研究者詳細

教職員基本情報
氏名
Name
宮沢 千尋 ( ミヤザワ チヒロ , MIYAZAWA Chihiro )
所属
Organization
人文学部人類文化学科
職名
Academic Title
教授
個人または研究室WebページURL
URL
chihirom@nanzan-u.ac.jp
専攻分野
Area of specialization

文化人類学、歴史人類学、ベトナム研究

学会活動
Academic societies

東南アジア学会(1992.4~現在に至る)
東南アジア学会中部地区例会委員(2000.1〜2001.12)
日本文化人類学会員(1996.3〜現在に至る)
日本華僑華人学会(2016.1~現在に至る)

社会活動
Community services

教員免許更新講習会講師(2010年10月)

愛知県立東海南高校総合的学習の時間講師(2015年11月12日)

著書・学術論文数
No. of books/academic articles
総数 total number (29)
著書数 books (12)
学術論文数 articles (17)

出身学校
学校名
Univ.
卒業年月(日)
Date of Graduation
卒業区分
Graduation
   Classification2
早稲田大学文学部史学科・日本史学専攻 1985年03月  卒業 
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出身大学院
大学院名
Grad. School
修了課程
Courses
   Completed
修了年月(日)
Date of Completion
修了区分
Completion
   Classification
東京大学大学院総合文化研究科超域文化科学専攻 博士課程  1999年03月  単位取得満期退学 
早稲田大学大学院法学研究科国際条約史論専修 修士課程  1993年09月  修了 
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取得学位
     
学位区分
Degree
   Classification
取得学位名
Degree name
学位論文名
Title of Thesis
学位授与機関
Organization
   Conferring the Degree
取得年月(日)
Date of Acquisition
博士 学術博士(博総合224号)  ベトナム北部村落構造の歴史的変化 (1907-1997)  東京大学大学院総合文化研究科超域文化科学専攻文化人類学課程  1999年05月 
修士 法学修士  フランス領インドシナに於けるゲテイン・ソビエト運動をめぐる植民地主義と共産党   早稲田大学大学院  1993年09月 
学士 文学士    早稲田大学第一文学部史学科  1985年03月 
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研究経歴
長期研究/短期研究
Long or Short
   Term research
研究課題名
Research Topic
長期研究  前近代ベトナム女性の財産相続権と祖先祭祀義務に関する歴史人類学的研究 

概要(Abstract) 前近代ベトナム女性の財産相続権は、男女均分相続が規範であるという説と、これを否定する男子優先説とがある。ここで従来見落とされていた祖先祭祀のための田である忌田に注目し、また族譜によって女子の婚姻の状態を検討することにより、しばしば女子は祖先祭祀義務を負うのと引き換えに忌田の所有権や耕作権を相続することを指摘し、従来の相続面積の均等・不均等でのみ女性の地位を語ろうとする視点を乗り越えようとする。 

長期研究  ベトナム社会(特に農村)構造の持続と変化に関する歴史人類学的研究 

概要(Abstract) ベトナム村落社会の構造が,王朝期→フランス植民地期→独立と社会主義建設時代,現在の社会主義市場経済を経てどのように変わってきたのかを明らかにする。 

長期研究  近代日本・ベトナム関係 

概要(Abstract) 東遊運動崩壊後の日本・ベトナム関係史。クオンデ候らの日本を拠点とした抗仏運動や大川塾の西川捨三郎ら仏領インドシナに長期滞在した日本人とベトナム民族主義者との関係を戦後まで射程に入れて検討する。 

長期研究  ベトナム農村における農業合作社の役割 

概要(Abstract) 現在のベトナム農村における農業合作社の特に行政面だけでなく社会的側面に焦点をあてて,その役割を明らかにする。 

短期研究  ベトナムのカオダイ教の人類学的研究 

概要(Abstract) ベトナムのカオダイ教を歴史人類学的に研究する。 

短期研究  ベトナム郷約の研究 

概要(Abstract) 15世紀に遡るベトナム村落の独自の掟、郷約を伝統郷約、フランス植民地時代の改良郷約、現代の新郷約と通時的に研究する。 

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著書
年度
Year
著書名
Title of the books
著書形態
Form of Book
NeoCILIUS
   請求番号/資料ID
Request No
出版機関名 Publishing organization,判型 Book Size,頁数 No. of pp.,発行年月(日) Date
2015  Weaving Women's Spheres in Vietnam- The Agency of Family, Religion and Community.  共著   
Brill  , 未設定  , 2016/01   

概要(Abstract) Rethinking Vietnamese Women's Property Rights and the Role of Ancestor Worship in Premodern Society: Beyond the Dichotomies.pp.57-80
ベトナムの王朝時代の女性の財産上の地位については、20世紀以降の学術的研究では、遺産相続分の男女均分が規範で、男女平等であるとされてきた。しかし21世紀に入り、男女均分規範はフランス人がつくり出した「神話」にすぎないとの説が出された。本稿では漢文で書かれた遺産相続文書や財産分割文書などを実際に分析することによってこの問題に対し再考を加えた。
 その際、従来のように単に男女間の相続分を比較するのではなく、族譜等を用いて、祖先祭祀義務の有無や婚姻の状態なども考慮に入れた。その結果、女子の相続分を男子と均等とする文書が多く残されており、婚出した女性も異族である夫や子孫とともに生家の祖先に対する祭祀義務を負うこと、両親が娘の婚家の子孫による祭祀の継続を願い、実際に半世紀近く祭祀が継続する例があることがわかった。これらの特徴は儒教の男子優先の原理から逸脱しており、王朝期の中国には見られないものである。男女均分規範は必ずしもすべての場合に実行されるわけではないが、フランス人による「神話」とは言えないことを明らかにした。 

備考(Remarks) Kato Atsufumi(editor), Hy V. Luong, Tran Thi Minh Thi,Ito Miho, Ito Mariko, Kirsten W.Endres, Thien-Huong T. Ninhと共著。 

