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学術論文
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NeoCILIUS
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掲載誌名 Journal name,出版機関名 Publishing organization,巻/号 Vol./no.,頁数 Page nos.,発行年月(日) Date
2016  Veenの血脈  単著   
KRUG  , 日本ナボコフ協会  , Vol. 9  , 52-57  , 2017/03/01   

概要(Abstract) 2015年の学会報告に基き、 Vladimir Nabokov後期の大作Adaにおいて最も長い章である第1部第38章を取り上げ、作品全体に及ぶテーマである血統の問題とその語りの問題を扱った。作品の前景となっている主人公二人の関係以外に同章で暗示されている複数のインセストの可能性、隠された親子・兄妹関係の可能性について論じた。 

備考(Remarks)  

2015  潜在と顕在―ナボコフにおける父の形象―  単著   
英米文学における父の諸変奏―安田章一郎先生百寿記念論集―  , 英宝社(名古屋大学英文学会)  , pp. 153-177  , 2016/3/20   

概要(Abstract) 安田章一郎名古屋大学名誉教授の百寿を記念して英米文学における「父」を主題に編まれた論集である。安田名誉教授の巻頭エッセイ「父」に続く本編は「父との相克と和解」「問題を抱える父」「変貌する父の表象」「父へと遡る」の4部から成る。
 第2部所収の拙論「潜在と顕在―ナボコフにおける父の形象―」は、自身の父とは対照的にナボコフの長編小説に登場する父がすべて問題のある父ばかりであること、後期の長編2編では奇妙な形で作品に潜在する父がナボコフの創作活動の新たな可能性を示すことを論じている。
 

備考(Remarks) 査読あり 

2014  Ada or Ardor Aquatically -- 水の主題で読む『アーダ』 (1969)  単著   
『アカデミア』文学・語学編   , 南山大学  , 第97号  , pp. 21-48  , 2015/01   

概要(Abstract) ナボコフ後期の大作Ada or Ardor: A Family Chronicle (1969)は、ロシア貴族一族の年代記であるが、様々なジャンルを踏襲し、多方向に複雑に発展する小説である。一見すると老年に達した作家が自由奔放に書いた作品と見えるが、実際は、完成度が高いとされるLolitaPale Fireに勝るとも劣らない緻密さで構成されており、張り巡らされたいくつもの主題の線に沿って作品の細部を詳細にたどることによって初めて作品の構成を理解することができる。本論では、全篇にわたってプロットを動かすと共に収束させる役割を果たしている水の主題を中心に論じる。 

備考(Remarks)  

2013  映画『鳥』(1963)の多義性  単著   
『アカデミア』文学・語学編  , 南山大学  , 第95号  , pp. 41-64  , 2014/01   

概要(Abstract) Alfred Hitchcockによる映画の中で際立って特異な作品であり、毀誉褒貶も極端なThe Birdsを多義性から読み解く。鳥の襲撃の理由、主要登場人物の運命、「不在の父」と3人のMitch、Melanieをめぐるサイレンのイメージ、消えたエンドマーク等の要素それぞれに多義性がからみ、単純なプロットの中に複雑な難解さを生みだすことを示す。 

備考(Remarks)  

2011  The Last Muse Escapes the Text  単著   
Nabokov Online Journal  , International Vladimir Nabokov Society, Dalhousie University  , Vol. V  , pp.1-10  , 2012/3/9   

概要(Abstract) ナボコフ未完の遺作The Original of Laura特集号に掲載されたもの。
死と死に際しての認識の主題に関するTransparent Thingsとの比較、ヒロインとテクストの関連についてTransparent ThingsのArmande、"Spring in Fialta"のNinaと比較し、最晩年の作家の意外な姿勢を明らかにする。
 

備考(Remarks) 査読あり
http://etc.dal.ca/noj/articles/volume5_6/8_Akiko%20Nakata_PDFf.pdf 

2010  『ローラ』をめぐる欲望―遺作が姿を現すまで   単著   
KRUG  , 日本ナボコフ協会  , no. 3  , pp. 31-39  , 2010/11   

概要(Abstract) ナボコフ未完の遺作となったThe Original of Lauraが2009年に出版されるまでの紆余曲折と様々な「事件」を中心に論じた。
 

