2025/03/17 更新

写真b

カワウラ サチコ
川浦 佐知子
KAWAURA Sachiko
所属
人文学部 心理人間学科 教授
職名
教授
主な研究課題
長期研究:アメリカ先住民の集合的記憶とその継承

長期研究:現代アメリカ先住民の部族主権

短期研究:アメリカ先住民の保留水利権請求

短期研究:アメリカ先住民の土地保全営為
専攻分野
Sociological Social Psychology
アメリカ先住民研究
ナラティブ研究

学位

  • Ph. D in Integral Studies ( 1999年12月   California Institute of Integral Studies )

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    博士

  • Master of Arts in Psychology ( 1995年1月   Sonoma State University Psychology )

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    修士

  • Bachelor of Arts in Psycholgy ( 1992年5月   Sonoma State University Social Sciences Psychology )

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    学士

研究キーワード

  • アメリカ先住民研究

  • アメリカ先住民の部族主権

  • アメリカ先住民の水利権請求

  • ナラティブ研究

研究分野

  • 人文・社会 / ヨーロッパ史、アメリカ史  / アメリカ先住民史、部族主権、ナラティブ研究

学歴

  • California Institute of Integral Studies, Individualized Studies, Integral Studies

    - 1999年12月

  • Sonoma State University   MA in Psychology   Psychology

    - 1995年1月

  • Sonoma State University   School of Social Sciences   Psychology

    - 1992年5月

所属学協会

  • 日本アメリカ史学会(2010.4〜現在に至る)

  • アメリカ学会(2008.12〜現在に至る)

  • 名古屋アメリカ研究会(2008.1〜現在に至る)

  • 日本質的心理学会(2005.6〜現在に至る)

  • 日本心理学会(2005.4〜現在に至る)

  • American Psychological Association会員(2001.11〜現在に至る)

  • 日本人間性心理学会会員(2001.2〜2022.12)

  • The Association for Humanistic Psychology会員(1997.8〜2007.12)

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委員歴

  • American Psychological Association会員(2001.11〜現在に至る)  

  • 日本人間性心理学会会員(2001.2〜2022.12)  

  • The Association for Humanistic Psychology会員(1997.8〜2007.12)  

  • 日本心理学会(2005.4〜現在に至る)  

  • 日本アメリカ史学会(2010.4〜現在に至る)  

  • アメリカ学会(2008.12〜現在に至る)  

  • 名古屋アメリカ研究会(2008.1〜現在に至る)  

  • 日本質的心理学会(2005.6〜現在に至る)  

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留学歴

  • 1995年4月 - 1999年12月   カルフォルニアインスティテュート・オヴ・インテグラルスタディーズ  

  • 1992年9月 - 1995年1月   カルフォルニア州立ソノマ大学院  

  • 1991年1月 - 1992年5月   カリフォルニア州立ソノマ大学  

論文

  • 連邦インディアン政策とアメリカ先住民の主権(2):先住民の条約権利と水利権請求

    アカデミア 人文・社会科学編    第27号   55 - 75   2024年1月

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    出版者・発行元:南山大学  

  • 先住民の保留水利権と「文明化」:合衆国最高裁判決と先住民の主権

    アメリカ研究   57   2023年3月

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    出版者・発行元:アメリカ学会  

  • 連邦インディアン政策とアメリカ先住民の主権(1):強制移動、マーシャル三大判決とインディアン通商法

    アカデミア 人文・社会科学編    第25号   63 - 76   2023年1月

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    出版者・発行元:南山大学  

  • アメリカ先住民とパンデミック

    人類学研究所通信   第22号   12 - 13   2022年7月

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    出版者・発行元:南山大学人類学研究所  

  • アメリカ先住民の水利権交渉:ノーザン・シャイアンーモンタナ水利権協約の検討

    アカデミア 人文・自然科学編   第24号   51 - 73   2022年6月

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    出版者・発行元:南山大学  

    1)1970年代の水利権訴訟を概観し、2)ノーザン・シャイアンの事例をもとに、訴訟から交渉へと水利権紛争解決の手法が転換した経緯を整理した。併せて、南西部先住民の保留水利権係争を検討することで、水利権交渉に潜むリスクを明らかにしsた。水利権合意締結の後も、部族が実際に保有する水資源を管理するためにはいくつかのハードルがある。本稿では、3)先住民の保留水利権交渉への連邦の関与を、内務省の対応を軸に検討。最後に、州と部族の交渉の様を検討するために、4)先住民部族との水利権交渉を司るシステムとして構築された、モンタナ保留水利権協定委員会(Montana Reserved Water Rights Compact Commission, RWRCC)について検討した。

  • アメリカ先住民の自決と保留水利権ー1952年マッカラン修正の検討ー

    アカデミア 人文・自然科学編   第21号   99 - 122   2021年1月

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    出版者・発行元:南山大学  

    1)先住民の保留水利権が初めて司法で認められた1908年Winters判決を概説するとともに、Arizona事件の検証を通して、西部の土地改良計画が先住民の保留水利権に与えた影響を検討した。次に2)先住民の保留水利権に多大な影響を与えた1952年マッカラン修正を検討。1976年Colo. River Water Cons. Dist.判決を中心に、マッカラン修正がどのような解釈の展開を遂げたのかを検討した。後半では、3)マッカラン修正が部族主権に及ぼした影響を分析した上で、4)ノーザン・シャイアン部族の事案を題材に、部族―合衆国―州のダイナミクスの中で展開された先住民の水利権請求を検証した。

