研究者詳細

教職員基本情報
氏名
Name
加藤 隆雄 ( カトウ タカオ , KATO Takao )
所属
Organization
人文学部心理人間学科
職名
Academic Title
教授
専攻分野
Area of specialization

教育社会学、社会学

学会活動
Academic societies

日本教育社会学会会員(1985.9〜現在に至る)
日本社会学会会員(1986.9〜現在に至る)
現代社会学理論学会(2006.6〜現在に至る)

著書・学術論文数
No. of books/academic articles
総数 total number (40)
著書数 books (7)
学術論文数 articles (33)

出身大学院
大学院名
Grad. School
修了課程
Courses
   Completed
修了年月(日)
Date of Completion
修了区分
Completion
   Classification
東京大学大学院教育学研究科教育社会学専攻 博士課程  1992年03月  単位取得満期退学 
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取得学位
 
学位区分
Degree
   Classification
取得学位名
Degree name
学位論文名
Title of Thesis
学位授与機関
Organization
   Conferring the Degree
取得年月(日)
Date of Acquisition
修士 教育学修士    東京大学大学院  1987年03月 
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研究経歴
長期研究/短期研究
Long or Short
   Term research
研究課題名
Research Topic
長期研究  生政治と教育 

概要(Abstract) フーコーが提唱した生政治という視角に拠って立つことで、教育がいかに生政治の力(生権力)によって生成変形されてきたかを明らかにする。そして特にデュルケムの社会化論・市民教育論・道徳教育論において、どのように生政治が働いていたかを明らかにする。 

長期研究  文化・社会化・社会秩序 

概要(Abstract) 子どもの社会化と社会秩序がどのように関わっているか,また文化が社会化にどのような影響を及ぼすか,さらに文化と社会との相互作用はどのように定式化されるかについて,三つの方向から特に理論的研究を行っている。 

短期研究  子ども・青年文化の研究 

概要(Abstract) 「子どもコード」という概念を用いて、子どもと青年,子ども文化と青年文化の特徴づけを行うとともに、コードの歴史的生成と変容についても明らかにする。 

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著書
年度
Year
著書名
Title of the books
著書形態
Form of Book
NeoCILIUS
   請求番号/資料ID
Request No
出版機関名 Publishing organization,判型 Book Size,頁数 No. of pp.,発行年月(日) Date
2017  教育社会学事典  共著  BB2538863X 
丸善出版  , B5  , 108-111  , 2018/01   

概要(Abstract) 日本教育社会学会が編集した中項目事典。「理論」「方法」「研究領域」の三部構成で325項目のテーマが網羅されている。第1部「教育社会学の理論」第3章「理論」の「ポストモダン論と生政治論」(pp.108-111)を担当。リオタールに由来するポストモダンという認識が教育社会学においては、近代の産物としての教育・学校として相対化する視点をもたらしたことを指摘した。しかし、そうした研究が近代的教育批判としての位置しか果たせなかったことを、理論的な射程の限界に由来するものとした。そして、十分に咀嚼できなかったフーコーの理論を、生政治論として捉え直すことで、再びこれらの研究を発展させる道筋を示した。 

備考(Remarks) 執筆者:加野芳正、北澤毅、加藤隆雄 他250名。
小項目事典ではなく、一定の分量をもつリーディングス的性格を有する事典であるので、著書のカテゴリーに入れることにした。 

2012  新しい時代の教育社会学  共著  BB1062407X 
ミネルヴァ書房  , A5  , 218  , 2012/10/30   

概要(Abstract) 教育社会学の新たな知見や理論を取り込んだリーディングス。第10章「教育とジェンダー」(pp. 132-145)を担当。ジェンダーとは何かということを考察し、既存のジェンダー秩序がいかに人のアイデンティティと連動しているかについて解説した。さらに、そのようなジェンダー秩序への組み込みに抵抗する拠点としてのジェンダーフリー教育の意義について述べるとともに、ジェンダーという概念自体に潜むジレンマに対して、ジェンダーフリー教育がいかなるスタンスをとるべきかを論じた。 

備考(Remarks) 加野芳正、田中理絵、門脇厚司、岩見和彦、柳治男、油布佐和子、紅林伸幸、越智康詞、伊藤茂樹、加藤隆雄、北澤毅、西田芳正、葛城浩一、小方直幸 

1995  「異界」を生きる少年少女  共著  BN13038690 
東洋館出版社  , A5  , 253 pp.  , 1995/07/30   

概要(Abstract) 日本教育社会学会の課題研究を発展させた論文集。第9章「社会化ポストモダンの曠野よりなぜ子どもたちは社会化されないか」(pp.207-228)を担当。子どもと大人のボーダレス現象を、社会化という概念装置の失墜として捉え、子どもが社会化されなくなった状態を「社会化ポストモダン」として論じた。まず、現代における青年期の延長、青年文化と子ども文化の混淆などを例示し「社会化寡少」と命名した。次に、子どもが大人の行動様式を先取りする現象を取り上げ、「社会化過多」と名付けた。これらは社会化論が指示していたあり方からは大きく外れるものであり、社会化の理論が暗黙に前提していたものの再検討を要求するものである。アドルノやウィトゲンシュタイン、リオタールの議論を援用しながら、社会化論の暗黙の前提とそれが置き換えられたものとを対置し、社会化ポストモダンの情況を明らかにし、今後の子どものあり方を考察した。 

備考(Remarks) 門脇厚司,石川洋明,諏訪哲二,清永賢二,富田英典,宮台真司,山村賢明,藤村正之,石戸教嗣,加藤隆雄,岩見和彦 

1995  文化の社会学  共著  BN12577995 
有信堂高文社  , A5  , 213 pp.  , 1995/05/25   

概要(Abstract) ピエール・ブルデューの文化的再生産の理論的検討と、それをもとにした調査の分析を行ったリーディングス。2章「資本をめぐる実践 文化と社会階層のミクロ社会学」(pp.40-63)を担当。ブルデューの理論を、日常的社会学の立場から「資本をめぐる実践」として解釈、その射程と有効性を論じた。資本はもともとマルクスがその運動の法則を経済の領域において捉えたものであるが、ブルデューは資本を、さまざまな領域に存在する運動体として捉えた。マルクスが問題化した資本は、経済領域における一変種なのであり、ブルデューは文化領域における資本、つまり、文化資本を概念化し、その転化の三形態を明らかにした。そこでの過程が、戦略や差し手(ターン)として捉えうる諸実践なのであり、これは資本が身体化したハビトゥスによって生み出される。このような資本をめぐる実践の諸形態を類型化し、最後に資本概念を発展させるためのいくつかの視点を提示した。 