備考(Remarks) 新情報にもとづく加筆修正版が邦訳『ローラのオリジナル』(若島正訳、作品社刊、2011年)の「解題」として出版された。(pp. 191-205)  

2010  Some Spiritual Subtexts Hidden in Transparent Things  単著   
Revising Nabokov Revising: The Proceedings of the International Nabokov Conference 2010   , Kyoto University  , pp. 169-174  , 2010/04   

概要(Abstract) 2010年3月に京都で開催されたナボコフ国際学会の発表論文。Transparent Things(1972)に隠された異界につながるサブテクストをConan Doyle, Peter Hurkos, 短編"The Vane Sisters"を中心に論じた。 

備考(Remarks)  

2009  見えないユダヤ人--半世紀後に読む『ロリータ』  単著   
南山短期大学紀要  , 南山短期大学  , vol. 37  , pp. 45−67  , 2009/12   

概要(Abstract) 『ロリータ』出版から半世紀が経過したために見えるようになったこと、また現在の読者には見えなくなったことを論じる。小説の底に流れている当時のユダヤ人差別と、ユダヤ人難民に自らのアイデンティティを近づけようとするかに見えるハンバートの奇妙な行動を追う。 

備考(Remarks)  

2009  A Failed Reader Redeemed: “Spring in Fialta” and The Real Life of Sebastian Knight  単著   
Nabokov Studies  , International Vladimir Nabokov Society (Davidson, NC)  , Vol. 11  , pp. 101-125  , 2009/09   

概要(Abstract) Nabokov初期の短篇”Spring in Fialta”の語り手VictorをNinaの真実の姿を読み得なかったことから彼女を失ってしまう「失敗する読者」と位置づけ、彼がやがてThe Real Life of Sebastian Knight のVとしてもう一人のNinaの真実の姿を読み取ることに成功すること、また作品の枠を超えて連続するそのエピソードにこめられたNabokovの伝記的意味を明らかにする。 

備考(Remarks) 査読あり 

2008  薔薇とトパーズ--Lolita: A Screenplay  単著   
南山短期大学紀要  , 南山短期大学  , Vol. 36  , pp. 3-30  , 2008/12   

概要(Abstract) ナボコフがStanley Kubrick監督の映画Lolita(1962)のために書いたシナリオを元に編集、出版したLolita: A Screenplay (1974)を原作の小説Lolita(1955/58)と比較し、シナリオにおいて明らかにされた、小説の語り手が語らなかったこと、シナリオにおける映画的手法、シナリオにおいて重要な意味を持つ落雷、トパーズ、サングラス、薔薇の4つの主題について論じた。 

備考(Remarks)  

2008  ロリータと姉妹たち  単著   
英語青年  , 研究社  , 2008年4月号  , pp. 8-13  , 2008/03   

概要(Abstract) 『ロリータ』の主人公に至るまでのナボコフ作品の中に見られるロリータ的なキャラクターの系譜をたどり、ロリータというキャラクターおよび作品『ロリータ』の特異性を明らかにする。 

備考(Remarks) 同誌の『ロリータ』特集の一篇。 

2006  物語の地下水脈--Transparent Things II  単著   
南山短期大学紀要  , 南山短期大学  , Vol. 34  , pp. 1-20  , 2006/12   

概要(Abstract) ナボコフの小説『透明な対象』(1972)に隠された「死後の世界」や「霊」のテーマ、モチーフの系譜を探る。大きな流れを形作るものとして「シャーロック・ホームズ」「ボストン絞殺魔」「スクラントンの叔父」「ヴェイン姉妹」の項目を設定し、それぞれに論じた。 

備考(Remarks)  

2005  物語の地下水脈--Transparent Things  単著   
南山短期大学紀要  , Vol. 33  , pp. 91-112  , 2005/12   

概要(Abstract) ナボコフの小説『透明な対象』(1972)に隠されたテーマ、モチーフの系譜を探る。大きな流れを形作るものとして「石」「ハンニバル」「ギロチン小説」「ムーア一族」の項目を設定し、それぞれに論じた。 

備考(Remarks)  

