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年度 Year |
論文題目名 Title of the articles |
共著区分 Collaboration Classification |
NeoCILIUS 請求番号/資料ID Request No |
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掲載誌名 Journal name,出版機関名 Publishing organization,巻/号 Vol./no.,頁数 Page nos.,発行年月(日) Date | |||
2023 | 失われたもの,伝える者―ナボコフの初期短篇小説に登場する超自然的存在について | 単著 | |
『アカデミア』文学・語学編 , 115号 , pp. 115-159 , 2024/02/21 | |||
概要(Abstract) 超自然的存在が登場するVladimir Nabokovの初期短篇小説6篇を取り上げ、それらの存在の表象や語りの技法について、後に書かれた作品との関連をも含めて論じるものである。この6篇は、ロシア革命に追われて亡命したナボコフが、イギリスでの学生時代とベルリンで執筆に励んでいた新人作家時代を含む1920年代に執筆した短篇30篇の一部であり、森の精、天使、雷神、ドラゴン、悪魔が登場する。以降の作品からは、こうした超自然的存在は完全に姿を消す。これら初期の短篇は、論じられる機会が少ないが、一作ごとに異なる技法を試みており、若い時代の習作と簡単に片付けることのできない内容を備えている。ナボコフの創作の源泉に存在する喪失とその語りを一つの軸として、各作品における超自然的存在の意味を考える。 |
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備考(Remarks) |
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2022 | Joyce Echoes in Murakami (and Vice Versa): “The Dead” and “Kino” | 単著 | |
『アカデミア』文学・語学編 , 南山大学 , 113号 , pp. 121-139 , 2023/01 | |||
概要(Abstract) 本論は、2019年6月にメキシコ・シティで開催されたJames Joyceの国際学会における研究発表に大幅に加筆修正を施した論文であり、James Joyce の“The Dead”と村上春樹の「木野」を比較対照的 に読む試みである。“The Dead”と「木野」 の間に直接的な影響関係があるとの断定はできないが,両作品における作家 と主人公の関係や語り手の姿勢,さらに主題に関わる問題―妻の裏切りと沈 黙,結末に降る雪と雨の両義性,自らは与り知らぬところで主人公に援助を 与える存在―に関して類似が見られる。本論では,それらの類似と類似にお ける差異を論じ,一つの作品を読んだ読者の体験がもう一つの作品の読みに与える影響とそこから生じる新たな読みの可能性について考察した。 |
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備考(Remarks) |
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2020 | 変奏と変装―Transparent Thingsの固有名詞 | 単著 | |
『アカデミア』文学・語学編 , 南山大学 , 109号 , pp. 163-181 , 2020/01 | |||
概要(Abstract) Vladimir Nabokov(1899-1977)の晩年の中篇小説Transparent Things(1972)において、物語の背景や地下に隠れ、互いに関連し合って秘かに重要なテーマ群を形成する要素の一つである固有名詞に着目し、いかに機能しているかを考察する。中心となる固有名詞は、Hugh PersonとJulia Mooreである。それらがヴァリエーションを生み出し、時には他の作品と間テクスト的な関係を作りつつ、小説内にテーマを作り出し、プロットを動かし、場面の意味を明らかにすることを示す。 |
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備考(Remarks) この研究は、JSPS科研費 JP19K00410の助成を受けたものである。 |
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2018 | Do Replicants Dream of Zembla? -- Blade Runner 2049 試論 | 単著 | |
『アカデミア』文学・語学編 , 南山大学 , 第105号 , pp. 55-82 , 2019/01 | |||
概要(Abstract) Denis Villleneuve監督による映画Blade Runner 2049 (2017)は、SF以外の文学作品とハリウッド以外の映画作品への親近性を特徴としている。本稿では、特に重要な役割を果たしているVladimir NabokovのPale Fireを中心に、同映画におけるNabokovの作品や主題の持つ意味を中心に論じた。 |
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備考(Remarks) |
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2017 | 自らの不在を語る―"A Slice of Life"の語り手兼主人公 | 単著 | |