備考(Remarks) 宮島喬,田辺浩,加藤隆雄,杉原名穂子,喜多加実代,耳塚寛明,中西祐子,高山啓子,宇都宮京子,水島和則 

2010  ファシリテーター・トレーニング 第2版  共著  BB0437733X 
ナカニシヤ出版  , B5  , 199pp.  , 2010/12   

概要(Abstract) 従来の教え込み型の教師から、学習者のニーズを尊重し、社会変革を推進する教育者(ファシリテーター)をいかに実現するかについて、そのあり方を問いつつ、その養成に資するように書かれたものである。著者担当の章(第2部12「〈子ども−大人〉関係を脱構築する者」)では、子どもが現在置かれた状況を概観しつつ、子どもと大人が相関的な存在であり、一方が他方の内容を規定するような関係にあることを述べた。「子ども」「大人」は、それぞれ独立した項ではないことから、「〈子ども−大人〉関係」という概念を用いることとし、まずその発生をアリエスの論に従って述べた。次に、〈子ども−大人〉関係が現代においてどのように変容しているかについて、(1)「年長の子ども」の不在、(2)「青年」の登場という点に着目して分析した。最後に、このような歴史的一形態としての〈子ども−大人〉関係を脱構築する者のモデルとして、ラドクリフ=ブラウンや亀山佳明に依拠した「社会的オジ」を説明した。これは、子どもに対する働きかけの新たなモデルであり、同じく教育における〈教える−教えられる〉関係を脱構築しようとするファシリテーターのモデルとして考えられることを示した。 

備考(Remarks) 執筆者: 津村俊充、石田裕久、加藤隆雄 他27名 

2002  ファシリテータートレーニング  共著  BA63729206  
ナカニシヤ出版  , B5  , 187pp.  , 2003/03   

概要(Abstract) 従来の教え込み型の教師から、学習者のニーズを尊重し、社会変革を推進する教育者(ファシリテーター)をいかに実現するかについて、そのあり方を問いつつ、その養成に資するように書かれたものである。著者担当の章(第2部11「子ども・青年文化を〈読む〉」)では、まず、子ども文化と青年文化を捉える視点として、柳田國男の民俗資料の分類が有効であることを示した。続いて、それをどのように読解していくかについて、スチュアート・ホールによる受け手の読解の類型を取り上げ、商品化された子ども・青年文化に対しては、子ども・青年がいかに受容していくのかというプロセスと、研究者が受け手の読解についてどのように解読するのかという二重のプロセスが存在していることを指摘した。 

備考(Remarks) 執筆者: 津村俊充、石田裕久、加藤隆雄 他25名 

2001  子どもの対人関係能力を育てる 子供の心と体をひらく知識と技法(教職研修総合特集・読本シリーズNo.151  共著  BA56234804  
教育開発研究所  , A5  , 244pp.  , 2002/03   

概要(Abstract) IT化、少子化や核家族化、地域社会の変化など、子どもをとりまくコミュニケーション環境の変化等により、以前に比べ、子どもの対人関係能力やソーシャルスキルが低下してきている。そこで、対人関係能力として、対人コミュニケーションの概念や機能、あり方について解説すると同時に、子どもたちの対人関係能力を育むにはどのような学習内容や方法、スキルが必要であるのか、さらに、それらを学校現場(小・中学校)で実践するにはどのような授業展開が考えられるかを検討し、記述している。(2章2「少子化と対人コミュニケーション」を担当。) 

備考(Remarks) 執筆者:津村俊充、加藤隆雄 他54名 

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学術論文
年度
Year
論文題目名
Title of the articles
共著区分
Collaboration
   Classification
NeoCILIUS
   請求番号/資料ID
Request No
掲載誌名 Journal name,出版機関名 Publishing organization,巻/号 Vol./no.,頁数 Page nos.,発行年月(日) Date
2022  青年と二重の差異化―脱コード化と再コード化の理論―  単著   
アカデミア 人文・自然科学編  , 南山大学  , 第24号  , pp. 37-50  , 2022/06   

概要(Abstract) 子どもでもなく大人でもないものとして青年は、二重の差異化によって生成した。このことをふまえ、本稿は「脱コード化」のプロセスを論じた。子どもからの差異化は脱コードⅠ、大人からの差異化すなわち既存の文化秩序に対する差異化を脱コードⅡで示すが、欧米における青年の生成が、もともと存在していた分断を乗り越えるためにロック音楽が大きな役割を果たすことになった経緯において脱コード化Ⅱに偏っていたことが示された。また、脱コード化の運動は、同時に再コード化するものとしての青年文化市場も生み出し、脱コード化を市場の中に取り込んでいくことも論じた。抵抗の運動である脱コード化は、自己否定を恒久的に続ける必要があるがゆえに、抵抗はジレンマに陥る。他方、再コード化は脱コード性そのものを商品化し、市場をますます巨大なものにしていく。こうして制度化された青年が創り出される。欧米の青年文化において顕著ではなかった子どもコードからの差異化(脱コード化Ⅰ成分)は、翻って、現代日本の青年文化の構造の解明において大きな役割を果たしていたと推測される。 

備考(Remarks)  

2021  エスと機械―『アンチ・オイディプス』のミクロ-マクロ問題への寄与―  単著   
アカデミア 人文・自然科学編  , 南山大学  , 第23号  , pp. 35-44  , 2022/01   

概要(Abstract) ドゥルーズとガタリの『アンチ・オイディプス』が提示する概念装置、特に「機械」が、社会学理論の構造的アポリアである「ミクロ-マクロ問題」にどのように接続できるのかを論じた。そのために、この著書の従来の論じられ方である思想革命や、精神分析の問題圏といったものから、あえて切り離しながら社会学的意義を検討した。「機械」は、実はフロイトの「エス」に由来するものであるが、ドゥルーズとガタリが、クラインやラカンを経由して「機械」として再構成しなくてはならなかったその理由こそが、社会学における「ミクロ-マクロ問題」の核心とつながるものである。また、『千のプラトー』やドゥルーズの著作で展開される「リゾーム(根茎)」や「アジャンスマン」「アサンブラージュ」といった概念もまた、社会学が「ミクロ-マクロ問題」を超える際のモデルとなるであろうことを示唆した。 

備考(Remarks)  

