のあり方をどのような主体が「選択」したといえるのかについて、システム選択という考え方を念頭におきながら、整理した。

  • 市場としての観光地-バリ島ウブドの日本人店舗について-

    「市場(market)」研究プロジェクト  2002年11月  南山大学人類学研究所

     詳細を見る

    インドネシアのバリ島は東南アジア有数の観光地である。観光は近代のグローバル化の一翼を担う現象であるが、その場合バリのローカルなものがグローバル化しつつあるだけでなく、グローバルなものがバリという風土の中にローカル化するという一面もまた観察される。この研究発表では、ウブド周辺においてもっぱら観光関連産業に携わりながら長期滞在する日本人や元日本人(現インドネシア人)のライフスタイルや価値観について触れながら、「市場」としての観光地ウブドがもつ特長について報告した。

▼全件表示

受賞

  • 観光学術学会賞(教育・啓蒙著作賞)

    2023年7月   観光学術学会   『基本概念から学ぶ観光人類学』、共著(市野澤潤平、吉田竹也ほか11名)、2022年4月、ナカニシヤ出版

共同研究・競争的資金等の研究課題

  • 楽園観光地における宗教と観光の研究

      詳細を見る

    楽園観光という特異な観光の舞台となる観光地における、観光と宗教の関係性を、人類学的な民族誌的研究と社会学などの理論研究とを総合させることによって、探求する。

  • バリと沖縄の楽園観光地に生きる観光サバルタンの事例考察を通した観光リスク論の探究

    2023年

    日本学術振興会  科学研究費補助金 基盤研究C  

      詳細を見る

    担当区分:研究代表者  資金種別:競争的資金

    本研究は、人類学的な民族誌研究と社会学理論研究とを組み合わせ、「観光サバルタン」という概念を提起しつつ、観光リスク論の発展に寄与しようとするものである。観光地化は、ポリティカルエコノミーの観点からもフーコーのいう生権力の観点からも、ひとつの支配の浸潤と捉えうる一面をもつと考えられる。「観光サバルタン」は、観光地化がもつこの支配の構造に取り込まれそこに従属する人々を指し示す暫定的名称である。本研究では、「楽園」での癒しを求める観光者を受け入れる「楽園観光地」社会に生きるこうした人々の生のあり方を、インドネシアのバリ島と日本の奄美・沖縄の事例に照らして記述的に明らかにするとともに、そこから現代の観光の発展が一方で孕むリスクとその顕在化について考察しようとするものである。

  • バリと沖縄の楽園観光地に生きる観光サバルタンの事例考察を通した観光リスク論の探究

    2023年

    南山大学  南山大学パッヘ研究奨励金I-A-2 

      詳細を見る

    担当区分:研究代表者 

    配分額:300000円

    本研究は、人類学的な民族誌研究と社会学理論研究とを組み合わせ、「観光サバルタン」という概念を提起しつつ、観光リスク論の発展に寄与しようとするものである。観光地化は、ポリティカルエコノミーの観点からもフーコーのいう生権力の観点からも、ひとつの支配の浸潤と捉えうる一面をもつと考えられる。「観光サバルタン」は、観光地化がもつこの支配の構造に取り込まれそこに従属する人々を指し示す暫定的名称である。本研究では、「楽園」での癒しを求める観光者を受け入れる「楽園観光地」社会に生きるこうした人々の生のあり方を、インドネシアのバリ島と日本の奄美・沖縄の事例に照らして記述的に明らかにするとともに、そこから現代の観光の発展が一方で孕むリスクとその顕在化について考察しようとするものである。

  • バリと沖縄の楽園観光地に生きる観光サバルタンの事例考察を通した観光リスク論の探究

    2022年

    日本学術振興会  科学研究費補助金 基盤研究C  

      詳細を見る

    担当区分:研究代表者  資金種別:競争的資金

    配分額:600000円

    本研究は、人類学的な民族誌研究と社会学理論研究とを組み合わせ、「観光サバルタン」という概念を提起しつつ、観光リスク論の発展に寄与しようとするものである。観光地化は、ポリティカルエコノミーの観点からもフーコーのいう生権力の観点からも、ひとつの支配の浸潤と捉えうる一面をもつと考えられる。「観光サバルタン」は、観光地化がもつこの支配の構造に取り込まれそこに従属する人々を指し示す暫定的名称である。本研究では、「楽園」での癒しを求める観光者を受け入れる「楽園観光地」社会に生きるこうした人々の生のあり方を、インドネシアのバリ島と日本の奄美・沖縄の事例に照らして記述的に明らかにするとともに、そこから現代の観光の発展が一方で孕むリスクとその顕在化について考察しようとするものである。