2014  『西川寛生「サイゴン日記」一九五五年九月~一九五七年六月』  共編著   
風響社  , A5  , 369p  , 2015/2/20   

概要(Abstract) 西川寛生(本名捨三郎 1921-2006)は大川周明が設立した、「大東亜解放」の人材養成を目指す「東亜経済調査局附属研究所」(通称大川塾)を卒業して、1940年日本の仏印進駐に際しベトナムに渡った。1945年の敗戦まで、仏印進駐の西原監視団や山根機関、大南公司で働きながら、ベトナムの民族運動に関わった。1955年9月に大南公司がサイゴンに支店再開を許されると再びベトナムに渡り、社長松下光弘、日本工営社長久保田豊らと日本政府のベトナム賠償で建設されたダニムダムの調査、設計、建設作業に関わるなど、終生ベトナムにその一生を捧げた。本書はご遺族から利用を許された生前氏がつけていた日記を1955年9月から1957年6月まで採録した。ベトナム共和国の大統領となったゴー・ディン・ジエム政権成立時期に日本との賠償交渉の進展や政治・経済・国際関係の展開、民衆の暮らしなどを、豊富なベトナム体験から深い洞察力で綴ったものである。また、当時のベトナムの状況について読者の理解を促進するため、客注、60ページに渡る補注を施した。さらに宮沢が「西川捨三郎とその日記」を執筆した。 

備考(Remarks) 武内房司と共編。協力者は高津茂、北澤直宏。 

2011  『ことばと国家のインターフェイス』  共著   
南山大学地域研究センター  , A4  , 373p  , 2012/03   

概要(Abstract) 南山大学地域研究センター共同研究プロジェクトの成果報告書。宮沢担当部分は第4章「戦間期の植民地ベトナムにおける言語ナショナリズム序論」(75-100)。19世紀のベトナムの口語文学作品である『キム・ヴァン・キエウ伝』がベトナムの国粋・国華を表すものであるかという、1920年代の植民地下におけるベトナム知識人の論争から、「国が植民地化されても、ことばが残れば、民族や国は維持できる」という主張が生まれたことを示し、同時にそれへの反論など論争の具体的な経緯を負いながら、「ことばと国家のインターフェイス」という点から分析した。 

備考(Remarks) 加藤隆浩編著。笠原政治、松田京子、紙村徹、アントニサーミ・サガヤラージ、奥田博子、ムンシロジェヴァンジラ、鈴木建、牛田千鶴他17名執筆。 

2008  『社会変動と宗教の<再選択> ポスト・コロニアル期の人類学研究』(南山大学人類学研究叢書8)  共編著   
風響社  , A5  , 300  , 2009/03   

概要(Abstract) 南山大学人類学研究所第8期長期研究プロジェクト(2006-2007年度)の成果報告書。植民地期から第二次世界大戦後の「独立」「開発」の時代にも、「文明化の使命」などの植民地的発想が持続している点に特に注目し、そのような情況のなかで、宗教の「再選択」が行われていることを、論じた。
「序論」:趣旨説明と各論者の論文の位置づけの紹介。
「ベトナム南部メコン・デルタのカオダイ教の政治化と軍事化」:1920年代に、フランス直轄植民地であったベトナム南部のメコン・デルタに生まれたカオダイ教は、フランス植民地当局に恭順、未組織的反乱、反抗、協力、半独立化とめまぐるしく態度を変えた。信徒は、ベトナム人地主、小作人、下級官吏、クメール人農民、華人と幅広く、また教義も、儒教、道教を中心に、仏教、キリスト教も取り入れたシンクレティックなものであった。また、共産党に対しても、1930年の蜂起では、共産党のシンボルである鎌と槌を掲げながら、同時にカオダイ教の護符を身につけるなど、柔軟な態度を取っていた。信徒は共産党の運動が弾圧を受けると、カオダイ教に改宗するなどして、「宗教」と「革命」の選択・再選択を柔軟に行っていた。しかし、1945年の独立運動期には、当初、共産党に協力していたものの、一部を除いて、フランスに投降した。 

備考(Remarks) 森部一、坂井信三、川田牧人、吉田竹也、石原美奈子、河邊真次
pp.11-32「序論」を担当。
pp.255-287「ベトナム南部メコン・デルタのカオダイ教の政治化と軍事化」を担当。 

2007  『変化する医療と儀礼』(バクニン省ヴィエムサー村に見る富の再分配機構としてのむら−農村生産合作社を中心に  共著   
春風社  , B5  , 239p.(pp31−60)  , 2008/03   

概要(Abstract) バクニン省ヴィエムサー村では、国家の経済政策が市場原理を導入して変化した後も、その経済的社会的変化に即興的に
呼応しながらも、「国家によるバオカップ制度(通常「丸抱え制度」と翻訳される)」を「むらを単位としたバオカップ制度」に読み替えて、独自の社会政策を実行し、むら(=村)単位で形成されている農業生産合作社を通じて富の再分配を行った。そのことは国家が土地や農地を商品化する政策を導入する方向へ政策転換しても変化するきざしを見せなかった。このような事例からベトナムの政治体制は、一党制下の全体主義という観点からのみ理解することはできず、「対話型」という性格を持つというカークフリートの見解に賛意を表した。 

備考(Remarks) 板垣明美、末成道男、武内房司、樫永真佐夫と共著 

2004  『アジアの文化と経済ー流通・交換をめぐる学際的まなざし』(ベトナム北部・紅河デルタ村落における文化と経済発展の関係)  共著   
風響社  , B5  , 242p(pp183-209)  , 2005/03   

概要(Abstract) ベトナム北部では厳格な「社会主義計画経済」が1970年代後半に頓挫し、市場原理を取り入れた「社会主義市場経済」制度へ移行した。従来の国家による採算を度外視した補助金制度(バオカップ)は廃止された。ところが、農村部では、農民に長期使用権を認めた耕地が分給され、農民の収穫物の最終処分権が拡大する一方で、従来計画経済的農業を担ってきた農業合作社が、国家補助金(バオカップ)制を、合作社によるバオカップと読み換えて、国家の社会福祉政策の補完や、村内のインフラ建設、水利費、農地使用税の農民からの減免と合作社財政からの代納を行う所が出てきた。そして、生産関係や取引関係の複雑化に伴い、1945年の革命以前に、多くのむらが持っていた「郷約」を現代風に改めて施行するところも現われ、この動きは「法治国家」を目指すベトナム政府の国家的政策に取り入れられることになった。また従来の社会主義イデオロギーでは統制の対象になっていたむらの神社や宗教施設も復興され、国から文化財の認定を受けるところが増えた。ベトナム国家は文化を経済の上部構造としてのみ認識する唯物論を修正した。村落建設のこのような自主的動きと、ベトナム国家がこうし 