2021  ミクロ-マクロ問題を組み直す―ブリュノ・ラトゥールとANT―  単著   
アカデミア 人文・自然科学編  , 南山大学  , 第22号  , pp. 75-90  , 2021/06   

概要(Abstract) 1980年代以降、社会学理論の構造的アポリアとして姿を現した「ミクロ-マクロ問題」(MMP)、すなわち主体か構造か、行為者かシステムか、相互作用か全体かをめぐる問題は、いまだに解決されたとはいえず、むしろ社会学にとっての宿痾のようなものになっている。本稿では、ミクロ-マクロ・リンク(MML)の類型とその問題を検討したうえで、それを越える理論地平を示したラトゥールの「アクターネットワーク理論」(ANT)を概観して、ANTがMMPをいかに克服しているのかを示す。そして、ドゥルーズとガタリの『アンチ・オイディプス』における「機械」、『千のプラトー』における「リゾーム」とANTとの関係を示唆する。 

備考(Remarks)  

2020  ウェーバー行為論の物語論的転回に向けて―ミルズとシュッツからの発展―  単著  2185-3282 
アカデミア 人文・自然科学編  , 南山大学  , 第21号  , pp. 87-98  , 2021/01   

概要(Abstract) ウェーバーの行為論は、主観的に思念された意味によって行為を定義するために、あたかもパーソンズの社会システム論や相互作用論、現象学的社会学などへとそれぞれ継承され、その独自性はこれら確固とした学派の行為論へと解消されてしまったようにみえる。ウェーバー行為論において、行為は意味と理解をもって成立しているとしたことはその後の社会学では修正され批判されてきた。しかし、ウェーバー行為論の主観的に思念された意味の客観的性格は、ミルズの動機の語彙論によってその共有知識としての性格が示され、同時に範例的ストックという観点が開かれた。さらに、そこからは連辞的ストックの可能性も導き出され、両者を保持するものとして物語というモデルが示された。物語論は、行為の動機の抽象的な構造の分析を可能にしてくれる可能性を示すのであり、本稿は、これら物語論の成果を、行為論に結びつけて論じるための予備作業となることを目的とした。 

備考(Remarks)  

2016  〈子どもコード〉の生成と展開―児童文学と特撮テレビ番組の分析―  単著  AA12516006 
アカデミア 人文・自然科学編  , 南山大学  , 第13号  , pp. 39-50  , 2017/01/31   

概要(Abstract) 従来の子ども文化の研究は、歴史と批評へと収斂してきたが、前者は子どもを歴史的にとらえることができず、後者は批評という場に開くことで分析的な作業を難しいものにしてしまった。本稿では、「子どもコード」という概念を提案し、それによって子ども文化の内実を記述することができることを示した。19世紀半ば以降から20世紀にかけての児童文学の分析により、コードの内側とその外部諸要素を仮説的に定式化した。これは、1960年代の日本の子ども向け特撮番組においても見られること、さらに「子どもだまし」という要素が加わっていることを明らかにした。そして、「過コード化」の概念を用い、子ども文化がより子どもらしいものへと収縮している現象についても取り上げた。最後に、コード理論の可能性として、青年文化と脱コード化・再コード化などとの関係について素描し、新たな課題として提起した。 

備考(Remarks)  

2016  デュルケムの〈分析-構築〉における道徳教育論  単著  AA12516006 
アカデミア 人文・自然科学編  , 南山大学  , 第12号  , pp. 23-36  , 2016/06/30   

概要(Abstract) 黙殺されるか、あるいは教育社会学的に扱われるかのどちらかだったデュルケム教育学は、デュルケム社会学と〈分析-構築〉というべき関係を有していることをまず論じた。この〈分析-構築〉が現代の社会学に重要な示唆を与える可能性を考察したうえで、〈構築〉の最たる著作である『道徳教育論』のテクスト構造を検討した。まず、〈分析-構築〉が『モンテスキューとルソー』に原型を持ち、〈分析〉の部分が「モンテスキュー論」と密接な関係をもつことをふまえたうえで、「ルソー論」と『道徳教育論』との関係を精査していくと、ルソーが実践の理論として、モンテスキューが分析の理論において得ていた位置とは異なる扱いを受けていたことが判った。デュルケムは、ルソーに由来する部分(「社会集団への愛着」)以外に、非ルソー的な「規律への精神」を新たに設け、道徳教育を論じていた。規律への精神が子どもの内部に確立されることは、フーコーのいう生権力の一つである「規律型権力」が行使されることとして考えられ、生政治の介入を見て取ることができた。このような介入ゆえに、デュルケムの〈分析-構築〉を、現代のグローバル社会におけるグローバルシティズンシップ教育へ写像する可能性に対しては、より広汎で深い考量が必要であることが示唆された。 

備考(Remarks)  

2015  ポストモダン教育社会学の展開と隘路、そして生政治論的転換  単著  AN0005780X 
教育社会学研究  , 東洋館出版社  , 第94集  , pp. 5-24  , 2014/05/31   

概要(Abstract) 「ポストモダン」論によって影響を受けた1980年代後半の日本の教育社会学を「ポストモダン教育社会学」と呼ぶことにする。それは、「モダン」としての教育・学校制度の異化に向かったが、アリエス、ブルデューと並んでインスピレーションの供給源となったのが、『監獄の誕生』におけるフーコーの「規律訓練」の視点であった。しかし、1990年代以降の教育システムの変動によって、異化の手法で捉えられた教育・学校制度の理解は不十分なものとなり、ポストモダン教育社会学の訴求力も低下していく。他方、フーコー研究においては、2000年代以降、規律訓練の概念が「生政治」論の一部であることが明らかになるのだが、1990年代以降の教育システムは、まさにこの生政治論的視点からよりよく捉えうることをフーコー理論を概略しながら論じた。 

備考(Remarks)  

2013  生政治の〈介入〉とはいかなる事態か―フーコー『知の考古学』における権力作用の研究―  単著  AA12516006 
アカデミア 人文・自然科学編  , 南山大学  , 第7号  , pp. 1-14  , 2014/01/30   