2005  Repetition and Ambiguity: Reconsidering Mary  単著   
Zembla: Official Website of the International Vladimir Nabokov Society  , Penn State University  , https://www.libraries.psu.edu/  , pp. 1-3  , 2005/08   

概要(Abstract) 1999年の作品論にその後の研究を基に加筆修正を施した英語論文。翻訳はZemblaの管理人であるJeff Edmunds氏と著者の共訳である。 

備考(Remarks)  

2004  Humbert Humbert と Norman Rockwell –- 映画Lolita(1997)の功罪を再考する  単著   
南山短期大学紀要  , Vol. 32  , pp. 39〜60  , 2004/12   

概要(Abstract) ナボコフの小説『ロリータ』(1955)と映画用脚本(1974)、スタンリー・キューブリックによる映画化作品(1962)、エイドリアン・ラインによる映画化作品(1997)を再び比較検討する。ラインの映画が、原作に忠実な映画化をめざしながらいかに原作を裏切ってしまっているかを示す。また、ノーマン・ロックウェルのイラストレーションのイメージを多用することにより、原作の持つ意味に新しい光を投げかけていることをも明らかにする。 

備考(Remarks)  

2004  Repetition and Imitation in Cries and Whispers  単著   
南山短期大学紀要  , Vol. 31  , pp. 21〜32  , 2004/01   

概要(Abstract) ヨーロッパ映画のモダニズムを代表する監督の一人であるスウェーデンの映画監督イングマル・ベルイマンの映画『叫びとささやき』(1972)がどのようにその「文学的な」テーマを扱っているかを論じる。三人の姉妹と二人の夫、死んだ母親が、お互いに、出血、叫び、ささやき、偏愛等の場面を模倣しあい、パターンを作り出すことによって、映画の中心主題の「人間の孤独」が重層的に構築される。 

備考(Remarks)  

2003  Pninにおける侵犯と融合  単著   
中部アメリカ文学  , no. 6  , pp.1〜11  , 2003/03   

概要(Abstract) ナボコフの小説『プニン』における融合の主題について論じる。この小説における融合は両義的であり、時には外部からの悪意ある力の侵入であり、時には複数の次元の溶解によって主人公の存在を脅かすが、同時に主人公を支え、生き延びる力を与える。それはナボコフの複雑なパターン構築が作品の中で持つ意味である。彼の小説において人間性は、現実と人工的な構築物との複数の次元における相互作用によて支えられる。 

備考(Remarks) 査読あり 

2002  Rose and Aquamarine: Liza in Pnin  単著   
The Nabokovian   , The Vladimir Nabokov Society (Lawrence, Kansas)  , no. 48  , pp. 15-18  , 2002 04   

概要(Abstract) ナボコフの小説『プニン』に登場する主人公プニンの離婚した妻ライザが、小説の隠れた薔薇と融合のパターンにおいて重要な意味を持ち、間接的にプニンの生存に援助を与えているかを分析する。  

備考(Remarks) 査読あり 

2000  Boundary-Crossings in Glory and Transparent Things  単著   
南山短期大学紀要  , Vol. 28  , pp. 1-16  , 2000/12   

概要(Abstract) これまで関連を指摘されることのなかったナボコフ初期のロシア語作品『栄光』(1932)と後期の英語作品『透明な対象』 (1972)のつながりを「越境」を主題に論じる。「越境」の主題はナボコフ作品の中心となるものの一つであるが、この両作品ともに、越境の主題は、人生において成就すべきこと、別世界、死んだ父からの言葉、予言となる子供部屋の絵、マジェスティックホテルなどの共通の項目をめぐって展開している。 

備考(Remarks)  

2000  Wittgenstein Echoes in Transparent Things  単著   
The Nabokovian  , The Vladimir Nabokov Society (Lawrence, Kansas)   , no. 45  , pp. 48-53  , 2000 10   

概要(Abstract) 論じられることのなかったナボコフに対するウィトゲンシュタインの影響関係を、特に小説『透きとおる物』(1972)を中心に論証する。人間の認識の限界、色の境界への興味、そして雨を情報の伝達のモチーフとして用いたことに、ナボコフのウィトゲンシュタインへの深い関心を見ることができる。 