備考(Remarks) 宮沢千尋編著、中西久枝、クネヒト・ペトロ、原不二夫、坂井信三、森部一、中裕史、吉田竹也 

2004  『アジアの文化と市場ー流通・交換をめぐる学際的まなざし』(序論)  共著   
風響社  , A4  , 242(11-31)  , 2005/03   

概要(Abstract) 高度資本主義がグローバルな規模で全世界席巻する勢いを見せた1997年のアジア経済危機は、米国流エコノミストが主張するように、東南アジア諸国のクローニー資本主義が腐敗したために起こったのではなく、投機を目的とした外国資本の行動に端を発しているという立場に立ち、IMFのコンディショナリティを拒否して経済再生を図ったマレーシア、市場経済の発展に伴ってNGOも発展するという西欧流開発理論が通用しないイランの財団、仏教が過剰な市場化を抑制する仏教運動が行われているタイ、日本人というグローバルな人間が、経済的利益ではなく「自分の居場所」を求めて小規模商いを行うバリ、ロシア、中国、日本という経済大国にはさまれながら、名誉と友情を基盤とする交易を第2次大戦後まで続けたエベンギとロシア・コサック人、「社会主義市場経済下」の中国とベトナム、西アフリカの宝貝の交易から通人類学的な貨幣論を展開するなどの事例を解説し、グローバリズムを「飼い馴らす」ローカルな人々の動きを展望した。 

備考(Remarks) 宮沢千尋編著 中西久枝、原不二夫、坂井信三、森部一、中裕史、クネヒト・ペトロ、吉田竹也 

2004  『越南的国家機構』(農業行政組織与農業合作社)  共著   
雲南大学出版社  , A5  , 283p(pp215-241)  , 2005/01   

概要(Abstract) 『ベトナムの国家機構』(2000年明石書店)の改定中国語版。1996年国会可決、1997年施行の「合作社法」が2年かかって、末端に浸透したので、その変化や地方独自の解釈、運用に触れた。中国語版には、2003年国会可決、2004年施行の「合作社法」分析の展望を追加した。 

備考(Remarks) 白石昌也編著、畢世鴻訳、古田元夫、貴志功、秋葉まり子、小笠原高雪、渡辺英緒、野元啓介、武藤司郎、中臣久 

2004  『現代ベトナムを知る60章』(ベトナムの家族、親族、家譜)  共著   
明石書店  , B5  , 383(151‐155)  , 2004/06   

概要(Abstract) ベトナムの主要民族であるベト族の家族、親族関係、親族の記憶、歴史を保存するための族譜について概説を試みた。すなわち父系親族集団が優越的であるが、母方親族の役割も葬式、結婚式では実務面で重要であり、儒教の「家礼」などの規定を超えて、「情感」によって服喪する。族譜は革命前は漢字で記載されていたが、その後長く存在を隠され、またローマ字化されたが、開放政策以来、漢字の族譜の復原や、交通の発展により、母村以外に移住した支派とのつながりの回復が行われている。 

備考(Remarks) 今井昭夫、岩井美佐紀編著 

2002  『文化人類学を再考する』(ベトナム北部における社会主義市場体制と「宗教」「民間信仰」「迷信異端」  共著   
青弓社  , B5  , 348(pp173-215)  , 2001/12   

概要(Abstract) 社会主義市場経済体制を取るベトナムでは従来「宗教」と分類され、「迷信異端」として禁止されてきた行為が、「民族の伝統」の発揮という新たな国家スローガンのもと、「民間信仰」として許可されるようになったが、依然現場では「迷信異端」との線引きに混乱が見られる。 

備考(Remarks) 森部一、吉田竹也、他計8名 

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学術論文
年度
Year
論文題目名
Title of the articles
共著区分
Collaboration
   Classification
NeoCILIUS
   請求番号/資料ID
Request No
掲載誌名 Journal name,出版機関名 Publishing organization,巻/号 Vol./no.,頁数 Page nos.,発行年月(日) Date
2016  前近代ベトナム女性の財産権に関する研究動向と展望―史料の状況に注目して  単著   
アルケイアー記録・情報・歴史ー  , 南山アーカイブズ  , 11号  , pp.117-138  , 2017/03   

概要(Abstract) ベトナム女性の財産権に関する研究動向と展望を史料の状況に注目して述べた。ベトナム女性研究は従来、植民地期以後、特に1954年のジュネーヴ協定以後の時期に関する研究が圧倒的に多かった。数少ない前近代時期に関する研究は、著名な女性作家、王族、軍事的ヒロインに関するものが中心であり、一般人女性の生活に焦点を当てたものはほとんどなかった。
 しかし、1986年以降のドイモイ政策開始後、従来、ベトナム現地の研究者や外国人に門戸を閉ざしていた文書館や公立の図書館などが漢字・チュノム文献を公開するようになり、一般人女性の日常生活、特に経済生活に関する研究が可能になった。
 筆者はここで特に財産権に関する研究に注目した。これらの研究はベトナム女性のエージェンシーを明らかにする意義がある。具体的な研究の動向としては、1.筆者も取り組んでいる、族譜や嘱書を分析して、男性との比較で女性の財産上の地位を考察する研究、2.碑文に記された村落共同体や寺院に対する土地や金銭の寄進に見られる女性の経済活動である。
 最後に、東アジアの比較研究への展望を示した。ベトナムにおける男女均分相続規範や男女の輪番による祖先祭祀の慣行は、中国よりも17世紀までの朝鮮半島に近く、両者の比較研究が重要であると指摘した。 

備考(Remarks)  

2015  前近代ベトナム女性の財産権と祭祀財産相続ー忌田を中心にー  単著   
アジア・アフリカ地域研究  , 京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科  , 15/02  , pp.208-233  , 2016/03   

概要(Abstract) 前稿(Miyazawa 2016)を受けて、ベトナム女性の財産権と祖先祭祀財産、祖先祭祀義務について考察した。
1.ベトナム女性の祭祀財産相続については、従来、香火についてのみ研究されてきたが、忌田がより重要であることを示し、香火と忌田の違いを示した。
2.婚出した女性が父母の遺産を相続する代わりに生家の祖先祭祀義務を負う実際の事例を挙げた。ひとつの事例では婚出した娘が兄弟と平等に遺産を相続する代わりに、父の正妻、その父、夭折した父の姉妹、祖母、曾祖母の祭祀を義務付けられている。もうひとつの事例では、婚出した女子を含むキョウダイ全てが父の遺した忌田を輪番で耕作し、祖先祭祀の支出に充てる。このような習慣は中国には見られないものである。
3.男女の「平等」を実現する場合、必ずしもその時点で生存している子孫の間の平等が図られるのではないこともある。忌田を遺した祖先が死んだ55年後に、その男子・女子(すでにほぼ全員が死亡)に忌田が均等に再分配された事例がある。男子・女子が起点となった男支・女支が形成され、女子の子孫である異姓の子・孫も忌田を相続している。「支」は儒教の原則から言えば、男系の男子子孫をたどってのみ形成されるはずであるが、ベトナムでは女子も支の起点となるのである。男女の「平等」の実現のされ方は、財産分割や家族の具体的な状況によって異なる。
4.ベトナム女性の財産上の地位について人類学的に位置づけ、朝鮮半島との類似性を指摘し、東アジア全体との比較への展望を示した。 