概要(Abstract) ミシェル・フーコーが主張した生権力は、テクストへの介入という形態をとると考えられることから、生政治ないし生権力の行使のされ方についての検討が必要となった。その結果、諸思想家が生権力概念をさまざまなかたちで解釈し発展させているにもかかわらず、どの思想家も(1)生権力を、施行された政策・慣習が転化した制度・考案された様々な装置によってのみ執行されるものとして捉えている、(2)生政治・生権力が、フーコーの著作全体を貫くキー概念として積極的にとらえていないだけでなく、『知の考古学』との関連をほとんど考慮していない、(3)『知の考古学』を孤立した単独著作として捉える傾向があるだけではなく、フーコーの意図とは逆に、物質的実践ではない言説の分析に関わる研究として捉える傾向がある、ということがわかった。本稿では、言説が物質的実践であり、介入であることを『知の考古学』に即して示し、『知の考古学』が、生権力の〈介入〉の内実を分析する手立てとなる研究であることを主張した。 

備考(Remarks)  

2009  フロイトのテクストにおける生-政治の介入―「性欲論三篇」におけるヘゲモニー的リビドー体制―  単著  AN00132224  
アカデミア 自然科学・保健体育編  , 南山大学  , 第15巻  , pp. 17-28  , 2010/01/30   

概要(Abstract) フロイトの「性欲論三篇」のテクストの変容を検討し、それがフーコーの述べる「生-政治」の具体的な表出形態であることを主張した。「性欲論三篇」の1905年初版と1915年以降の追加修正とを比較すると、多形倒錯的なリビドーという初期の概念が、生殖に方向づけられたリビドー体制のもと再概念化されている。1905年版の「性欲論三篇」の第一論文においては、リビドーは「多形倒錯的」、すなわち対象との自由な結びつきを秘めるものと考えられた。そのなかでも、特に身体的発達に基盤を有する場合があり、それらは口唇体制・肛門体制・性器体制として語られている。1905年版において、リビドーは多様なあり方を承認されている。しかし、1915年以降「男根期」の概念が導入されることで、これらの体制は、ばらばらの「諸」体制ではなく、成人的なセクシュアリティへと方向づけられた「段階」として整序されることになる。「性的な活動」は「生殖活動」と言い換えられ、段階づけをはっきり示した一節が書き加えられる。これらの変更の結果として、第一論文が述べる多形倒錯的リビドーは、その叙述に変化はないものの、そうした段階からは外れた「変態」性欲として劣位なものへとその位置を変えることになってしまう。そして、生殖に方向づけられたリビドーが「正常なもの」として、優位に置かれる。本稿は、このようにして諸リビドー体制が序列化された全体体制を「ヘゲモニー的リビドー体制」と名づけたが、このような体制化こそが、フーコーの述べる「生−政治」の現出形態である。生−政治は、生、生殖、医療などに権力が浸透する状況を示す概念であるが、フロイトにおけるヘゲモニー的リビドー体制の成立は、生への社会的管理の一例であることが本稿で示された。 

備考(Remarks)  

2023  教育政策とテレビの言説編制―こども家庭庁をめぐる報道のテキスト分析―  共著   
『アカデミア 人文・自然科学編』  , 南山大学  , 第27号  , pp. 19-37  , 2024/01   

概要(Abstract) テレビの教育報道は、物語的な意味論的構造を作りがちであるが、非物語的・散文的な教育政策のジャンルがどのようにテレビの意味論的構造に適合しないのかを、新聞記事との比較によって明らかにした。筆者らの構築したデータベースから「こども家庭庁」を教育政策報道のトピックとして選び(2023.4~6)、テキストマイニングによって新聞記事言説の意味論的構造と比較した。その結果、非物語的困難を二つ指摘することができた。第一に、まだ物語化されていない要素を均等に示すことの困難であり、第二に、要素同士の構造を示すことの困難である。 

備考(Remarks) 共著者:井上剛男(鈴鹿大学短期大学部)、越智康詞(信州大学)、酒井真由子(上田女子短期大学) 

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その他研究業績
年度
Year
題名等
Titles
カテゴリ
Category
細目
Authorship
掲載雑誌名等 Publishing Magazine,発行所 Publisher,巻/号 Vol./no.,頁数 Page nos.,発行年月(日) Date
2020  片岡栄美[著]『趣味の社会学: 文化・階層・ジェンダー』書評  書評  単著 
教育社会学研究  , 東洋館出版社  , 108集  , pp.193-195  , 2020/05   

概要(Abstract)  

備考(Remarks)  

2019  戸江哲理[著]『和みを紡ぐ』  書評  単著 
『社会学評論』  , 日本社会学会  , 70/1  , 58-59  , 2019/07   

概要(Abstract) 戸江哲理氏の著書『和みを紡ぐ』について書評を行った。本著作が、母親たちの集う場所の会話分析を丹念に行い、新たな知見を紡ぎ出そうとしていることを評価するとともに、社会学的モノグラフとしての価値をもつことを指摘した。 

備考(Remarks)  

2017  下司晶[著]『教育思想のポストモダン 戦後教育学を超えて』  書評  単著 
『図書新聞』  , 3306号  , 2017/06/10   

概要(Abstract) 教育哲学者である下司晶氏の著書『教育思想のポストモダン 戦後教育学を超えて』について書評を行った。本著作が、戦後日本の教育学思想の綿密な分析によっていることを評価しつつ、ポストモダン教育学のあり方について意見を述べた。 

備考(Remarks)  

2012  牧野智和[著]『自己啓発の時代 「自己」の文化社会学的研究』  書評  単著 
日本教育社会学会編『教育社会学研究』  , 東洋館出版社  , 第91集  , 139-141  , 2012/11   

概要(Abstract) 日本教育社会学会の紀要である『教育社会学研究』編集部から依頼のあった牧野智和著『自己啓発の時代 「自己」の文化社会学的研究』について書評を行った。本著作が、戦後を中心とした自己啓発書の綿密な分析によっていることを評価しつつ、理論と方法の競合関係、自己啓発書の読者を捉える視点に欠けることになどを指摘した。 

備考(Remarks)  

2011  柳沼良太[著]『ポストモダンの自由管理教育―スキゾ・キッズからマルチ・キッズへ―』  書評  単著 
日本教育社会学会編『教育社会学研究』  , 東洋館出版社  , 第89集  , 91-93  , 2011/11   

概要(Abstract) 日本教育社会学会の紀要である『教育社会学研究』編集部から依頼のあった柳沼良太著『ポストモダンの自由管理教育―スキゾ・キッズからマルチ・キッズへ―』について書評を行った。本著作が、特に1980年代以降の広範な教育動向を踏まえたうえで、最新の理論に基づきながら社会思想史的な分析をしていることを評価しつつ、キータームとしての「ポストモダン」の曖昧さや、それ自身の物語性について指摘して、本書が取り上げている事象を捉える別の観点について提起した。 