備考(Remarks) 査読あり 

1999  映画Lolitaとアメリカ  単著   
南山短期大学紀要  , Vol. 27  , pp.15〜34  , 1999/12   

概要(Abstract) ナボコフの小説『ロリータ』(1955/1958)、彼がStanley Kubrickの映画のために書き、実際にはほとんど使われなかった映画用脚本(1961/1974)、キューブリックの映画『ロリータ』(1962)とAdrian Lyneの映画『ロリータ』 (1996/1997)について比較しながら考察する。現在アメリカ社会を広く深く侵しているといわれるpedophiliaの問題にこの小説と2つの映画がどのように関わっているのか、またラインの映画の制作と受容にその問題がどのように表れているのかを考える。 

備考(Remarks)  

1999  死と隠蔽--Transparent Thingsを中心に--  単著   
英語青年  , 研究社  , 1999年11月号  , pp. 512-514  , 1999/10   

概要(Abstract) ナボコフの作品の中で中心をなす主題の一つである死について『透きとおる物』(1972)を中心に考察する。ナボコフの多くの作品の中で作中人物の死の瞬間が描かれ、死後の世界の可能性が示されるが、そのどれもが奇妙に隠されている。それらの死の表現の中に「語り得ぬもの」についてのウィトゲンシュタインの論へのつながりを見出すことができる。 

備考(Remarks)  

1999  反復と両義性--Mary再考  単著   
中部アメリカ文学  , 日本アメリカ文学会中部支部  , no. 2  , pp.31-45  , 1999/03   

概要(Abstract) ナボコフの長篇処女小説Mary(1970)を、小説の現在時間のMaryと回想のMaryの存在、さらに主人公Ganinの回想と覚醒の意味を中心に分析する。小説の中で繰り返される反復とそこから生まれる両義性が最終的に主人公Ganinから語り手(あるいは作者)への主体の移動をもたらす。 

備考(Remarks) 査読あり 

1999  Angels on the Planks: The Workmen in the Two Scenes in Mary   単著   
The Nabokovian  , The Vladimir Nabokov Society (Lawrence, Kansas)  , no. 42  , pp. 25-26  , 1999 04   

概要(Abstract) ナボコフの長篇処女小説『メアリー』(1970)の中で、主人公が目にする劇場の梁にいる裏方と建築現場の足場にいる作業員の描写の類似に注目する。彼は後者の建築中の家で働く人々を見て、突然過去に決別して出発することを決意する。その場面が実は劇場で映画のエクストラとして何もわからぬままに指示を受けていた場面の変形であることから、彼の主体的な決心の裏に作者の存在が示されている。  

備考(Remarks) 査読あり 

1998  Ambivalence and Ambiguity: Motherhood/Femininity and Fatherhood/Masculinity in Mirror  単著   
南山短期大学紀要  , Vol. 26  , p.33-49  , 1998/12   

概要(Abstract) アンドレイ・タルコフスキーの映画『鏡』を女性性/母性と男性性/父性の葛藤、両義性から分析する。水が女性性/母性を、火が父性を表し、さらに煙草の煙が不在の父性を暗示する。それぞれのイメージはそれ自体が両義的で複雑に交錯し、単純に肯定されているものは何もないが、それでも最終的に見出されるのは希望である。 

備考(Remarks)  

1997  An Agent Narrating: Nabokov's "A Slice of Life"  単著   
南山短期大学紀要  , Vol. 24  , pp. 89-108  , 1997/01   

概要(Abstract) ナボコフの短編「人生の一断面」を語り手/主人公の女性を中心に分析する。ナボコフの作品中唯一の女性によって語られた小説であるが、語り手の「私」と主人公の「私」の間には大きな相違があり、語り手は俗物的な女性の物語を自己の物語として語る。しかも自己の物語の中で彼女はhomosocialな男性社会の周縁で代理人の役割を引き受ける。彼女の独自性、真の女性らしさはテクストからの影響への感受性の強さに見いだされる。 

備考(Remarks)  

1995  Women in the Middle: Repetition and Doubleness in "Graveyard Day" and "Nancy Culpepper"  単著   
南山短期大学紀要  , Vol. 23  , pp. 27-42  , 1995/12   

