研究者詳細

教職員基本情報
氏名
Name
中田 晶子 ( ナカタ アキコ , NAKATA Akiko )
所属
Organization
外国語教育センター外国語教育センター
職名
Academic Title
教授
個人または研究室WebページURL
URL
http://www10.plala.or.jp/transparentt/
専攻分野
Area of specialization

英米文学、アメリカ文化

学会活動
Academic societies

International Vladimir Nabokov Society 会員(1996.01--現在 )
Modern Language Association of America 会員(1997.07--現在)
Nabokov Online Journal (International Vladimir Nabokov Society, Princeton U, USA)編集委員(2006.12--現在 )

名古屋大学英文学会 会員 (1980.04--現在、2005.04--2009.03 編集委員)
日本アメリカ文学会 会員 (1984.10--現在、1992.04--1997.03 中部支部運営委員、2000.04--2002.03, 2020.04--2022.03 中部支部編集委員(2021年度編集長), 2011.04--2014.03, 2018.04--2021.03 中部支部幹事)
日本英文学会 会員(1987.10--現在)
日本ナボコフ協会会員、運営委員(1999.04--現在、2002.04--2004.03 事務局、2017.04--2019.03, 会誌編集委員(2018年度編集長))
21世紀COEプログラム(京都大学大学院)「グローバル時代の多元的人文学の拠点形成」「翻訳の諸相」研究員(2002.11--2007.03)
International Nabokov Conference in Kyoto 2010 準備・運営委員(2007.09--2010.03)

著書・学術論文数
No. of books/academic articles
総数 total number (54)
著書数 books (10)
学術論文数 articles (44)

出身大学院
大学院名
Grad. School
修了課程
Courses
   Completed
修了年月(日)
Date of Completion
修了区分
Completion
   Classification
名古屋大学大学院文学研究科英文学専攻 博士後期課程  1985年03月  単位取得満期退学 
詳細表示
取得学位
   
学位区分
Degree
   Classification
取得学位名
Degree name
学位論文名
Title of Thesis
学位授与機関
Organization
   Conferring the Degree
取得年月(日)
Date of Acquisition
修士 文学修士    名古屋大学大学院文学研究科英文学専攻博士前期課程  1982年03月 
学士 文学士    立教大学文学部英米文学科  1979年03月 
詳細表示
研究経歴
長期研究/短期研究
Long or Short
   Term research
研究課題名
Research Topic
長期研究  祖国喪失作家の主体形成 

概要(Abstract) Vladimir Nabokov, Lawrence Durrell, Jean Rhysを中心に20世紀の祖国喪失作家の主体形成の問題をテクストから考察する。
 

短期研究  Vladimir Nabokovの小説に隠された分析哲学者の研究 

概要(Abstract) Nabokovの作品における死、異界、語りえぬもの等の主題に関して、Ludwig WittgensteinとG. E. Mooreの論考を中心に比較考察する。 

短期研究  Vladimir Nabokovの異界 

概要(Abstract) Vladimir Nabokovのテクストに隠されつつ示され続けた異界テーマの表象と機能を考察する。
 

詳細表示
著書
年度
Year
著書名
Title of the books
著書形態
Form of Book
NeoCILIUS
   請求番号/資料ID
Request No
出版機関名 Publishing organization,判型 Book Size,頁数 No. of pp.,発行年月(日) Date
2021  Vladimir Nabokov and Analytic Philosophy: The Proceedings of the International Symposium  共編著   
The Nabokov Society of Japan  , 未設定  , 134p.+5p.  , 2022/03   

概要(Abstract) 「Vladimir Nabokovと分析哲学」をテーマに、文書提示Web開催の形式で2021年5月15日~6月20日まで日本ナボコフ協会の年次大会プログラムとして実施された国際シンポジウムの全記録である。
 中田は司会と報告を担当し、ゲストスピーカーにBrian Boyd教授(U of Auckland)とZoran Kuzmanovich教授(Davidson College)を、ゲストコメンテーターに小山虎講師(山口大学)を迎え、NabokovとKarl Popper, Gregory Currie, Ludwig Wittgenstein, G. E. Mooreについて論じた。Nabokovと分析哲学を扱ったシンポジウムは、世界で初の試みである。
 スピーカーのペーパーのみならず、コメンテーターのコメントとスピーカーとの議論、フロアからの質疑と応答のすべてを文書提示で行ったため、非常に充実したシンポジウムとなった。プロシーディングスにはそのすべてを収録し、日本ナボコフ協会会長沼野充義教授(名古屋外国語大学)のForewordと編集を担当した中田のAcknowledgmentsを加えた。
  

備考(Remarks) この研究は、JSPS科研費 JP19K00410の助成を受けたものである。  

2019  Vladimir Nabokov and the Fictions of Memory  共著   
Fundacja Augusta hr. Cieszkowskego  , A5  , 349p.  , 2019   

概要(Abstract) 2016年9月にワルシャワで開催されたVladimir Nabokovの国際学会の成果を基に編まれた論集である。Nabokovと記憶をテーマに書かれた15編の論文が収められている。執筆者は、ポーランド3名、ロシア2名、イスラエル2名、オランダ1名、ハンガリー1名、チェコスロヴァキア1名、イタリア1名、アメリカ1名、カナダ1名、オーストラリア1名、日本1名である。“Memories Trick--Memories Mix: Transparent Things" pp.254-73(20p.)を担当した。 