備考(Remarks) 査読付論文 

2012  ベトナム起源の宗教の越境に関する覚え書き-カオダイ教のカンボジアへの広がり(1926-1934)  単著   
東南アジア大陸部における宗教の越境現象に関する研究  , 科学研究費補助金最終報告書  , 1-14  , 2013/03   

概要(Abstract) 1926年にフランス植民地下の南部ベトナムで成立したカオダイ教がどのようにカンボジアへ越境し、カンボジア人の間に広まったかを、1926年から、布教の対象がカンボジア人から在カンボジアのベトナム人、華人へと写ったと言われる1934年までに区切って、主にフランス人やカンボジア人の先行研究を中心にまとめ、その問題点と今後の研究の展望を示した。 

備考(Remarks) 掲載誌名と同様の課題名を持つ科学研究費補助金の最終報告書(代表者・片岡樹京都大学アジア・アフリカ地域研究科准教授)。片岡樹、玉置充子、芹澤知、速水洋子、村上忠良、長谷千代子、吉野晃、小島敬裕、小林知、吉本康子、武内房司、中西裕二らが執筆。 

2012  クオンデのファン・チュウ・チン宛書簡と「サンテ監獄事件」  単著   
東洋文化研究  , 学習院大学東洋文化研究所  , Vol.15  , 51-80  , 2013/03   

概要(Abstract) ベトナム亡命王族クオンデ候の独立運動の経歴のなかで、従来深く研究されてこなかった1913年秋から1914年前半の欧州滞在期の活動を明らかにすることを目的とする。クオンデは、それぞれ英語、フランス語、ドイツ語に堪能なベトナム人を従者としてまずドイツに向かった。「敵の敵は味方」として、フランスのライバルであるドイツに援助を求めたが、要人の誰にも会うことできず失敗に終わった。しかし、同時に祖国を植民地支配したフランスにも働きかけた。フランス滞在中のファン・チュウ・チンにフランスの要人を紹介して欲しい旨、手紙を出したのである。しかし、チンはこの手紙をフランス植民地省に提出し、これはチンはドイツとの通牒者であるとの嫌疑を受ける契機になり、第一次世界大戦勃発直後にチンは逮捕されるに至った。クオンデは前インドシナ総督サローにも手紙を書いている。しかし、この試みは何ら成果をもたらさず、クオンデは1913年末に英国にわたり、翌年中国にも渡るが、1915年、1909年に追放された日本に舞い戻った。クオンデは独立達成のためなら、当の支配国フランスや内心では警戒感を抱いていた中国とも手を結ぶ機会主義的行動を取った。

 

備考(Remarks)  

2010  Vai Tro Hoi Nguoi Cao Tuoi Trong Su Nghiep Xay Dung Que Huong Tinh Bac Ninh. Tinh Tu Tri Lang Xa o Dong Bang Song Hong, Viet Nam  単著   
International Workshop on Village Monagement Culture in Ha Tinh Province  , Ha Tinh Culture, Sports and Tourism Department, Nanzan University and Institute of Vietnamse Studies and Development Scieneces  , 38-45  , 2011/03/15   

概要(Abstract)  

備考(Remarks)  

2010  ベトナムのアーカイブズ-国家文書保存局を訪問して-  単著   
アルケイア  , 南山大学史料室  , 5  , 113-128  , 2011/3   

概要(Abstract)  

備考(Remarks) ベトナムの国家文書保存局と傘下のアーカイブズ、またハノイ国家大学、人文社会大学事務管理及びアーカイブズ学科を訪問した際の見聞や、実際に研究者としてベトナムのアーカイブズを利用した経験をもとに、ベトナムのアーカイブズが作られてきた歴史的経緯、国家政策や制度の変遷、現状などにつき紹介した。 

2005  クオンデ侯と全亜細亜会議長崎大会  単著   
ベトナム 社会と文化  , 風響社  , 7  , 80-109  , 2006/03   

概要(Abstract) 1926年8月1日から、政友会代議士今里準太郎のもとで、全亜細亜民族大会第1回会議が長崎で開催された。アジアの被植民地の解放を訴える大会であったが、台湾、朝鮮など日本の植民地はどうするのかというジレンマを抱えた大会でもあった。クオンデは大会3日まで姿を見せなかったが、大会最終日突然登壇し、ベトナム人の信仰する儒教・仏教は、西洋の博愛、人類愛であること、フランスの横暴などを訴えた。かつての愚民観は演説内容には見られなくなっていた。 

備考(Remarks)  

2005  再来日後のベトナム東遊運動盟主クオンデ候をめぐる日仏植民地帝国の対応と取引  単著   
ベトナムの社会と文化5・6合併号  , 風響社  , 5・6合併  , 115ー150  , 2005/10   

概要(Abstract) 本稿は東遊運動盟主クオンデが仏の圧力で日本を退去した後、1915年ごろに再来日を果たし、(1)中国人と偽りながら、日本人に財政的援助を受けながら、学校に通ったり、側近と植民地ベトナムの苦境を訴える言論活動をしていたこと、(2)しかしその活動は、1925年の
日仏の秘密の協定で、日本外務・内務両省が詳細に調べ、フランス側に報告していたこと、(3)長崎で行われる予定の「全亜細亜民族会議に出席をよていしていたことを明らかにした。 

備考(Remarks)  

2003  ベトナム北部における“新郷約”「文化のむら建設規約」制定の過程と国家法との関係  単著   
ベトナムの社会と文化  , 風響社  , 4  , 244‐268  , 2003/03   

概要(Abstract) 1945年の革命以後、ベトナム北部村落が独自に制定していた郷約は
「封建的」社会関係を再編成するとして廃止され、農村では農業合作社の規約がそれに代わった。しかし、計画経済から市場原理を導入する過程で社会関係は、複雑化し、現状に合わなくなった。このような状況で、村落側は自発的に45年以前の郷約を実状に合わせて復活した。国家の側は、県、省レベルでシンポジウムを開催してそれを検証し、未整備である国家法の補助手段とすることを容認した。開放政策ドイモイに見られる農民側のイニシアチブを、国家が「社会主義市場経済」の枠内で容認するというパターンがここで行われたことを示し、きっかけになったむらの「新郷約」を訳出し開設を加えた。 