備考(Remarks)  

2009  「成熟」  辞書・事典  単著 
新版増補 生命倫理事典  , 太陽出版  , pp. 527-528  , 2009/12   

概要(Abstract) 生命倫理の観点を踏まえながら、「成熟」について、用語の由来と説明を行い、その倫理的な含意について現在の状況をもとに論説した。 

備考(Remarks)  

2009  「青年期」  辞書・事典  単著 
新版増補 生命倫理事典  , 太陽出版  , p. 556  , 2009/12   

概要(Abstract) 生命倫理の観点を踏まえながら、「青年期」について、用語の由来と説明を行い、その倫理的な含意について現在の状況をもとに論説した。 

備考(Remarks)  

2009  「引きこもり」  辞書・事典  単著 
新版増補 生命倫理事典  , 太陽出版  , pp. 754-755  , 2009/12   

概要(Abstract) 生命倫理の観点を踏まえながら、「引きこもり」について、用語の由来と説明を行い、その倫理的な含意について現在の状況をもとに論説した。 

備考(Remarks)  

2009  「ニート」  辞書・事典  単著 
新版増補 生命倫理事典  , 太陽出版  , p. 701  , 2009/12   

概要(Abstract) 生命倫理の観点を踏まえながら、「ニート」について、用語の由来と説明を行い、その倫理的な含意について現在の状況をもとに論説した。 

備考(Remarks)  

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研究発表
年度
Year
題目又はセッション名
Title or Name of Session
細目
Authorship
発表年月(日)
Date
発表学会等名称 Name, etc. of the conference at which the presentation is to be given, 主催者名称 Organizer, 掲載雑誌名等 Publishing Magazine,発行所 Publisher,巻/号 Vol./no.,頁数 Page nos.
2019  チェコとスロバキアにおける市民性教育―学校カリキュラムの自律性の観点から―  共同  2019/9/13 
日本教育社会学会第71回大会  , 日本教育社会学会   

概要(Abstract) チェコとスロバキアにおける学校・大学・教育省へのインタビュー調査から、共産主義体制と統合・分離の過去を持つ両国における市民性教育の在り方を、学校カリキュラムの自律性という観点をふまえて分析・考察した。特に、クリティカル・シンキングについて、チェコではより積極的にカリキュラムに取り込もうとしていたのに対して、スロバキアでは異なっていた点が注目される。 

備考(Remarks)  

2017  新聞記事における少年犯罪報道の分析―医療化論と物語論の視角から―  共同  2017/10/22 
日本教育社会学会第69回大会  , 日本教育社会学会   

概要(Abstract) 1990年代と2010年代の少年事件についての新聞記事を比較し、1990年代に見られた「逸脱の医療化」の傾向が、2010年代の新聞報道において弱まっていることを明らかにした。その要因として、第一に、犯罪の要因として語られた精神障害が、2000年代以降、広く教育現場に普及浸透していき、少年犯罪の原因とすることが障害を持つ者一般に対する偏見を助長するとの懸念が高まっていったことが挙げられる。第二に、マスメディア報道が物語構造を強く有しているのに対し、精神障害についての医療化の言説が、物語構造を壊すように作用するため、マスメディアの言説から排除する力が働いたことが指摘された。 

備考(Remarks)  

2016  教育報道の脱物語化と交渉的解読空間のアーキテクチャ  単独  2016/9/18 
日本教育社会学会第68回大会  , 日本教育社会学会   

概要(Abstract) 課題研究「現代社会におけるメディアと教育―メディア環境の変容は教育をどのように変えようとしているのか―」での招待発表であり、「最後のマスメディア」であるテレビが、教育をいかに物語化しているかについて諸メカニズムを分析するとともに、事例を引きながら、脱物語化するメディアとしての潜在性を有しているインターネットが、いかに交渉的解読を可能にしているかについて論じ、そのアーキテクチャ構築が重要であることを主張した。 

備考(Remarks)  

2014  青年における政治的イリテラシーと市民性―デュルケムとアーレントからの視点―  単独  2014/9/13 
第66回日本教育社会学会大会  , 日本教育社会学会  , 『第66回日本教育社会学会大会 発表要旨集』(CD-ROM)   

概要(Abstract) 現代日本における青年の政治への態度を「政治的イリテラシー」と名づけ、学校教育における市民性教育の可能性を問う観点から、デュルケムの「方法的社会化」の存立条件を吟味した。それは一方では、電子メディアによる現実の植民地化を被っており、他方では、市民社会が公共性と市民性に分裂しているために原理的な不可能性を有している状況を、アーレントらに基づきながら論じた。 

備考(Remarks)  

2012  教育社会学におけるポストモダンとフーコー―近代教育批判をめぐる批判的回顧―  単独  2012/10/28 
第64回日本教育社会学会大会  , 日本教育社会学会  , 『第64回日本教育社会学会大会 発表要旨集』(CD-ROM)   

概要(Abstract) 1980年代日本における教育や学校を対象とした「近代性批判」研究を総括し、そこで主要な役割を果たしたミシェル・フーコーの受容のされ方について批判的に検討を加えた。そこでは、フーコーの「権力(pouvoir)」概念は、「規律=訓練(discipline)」をもたらすものとして扱われてきた。しかし、このような捉え方が、フーコー権力理論の半面に過ぎないことを指摘、「生-権力(bio-pouvoir)」の視座から教育システムを捉え直すことを提案した。 

備考(Remarks)  

2011  教育社会学の〈生‐政治〉論的転換-社会化の史的構築とその分析-  単独  2011/9/24 
第63回日本教育社会学会大会  , 日本教育社会学会  , 『第63回日本教育社会学会大会 発表要旨集』(CD-ROM)   

概要(Abstract) ミシェル・フーコーが晩年に提起した「生-政治(bio-politique)」の概念は、人間の生死・性・生育などに係る領域を捉えるための概念であるが、教育の領域について生-政治的な観点からする研究が欠けていることから、生-政治的観点に基づく研究の必要性をデュルケムの社会化論を例にとって論じた。 

備考(Remarks)  