備考(Remarks) 査読あり 

2015  Women in Nabokov’s Life and Art (Critical Perspectives on English and American Literature, Communication and Culture)  共著   
Peter Lang  , B5  , 272p.  , 2016/01   

概要(Abstract)  Vladimir Nabokovの人生と作品における女性をテーマとした論集であり、人生を扱った第1部に5篇の論文、作品を扱った第2部に7篇の論文が収められている。第2部のInaccessible female voicesと題されたセクションの"Narrating her own absence: the narrator and protagonist of 'A Slice of Life'"を担当した。 

備考(Remarks) 査読あり 

2012  境界線上の文学  共編著   
彩流社  , 未設定  , 259 p.  , 2013/03   

概要(Abstract) 名古屋大学英文学会50周年を記念して、英米文学における「境界線」の文化的・歴史的意義を考察した論集である。「移動する境界線」「揺蕩う境界線」「消えゆく境界線」の三部にイギリス文学8編、アメリカ文学4編の計12編の論文を収める。第三部の「消えるディストピア、復元される生-ナボコフの越境」(177-195p.)を執筆した。 

備考(Remarks) 査読あり 

2012  亡霊のアメリカ文学―豊穣なる空間  共著  BB10205496  
国文社  , A5  , 402p.  , 2012/08   

概要(Abstract)  「亡霊」をテーマにアメリカ文学を多面的に読み解く試みで『豊穣なる空間―亡霊のイギリス文学』とペアで出版された。「アメリカン・ゴシックと亡霊」「スピリチュアリズムと亡霊」「ユダヤ系アメリカ文学と亡霊」「エスニックの亡霊」「アメリカン・ナラティブとしての亡霊」の5章に分かれており、18世紀から20世紀の終わりに至るまでの作家・作品を扱った27編の論文が収録されている。執筆担当部分は「見える亡霊、見えない亡霊-ナボコフの異界と父たち」(第2章、112-125頁)。
 

備考(Remarks)  

2012  Short Story Criticism Vol. 163  共著   
Gale  , A4  , 469 p.  , 2012   

概要(Abstract) この本は短編小説の批評のシリーズの1巻であり、Djuna Barnes、環境文学、Vladimir Nabokovの作品についての批評を収めている。拙論"A Failed Reder Redeemed: 'Spring in Fialta' and The Real Life of Sebastian Knight"(pp. 306-18)はNabokovを論じた14編の中の一つであり、Nabokov Studies 11 (International Vladimir Nabokov Society)からの採録である。 

備考(Remarks)  

2011  書きなおすナボコフ、読みなおすナボコフ   共著  BB05744185  
研究社   , A5  , 364  , 2011/06    

概要(Abstract)  ウラジーミル・ナボコフは、ロシア語フランス語英語の三ヶ国語で作品を書き、さらに自作の翻訳を生涯にわたって続けた作家である。翻訳には原作からの様々な改定がほどこされているため、読者は原著者の手になる多数の版を読むことになる。また、さらに多くのナボコフ的テーマが作品全体で変奏、発展されている。ナボコフ自身が語ったように、読者は再読(再々読)によってのみ徐々に作品世界に近づくことができるのであり、自己の読みを改訂し続けることになる。ナボコフ研究も同様である。  
 本書はこのようなナボコフ世界の中心的テーマに取り組んだもので、2010年3月に京都で開催された国際学会に参加した、現在のナボコフ研究をリードする著名な研究者を中心に、日本、アメリカ、フランス、イギリス、ニュージーランド、ロシアからの20名の論者による論集である。
 序文に続く四章、対談、編者あとがき、著作リスト、年賦等からなる。
執筆担当部分は第二章に収められた「心霊的サブテクストを透視する--『透明な対象』」(pp.120-132)。
著者:モーリス・クチュリエ、秋草俊一郎、エレン・パイファー、メドロック皆尾麻弥、若島正、加藤光也、柿沼伸明、リーランド・ド・ラ・デュランタイ、中田晶子、マイケル・ウッド、他11名


 

備考(Remarks) 2010年に京都で開催された国際ナボコフ学会のプロシーディングス_Revising Nabokov Revising"(Kyoto U, 2010)に掲載された"Some Spiritual Subtexts Hidden in Transparent Things (169-174)に加筆修正を行なった論文である。
 

2009  Ivy Never Sere  共著  BA89847139  
音羽書房鶴見書店  , B5  , 555 p.  , 2009 03   

概要(Abstract) 担当部分”Some Subtexts Hidden in Nabokov’s Transparent Things,”Part Two: American Literatureを執筆した。これは2005年(平成17)年に南山短期大学紀要に発表した「物語の地下水脈—Transparent Things」の内容に修正を施し、英訳したものであり、ナボコフの小説『透明な対象』(1972)に隠されたテーマ、モチーフの系譜をサブテクストの中に探るものである。  

備考(Remarks) 名古屋大学英文学会創立50周年を記念して出版された論集であり、英文学の論文11篇、米文学の論文4篇、英語学の論文18篇を収める。
Editors: Mutsumu Takikawa, Masae Kawatsu, Tomoyuki Tanaka
査読あり 

2007  ナボコフ訳注『エヴゲーニイ・オネーギン』」注解  共著   
京都大学大学院文学研究科  , A5  , 519 p.  , 2007/03   

概要(Abstract) アレクサンドル・プーシキン作『エヴゲーニイ・オネーギン』のウラジーミル・ナボコフによる翻訳・注釈について、4年にわたるCOEプログラムの共同研究の成果として注解と論考をまとめた。他に国際シンポジウムの特別講演(Julian Connolly、川端香男里)を収める。
担当部分:第一部 注解(p. 33-46, 226-241, 337-339, 351-353)、第二部 論考「プーシキンの外国語とナボコフの奇妙な関係」(p. 388-393)、"The Strange Case of Pushkin as a Polyglot and Nabokov" (p. 434-439). 