備考(Remarks)  

2002  ベトナム北部・紅河デルタ村落における村落運営とリーダー選出−農業合作社大会と主任及び管理班選挙  単著   
南方文化  , 天理大学南方文化研究会  , 29  , 21−42  , 2002/11   

概要(Abstract) ベトナム北部紅河デルタ農村では、集団耕作を放棄した後も、農業合作社が伝統的村落の枠組みを通じて、社会組織として、自前の財源で村落を運営している。2年に1度選ばれる合作社主任及び管理班選挙を人類学的に参与観察することにより、むらびとの意思が最優先され、共産党の政治的関与がそれに劣ることを明らかにした。 

備考(Remarks)  

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その他研究業績
年度
Year
題名等
Titles
カテゴリ
Category
細目
Authorship
掲載雑誌名等 Publishing Magazine,発行所 Publisher,巻/号 Vol./no.,頁数 Page nos.,発行年月(日) Date
2009  「兄弟党時代のベトナム党のマラヤ共産党との関係の一側面  口頭発表  その他 
南山大学アジア・太平洋研究センター  , 南山大学アジア・太平洋研究センター  , 2009/06   

概要(Abstract) 内容は以下の通り
1.ベトナム側では最近、マラヤ共産党員のインドシナ戦争への貢献への評価が高まっており、外国人部隊に関する回想記や新聞のインタビューなどが著されている。それらによると少なくとも4人のマラヤ共産党員が外国人部隊に参加した。
うち一人は、2005年段階でもベトナムに生存していた。
2.通説では、マラヤ共産党書記長で、イギリスや日本のスパイであったライテクについて、ソフィー・クイン-ジャッジの研究から、チュオン・フオック・ダットというベトナム華人で1930年代初めにフランス植民地当局に逮捕された人物がそれにあたるのではないかという説を紹介した。 

備考(Remarks) 同センター主催の「原不二夫著『未完に終わった国際協力−マラヤ共産党と兄弟党』を読み解く」で口頭発表した。
発表者コメンテーターは以下の通り。
村嶋英治、蔡毅、小林寧子、中村元哉 

2006  ベトナムに関する日本人類学研究の総括と現地への発信  科研報告書  単著 
研究代表者 末成道男  , 345  , 2006/07   

概要(Abstract) わが国におけるベトナムの人類学的研究が急成長を遂げているものの、相互交流が十分でなく、分散しかねない現状に鑑み、研究会を組織して、その活動を通じて、成果を集約しまとめたものである。ベトナムに関する人類学的研究主要業績目録に解題を附し、地域や民族などテーマごとに研究レビューを執筆し、ベトナム語訳を付け、一冊にまとめて本報告書とするともに、データベースを作成し
インターネットを利用してベトナムや、その他の世界に発信することを試みた。宮沢んは北部キン族研究の解題と参考文献リストの日本語部分(pp23−29 

備考(Remarks) 末成道男以下計31名執筆 

2005  Hoat Dong Chong Phap cua Nguoi Viet Nam Sau Phong trao Dong Du That Bai  国際学会発表  その他 
ハノイ国家大学(ベトナム)  , 2005/11   

概要(Abstract) 「東遊運動瓦解後の在日べトナム人の抗仏活動」(東南アジア史学会 於 愛知大学)と、ほぼ同内容をベトナム語で発表した。多くの参加者が知らない新事実だったので、議長報告で2回言及されるなど、新しい論点を提示できて有意義であった。 

備考(Remarks)  

2005  Jourenys of Body, mind and spirit  書評  単著 
Asian Folklore Studies  , Nanzan University Anthropolojical Institute  , LXV-2  , 337-338  , 2005/10   

概要(Abstract) 本書は1975年のベトナム戦争終結以来はじめての、米越両国の人類学博物館の共同作業を通じて、ベトナムの民俗や少数民族を紹介した本である。その意味で非常に意義あるものである。写真やイラストはどれも美しく、魅力的で、文章とともにベトナムの生活を生き生きと描いている。戦争のことは極力ふれられていないが、例えば戦争で行方知らずになった夫、兄、父を祈祷師に探させるようなことが家族によって行われていることや、中部高原の土地争いの遠因は米軍が戦争中、民族間の離反を引き起こそうと少数民族ゲリラを養成しようとした。 

備考(Remarks)  

2005  20世紀ベトナムの民間「大同理想」について  国際学会発表  その他 
アジア国際民俗学会  , ベトナム文化研究院  , 2005/09   

概要(Abstract) 大同は『礼記』の礼運編に出てくる中国古来のユートピアであるが、19世紀半ばの太平天国で中国の知識人たちに受入れられるようになった。その際、『礼記』が『春秋』と結び付けられ、西洋の進歩史観の中国語版が生まれた。一方、ベトナムでは、1907年の「大同経寳」を見る限り、『易』や朱子学と結びつけられ、尭舜の世が理想化されており進歩史観は見られない。しかし、中国では民衆が革命の際に、大同を社会主義と結びつけていないが、ベトナムでは知識人から、名も無い村人も大同=社会主義と理解した。 

備考(Remarks)  

2005  東遊運動後の在日ベトナム人の抗仏活動  講演  その他 
東京外国語大学  , 2005/04   

概要(Abstract) 1907年の日仏協約で、東遊運動で来日した日本人はほとんど、日本を追われたが、クオンデや陳福安らごく一部は日本にとどまったたまま、中国人と偽って、東京大學や早稲田大学で勉学を続けたり、「全亜細亜民族会議」に参加して、言論でフランスの植民地政策を批判するなど、ひそかに活動を続けるなどしていたことを日本外務省史料で明らかにした。 

備考(Remarks) 東京外国語大学主催東遊運動100周年記念シンポジウム 

2004  ベトナムの土地問題  発表採録  その他 
文部科学省科学研究費特定領域研究  , 文部科学省科学研究費特定領域研究(司法改革班)  , Working paper 8  , 32  , 2004/07   

概要(Abstract) ベトナムの土地法が改正されるにあたって、どのような司法的問題が生じ、この研究結果からどのような助言ができるかという問題意識を前提に、実情報告として、宮沢の調査村の土地運用の独自の方法を紹介した。コメントでは、ベトナムの土地政策が社会保障と土地の商品化の間で揺れ動いていること、地方差が大きく、地方語との対応が必要とされていること、他の旧社会主義国との比較の視点から多くの論点が出された。 