  • バリと沖縄の楽園観光地に生きる観光サバルタンの事例考察を通した観光リスク論の探究

    2022年

    南山大学  南山大学パッヘ研究奨励金I-A-2 

      詳細を見る

    担当区分:研究代表者 

    配分額:300000円

    本研究は、人類学的な民族誌研究と社会学理論研究とを組み合わせ、「観光サバルタン」という概念を提起しつつ、観光リスク論の発展に寄与しようとするものである。観光地化は、ポリティカルエコノミーの観点からもフーコーのいう生権力の観点からも、ひとつの支配の浸潤と捉えうる一面をもつと考えられる。「観光サバルタン」は、観光地化がもつこの支配の構造に取り込まれそこに従属する人々を指し示す暫定的名称である。本研究では、「楽園」での癒しを求める観光者を受け入れる「楽園観光地」社会に生きるこうした人々の生のあり方を、インドネシアのバリ島と日本の奄美・沖縄の事例に照らして記述的に明らかにするとともに、そこから現代の観光の発展が一方で孕むリスクとその顕在化について考察しようとするものである。

  • バリと沖縄の楽園観光地に生きる観光サバルタンの事例考察を通した観光リスク論の探究

    2021年

    日本学術振興会  科学研究費補助金 基盤研究C  

      詳細を見る

    担当区分:研究代表者  資金種別:競争的資金

    配分額:600000円

    本研究は、人類学的な民族誌研究と社会学理論研究とを組み合わせ、「観光サバルタン」という概念を提起しつつ、観光リスク論の発展に寄与しようとするものである。観光地化は、ポリティカルエコノミーの観点からもフーコーのいう生権力の観点からも、ひとつの支配の浸潤と捉えうる一面をもつと考えられる。「観光サバルタン」は、観光地化がもつこの支配の構造に取り込まれそこに従属する人々を指し示す暫定的名称である。本研究では、「楽園」での癒しを求める観光者を受け入れる「楽園観光地」社会に生きるこうした人々の生のあり方を、インドネシアのバリ島と日本の奄美・沖縄の事例に照らして記述的に明らかにするとともに、そこから現代の観光の発展が一方で孕むリスクとその顕在化について考察しようとするものである。

  • バリと沖縄の楽園観光地に生きる観光サバルタンの事例考察を通した観光リスク論の探究

    2021年

    南山大学  南山大学パッヘ研究奨励金I-A-2 

      詳細を見る

    担当区分:研究代表者 

    配分額:300000円

    本研究は、人類学的な民族誌研究と社会学理論研究とを組み合わせ、「観光サバルタン」という概念を提起しつつ、観光リスク論の発展に寄与しようとするものである。観光地化は、ポリティカルエコノミーの観点からもフーコーのいう生権力の観点からも、ひとつの支配の浸潤と捉えうる一面をもつと考えられる。「観光サバルタン」は、観光地化がもつこの支配の構造に取り込まれそこに従属する人々を指し示す暫定的名称である。本研究では、「楽園」での癒しを求める観光者を受け入れる「楽園観光地」社会に生きるこうした人々の生のあり方を、インドネシアのバリ島と日本の奄美・沖縄の事例に照らして記述的に明らかにするとともに、そこから現代の観光の発展が一方で孕むリスクとその顕在化について考察しようとするものである。