備考(Remarks) 京都大学21世紀COEプログラム「グローバル化時代の多元的人文学の拠点形成」「『翻訳』の諸相」研究会(秋草俊一郎、芦本滋、柿沼伸明、小西昌隆、鈴木聡、中田晶子、三浦笙子、皆尾麻弥、吉川幹子、若島正(リーダー)、他1名)、他2名 

2002  (翻訳)透明な対象  共訳  4-336-04029 
国書刊行会  , A5  , 207  , 2002/11   

概要(Abstract) Vladimir Nabokovの晩年の小説Transparent Things(1972)を京都大学の若島正教授と共同で翻訳した。 

備考(Remarks) 30頁にわたる注釈を執筆した。 

詳細表示
学術論文
年度
Year
論文題目名
Title of the articles
共著区分
Collaboration
   Classification
NeoCILIUS
   請求番号/資料ID
Request No
掲載誌名 Journal name,出版機関名 Publishing organization,巻/号 Vol./no.,頁数 Page nos.,発行年月(日) Date
2023  失われたもの,伝える者―ナボコフの初期短篇小説に登場する超自然的存在について  単著   
『アカデミア』文学・語学編  , 115号  , pp. 115-159  , 2024/02/21   

概要(Abstract) 超自然的存在が登場するVladimir Nabokovの初期短篇小説6篇を取り上げ、それらの存在の表象や語りの技法について、後に書かれた作品との関連をも含めて論じるものである。この6篇は、ロシア革命に追われて亡命したナボコフが、イギリスでの学生時代とベルリンで執筆に励んでいた新人作家時代を含む1920年代に執筆した短篇30篇の一部であり、森の精、天使、雷神、ドラゴン、悪魔が登場する。以降の作品からは、こうした超自然的存在は完全に姿を消す。これら初期の短篇は、論じられる機会が少ないが、一作ごとに異なる技法を試みており、若い時代の習作と簡単に片付けることのできない内容を備えている。ナボコフの創作の源泉に存在する喪失とその語りを一つの軸として、各作品における超自然的存在の意味を考える。 

備考(Remarks)  

2022  Joyce Echoes in Murakami (and Vice Versa): “The Dead” and “Kino”   単著   
『アカデミア』文学・語学編  , 南山大学  , 113号  , pp. 121-139  , 2023/01   

概要(Abstract)  本論は、2019年6月にメキシコ・シティで開催されたJames Joyceの国際学会における研究発表に大幅に加筆修正を施した論文であり、James Joyce の“The Dead”と村上春樹の「木野」を比較対照的 に読む試みである。“The Dead”と「木野」 の間に直接的な影響関係があるとの断定はできないが,両作品における作家 と主人公の関係や語り手の姿勢,さらに主題に関わる問題―妻の裏切りと沈 黙,結末に降る雪と雨の両義性,自らは与り知らぬところで主人公に援助を 与える存在―に関して類似が見られる。本論では,それらの類似と類似にお ける差異を論じ,一つの作品を読んだ読者の体験がもう一つの作品の読みに与える影響とそこから生じる新たな読みの可能性について考察した。 

備考(Remarks)  

2020  変奏と変装―Transparent Thingsの固有名詞  単著   
『アカデミア』文学・語学編   , 南山大学  , 109号  , pp. 163-181  , 2020/01   

概要(Abstract) Vladimir Nabokov(1899-1977)の晩年の中篇小説Transparent Things(1972)において、物語の背景や地下に隠れ、互いに関連し合って秘かに重要なテーマ群を形成する要素の一つである固有名詞に着目し、いかに機能しているかを考察する。中心となる固有名詞は、Hugh PersonとJulia Mooreである。それらがヴァリエーションを生み出し、時には他の作品と間テクスト的な関係を作りつつ、小説内にテーマを作り出し、プロットを動かし、場面の意味を明らかにすることを示す。 

備考(Remarks) この研究は、JSPS科研費 JP19K00410の助成を受けたものである。  

2018  Do Replicants Dream of Zembla? -- Blade Runner 2049 試論  単著   
『アカデミア』文学・語学編  , 南山大学  , 第105号  , pp. 55-82  , 2019/01   

概要(Abstract) Denis Villleneuve監督による映画Blade Runner 2049 (2017)は、SF以外の文学作品とハリウッド以外の映画作品への親近性を特徴としている。本稿では、特に重要な役割を果たしているVladimir NabokovのPale Fireを中心に、同映画におけるNabokovの作品や主題の持つ意味を中心に論じた。 

備考(Remarks)  