備考(Remarks) 2003年11月1日に行われた発表、コメント、討論の採録 

2004  重点プロジェクト「伝統と法」に関する研究報告・ベトナム法整備と伝統法  採録  その他 
アジア法整備支援 体制移行国に対する法整備支援のパラダイム構築  , 教育協力研究センター  , 43‐45、51ー56  , 1901/01   

概要(Abstract) 前項発表の要旨と質疑応答の採録 

備考(Remarks)  

2003  ベトナムの郷約と日本におけるベトナム郷約研究  発表採録  単著 
名古屋大学法整備支援研究会報告集  , 名古屋大学法政国際教育協力研究センター  , 167-172  , 2003/06   

概要(Abstract)  

備考(Remarks)  

2003  「ベトナム法整備と伝統法」  発表  その他 
名古屋大学法政国際協力センター  , 2003/02   

概要(Abstract) 現在、ベトナム国家は、「法治国家」実現のために、村落の伝統法である「郷約」を国家法の補助手段として積極的に利用しようている。実は郷約の再編は1980年代後半に、むらレベルの下からの動きとして起こってきたものであって、国家はそれを追認したことになる。しかし、それですべての問題が解決したのでないことも示した。 

備考(Remarks) 2002年度科学研究費補助金特定領域研究「アジア法整備支援」プロジェクト 

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研究発表
年度
Year
題目又はセッション名
Title or Name of Session
細目
Authorship
発表年月(日)
Date
発表学会等名称 Name, etc. of the conference at which the presentation is to be given, 主催者名称 Organizer, 掲載雑誌名等 Publishing Magazine,発行所 Publisher,巻/号 Vol./no.,頁数 Page nos.
2016  ゾミア論再考―フモン族の反乱・メシアニズムの視点から  単独  2016/09/30 
ゾミア研究会  , ゾミア研究会   

概要(Abstract) James Scottのいわゆるゾミア論に関して、発表者が関心を抱いているフモン族の事例から再考と反論を試みた。 

備考(Remarks) 於京都大学東南アジア研究所 

2016  Rethinking Vietnamese Women's Property Rights and the Role of Ancestor Worship in Premodern Society: Beyond Dichotomiesとその後の展開  単独  2016/05/15 
日本ベトナム研究者会議2016年度前期研究大会  , 日本ベトナム研究者会議   

概要(Abstract) Kato Atsufumi (eds.).Weaving Women's Spheres in Vietnam- The Agency of Women in Family, Religion, and Community(Brill 2015).の合評会。発表者は他に加藤敦典、伊藤まり子。コメンテーターは速水洋子。本書に所収の拙稿とその後の研究成果を発表した。 

備考(Remarks) 於東京大学駒場キャンパス。 

2015  逐次刊行物総合目録データベース作成によるベトナム研究者間の地域研究情報共有化に向けて  単独  2016/02/26 
共同利用・共同研究拠点「東南アジア研究の国際共同研究拠点」  , 京都大学東南アジア研究所   

概要(Abstract)  

備考(Remarks)  

2015  ベトナム女性の伝統的財産権と祭祀財産相続  単独  2015/08/02 
百越の会  , 百越の会   

概要(Abstract) ベトナム女性の伝統的財産権と祭祀財産の相続については、従来、男女均分相続規範の存在が言われてきたが、21世紀に入ってから、これをフランス植民地主義者が創りだした言説であるという主張が起こってきた。本発表ではこうした言説批判的研究に反論するとともに、ベトナム女性の伝統的財産権を実際の相続事例に基づいて論じた。さらに祭祀財産については、従来の香火田のみの研究を批判し、女性が頻繁に相続し、母方親族に対して設定されることも多い忌田に注目すべきことを指摘し、忌田の相続事例を分析した。 

備考(Remarks) 於国立民族学博物館 

2014  「博士論文『ベトナム北部村落構造の歴史的変化』(1907-1997)とその後」  単独  2014/05/31 
科学研究費基盤研究「アジア農業金融研究のパラダイム転換に向けて」発表会  , 同上   

概要(Abstract) 博士論文の内容と博士論文提出(1999年5月博士号取得)以降の調査村の変化について発表した。省都に編入され、近隣に外国企業も入る工業団地が生まれて若者が労働者として通勤するようになった。農業政策が変わり、行政的な機能を持っていた農業合作社の比重が低下して、インフラ投資も博士論文調査時代に比べ活発ではなくなった。代わりに村長や行政村が形式的に整備されるようになったが、財源は無い。このような状況下で
自前の豊富な財源を持ち、インフラ投資を行ったのは村の老人会であった。老人会は村内の仏教時や村の守護神の神社を管理し、布施や宗教儀礼をおこなう者が納める手数料などを財源にした。その財政規模は2007年には行政の財政規模の2倍を超えていた。一方、農業振興策としての農村金融組織は、収入源としての農業の比重が低下したことにより、未整備であった。農業経営における家族のあり方も未解明な部分が多い。 

備考(Remarks)  

2013  「前近代ベトナム女性の財産権と祖先祭祀の役割」  単独  2013/07/13 
東南アジア学会中部例会  , 東南アジア学会   

概要(Abstract) 前近代ベトナム女性の財産権については、15世紀の『国朝刑律』に規定された両親の遺言無き場合の男女均分規定が規範となっており、それが双系的家族制度に由来するとされてきた。しかし、21世紀に入り、そのような見方は「植民地時代に創られた神話」としてこれを否定する新説が現れた。報告者はこの新説に対し、単なる法律文の解釈ではなく、実際に作られた遺言書や族譜の祖先祭祀に関する規定などを検討することにより反論を加えた。
すなわち1)男女均分を定めた遺言書が多く存在する、2)中国の資料には全く見られないことであるが、ベトナムでは婚出した娘がや田畑の所有権や使用権を享受するのと引き換えに、実家の祖先崇拝に一定の責任を持つことがおこなわれている。3)その所有権や使用権は、婚出した娘の子孫に継承されることもある。4)完全な意味で双系的ではないが、その要素を持っていると考えられる。 

備考(Remarks)  

2012  Hoi Uc cua Mot Chien Si Samurai Dao Cao Dai  単独  2012年7月1日 
第一回日本カオダイ教研究者会議  , 日本カオダイ教研究者会議   

概要(Abstract) 1945年3月の日本軍によるフランス植民地機構解体(明号作戦または仏印処理)に呼応して、日本軍と行動を共にした「カオダイ教義勇軍神道実践団」員であったX氏の回想に基づき、当時の日本=カオダイ教関係に関してベトナム語で発表した。 