2007  中学生における心理主義的な意識と行動  共同  2007/9/23 
日本教育社会学会第59回大会  , 日本教育社会学会   

概要(Abstract) 中学2年生を対象に実施した質問紙調査により、心理主義的な意識と行動(友人関係の維持や悩みの相談先など)に関して、学校差・地域差・性差・学力差・メディア接触等の観点から分析し、明らかにした。「1.研究の目的と方法」では、「心」が行為の説明原理となり社会の構成原理となっていく過程である「心理主義化」について説明し、調査対象の選定と実施方法・概要を述べた。「2.心理主義的意識」では、心理主義化を構成すると考えられた項目に対して因子分析を行った。その結果「コントロール」「未知のものへの態度」「自己責任」などの因子を抽出し、心理主義化の現象に複数の側面を区別した。また、地域差による分析から、大都市と町村の中間的な地域において、心理主義がより強く表れることを示した(以上加藤)。「3.友人関係」では、男子よりも女子の方が友人関係において不安を抱いており、また感情管理・自己コントロールにおいても、心理学知識においても男子より高い傾向があった。しかし、だからといって、スクールカウンセラーに対する期待は高くなるとはいえなかった(以上木村)。「4.悩みと相談先」においては、中学生が悩みを相談する相手は、依然として友人・親・教師でありスクールカウンセラーはほとんど利用されていないという実態が示された。「5.結論」では、スクールカウンセラーが自己管理の一環として組み込まれていく可能性について指摘した(以上小針)。 

備考(Remarks) 共同研究者 小針誠、木村祐子 

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研究助成
年度
Year
助成名称または科学研究費補助金研究種目名
Name of grant or research classification for scientific research funding
研究題目
Research Title
役割(代表/非代表)
Role
助成団体
Granting body
助成金額
Grant amount
2022  科学研究費補助金  市民を育てる学校の日本型自律性に関する比較教育社会学的研究 
研究分担者  文部科学省  10万円(直接経費研究者内訳)  

研究内容(Research Content) 現代国家のほとんどが教育システムを、制度、機関、実践の各層に一定の自律性を保証し、それらの多層的な相互コントロールによってマネジメントしているように、教育の自律性は重要視されている。本プロジェクトの研究チームは我が国において現在進められている教育改革をクリティカルに検討するために、教育の自律性を組織する教育運営のメカニズムに総合的にアプローチすることが必要との結論に達した。コールバーグと共にジャスト・コミュニティ構想という学校改革プログラムを推進し、スイス及びドイツの教師教育において先導的役割を果たしてきたFribourg大学のFritz Oser教授は、現在教師教育の未来像への可能性を起業家教育につかんでいる。本プロジェクトでは、Oserの教職と起業を連接させる着想を、《教育をプロデュースすること》として理論的に整理し、その枠組みの元に、我が国の現在の教育施策が市民社会に資する学校教育に果たしうる可能性を実践的教育研究と比較社会学の観点から総合的、実証的に検討する。 

備考(Remarks)  

2022  科学研究費補助金  公教育をめぐるマスメディアのリアリティ構成に関する研究 
研究分担者  文部科学省  5万円(直接経費研究者内訳)  

研究内容(Research Content) 近年の教育政策は、教員の自律性、教育の専門性・公共性を破壊し、主体的に従順な国民になるよう育成するなど民主主義の根幹を揺るがしている。ところが、こうした問題が社会的な議題として浮上することはほとんどない。その背後に、現在のマスメディアの構造が深く関与しているのではないか。このような仮説の下、マスメディアが子どもの教育について何をどのように報じ、近年の教育政策を無批判に推進することをいかに誘導しているかを明らかにすることが本研究の目的である。
この目的を達成するために、子どもの教育に関するテレビ報道を社会構成主義やメディア論の手法を用いて分析し、近年の教育政策の前後でテレビ報道がどのように展開されているかを明らかにすることを試みる。子どもの教育に関する報道の全貌を解明する足がかりとして、インターネットを含むあらゆるマスメディアの情報を二次情報として取り込み、編集し、権威付けするテレビ報道のメカニズムに焦点を当てて研究を進める。 

備考(Remarks)  

2021  科学研究費補助金  市民を育てる学校の日本型自律性に関する比較教育社会学的研究 
研究分担者  文部科学省  10万円(直接経費研究者内訳)  

研究内容(Research Content) 現代国家のほとんどが教育システムを、制度、機関、実践の各層に一定の自律性を保証し、それらの多層的な相互コントロールによってマネジメントしているように、教育の自律性は重要視されている。本プロジェクトの研究チームは我が国において現在進められている教育改革をクリティカルに検討するために、教育の自律性を組織する教育運営のメカニズムに総合的にアプローチすることが必要との結論に達した。コールバーグと共にジャスト・コミュニティ構想という学校改革プログラムを推進し、スイス及びドイツの教師教育において先導的役割を果たしてきたFribourg大学のFritz Oser教授は、現在教師教育の未来像への可能性を起業家教育につかんでいる。本プロジェクトでは、Oserの教職と起業を連接させる着想を、《教育をプロデュースすること》として理論的に整理し、その枠組みの元に、我が国の現在の教育施策が市民社会に資する学校教育に果たしうる可能性を実践的教育研究と比較社会学の観点から総合的、実証的に検討する。 

備考(Remarks)  

2021  科学研究費補助金  公教育をめぐるマスメディアのリアリティ構成に関する研究 
研究分担者  文部科学省  5万円(直接経費研究者内訳)  

研究内容(Research Content) 近年の教育政策は、教員の自律性、教育の専門性・公共性を破壊し、主体的に従順な国民になるよう育成するなど民主主義の根幹を揺るがしている。ところが、こうした問題が社会的な議題として浮上することはほとんどない。その背後に、現在のマスメディアの構造が深く関与しているのではないか。このような仮説の下、マスメディアが子どもの教育について何をどのように報じ、近年の教育政策を無批判に推進することをいかに誘導しているかを明らかにすることが本研究の目的である。
この目的を達成するために、子どもの教育に関するテレビ報道を社会構成主義やメディア論の手法を用いて分析し、近年の教育政策の前後でテレビ報道がどのように展開されているかを明らかにすることを試みる。子どもの教育に関する報道の全貌を解明する足がかりとして、インターネットを含むあらゆるマスメディアの情報を二次情報として取り込み、編集し、権威付けするテレビ報道のメカニズムに焦点を当てて研究を進める。 

備考(Remarks)  

2021  科学研究費補助金  教師教育における知の再編と実践的研究型教職大学院モデルの構築に向けた総合的研究 
研究分担者  文部科学省  10万円(直接経費研究者内訳)  