2017  自らの不在を語る―"A Slice of Life"の語り手兼主人公  単著   
南山大学短期大学部紀要(旧 南山短期大学紀要)  , 南山大学短期大学部  , 39号  , pp. 43-60  , 2018/03/19   

概要(Abstract) Women in Nabokov’s Life and Art (Critical Perspectives on English and American Literature, Communication and Culture)に収録された論文に大幅な加筆と誤植の修正を施した日本語版である。Nabokovの全作品中唯一である女性の語り手兼主人公を論じたものである。語数制限のために英語版では割愛した議論を加えると共に、用語や論の構成にも手を入れ、より充実した論をめざした。 

備考(Remarks)  

2016  Veenの血脈  単著   
KRUG  , 日本ナボコフ協会  , Vol. 9  , 52-57  , 2017/03/01   

概要(Abstract) 2015年の学会報告に基き、 Vladimir Nabokov後期の大作Adaにおいて最も長い章である第1部第38章を取り上げ、作品全体に及ぶテーマである血統の問題とその語りの問題を扱った。作品の前景となっている主人公二人の関係以外に同章で暗示されている複数のインセストの可能性、隠された親子・兄妹関係の可能性について論じた。 

備考(Remarks)  

2015  潜在と顕在―ナボコフにおける父の形象―  単著   
英米文学における父の諸変奏―安田章一郎先生百寿記念論集―  , 英宝社(名古屋大学英文学会)  , pp. 153-177  , 2016/3/20   

概要(Abstract) 安田章一郎名古屋大学名誉教授の百寿を記念して英米文学における「父」を主題に編まれた論集である。安田名誉教授の巻頭エッセイ「父」に続く本編は「父との相克と和解」「問題を抱える父」「変貌する父の表象」「父へと遡る」の4部から成る。
 第2部所収の拙論「潜在と顕在―ナボコフにおける父の形象―」は、自身の父とは対照的にナボコフの長編小説に登場する父がすべて問題のある父ばかりであること、後期の長編2編では奇妙な形で作品に潜在する父がナボコフの創作活動の新たな可能性を示すことを論じている。
 

備考(Remarks) 査読あり 

2014  Ada or Ardor Aquatically -- 水の主題で読む『アーダ』 (1969)  単著   
『アカデミア』文学・語学編   , 南山大学  , 第97号  , pp. 21-48  , 2015/01   

概要(Abstract) ナボコフ後期の大作Ada or Ardor: A Family Chronicle (1969)は、ロシア貴族一族の年代記であるが、様々なジャンルを踏襲し、多方向に複雑に発展する小説である。一見すると老年に達した作家が自由奔放に書いた作品と見えるが、実際は、完成度が高いとされるLolitaPale Fireに勝るとも劣らない緻密さで構成されており、張り巡らされたいくつもの主題の線に沿って作品の細部を詳細にたどることによって初めて作品の構成を理解することができる。本論では、全篇にわたってプロットを動かすと共に収束させる役割を果たしている水の主題を中心に論じる。 

備考(Remarks)  

2013  映画『鳥』(1963)の多義性  単著   
『アカデミア』文学・語学編  , 南山大学  , 第95号  , pp. 41-64  , 2014/01   

概要(Abstract) Alfred Hitchcockによる映画の中で際立って特異な作品であり、毀誉褒貶も極端なThe Birdsを多義性から読み解く。鳥の襲撃の理由、主要登場人物の運命、「不在の父」と3人のMitch、Melanieをめぐるサイレンのイメージ、消えたエンドマーク等の要素それぞれに多義性がからみ、単純なプロットの中に複雑な難解さを生みだすことを示す。 

備考(Remarks)  

2011  The Last Muse Escapes the Text  単著   
Nabokov Online Journal  , International Vladimir Nabokov Society, Dalhousie University  , Vol. V  , pp.1-10  , 2012/3/9   

概要(Abstract) ナボコフ未完の遺作The Original of Laura特集号に掲載されたもの。
死と死に際しての認識の主題に関するTransparent Thingsとの比較、ヒロインとテクストの関連についてTransparent ThingsのArmande、"Spring in Fialta"のNinaと比較し、最晩年の作家の意外な姿勢を明らかにする。
 

備考(Remarks) 査読あり
http://etc.dal.ca/noj/articles/volume5_6/8_Akiko%20Nakata_PDFf.pdf 

詳細表示
その他研究業績
年度
Year
題名等
Titles
カテゴリ
Category
細目
Authorship
掲載雑誌名等 Publishing Magazine,発行所 Publisher,巻/号 Vol./no.,頁数 Page nos.,発行年月(日) Date
2023  『アーダ』読書会年代記  寄稿  単著 
KRUG  , 日本ナボコフ協会  , 第16巻  , 32-40  , 2024/03/31   

概要(Abstract) 日本ナボコフ協会の下部組織である京都ナボコフ読書会(座長:京都大学名誉教授若島正氏)によって1998年から四半世紀にわたって続けられてきた『アーダ』読書会の経緯をまとめたものである。 

備考(Remarks)  

2021  国際シンポジウム顛末記  寄稿  単著 
KRUG  , 日本ナボコフ協会  , 第14巻  , 39-43  , 2022/03/31   

概要(Abstract) 2021年5月~6月に日本ナボコフ協会年次大会のプログラムとしてweb上での文書提示方式により実施された国際シンポジウム"Vladimir Nabokov and Analytic Philosophy"の企画から実施、プロシーディングスの作成に至るまでの報告である。 