備考(Remarks) 宮沢が受け入れ教員となり、南山大学人文学部で受け入れた日本学術振興会特別研究員Ninh, Thien-Huong氏来日を機会に、日本学術振興会の研究費助成で、第一回日本カオダイ教研究者会議を開催した。高津茂星差大学教授、伊東まり子国立民族学博物館外来研究員、Ninh, Thien-Huong南カリフォルニア大学大学院博士論文提出資格保持者、京都大学大学院博士後期課程北澤直宏氏が6月30日、7月1日いずれもベトナム語または日本語で発表した。 

2005  東遊運動瓦解後の在日べトナム人の抗仏活動  単独  2005/06/04 
東南アジア史学会  , 愛知大学   

概要(Abstract) 東遊運動瓦解後、多くのベトナム人は日本から退去させられたが、盟主クオンデは1915年ごろ、密かに日本に戻っていた。側近の陳福安とともに、中国人と偽ったクオンデは、東大や早稲田大の聴講生になる一方、大川周明の雑誌『日本』などに投稿し、ベトナムの苦境を日本人に訴えた。また、代議士今里準太郎が開催した「全亜細亜民族会議」では最終日に突然登壇し、ベトナムの窮状を救ってくれるよう演説した。 

備考(Remarks)  

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研究助成
年度
Year
助成名称または科学研究費補助金研究種目名
Name of grant or research classification for scientific research funding
研究題目
Research Title
役割(代表/非代表)
Role
助成団体
Granting body
助成金額
Grant amount
2016  南山大学パッヘ研究奨励金I-A-1  朝鮮との比較の視点から見たベトナム女性の伝統的財産権と祖先祭祀上の地位 
代表    100万円 

研究内容(Research Content)  

備考(Remarks)  

2015  東南アジアの国際共同研究拠点  逐次刊行物総合目録データベースによるベトナム研究者間の地域研究情報共有化に向けて 
代表  京都大学東南アジア研究所  60万円 

研究内容(Research Content)  

備考(Remarks) 2015年度―2016年度 

2014  学習院大学研究成果刊行助成  『西川寛生「サイゴン日記」一九五五年九月~一九五七年六月』 
共編者  学習院大学   

研究内容(Research Content) 風響社、2015年2月20日刊行。 

備考(Remarks)  

2011  科学研究費補助金  東南アジア大陸部における宗教の越境現象に関する研究」 
研究分担者  文部科学省   

研究内容(Research Content)  

備考(Remarks)  

2010  学習院大学東洋文化研究所特定研究プロジェクト  戦前日本のアジア研究とアーカイブズ 
客員研究員  学習院大学東洋文化研究所   

研究内容(Research Content) 研究助成 

備考(Remarks) 日本の代表的イスラムおよびアジア研究者である大川周明は、戦前・戦中、陸軍、外務省、満鉄から資金供与を受け、将来「アジアの解放」のために、現地の人々と起居を共にして活動する人材を育成するために、通称「大川塾」を主宰し、傍観者的な学術研究で無く、現地の状況に直接関与する人材の育成に努めた。卒業生はアジア各地で活動し、戦後もアジアにかかわり続けた者も多い。本プロジェクトでは、そのうち、ベトナムに終生かかわり続けた西川捨三郎氏が残された日記の解読を中心に、関係者のインタビューなどを行い、なかなか明らかでなかった同塾の実態を明らかにする。 

2010  科学研究費補助金  東南アジア大陸部における宗教の越境現象に関する研究 
研究協力者  文部科学省  1781万円 

研究内容(Research Content) 研究助成 

備考(Remarks) 標題のテーマに沿い、植民地期ベトナム南部に生まれ、儒教・道教・仏教・キリスト教・イスラム教など全ての宗教を統一するユニバーサルな思想を持ち、フランスやカンボジアなどでの布教に熱心でありながら、一方では植民地解放を求めて武装して、フランス、アメリカ、共産党勢力とも闘うナショナリスティックな両極端の側面を見せてきたカオダイ教に関して研究した。具体的には、2011年3月8日から30日まで、ハノイの公文書館や書店で資料収集、カオダイ教理普及機関、ミンチョンダオ後江聖座、タイニン総本部を訪問し、資料収集や今後の協力体制について話し合った。 

2007  植民地東アジアの民衆宗教の伝播と交流ー情報メディアの分析  科学研究費補助金(基盤研究(B)) 
非代表者  日本学術振興会   

研究内容(Research Content) 研究助成 

備考(Remarks)  

2006  南山大学パッヘ研究奨励金I-A-2  戦前戦中の日本のアジア臨地調査と戦争の関係 
代表者     

研究内容(Research Content) 研究助成 

備考(Remarks)  

2004  南山大学パッヘ研究奨励金I-A-2  「親日派」ベトナム民族主義者にとっての「民族」「国民」「文化」 
代表者     

研究内容(Research Content) 研究助成 

備考(Remarks)  

2002  『東アジアの系譜資料の比較研究』  ベトナムの族譜研究 
非代表者  日本学術振興科学研究費補助金(基盤研究B)会   

研究内容(Research Content) 研究助成 

備考(Remarks)  

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教育活動
年度
Year
タイトル
Title
内容等
Content
活動期間
Period of Activities
2016  文化人類学概論B 

昨年度のプリントを改善し、さらに新たな項目を追加した。学修の程度をはかるために、課題を出して、授業内容のまとめをさせ、回収して理解度をチェックした。プリントを返却して、理解不足と思われた点を再度説明した。試験の結果は昨年度より不可者の割合が減少した。 

2016/09~2016/01 
2016  東南アジアの歴史と文化(ベトナム社会研究) 

第1次インドシナ戦争から第3次インドシナ戦争については、各国の同盟関係や敵対関係が、時代によって推移するのでわかりにくい。受講生が頭を悩ませるところである。そこで、プリントに従って講義した後、岩波書店講座東アジア近現代史所収の関連論文をプリントで配布し、独自に作成した「インドシナ戦争理解のポイント」に従って、受講生に各自まとめをさせた。さらに授業で解説を施した。定期試験の結果で、理解が深まっていることがわかった。 