研究内容(Research Content) 教職大学院の全県設置がほぼ完了し、現在は学生定員の増員が粛々と進められている。教職大学院については、研究か実践・教育かを巡る対立に目が向きがちだが、この二つは原理的に対立するわけではない。<研究=知>という方法・内容の結合体は、変化する時代、ボトムアップに実践を変革する主体(教師)を構成(育成)する上で、ますますその重要性を増している。ここでは「研究」を「研究成果を産出する営み」という狭い観点からでなく、多様な要素の結合体(技法・構え・関係性の束)として捉え、<研究=知>に対する社会・行政・現場のニーズ、さらには、研究中心の大学院との比較も含め教職大学院のカリキュラムや教育指導の内実(その中への研究的要素の組み込み方・活かし方)を詳細に検討し、実践的研究型の教職大学院モデルの提案という最終ゴールを目指し準備を進める。 

備考(Remarks)  

2020  科学研究費補助金  市民を育てる学校の日本型自律性に関する比較教育社会学的研究 
研究分担者  文部科学省  12万円(直接経費研究者内訳)  

研究内容(Research Content) 現代国家のほとんどが教育システムを、制度、機関、実践の各層に一定の自律性を保証し、それらの多層的な相互コントロールによってマネジメントしているように、教育の自律性は重要視されている。本プロジェクトの研究チームは我が国において現在進められている教育改革をクリティカルに検討するために、教育の自律性を組織する教育運営のメカニズムに総合的にアプローチすることが必要との結論に達した。コールバーグと共にジャスト・コミュニティ構想という学校改革プログラムを推進し、スイス及びドイツの教師教育において先導的役割を果たしてきたFribourg大学のFritz Oser教授は、現在教師教育の未来像への可能性を起業家教育につかんでいる。本プロジェクトでは、Oserの教職と起業を連接させる着想を、《教育をプロデュースすること》として理論的に整理し、その枠組みの元に、我が国の現在の教育施策が市民社会に資する学校教育に果たしうる可能性を実践的教育研究と比較社会学の観点から総合的、実証的に検討する。 

備考(Remarks)  

2020  科学研究費補助金  教師教育における知の再編と実践的研究型教職大学院モデルの構築に向けた総合的研究 
研究分担者  文部科学省  10万円(直接経費研究者内訳)  

研究内容(Research Content) 教職大学院の全県設置がほぼ完了し、現在は学生定員の増員が粛々と進められている。教職大学院については、研究か実践・教育かを巡る対立に目が向きがちだが、この二つは原理
的に対立するわけではない。<研究=知>という方法・内容の結合体は、変化する時代、ボトムアップに実践を変革する主体(教師)を構成(育成)する上で、ますますその重要性を増している。ここでは「研究」を「研究成果を産出する営み」という狭い観点からでなく、多様な要素の結合体(技法・構え・関係性の束)として捉え、<研究=知>に対する社会・行政・現場のニーズ、さらには、研究中心の大学院との比較も含め教職大学院のカリキュラムや教育指導の内実(その中への研究的要素の組み込み方・活かし方)を詳細に検討し、実践的研究型の教職大学院モデルの提案という最終ゴールを目指し準備を進める。 

備考(Remarks)  

2017  科学研究費補助金  テレビメディアにおける言説・映像空間の特性と教育世論の形成に関する実証的研究 
研究分担者  文部科学省  30万円(直接経費研究者内訳) 

研究内容(Research Content) 文部科学省科学研究費補助金による助成金(課題番号25245075)。教育言説の形成にテレビがどのような影響を与えているかを、実証的・理論的に検討する。 

備考(Remarks)  

2016  科学研究費補助金  テレビメディアにおける言説・映像空間の特性と教育世論の形成に関する実証的研究 
研究分担者  文部科学省  20万円(直接経費研究者内訳) 

研究内容(Research Content) 文部科学省科学研究費補助金による助成金(課題番号25245075)。教育言説の形成にテレビがどのような影響を与えているかを、実証的・理論的に検討する。 

備考(Remarks)  

2016  南山大学パッヘ研究奨励金I-A-2  〈子どもコード〉の歴史的・理論的研究 
代表    124000円 

研究内容(Research Content) 子ども文化および青年文化を、作品とテクストの評論という形ではなく、文化としての外的な分析手段として、「子どもコード」という概念を充実させ精緻化していく研究を行った。その成果は「〈子どもコード〉の生成と展開―児童文学と特撮テレビ番組の分析―」(南山大学紀要『アカデミア』人文・社会科学編第13号,pp.39-50)として発表した。この中では、「子どもコード」という概念の必要性、その定義と、実際に子どもコードが生成する場面の分析を行った。 

備考(Remarks)  

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教育活動
年度
Year
タイトル
Title
内容等
Content
活動期間
Period of Activities
2021  「教育学概論」における教材の作成 

学科科目「教育学概論」の授業14回分について、各回24~48枚のスライドにまとめたパワーポイントの資料を作成するとともに、「まとめ」のプリントを作成・配布した。。 

2021/11~2024/01 
2021  「コミュニケーション論」における教材の作成 

学科科目「コミュニケーション論」で授業内容をまとめたパワーポイントの資料(各回24~48スライド)を作成、資料として配布するとともに、「まとめ」のプリントを作成・配布した。 

2021/09~2024/01 
2021  「教育社会学」における教材の作成 

学科科目「教育社会学」の授業14回分について、各回24~48枚のスライドにまとめたパワーポイントの資料を作成するとともに、「まとめ」のプリントを作成・配布した。 

2021/09~2023/09 
2020  「心理人間学演習ⅠA~ⅠC」における教材の作成 

授業テキストを発展させる期末レポート問題を作成し、事後の学習の深化に努めた。 

2021/04~2023/09 
2020  「社会学概説」における教材の作成 

学科科目「社会学概説」の授業14回分について、各回24~48枚のスライドにまとめたパワーポイントの資料を作成するとともに、「練習問題」と解答の資料を作成した。 

2020/11~2023/05 
2020  「教育と文化」における教材の作成 

学科選択科目「教育と文化」について、読み書きの歴史にかかわるパワーポイント資料を作成した。 

2020/11~2021/01 
2020  「教育学概論」における教材の作成 

学科必修科目「教育学概論」で、教育と子どもの歴史に関する100ページほどの資料、を作成し、配布するとともに、問題集形式の「まとめ」のプリントを作成した。また、パワーポイントで資料を作成した。 