備考(Remarks)  

2021  国際シンポジウム 報告要旨 3 Ludwig Wittgenstein and G. E. Moore Hidden in Transparent Things  国際シンポジウム報告要旨  単著 
KRUG   , 日本ナボコフ協会  , 第14巻  , 33  , 2022/03/31   

概要(Abstract) 2021年5月~6月に実施した国際シンポジウムの発表要旨である。 

備考(Remarks) この研究は、JSPS科研費 JP19K00410の助成を受けたものである。  

2021  Annotations to Ada (II-4)  註釈  共著 
2021/05   

概要(Abstract) The Kyoto Reading Circle(『アーダ』読書会)によるVladimir Nabokovの小説Ada(1969)第2部第4章の註釈。
日本ナボコフ協会ホームページ・京都ナボコフ読書会のページ上に掲載。
http://vnjapan.org/main/ada/AdaPart2Ch4.pdf
 

備考(Remarks)  

2020  Annotations to Ada (II-3)  註釈  共著 
2020/10   

概要(Abstract) The Kyoto Reading Circle(『アーダ』読書会)によるVladimir Nabokovの小説Ada(1969)第2部第3章の註釈。
日本ナボコフ協会ホームページ・京都ナボコフ読書会のページ上に掲載。
Auckland大学教授Brian Boyd氏とHebrew大学教授Leona Toker氏によるコメントを含む。
http://vnjapan.org/main/ada/AdaPart2Ch3.pdf
 

備考(Remarks)  

2020  Annotations to Ada (II-2)  註釈  共著 
2020/06   

概要(Abstract) The Kyoto Reading Circle(『アーダ』読書会)によるVladimir Nabokovの小説Ada(1969)第2部第2章の註釈。
日本ナボコフ協会ホームページ・京都ナボコフ読書会のページ上に掲載。Auckland大学教授Brian Boyd氏によるコメントを含む。
http://vnjapan.org/main/ada/AdaPart2Ch2.pdf  

備考(Remarks)  

2019  秋草俊一郎著 『アメリカのナボコフ―塗りかえらえた自画像』  書評  単著 
『アメリカ文学研究』  , 日本アメリカ文学会  , 第56号  , 137, 57-63  , 2020/03/31   

概要(Abstract) 作家ウラジーミル・ナボコフが1940年にアメリカに移住して以来生涯にわたって生み出し続けた「文脈」とその変化を論じた研究書について、アメリカ文学会編集委員会の依頼により執筆した書評論文である。 

備考(Remarks)  

2018  Annotations to Ada (II-1)   註釈  共著 
2018/05   

概要(Abstract) The Kyoto Reading Circle(『アーダ』読書会)によるVladimir Nabokovの小説Ada(1969)第2部第1章の註釈。Auckland大学教授Brian Boyd氏とStrasbourg大学教授Monica Manolescu氏によるコメントを含む。
日本ナボコフ協会ホームページ・京都ナボコフ読書会のページ上に掲載。
http://vnjapan.org/main/ada/AdaPart2Ch1.pdf  

備考(Remarks)  

2017  書評 Leona Toker, Nabokov: The Mystery of Literary Structure  書評  単著 
KRUG  , 日本ナボコフ協会  , 第10巻  , 22-27  , 2017/11   

概要(Abstract) ナボコフ研究における「古典」の一冊、Leona Tokerの研究書 Nabokov: The Mystery of Literary Structure (1989)を評し、現在でも薄れることのないその先進性と力量を明らかにした。

 

備考(Remarks) 日本ナボコフ協会2018年度大会へのToker教授の招聘に向けて主として若い研究者への啓蒙の意義もある書評である。 

2017  Annotations to Ada (24)  註釈  共著 
2017/04   

概要(Abstract) The Kyoto Reading Circle(『アーダ』読書会)によるVladimir Nabokovの小説Ada(1969)第1部第42章の註釈とAuckland大学Brian Boyd教授によるコメント。
日本ナボコフ協会ホームページ・京都ナボコフ読書会のページ上に掲載。
http://vnjapan.org/main/ada/Ada42.pdf  

備考(Remarks)  

詳細表示
研究発表
年度
Year
題目又はセッション名
Title or Name of Session
細目
Authorship
発表年月(日)
Date
発表学会等名称 Name, etc. of the conference at which the presentation is to be given, 主催者名称 Organizer, 掲載雑誌名等 Publishing Magazine,発行所 Publisher,巻/号 Vol./no.,頁数 Page nos.
2024  Agnès Edel-RoyによるAda論 発題  単独  2024/04/06 
京都ナボコフ読書会   

概要(Abstract) 日本ナボコフ協会下部組織である京都ナボコフ読書会(遠隔開催)において、Agnès Edel-RoyによるAda論文“Eutopia in Ada, or the Aesthetic Reconfiguration of
Twentieth-Century Political History: Nabokov’s souci d’eau against Vladimir Lenin’s Electricity”について1時間強にわたり発題をおこなった。
 

備考(Remarks)  