2016/04/01~2016/07/31 
2015  人類文化学基礎演習Ⅱ 

 1年次生の基礎演習において、レポート作成指導をおこなった。1.レポートをどのように書くかを説明し、2.レポート内容に関して学生1人1人に対して、学生自身が書いたレポート内容に関して1人5分程度の指導をおこない、3.提出されたレポートを読んで、再提出が必要な学生に対して指導し、4.採点後の春休み中に全員に個別の指導をおこなった。 

2015/9~2015/3 
2010  体験入学会模擬授業 

南山大学、特に人類文化学科に関心を持つ高校生、受験生に文化人類学の立場から模擬授業をおこなった。宮沢が専門に研究しているベトナムの民間信仰を事例に、人類が個別の文化を持つこと、その文化に優劣は無く、尊重されるべきこと、同時に人類は普遍的な文化を持つことを解説した。 

2010/11 
2010  研究室訪問授業 

私立名古屋高校の「大学研究室訪問」で、同校生に対し「ベトナムの民間信仰」という題目で、人類文化学や文化人類学の紹介し、またベトナムの民間信仰について、映像資料などを使いながら、授業を行った。特に文化人類学の基本的概念である文化相対主義について解説した。名古屋高生の関心は高く、文化相対主義に関する鋭い質問もあった。なごやかな中にも真摯な雰囲気の中でおこなわれた良い授業であったと思う。 

 
2006   

「ベトナム文化研究」「ベトナム社会研究」「東南アジアの歴史と文化」科目では、日ごろ学生が触れる機会が少ない東南アジアやベトナムの映画、ドキュメンタリーを見せて、講義に臨場感を持たせるよう努力した。また、覚えにくい東南アジアの大地図を使い、場所を確認しながら、講義をすすめたことが、好評だった。
 

 
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研究活動/社会的活動
年度
Year
活動名称
Name of activities
活動期間
Period of Activities
2016  多治見西高等学校附属中学校模擬授業  2016/06/22 

活動内容等(Content of Activities) 同校が「社会科見学」の一貫として南山大学を訪問されたのに伴い、「大学で何をどう学ぶかー文化人類学のすすめ」と題し、模擬授業をおこなった。於南山大学人類学博物館。中学生19名、引率教諭2名。 

2015  東海南高校「総合的学習の時間」  2015/11/12 

活動内容等(Content of Activities) 進路指導の一貫としての模擬授業を「ベトナムの文化と暮らし」という題目でおこなった。ベトナムの概況、葬式を例に取ったベトナムと日本の文化の違い、異なる文化を異質と切り捨ててしまわずに、異なるからにはその社会や民族なりの理由があることを理解し、異文化を尊重する「文化相対主義」的な視点が現代社会を生きる上で大切であることを述べた。 

2014  研究発表  2014/10/31 

活動内容等(Content of Activities) 「アジア・アフリカにおける宗教と統治研究会」(研究代表者・宮沢千尋)発表

題目「20世紀末のゾミア?ベトナム・フモン族の“王僭称運動”」(2014年10月31日発表) 

2014  「アジア・アフリカにおける宗教と統治研究会」  2014/08~ 

活動内容等(Content of Activities) アジア・アフリカ地域を研究する大学院博士後期課程学生(京都大学アジア・アフリカ地域地域研究科2名、南山大学大学院人間文化研究科1名)と、当該地域に関する研究発表を行う回である。2014年度は8月、12月、1月の3回研究会を行った。このテーマに関心を寄せる南山大学人文学部人類文化学科生2名、外国語学部フランス学科生1名の参加があった。 

2011  博士論文外部審査委員  2012/01/19 

活動内容等(Content of Activities) 国立民族学博物館総合研究大学院大学論文博士外部審査委員(伊藤まり子『カオダイ教ハノイ聖室の民族誌的研究―ベトナム北部地域の都市における女性たちの社会関係―』) 

2011  コメンテーター  2011/12/17-2011/12/18 

活動内容等(Content of Activities) 京都大学GCOE次世代研究ユニット「ベトナム人女性にとってのオルタナティブな親密圏の構成原理に関する人類学と社会学の国際共同研究」の国際ワークショップAlternative intimate spheres for women in Vietnamにおけるコメンテーター 

2011  コメンテーター  2011/11/19 

活動内容等(Content of Activities) 国立民族学博物館主催セミナーCurrent Anthropology in Vietnam 

2010  教員免許更新講習会  2010/10 

活動内容等(Content of Activities) 教員免許更新のために南山大学で開かれた講習会で「現代東南アジアの文化」というタイトルで、森部一教授、吉田竹也教授と3人でリレー講義をおこなった。宮沢は「現代ベトナムの文化」について、歴史的な面も考慮に入れて講義をおこない、アンケートでは概ね好評であった。 

2010  日本学術振興会特別研究員(PD)受け入れ  2008-2010年度 

活動内容等(Content of Activities) 日本学術振興会特別研究員(PD)として、大阪大学大学院人間科学研究科博士課程満期退学の加藤敦典氏を3年間受け入れた。加藤さんは、2009年に大阪大学大学院で博士号を取得し、2010年には学術振興会の優秀研究者派遣でカナダで研さんを積まれ、2011年3月には、博士論文のフィールドであったベトナムのハティン省で地方行政に関する国際ワークショップを、南山大学とハノイ大学、ハティン省の主催で行った。同ワークショップはベトナムのマスコミなどにも注目された。総じて、加藤氏の南山大学での活動は成果を挙げたと言える。 

2009  コメンテーター  2009/10/17 

活動内容等(Content of Activities) 国際シンポジウム「越境する東アジアの民衆宗教〜移動・変容・交流」(於学習院大学)チャン・ホン・リエン報告に対するコメンテーター 

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著書・学術論文に関する統計情報
年度
Academic Year
学術研究著書の件数
No. of Academic Books
学会誌・国際会議議事録等に掲載された学術論文の件数
No. of Academic Articles in Journals/Int'l Conference Papers
学内的な紀要等に掲載された学術論文の件数
No. of Academic Articles Pub'd in University Bulletins
学会受賞等の受賞件数
No. of Academic Awards Received
国際学会でのゲストスピーカーの件数
No. of Times as Guest Speaker at Int'l Academic Conferences
国際学会での研究発表の件数
No. of Presentations of Papers at Int'l Academic Conferences
国内学会でのゲストスピーカーの件数
No. of Times as Guest Speaker at National Academic Conf.
国内学会での研究発表の件数
No. of Papers Presented at National Academic Conf.
2016 
2015 
2014 
2013 
2012 
2011 
2010 
2009 
2008 
2007 
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2017/04/13 更新