南山大学短期大学部紀要(旧 南山短期大学紀要) , 南山大学短期大学部 , 39号 , pp. 43-60 , 2018/03/19 | |||
概要(Abstract) Women in Nabokov’s Life and Art (Critical Perspectives on English and American Literature, Communication and Culture)に収録された論文に大幅な加筆と誤植の修正を施した日本語版である。Nabokovの全作品中唯一である女性の語り手兼主人公を論じたものである。語数制限のために英語版では割愛した議論を加えると共に、用語や論の構成にも手を入れ、より充実した論をめざした。 |
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備考(Remarks) |
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2016 | Veenの血脈 | 単著 | |
KRUG , 日本ナボコフ協会 , Vol. 9 , 52-57 , 2017/03/01 | |||
概要(Abstract) 2015年の学会報告に基き、 Vladimir Nabokov後期の大作Adaにおいて最も長い章である第1部第38章を取り上げ、作品全体に及ぶテーマである血統の問題とその語りの問題を扱った。作品の前景となっている主人公二人の関係以外に同章で暗示されている複数のインセストの可能性、隠された親子・兄妹関係の可能性について論じた。 |
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備考(Remarks) |
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2015 | 潜在と顕在―ナボコフにおける父の形象― | 単著 | |
英米文学における父の諸変奏―安田章一郎先生百寿記念論集― , 英宝社(名古屋大学英文学会) , pp. 153-177 , 2016/3/20 | |||
概要(Abstract)
安田章一郎名古屋大学名誉教授の百寿を記念して英米文学における「父」を主題に編まれた論集である。安田名誉教授の巻頭エッセイ「父」に続く本編は「父との相克と和解」「問題を抱える父」「変貌する父の表象」「父へと遡る」の4部から成る。 |
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備考(Remarks) 査読あり |
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2014 | Ada or Ardor Aquatically -- 水の主題で読む『アーダ』 (1969) | 単著 | |
『アカデミア』文学・語学編 , 南山大学 , 第97号 , pp. 21-48 , 2015/01 | |||
概要(Abstract) ナボコフ後期の大作Ada or Ardor: A Family Chronicle (1969)は、ロシア貴族一族の年代記であるが、様々なジャンルを踏襲し、多方向に複雑に発展する小説である。一見すると老年に達した作家が自由奔放に書いた作品と見えるが、実際は、完成度が高いとされるLolitaやPale Fireに勝るとも劣らない緻密さで構成されており、張り巡らされたいくつもの主題の線に沿って作品の細部を詳細にたどることによって初めて作品の構成を理解することができる。本論では、全篇にわたってプロットを動かすと共に収束させる役割を果たしている水の主題を中心に論じる。 |
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備考(Remarks) |
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2013 | 映画『鳥』(1963)の多義性 | 単著 | |
『アカデミア』文学・語学編 , 南山大学 , 第95号 , pp. 41-64 , 2014/01 | |||
概要(Abstract) Alfred Hitchcockによる映画の中で際立って特異な作品であり、毀誉褒貶も極端なThe Birdsを多義性から読み解く。鳥の襲撃の理由、主要登場人物の運命、「不在の父」と3人のMitch、Melanieをめぐるサイレンのイメージ、消えたエンドマーク等の要素それぞれに多義性がからみ、単純なプロットの中に複雑な難解さを生みだすことを示す。 |
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備考(Remarks) |
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2011 | The Last Muse Escapes the Text | 単著 | |
Nabokov Online Journal , International Vladimir Nabokov Society, Dalhousie University , Vol. V , pp.1-10 , 2012/3/9 | |||
概要(Abstract)
ナボコフ未完の遺作The Original of Laura特集号に掲載されたもの。 |
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備考(Remarks)
査読あり |
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