  • バリと沖縄の楽園観光地に生きる観光サバルタンの事例考察を通した観光リスク論の探求

    2020年

    日本学術振興会  科学研究費補助金 基盤研究C 

      詳細を見る

    担当区分:研究代表者  資金種別:競争的資金

    配分額:600000円

    本研究は、人類学的な民族誌研究と社会学理論研究とを組み合わせ、「観光サバルタン」という概念を提起しつつ、観光リスク論の発展に寄与しようとするものである。観光地化は、ポリティカルエコノミーの観点からもフーコーのいう生権力の観点からも、ひとつの支配の浸潤と捉えうる一面をもつと考えられる。「観光サバルタン」は、観光地化がもつこの支配の構造に取り込まれそこに従属する人々を指し示す暫定的名称である。本研究では、「楽園」での癒しを求める観光者を受け入れる「楽園観光地」社会に生きるこうした人々の生のあり方を、インドネシアのバリ島と日本の奄美・沖縄の事例に照らして記述的に明らかにするとともに、そこから現代の観光の発展が一方で孕むリスクとその顕在化について考察しようとするものである。

  • バリと沖縄の楽園観光地に生きる観光サバルタンの事例考察を通した観光リスク論の探求

    2020年

    南山大学  南山大学パッヘ研究奨励金I-A-2 

      詳細を見る

    担当区分:研究代表者 

    配分額:300000円

    本研究は、人類学的な民族誌研究と社会学理論研究とを組み合わせ、「観光サバルタン」という概念を提起しつつ、観光リスク論の発展に寄与しようとするものである。観光地化は、ポリティカルエコノミーの観点からもフーコーのいう生権力の観点からも、ひとつの支配の浸潤と捉えうる一面をもつと考えられる。「観光サバルタン」は、観光地化がもつこの支配の構造に取り込まれそこに従属する人々を指し示す暫定的名称である。本研究では、「楽園」での癒しを求める観光者を受け入れる「楽園観光地」社会に生きるこうした人々の生のあり方を、インドネシアのバリ島と日本の奄美・沖縄の事例に照らして記述的に明らかにするとともに、そこから現代の観光の発展が一方で孕むリスクとその顕在化について考察しようとするものである。

  • バリと沖縄の楽園観光地に生きる観光サバルタンの事例考察を通した観光リスク論の探求

    2019年

    南山大学  南山大学パッヘ研究奨励金I-A-2 

      詳細を見る

    担当区分:研究代表者 

    配分額:300000円

    本研究は、人類学的な民族誌研究と社会学理論研究とを組み合わせ、「観光サバルタン」という概念を提起しつつ、観光リスク論の発展に寄与しようとするものである。観光地化は、ポリティカルエコノミーの観点からもフーコーのいう生権力の観点からも、ひとつの支配の浸潤と捉えうる一面をもつと考えられる。「観光サバルタン」は、観光地化がもつこの支配の構造に取り込まれそこに従属する人々を指し示す暫定的名称である。本研究では、「楽園」での癒しを求める観光者を受け入れる「楽園観光地」社会に生きるこうした人々の生のあり方を、インドネシアのバリ島と日本の奄美・沖縄の事例に照らして記述的に明らかにするとともに、そこから現代の観光の発展が一方で孕むリスクとその顕在化について考察しようとするものである。

  • バリと沖縄の楽園観光地に生きる観光サバルタンの事例考察を通した観光リスク論の探求

    2019年

    日本学術振興会  科学研究費補助金 基盤研究C 

      詳細を見る

    担当区分:研究代表者  資金種別:競争的資金

    配分額:700000円

    本研究は、人類学的な民族誌研究と社会学理論研究とを組み合わせ、「観光サバルタン」という概念を提起しつつ、観光リスク論の発展に寄与しようとするものである。観光地化は、ポリティカルエコノミーの観点からもフーコーのいう生権力の観点からも、ひとつの支配の浸潤と捉えうる一面をもつと考えられる。「観光サバルタン」は、観光地化がもつこの支配の構造に取り込まれそこに従属する人々を指し示す暫定的名称である。本研究では、「楽園」での癒しを求める観光者を受け入れる「楽園観光地」社会に生きるこうした人々の生のあり方を、インドネシアのバリ島と日本の奄美・沖縄の事例に照らして記述的に明らかにするとともに、そこから現代の観光の発展が一方で孕むリスクとその顕在化について考察しようとするものである。

  • 楽園観光地社会を事例とした観光リスクに関する人類学的研究

    2018年

    南山大学  南山大学パッヘ研究奨励金I-A-2 

      詳細を見る

    担当区分:研究代表者 

    配分額:100000円

    本研究は、「楽園」での癒しをもとめる観光者を受け入れる「楽園観光地社会」が、グローバル化の進む現代社会においてもつ構造的特徴を、バリ島と沖縄の事例に照らし、再帰的近代論およびリスク社会論の視点を導入しつつ、検討しようとする研究である。