2023  David RamptonによるAda論 発題  単独  2023/11/25 
京都ナボコフ読書会   

概要(Abstract) 日本ナボコフ協会下部組織である京都ナボコフ読書会(遠隔開催)において、David RamptonによるAda論について約1時間にわたり発題をおこなった。 

備考(Remarks)  

2023  Ada or Ardor: A Family Chronicle V. 5-6 発題  単独  2023/04/29 
京都ナボコフ読書会   

概要(Abstract) 日本ナボコフ協会下部組織である京都ナボコフ読書会(遠隔開催)において、Ada or Ardor: A Family Chronicle 第5部第5章と第6章について約1時間にわたり発題をおこなった。 

備考(Remarks)  

2022  Ada or Ardor: A Family Chronicle V. 1-4 発題  単独  2023/03/29 
京都ナボコフ読書会   

概要(Abstract) 日本ナボコフ協会下部組織である京都ナボコフ読書会(遠隔開催)において、Ada or Ardor: A Family Chronicle 第5部第1章から第4章について約1時間にわたり発題をおこなった。 

備考(Remarks)  

2022  Those That Are Hidden in Some Proper Nouns in Transparent Things  単独  2022/06/29 
Hidden Nabokov  , Hidden Nabokov Conference Committee, International Vladimir Nabokov Society   

概要(Abstract)  米国Wellesley大学で行われた国際学会"Hidden Nabokov"(対面、一部ハイフレックス方式:6月15日-19日、遠隔:29日)のサテライトとして実施された遠隔部門で発表した。Nabokovの小説Transparent Thingsに登場するMoore名それぞれの意味と隠れたつながりを論じた。 

備考(Remarks) この研究は、JSPS科研費 JP19K00410の助成を受けたものである。
 

2021  Ludwig Wittgenstein and G. E. Moore Hidden in Transparent Things  単独  2021/05/15--2021/06/20 
2021年度日本ナボコフ協会年次大会 国際シンポジウム  , 日本ナボコフ協会  , Vladimir Nabokov and Analytic Philosophy: The Proceedings of the International Symposium  , 日本ナボコフ協会  , 95-103   

概要(Abstract)  "Vladimir Nabokov and Analytic Philosophy"をテーマに、文書提示Web開催の形式で実施された国際シンポジウムでの報告である。Nabokov晩年の小説Transparent Thingsに隠されたWittgensteinとMooreの存在について論じた。
  

備考(Remarks) この研究は、JSPS科研費 JP19K00410の助成を受けたものである。 

2019  「翼の一撃」発題  単独  2019/08/11 
第5回ナボコフ短篇読書会「移動祝祭日」(A Moveable Feast)  , 主催者: 若島正(日本ナボコフ協会会長)   

概要(Abstract) ナボコフ短篇読書会「移動祝祭日」(A Moveable Feast)は、ナボコフ研究やアメリカ文学研究の枠を超えた文学研究・交流の新たな試みとして日本各地で開催を続けている。第5回目として南山大学で開催された「翼の一撃」の読書会において、発題者として作品のテーマや問題点について約1時間にわたり発表した。 

備考(Remarks)  

2019  "'Dissolving and dwindling' desire: Echoes of 'The Dead' in Mansfield and Murakami"  共同  2019/06/14 
Joyce Without Borders: 2019 North American James Joyce Symposium  , Universidad Autonoma    

概要(Abstract) メキシコ・シティで開催されたJames Joyceの国際学会に参加し、以下の題目で研究発表をした。(共同研究題目)"'Dissolving and dwindling' desire: Echoes of 'The Dead' in Mansfield and Murakami" (個別研究題目)Joyce echoes in Murakami (and vice versa): "The Dead" and "Kino"  

備考(Remarks) 共同研究発表者は、International Vladimir Nabokov SocietyのJournal Editor, Zoran Kuzmanovich教授である。 

2016  Memories Trick; Memories Mix: Transparent Things  単独  2016/09/23 
International Conference: Vladimir Nabokov and the Fictions of Memory  , International Vladimir Nabokov Society, SWPS University   

概要(Abstract) ナボコフ晩年の中篇小説Transparent Thingsにおける記憶の作用を欺瞞、場所への所属、進化、混合に分類して論じた。 

備考(Remarks)  

2015  ワークショップ 『アーダ』第1部第38章を読む  共同  2015/11/21 
日本ナボコフ協会2015年度秋の研究会  , 日本ナボコフ協会   

概要(Abstract) Vladimir Nabokov後期の大作_Ada_において最長の章である第1部第38章を取り上げ、7名の報告者がそれぞれに選択した、作品全体に及ぶテーマについて論じた。テーマは、ドロフォン(水電話)、アンチテラ、血統、スパイ小説、冷戦小説、ロシア文学関連、フランス文学関連である。報告者の一人として、血統をテーマに、作品の前景となっている主人公二人の関係以外に同章で暗示されている複数の近親相姦の可能性について論じた。
報告者:若島正(座長)、三浦笙子、寒河江光徳、メドロック麻弥、後藤篤、Richard Smith、中田晶子。 

備考(Remarks)  

詳細表示
研究助成
年度
Year
助成名称または科学研究費補助金研究種目名
Name of grant or research classification for scientific research funding
研究題目
Research Title
役割(代表/非代表)
Role
助成団体
Granting body
助成金額
Grant amount
2022  科学研究費補助金  Vladimir Nabokovの小説に隠された分析哲学者の研究  
代表  日本学術振興会  1.700,000円(4年間) 