2020/11~2021/01 
2020  「現代教育論」における教材の作成 

学科科目「現代教育論」で、授業のパワーポイント(15回分各24枚程度)を作成した。 

2020/11~2021/01 
2020  「子ども・青年社会学」における教材の作成 

学科科目「子ども・青年社会学」の授業14回分について、各回24~48枚のスライドにまとめたパワーポイントの資料を作成した。 

2020/09~2023/05 
2020  「教育社会学」における教材の作成 

学科科目「教育社会学」で、授業の内容に関連する文献の抄録資料(50ページ程度)を作成・配布するとともに、「まとめ」のプリントを作成・配布した。 

2020/09~2022/11 
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研究活動/社会的活動
年度
Year
活動名称
Name of activities
活動期間
Period of Activities
2024  基盤研究(C)(一般)「発達障害児の支援格差とその社会的要因に着目した実証研究」調査  2023/8 

活動内容等(Content of Activities) 障害児支援施設の関係者への質問紙調査 

2019  科学研究費・基盤研究(C)(一般)「教師教育における知の再編と実践的研究型教職大学院モデルの構築に向けた総合的研究」(課題番号19K02526)インタビュー調査  2019/11/16~2019/11/17 

活動内容等(Content of Activities) 共同研究として、早稲田大学教職大学院、東京学芸大学教職大学院において、教員のインタビュー調査を行い、教職大学院制度に関連する問題とそれへの対応について情報を収集した。 

2018  「ライフコース・アプローチに基づく教師の力量形成に関する第2回継続調査研究」研究会海外視察  2019/3/18~3/30 

活動内容等(Content of Activities) 基盤研究(B)「ライフコース・アプローチに基づく教師の力量形成に関する第2回継続調査研究」に係る調査(共同研究)。チェコ共和国、スロバキア共和国での学校・大学・教育省において教員、学生、教育省職員らにインタビュー調査を行った。 

2017  「道徳の教科化と教育の保守化をめぐる学校現場の政策受容過程に関する総合的研究」研究会海外視察  2018/3/3~3/15 

活動内容等(Content of Activities) 共同研究・基盤研究(B)「道徳の教科化と教育の保守化をめぐる学校現場の政策受容過程に関する総合的研究」(課題番号16H03788)に係る海外視察をドイツ連邦共和国(ハイデルベルク、ドレスデン、ベルリン)における初・中等学校、高等学校、大学において行った。イハイデルベルクでは、取り組みを視察し、学校における教育実践を見学し、教員にインタビューを行った。また、大学の学長、教育人間学部長、学部教員とのインタビューおよびディスカッションを行った。ドレスデンでは、大学での教員養成課程、幼稚園教諭養成課程の講義の見学を行い、教員養成制度に関するインタビューを行った。ベルリンでは、大学での教員養成課程、幼稚園教諭養成課程の講義の見学を行い、教員養成制度に関するインタビューを行った。 

2017  テレビ科研研究会  2017/4~2017/10 

活動内容等(Content of Activities) 共同研究・基盤研究(A)「テレビメディアにおける言説・映像空間の特性と教育世論の形成に関する実証的研究」(課題番号25245075)に係り、数度にわたり、論文作成に向けた検討を行った。 

2016  テレビ科研研究会  2016/4~2017/2 

活動内容等(Content of Activities) 共同研究・基盤研究(A)「テレビメディアにおける言説・映像空間の特性と教育世論の形成に関する実証的研究」(課題番号25245075)に係り、学会発表に向けて検討を行った。1月には立教大学のグループと合同研究会を開催し、研究の理論枠組について発表を行って、議論を交わした。また、数度にわたり、論文作成に向けた検討を行った。 

2016  教員養成制度の日伊比較に関わる海外調査  2016/11/18~11/27 

活動内容等(Content of Activities) 共同研究・基盤研究(C)「グローバリゼーション下の教育実習を中核とした教員養成制度改革の日伊比較研究」(課題番号25381282)」の研究協力者として、イタリア・トリノ大学(言語科学部、教育科学部、生物学部、理学部)における教員養成制度に関するインタビュー調査を行い、教授、課程履修者とのセッションを行い、イタリアの教員養成制度の特徴の把握と日本の教員養成制度との比較を行った。 

2015  「市民社会と教師」研究会海外視察  2015/9/27~10/8 

活動内容等(Content of Activities) 共同研究・基盤研究(B)「教職の政治性と教員の脱政治化に関する総合的研究」(課題番号23330241)に係る海外視察をトルコ共和国(イスタンブル、アンカラ)における初・中等学校、高等学校、大学において行った。イスタンブルでは、MEF大学における、大学の教育学部が地域と一体となった取り組みを視察し、アヤザ小学校における教育実践を見学し、教員にインタビューを行った。また、MEF大学の学長、教育人間学部長、学部教員とのインタビューおよびディスカッションを行った。アンカラでは、ヴィルケント大学での教員養成課程、幼稚園教諭養成課程の講義の見学を行い、教員養成制度に関するインタビューを行った。 

2015  「市民社会と教師」研究会  2015/4~2016/3 

活動内容等(Content of Activities) 共同研究・基盤研究(B)「教職の政治性と教員の脱政治化に関する総合的研究」(課題番号23330241)に係る研究会であり、2015年度はこれまでの海外視察調査でのデータの分析を行い、論文として成果を公にした。また、次年度の論文発表に向けて、執筆内容の検討を行った。 

2015  テレビ科研研究会  2015/4~2016/3 

活動内容等(Content of Activities) 共同研究・基盤研究(A)「テレビメディアにおける言説・映像空間の特性と教育世論の形成に関する実証的研究」(課題番号25245075)に係り、学会発表の内容を検討した。1月には立教大学のグループと合同研究会を開催し、デ研究の理論枠組について発表を行って、議論を交わした。また、2月には、論文作成に向けた検討を行った。 

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著書・学術論文に関する統計情報
年度
Academic Year
学術研究著書の件数
No. of Academic Books
学会誌・国際会議議事録等に掲載された学術論文の件数
No. of Academic Articles in Journals/Int'l Conference Papers
学内的な紀要等に掲載された学術論文の件数
No. of Academic Articles Pub'd in University Bulletins
学会受賞等の受賞件数
No. of Academic Awards Received
国際学会でのゲストスピーカーの件数
No. of Times as Guest Speaker at Int'l Academic Conferences
国際学会での研究発表の件数
No. of Presentations of Papers at Int'l Academic Conferences
国内学会でのゲストスピーカーの件数
No. of Times as Guest Speaker at National Academic Conf.
国内学会での研究発表の件数
No. of Papers Presented at National Academic Conf.
2023 
2022 
2021 
2020 
2019 
2018 
2017 
2016 
2015 
2014 
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2024/03/29 更新