  • 楽園の観光と宗教の合理化とリスク社会化に関する人類学的研究

    2017年

    南山大学  南山大学パッヘ研究奨励金I-A-2 

      詳細を見る

    担当区分:研究代表者 

    配分額:100000円

    本研究は、マックス・ヴェーバーの合理化論を再帰的近代におけるリスク社会論と交差させる視点から、インドネシアのバリ島と日本の沖縄それぞれのおよそ100年にわたる社会過程を事例として取り上げ記述することを通して、現代の「楽園」イメージにもとづき造成された観光地(以下、楽園観光地と呼ぶ)における観光と宗教の関係性について論じる研究である。

  • 楽園観光地における宗教と観光の合理化の研究

    2016年

    日本学術振興会  科学研究費補助金 基盤研究C 

      詳細を見る

    担当区分:研究代表者  資金種別:競争的資金

    配分額:800000円

    研究内容(Research Content) 本研究は、マックス・ヴェーバーの合理化論を読み直し、これを理論的枠組みとする視点から、インドネシアのバリ島における宗教と経済の関係を、ヒンドゥーと観光の関係という具体的な局面に絞って検討し、現代のバリ社会、ひいては「楽園」イメージを前面に推しだした観光地(楽園観光地)のもつ構造の一端を明らかにしようとする、人類学的な研究である。

  • 楽園観光地における宗教と観光の合理化の研究

    2016年

    南山大学  南山大学パッヘ研究奨励金I-A-2 

      詳細を見る

    担当区分:研究代表者 

    配分額:300000円

    本研究は、インドネシアのバリ島、および国内の沖縄周辺地域の島嶼社会を事例とし、「楽園」という形容を与えられる観光地における観光と宗教の合理化を、島嶼学・人類学・社会学などを架橋しつつ、探求しようとするものである。研究目的は、科研で採択を受けた研究と合致する。また、本申請研究は、2015年度パッヘ研究奨励金I-A-2(研究成果刊行物提出済み)の継続研究でもある。

  • 楽園観光地における宗教と観光の合理化の研究

    2015年

    日本学術振興会  科学研究費補助金 基盤研究C 

      詳細を見る

    担当区分:研究代表者  資金種別:競争的資金

    配分額:800000円

    研究内容(Research Content) 本研究は、マックス・ヴェーバーの合理化論を読み直し、これを理論的枠組みとする視点から、インドネシアのバリ島における宗教と経済の関係を、ヒンドゥーと観光の関係という具体的な局面に絞って検討し、現代のバリ社会、ひいては「楽園」イメージを前面に推しだした観光地(楽園観光地)のもつ構造の一端を明らかにしようとする、人類学的な研究である。

  • 楽園観光地における宗教と観光の合理化の研究

    2015年

    南山大学  南山大学パッヘ研究奨励金I-A-2 

      詳細を見る

    担当区分:研究代表者 

    配分額:300000円

    本研究は、インドネシアのバリ島、および国内の沖縄周辺地域の島嶼社会を事例とし、「楽園」という形容を与えられる観光地における観光と宗教の合理化を、島嶼学・人類学・社会学などを架橋しつつ、探求しようとするものである。研究目的は、科研で採択を受けた研究と合致する。また、本申請研究は、2014年度パッヘ研究奨励金I-A-2(研究成果刊行物提出済み)の継続研究でもある。

  • 楽園観光地における宗教と観光の合理化の研究

    2014年

    日本学術振興会  科学研究費補助金 基盤研究C 

      詳細を見る

    担当区分:研究代表者  資金種別:競争的資金

    配分額:800000円

    本研究は、マックス・ヴェーバーの合理化論を読み直し、これを理論的枠組みとする視点から、インドネシアのバリ島における宗教と経済の関係を、ヒンドゥーと観光の関係という具体的な局面に絞って検討し、現代のバリ社会、ひいては「楽園」イメージを前面に推しだした観光地(楽園観光地)のもつ構造の一端を明らかにしようとする、人類学的な研究である。