概要(Abstract) ボビー・アン・メイスンの2短編「墓掃除の日」「ナンシー・カルペッパー」を反復と二重性を鍵として分析する。時代、自らの人生、文化の中間地帯にいる女性達にとって、自己の過去、また祖母、母の過去を反復することは、拒絶すべきことであると同時に自らの存在証明の中心ともなっている。 

備考(Remarks)  

1994  不可能なヒロイン--Oedipa Maas再考  単著   
中部英文学  , 日本英文学会中部支部  , no. 13  , pp. 75-89  , 1994/03   

概要(Abstract) トマス・ピンチョンの『競売番号49の叫び』(1966)のヒロイン、エディパ・マ−スはいくつもの不可能性に取り囲まれている。存在の不可能性、探求の不可能性、他者との関係の不可能性である。しかしエディパには、ただ一つ、アメリカの無垢を希求する能力が与えられているために、肯定され、望まれる存在となっている。 

備考(Remarks) 査読あり 

1992  The Invisible Story: Paul Auster's The New York Trilogy  単著   
南山短期大学紀要  , no. 20  , pp. 231-247  , 1992/12   

概要(Abstract) ポ−ル・オ−スタ−の『ニュ−ヨ−ク三部作』(1986)では、他者への探求が自己喪失に終わるという一つの物語を三つの違った小説で語っていると考えられる。どの小説でも、書くことと読むことが自己対他者の関係につながっているが、探求の果てに見つかる手記は、最終的に読者の目から隠され、結局読者は書いている他者を見つめているに過ぎない。 

備考(Remarks)  

1991  Ambiguous Gothicism: A Study of William Gaddis' Carpenter's Gothic  単著   
南山短期大学紀要  , Vol. 19  , pp. 33-49  , 1991/12   

概要(Abstract) ウィリアム・ギャディスの『カ−ペンタ−ズ・ゴシック』(1986)は、題名通り、さまざまなゴシック的な要素に満ちている。この作品をパスティ−シュとしてのゴシシズム、ゴシックヒロインとしてのリズ、語りとしてのゴシシズムの三点から分析する。最終的に読者は、テクストの両義性の中に取り残されるが、同時にそのテクストの両義性と対応する現代世界の両義性を再確認することになる。 

備考(Remarks)  

1990  影たちの首都--NabokovのMary  単著   
IVY  , 名古屋大学英文学会  , no. 23  , pp.201〜215  , 1990/09   

概要(Abstract) ナボコフの処女作『メアリ−』(1926)を光と影のライトモチ−フによって分析する。かつての恋人メアリ−の出現を待ち望む六日の間に、主人公ガ−ニンは記憶を実世界として生き直すことによって、影のような存在から再び実体としての存在に戻り、未来へと出発していく力を得る。それは過去を記憶として所有し、現在を過去の反復としかねない呪縛から逃れることでもある。 

備考(Remarks) 査読あり 

1990  怪しい探求者-- 『セバスチャン・ナイトの真実の生涯』のVについて  単著   
アメリカ文学研究  , 日本アメリカ文学会  , no. 26  , pp. 56-73  , 1990/02   

概要(Abstract) 作家であった異母兄セバスチャンの死後その伝記を書くために調べてまわるというこの物語の主人公兼語り手のVは様々な疑わしさに満ちている。登場人物としての、語り手としての、分身としての、Vの疑わしさを分析し、彼の存在、行為が常に二方向へのベクトルを備えているパラドキシカルなものであることを示す。 

備考(Remarks) 査読あり 

1989  Look at the Harlequins! における自己模倣 -- 宙吊りの物語  単著   
中部英文学  , 日本英文学会中部支部  , no. 9  , pp.70〜83  , 1989/04   

概要(Abstract) ナボコフの最後の長編『道化師をご覧!』(1974)は作家自身の人生と作品の模倣から成り立っている。この作品では、これまでの作品で中心をなしていたdoubleや強迫観念のテ−マもパロディとして引用されているに過ぎず、中心となるテ−マを見いだすことができない。物語に織り込まれた異質の断片=他者によって全編に逸脱がおきている。他者性のために物語は成就することがない。 