研究内容(Research Content)  

備考(Remarks)  

2021  科学研究費補助金  Vladimir Nabokovの小説に隠された分析哲学者の研究  
代表   日本学術振興会   

研究内容(Research Content)  

備考(Remarks)  

2020  科学研究費補助金  Vladimir Nabokovの小説に隠された分析哲学者の研究  
代表   日本学術振興会   

研究内容(Research Content)  

備考(Remarks)  

2019  科学研究費補助金  Vladimir Nabokovの小説に隠された分析哲学者の研究 
代表  日本学術振興会  1,700,000円(4年間) 

研究内容(Research Content)  

備考(Remarks)  

2019  南山大学パッヘ研究奨励金II-B  (共同研究題目)"'Dissolving and dwindling' desire: Echoes of 'The Dead' in Mansfield and Murakami" (個別研究題目)Joyce echoes in Murakami (and vice versa): "The Dead" and "Kino" 
     

研究内容(Research Content) メキシコ・シティで開催された2019 North American James Joyce Symposium (学会テーマ"Joyce Without Borders")に参加し、上記の題目で発表した。 

備考(Remarks)  

2016  南山大学パッヘ研究奨励金II-B  Memories Trick; Memories Mix: _Transparent Things_ 
     

研究内容(Research Content) ワルシャワで開催された国際ナボコフ学会(テーマ"Vladimir Nabokov and the Fictions of Memory")に参加し、上記の題目で発表した。 

備考(Remarks)  

2002  21世紀COEプログラム(京都大学大学院文学研究科)  (拠点プログラム)グローバル化時代の多元的人文学の拠点形成  
非代表  文部科学省  542,560,000円(拠点プログラムへの助成金額) 

研究内容(Research Content) 京都大学大学院文学研究科の拠点プログラム「グローバル化時代の多元的人文学の拠点形成」(拠点リーダー紀平英作教授)第35班プログラム「翻訳の諸相」第1研究班によるVladimir NabokovによるAlexandre Pushkinの_Evgeny Onegin_の翻訳と注釈に関する共同研究。 

備考(Remarks)  

詳細表示
教育活動
年度
Year
タイトル
Title
内容等
Content
活動期間
Period of Activities
2024  教材作成 

・共通教育科目「日本との出会い」(Q1,Q3)のために、教材と内容理解度をはかるための4回の小試験を、「英語I/IIリーディング」(Q1~Q3)のために内容理解度をはかるための小試験(4回~5回)を、それぞれ作成した。  

2024/04~ 
2023  教材作成 

・共通教育科目「日本との出会い」(Q1,Q3)のために、教材と内容理解度をはかるための4回の小試験を、「英語I/IIリーディング」(Q1~Q4)のために内容理解度をはかるための小試験(3回~5回)を、それぞれ作成した。  

2023/04~2024/01 
2022  教材作成 

・共通教育科目「日本との出会い」(Q1,Q3)のために教材と内容理解度をはかるための小試験を、「英語I/IIリーディング」のために内容理解度をはかるための小試験を、それぞれ作成した。 

2022/04~2023/01 
2021  教材作成 

・共通教育科目「日本との出会い」(Q3)、英語I翻訳(Q4)のために、教材と内容理解度をはかるための小試験を作成した。 

2021/09~2022/01 
2020  教材作成 

・国際教養学部「English Literacy I, II」、
「Advanced Literacy」のために、英文内容理解のための補助教材を作成した。(Q1, Q2)
・共通教育科目「異文化の理解」(Q1)のために、教材と内容理解度をはかるための小試験を作成した。  

2020/04~2020/07 
2019  教材作成 

・国際教養学部 English Literacy I, II,
Advanced Literacyの授業のために、英文内容理解のための補助教材と英単語ドリルを作成した。(Q1, Q2)
・共通教育科目「異文化の理解」(Q3)「英語I翻訳」(Q4)のために、教材と内容理解度をはかるための小試験を作成した。 

2019/04~2020/01 
2018  教材作成 

国際教養学部 English Literacy I, II,
Advanced Literacyの授業のために、英文内容理解のための補助教材と英単語ドリルを作成した。 

2018/04~2018/07 
2017  アクティブ・ラーニングの実践、学生による授業評価 

英語科選択必修科目English Workshop B1においてアクティブ・ラーニングを中心とした授業を実施した。学生による授業評価において項目3から14の平均が4.83の高評価を受けた。秋学期(実施時期は第4クオーターに相当)の授業評価であったが、学生の回答率は96%であった。 

2017/09~2018/01 
2017  教材作成 

「地域文化事情」の授業のための教材を授業計画に即して作成した。  

2017/04~2018/01 
2017  教材作成 

国際教養学部 English Literacy I, IIの授業のために、英文内容理解のための補助教材と英単語ドリルを作成した。 

2017/04/~2017/07/ 
詳細表示
研究活動/社会的活動
年度
Year
活動名称
Name of activities
活動期間
Period of Activities
2014  南山エクステンション・カレッジ公開講座   2014/05/10 

活動内容等(Content of Activities)
名古屋市生涯学習推進センターとの共催事業である南山大学連携講座「実践!学び直しの英語-外国語学習のヒント」(全5回)で「Through the Looking-Glassの読解と音声解釈表現」を担当。ロジックと言葉の遊びに重点を置いた読解の後、その面白さを伝えることを目標にグループで音読練習と発表をおこなった。