  • 楽園観光地における宗教と観光の合理化の研究

    2014年

    南山大学  南山大学パッヘ研究奨励金I-A-2 

      詳細を見る

    担当区分:研究代表者 

    配分額:300000円

    インドネシアのバリ島、および国内の沖縄周辺地域の島嶼社会を事例とし、とくに「楽園」という形容を与えられる観光地に関する資料にもとづいて、島嶼学と人類学とを架橋しつつ、観光と宗教の合理化について探求しようとする。科研で採択を受けた同名の研究と連動した研究である。

  • 楽園観光地における宗教と観光の合理化に関する研究

    2013年

    日本学術振興会  科学研究費補助金 基盤研究C 

      詳細を見る

    担当区分:研究代表者  資金種別:競争的資金

    配分額:900000円

    本研究は、マックス・ヴェーバーの合理化論を読み直し、これを理論的枠組みとする視点から、インドネシアのバリ島における宗教と経済の関係を、ヒンドゥーと観光の関係という具体的な局面に絞って検討し、現代のバリ社会、ひいては「楽園」イメージを前面に推しだした観光地(楽園観光地)のもつ構造の一端を明らかにしようとする、人類学的な研究である。

  • 楽園観光地における宗教と観光の合理化の研究

    2013年

    南山大学  南山大学パッヘ研究奨励金I-A-2 

      詳細を見る

    担当区分:研究代表者 

    配分額:300000円

    科研費による研究と連動させつつ、インドネシアのバリ島、および国内の沖縄周辺地域の島嶼社会を事例とした、「楽園」という形容を与えられる観光地に関する、島嶼学と人類学とを架橋させた中長期的な研究の一環である。

  • 反楽園観光論の探求―バリと沖縄の楽園観光地を事例として―

    2012年

    南山大学  南山大学パッヘ研究奨励金I-A-2 

      詳細を見る

    担当区分:研究代表者 

    配分額:300000円

    インドネシアのバリ島、および国内の沖縄周辺地域の島嶼社会を事例とし、とくに「楽園」という形容を与えられる観光地に関する資料収集をおこなうことによって、島嶼学と人類学とを架橋した観光研究の可能性を探求しようとするものであり、申請者がこれまで過去数年間にわたっておこなってきたこの研究テーマの総括的な作業をおこないつつ、あらたな研究への接続をはかろうとするものである。

  • 楽園観光の人類学―バリと沖縄の島嶼社会を事例として

    2011年

    南山大学  南山大学パッヘ研究奨励金I-A-2 

      詳細を見る

    担当区分:研究代表者 

    配分額:165000円

    世界には「楽園」と呼ばれる観光地がいくつも存在する。本研究は、その中からとくにインドネシアのバリ島および沖縄とその周辺地域の島々に関する参与観察と資料収集を継続的におこない、楽園観光に関する人類学な考察をおこなおうとするものである。研究奨励金は、おもに沖縄の久米島・粟国島・石垣島・八重山周辺離島における資料収集費に用いた。