備考(Remarks) 査読あり 

1987  Nabokovの牢獄  単著   
朝日大学教養部研究報告  , no. 13  , pp.19〜29  , 1987/12   

概要(Abstract) ナボコフの作品を牢獄をテ−マとして分析する。ナボコフの小説の登場人物は多くが強迫観念のために「意識の牢獄」に捕われている。作品に頻出する分身のイメ−ジも、意識の閉塞性のメタファ−と考えることができる。言語によって構築されるゲ−ムの世界は、作品の内部に向けて別の次元をひらいてゆくものであり、ナボコフの牢獄からの脱出の可能性はそこにのみある。 

備考(Remarks)  

1986  虚構の中の「存在しないもの」 -- Nabokov の"Signs and Symbols"について  単著   
IVY  , 名古屋大学英文学会  , no. 20  , pp. 85-96  , 1986/12   

概要(Abstract) ナボコフの短編「記号と象徴」(1948)をとりあげ、彼のエクリチュ−ルの中心となるものを読み取る。一見すると伝統的な技法によって書かれた作品であるかのように思われるが、この作品は、虚構の伝統それ自体を模倣することによって、作品の相互テクスト性を明らかにし、さらに意味=存在と無意味=非存在を分かちがたく共存させるという方法によって新たな小説の可能性をひらいている。 

備考(Remarks) 査読あり 

1985  ずれてゆくキルティ -- 『ロリ−タ』試論  単著   
IVY  , 名古屋大学英文学会  , no.19  , pp.93〜108  , 1985/12   

概要(Abstract) ウラジ−ミル・ナボコフの『ロリ−タ』(1955)の登場人物キルティを中心に、「ずれ」という観点から作品を読む。キルティは、物語の中で、自己のアイデンティティをずらすという行為によって隠し続けるが、最終的に定義不可能な「ずれ」そのものとして存在している。『ロリ−タ』もまた「ずれ」であることによって、一つの意味に還元することのできない作品として自らを表明する。 

備考(Remarks) 査読あり 

1984  『アレキサンドリア四重奏』の空間構造  単著   
中部英文学  , 日本英文学会中部支部  , no.6  , pp.51〜57  , 1984/03   

概要(Abstract) Lawrence Durrellの_The Alexandria Quartet_(1962)『アレキサンドリア四重奏』の都市、登場人物、語りの構造を考える。都市は視覚的な多様性と歴史的・精神的な重層性を備えている。登場人物の意識が都市の不可視の空間と結びつくことによって実体である都市の表層を人物が形作ることになる。語りによる時間の空間化が行われ、読者は四部の空間の差異の間にイメ−ジの動的な重なり合いを体験するが、それは都市自体の重層性にもつながるものである。 

備考(Remarks) 査読あり 

1984  世界・テクスト・記号  共著   
IVY  , 名古屋大学英文学会  , no. 18  , pp.17〜31  , 1984/02   

概要(Abstract) 構造主義を振り返り、再考することによって、批評の現況の一端を明らかにしようと試みる。
担当部分では、構造主義からポスト構造主義への転換をはかったものとして、ロラン・バルトのテクスト理論をとりあげ、テクストの生成性、相互関連性、パラドクサルであること、主体としての読者等の要素について考えた。 

備考(Remarks) 執筆者:小井厚子、金岡喜代美、中田晶子、林美樹、進藤鈴子。
担当部分:3.バルトのテクスト理論(p.23〜25)。
査読あり 

1982  The City of Mirrors: A Study of The Alexandria Quartet (修士論文)  単著   
59頁  , 1982/01   

概要(Abstract) ロ−レンス・ダレルの『アレキサンドリア四重奏』(1962)を鏡をテ−マに分析する。登場人物は自ら鏡となって自己の内面を表面に映し出すと同時に、お互いを映し合う分身現象を生み出している。さらに、都市と人間がお互いを通して自らを表現する。小説自体が鏡の構造 ― 複数の鏡による対象の認識 ― を備えており、最終的に読者が体験するのは、映し合う無数の鏡によって作られた言語空間である。 

備考(Remarks)  

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