 

2008  南山短期大学外国語研究センター定例講義  2008/07/05 

活動内容等(Content of Activities) 「小説と映画の『ロリータ』」

ウラジーミル・ナボコフの小説『ロリータ』(1955)と作家自身による映画用脚本(1974),スタンリー・キューブリックによる映画(1962),エイドリアン・ラインによる映画(1997)を比較検討した。ラインの映画が,原作に忠実な映画化をめざしながら,いかに原作を裏切ってしまっているか,またその反面,小説『ロリータ』の舞台となった1940年代から50年代のアメリカで大流行したノーマン・ロックウェルのイラストレーションのイメージを多用することにより,原作の持つ意味に新たに光を投げかけていることを明らかにすることを試みた。
 

2004  南山短期大学外国語研究センター定例講義  2004/05/08 

活動内容等(Content of Activities) 「タルコフスキーの『鏡』― 水・火・煙と母性・父性」
ソ連時代のロシアの映画作家アンドレイ・タルコフスキーの初期の傑作『鏡』を水・火・煙のイメージによって表現される母性・父性、女性性・男性性の葛藤と、対立項の間に生れる両義性について分析した。
 

1998  南山短期大学外国語研究センター定例講義  1998/12/01 

活動内容等(Content of Activities) 4. 「Lolita film ’62, ‘97」
Vladimir Nabokovの代表作Lolita(1955)は、二度にわたって映画化されている。1962年にStanley Kubrick監督によるモノクロ作品が作られ、1995年にはAdrian Lyne監督によるカラー版が制作された。5000万ドルを投じられたLyne版の映画は、皮肉なことに地元アメリカでは長い間配給会社がつかず、完成後3年近く経過した今秋ようやく上映の運びとなった。Kubrick時代には「信じられない物語」であったpedophilia(子供を対象にした性愛)が、90年代のアメリカでは「隣の家の話」といわれるほど広範囲にわたる深刻な社会問題となったためである。
 二つの映画を比較しながら、小説の映画化の問題を考え、さらにLyne版Lolitaをめぐる言説から現代のアメリカ社会の一面を考察する。
 

1996  南山短期大学外国語研究センター定例講義  1996/05/11 

活動内容等(Content of Activities) 「反復する女―Wide Sargasso Sea(1966)を読む」
ポストコロニアリズム、フェミニズムの観点から近年特に注目されている女性作家Jean Rhysは西インド諸島のドミニカに生まれ、イギリス人とクリオール(南米に移住した白人の子孫)の血を引いている。16歳の時にイギリスにわたり、以後終生ヨーロッパで過ごした。
Rhys最後の長編小説であるこの作品は、ヴィクトリア朝の代表的女性小説Jane Eyreに登場する幽閉された狂女らしき人物を主人公とし、西インド諸島に生まれた美貌で資産家の若い女性が、イギリス人男性との結婚後狂気に陥り、イギリスの屋敷に幽閉され、放火するまでを、彼女の意識、夫の意識の両面から語っている。作品に描かれた、アイデンティティ、男性/女性、奴隷制度、支配するもの/されるもの、イギリス/植民地等、さまざまに入り組んだ問題について語る。
 

1993  南山短期大学外国語研究センター定例講義  1993/07/17 

活動内容等(Content of Activities) 「Through the Looking-Glassについて」

Lewis Carrollの2冊目のアリス物語であるこの本について、ゲーム(言葉遊び、チェス)やNursery Rhymeとの関わりを中心に、Wonderlandとは異質の要素を持つ「鏡の裏側の世界」を探検した。

 

1991  南山短期大学外国語研究センター定例講義  1991/07/20 

活動内容等(Content of Activities) 「The Turn of the Screwを読む」
Henry Jamesが「経済的理由から書いた小品」と呼ぶこの小説は、百年近くが経過した今日まで解き明かせないさまざまな謎や矛盾に満ちている。女性家庭教師の見た幽霊は実在したのかという物語の中心に存在する問題や序文に登場する「私」は誰かという疑問まで、これまでに論じられてきた問題と解釈の主なものを紹介し、その上で、この作品が矛盾しあう指示記号の競合する場として創造されていることを明らかにした。
 

詳細表示
著書・学術論文に関する統計情報
年度
Academic Year
学術研究著書の件数
No. of Academic Books
学会誌・国際会議議事録等に掲載された学術論文の件数
No. of Academic Articles in Journals/Int'l Conference Papers
学内的な紀要等に掲載された学術論文の件数
No. of Academic Articles Pub'd in University Bulletins
学会受賞等の受賞件数
No. of Academic Awards Received
国際学会でのゲストスピーカーの件数
No. of Times as Guest Speaker at Int'l Academic Conferences
国際学会での研究発表の件数
No. of Presentations of Papers at Int'l Academic Conferences
国内学会でのゲストスピーカーの件数
No. of Times as Guest Speaker at National Academic Conf.
国内学会での研究発表の件数
No. of Papers Presented at National Academic Conf.
2024 
2023 
2022 
2021 
2020 
2019 
2018 
2017 
2016 
2015 
詳細表示

2024/09/30 更新