  • 楽園観光の人類学的研究-バリと沖縄を中心として-

    2010年

    南山大学  南山大学パッヘ研究奨励金I-A-2 

      詳細を見る

    担当区分:研究代表者 

    助成金

  • バリ島と与論・沖縄の観光地に関する人類学的研究

    2008年

    南山大学  パッヘ研究奨励金I-A-1 

      詳細を見る

    担当区分:研究代表者 

    配分額:1000000円

    助成金

  • 再帰的な観光人類学研究の探究

    2008年

    日本学術振興会  科学研究費補助金 

      詳細を見る

    担当区分:研究代表者  資金種別:競争的資金

    配分額:500000円

    助成金

  • 再帰的な観光人類学研究の探究

    2007年

    文部科学省  科学研究費補助金 

      詳細を見る

    担当区分:研究代表者  資金種別:競争的資金

    配分額:500000円

    助成金

  • バリ島と南西諸島における観光人類学的研究の探究

    2007年

    南山大学  南山大学パッヘ研究奨励金I-A-2 

      詳細を見る

    配分額:300000円

    助成金

  • 観光と文化に関する人類学的研究

    2006年

    南山大学  南山大学パッヘ研究奨励金I-A-2 

      詳細を見る

    助成金

  • 再帰的な観光人類学研究の探求

    2006年

    文部科学省  科学研究費補助金 

      詳細を見る

    資金種別:競争的資金

    助成金

  • 観光と文化に関する人類学的研究

    2005年

    南山大学  南山大学パッヘ研究奨励金I-A-2 

      詳細を見る

    助成金

  • バリ島における宗教文化と観光の人類学的研究

    2004年

    南山大学  南山大学パッヘ研究奨励金I-A-2 

      詳細を見る

    助成金

  • バリにおける宗教文化と観光の人類学的研究

    2003年

    南山大学  南山大学パッヘ研究奨励金I-A-2 

      詳細を見る

    助成金

  • バリ宗教の民族誌論的研究-観光地の人類学的研究試論-

    2002年

    南山大学  南山大学パッヘ研究奨励金I-A-2 

      詳細を見る

    助成金

  • バリ宗教の人類学的研究

      詳細を見る

    バリ宗教を近現代の歴史過程の中に位置づけて考察するとともに,バリ宗教文化を論じる人類学のパースペクティヴや理論それ自体をも考察の対象とし,バリ宗教とバリ研究の相互作用のあり方を検討しようとする。

  • 人類学的観光研究の再考

      詳細を見る

    バリ島に関する研究と、日本の南西諸島(奄美・沖縄)に関する研究とを対比させつつ、これに既存の可能理論研究にたいする批判的な再検討を加味しながら、人類学の立場からの観光研究をあらためて再構築しようとする。

  • 楽園の観光人類学

      詳細を見る

    インドネシアのバリ島と、日本の奄美・沖縄、とくに与論島を念頭において、「楽園」と呼ばれてきた観光地における観光化の現状や問題点について検討し、あわせて観光理論の関するあらたな可能性を探求する。

  • バリ島の観光地における日本人ビジネスの人類学的研究

      詳細を見る

    グローバル化の一端としての観光地化と外国人長期滞在者の増加とが交差する中に、バリに在住する日本人(元日本人)の観光ビジネスがある。彼らの観光ビジネスやそれを取り巻く状況について論じることから、現代バリの社会・文化・宗教を、従来の人類学的地域研究の枠組みとは別の角度から、捉えなおそうとする。

  • バリの宗教と観光をめぐる考察

      詳細を見る

    バリ島のヒンドゥーの現状と歴史的構築の過程を、この島の観光化の過程と結びつけて理解しようとする。

▼全件表示

その他

  • 事例発表・シンポジウム参加

    2005年1月

     詳細を見る

    「かごしまアイランドキャンパス推進シンポジウム」において、「地域住民との交流を中心にモデル公開講座を実施した学校側から事例発表」を行うとともに、パネリストとしてその後のディスカッションに参加した。このシンポジウムは、鹿児島県離島振興協議会が主催するアイランドキャンパス事業の一環である。(於種子島)

  • 社会活動

    2002年9月

     詳細を見る

    鹿児島県離島振興協議会主催・鹿児島県大島郡知名町共催「アイランドキャンパス事業 公開講座」において、「学び舎としてのシマ〜正名と南山大学〜」と題して、文化人類学という学問の特徴と、正名地区との交流のあり方について講演した。(於:知名町正名生活館)

その他教育活動及び特記事項

  • 2020年9月 -2020年11月
    授業資料
  • 2020年9月 -2020年11月
    教科書
  • 2020年4月 -2020年6月
    授業資料
  • 2018年6月
    教科書
  • 2014年4月 -2015年3月
    学生調査報告書
  • 2013年4月 -2014年3月
    学生調査報告書
  • 2012年4月 -2013年3月
    学生調査報告書
  • 2011年4月 -2012年3月
    学生調査報告書
  • 2010年4月 -2011年3月
    学生調査報告書
  • 2007年4月 -2008年4月
    学生調査報告書
  • 2006年4月 -2007年4月
    学生調査報告書
  • 2005年4月 -2006年3月
    学生調査報告書
  • 2004年4月 -2005年3月
    学生調査報告書
  • 2003年4月 -2004年3月
    学生調査報告書
  • 2002年4月 -2003年3月
    学生調査報告書
  • 2001年4月 -2002年3月
    学生調査報告書
  • 2000年4月 -2001年3月
    学生調査報告書
  • 1999年4月 -2000年3月
    学生調査報告書

▼全件表示