  • アメリカ先住民の保留水利権:1908年ウィンターズ判決の検討

    アカデミア 人文・自然科学編   第20号   13 - 35   2020年6月

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    出版者・発行元:南山大学  

    1)1908年合衆国最高裁Winters判決を概説するとともに、2)事案の歴史的背景となる18世紀及び19世期のアメリカ土地政策について検討。次に、3)Winters判決の基となったWinans判決を検討し、4)20世紀後半、ウィンターズ法理がどのように発展してきたのかを明らかにした。更に5)保留権の根拠となる締結条約を精査することで、保留水利権を部族主権の観点から検討した。

  • 国家犠牲地区における部族主権:タンリバー鉄道敷設計画へのノーザン・シャイアンの対応の検討

    アカデミア 人文・自然科学編    第18号   17 - 36   2019年6月

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    出版者・発行元:南山大学   

    本稿では1970年代のアメリカエネルギー危機に端を発する石炭開発、特に石炭運輸のための鉄道敷設計画に焦点をあて、保留地近隣での土地開発への部族対応を検討した。1940年代以降の保留地における石炭開発計画への部族対応を論じ、その上で、1970年代から続くタンリバー鉄道敷設計画の変遷と、それに対する部族の対応を検討した。

  • 進化する博物館:国立アメリカインディアン博物館Nation to Nation展における協働のかたち 

    人類学研究所研究論集   第6号   58 - 79   2019年3月

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    出版者・発行元:南山大学人類学研究所  

    国立アメリカインディアン博物館開館10周年企画「Nation to Nation」展の検討を通して、博物館と先住民の協働のあり方を考察した。国立博物館としてアメリカ先住民の歴史・文化の保存、継承を担うNMAIは、2004年の開館以来、先住民と協議を重ねながら展示、保存、教育の在り方を進化させてきた。本稿は、先住民部族や先住民学術研究者とのやり取りの蓄積を踏まえて企画されたNation to Nation展を、そうした協働の一つの収束点と捉えて検討した。

  • 国立公園局の歴史保全―先住民の地所保全・歴史解釈を射程に入れての検討―

    アカデミア 人文・自然科学編   第15号   19 - 39   2018年1月

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    出版者・発行元:南山大学  

    国立公園局がどのような意図の下に創設され、どのようにその規模を拡大してきたのかを検証。景観保全を主としてきた国立公園局が歴史的地所の保護に乗り出した背景を分析した。その上で、国立公園局が関わる歴史的地所の認定や保全に関わる主な法、1906年遺跡保存法、1935年史跡設置法、1966年国家歴史保全法(1992年改正)を検証し、国立公園局による歴史保全が先住民の地所保全、及び歴史解釈に与える影響について考察した。

  • 部族主権の記憶と合衆国史への反駁―ノーザン・シャイアンの史跡化営為

    アメリカ研究   第50号   87 - 105   2016年3月

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    出版者・発行元:アメリカ学会  

    ノーザン・シャイアンは1992年国定史跡保存法改正以降、活発に部族由来の地の史跡化を進めてきた。本稿では先住民による部族関連地所の史跡化を、先住民支配・包摂を前提とする合衆国史への抵抗の一策として捉え、先住民の土地保全、記憶継承の営為について検討した。初めに土地剥奪に対する平原先住民抵抗の歴史の概要を示すとともに、「史跡化」が先住民にとって合衆国支配に対する反駁の方策となった経緯について概説。その上で近年ノーザン・シャイアンが関わった国定史跡の歴史的文脈、及び史跡化に込められた先住民部族の意図について検討した。

  • 北米先住民の土地保全と記憶の史跡化:国定史跡保存法とノーザン・シャイアンの「記憶の場」

    南山大学紀要『アカデミア』人文・自然科学編   第10号   45 - 74   2015年6月

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    出版者・発行元:南山大学  

     1980年代以降の合衆国先住民の聖地保護、土地保全、記憶継承について、ノーザン・シャイアンの事例をもとに検討。国定史跡化によって部族関連地所の保護を推進する先住民側と、実際に国定史跡認定を司る国立公園局側の両サイドから、記憶の史跡化について考察した。

  • 北米先住民の「記憶の場」:ノーザン・シャイアンのブラックヒルズ請求

    アカデミア人文・自然科学編   8号   1 - 19   2014年6月

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    出版者・発行元:南山大学南山学会  

    本稿は部族固有の記憶を宿す地の国定史跡化に力を注ぐノーザン・シャイアンが、20世紀初頭から半ばにかけて関わったブラックヒルズ請求を、部族共同体の「記憶の場」構築の起点として検討したものである。先住民訴訟に特化した司法部であるインディアン請求委員会の設立背景を、先住民側と連邦政府側の双方から捉えることで、先住民の土地返還請求が補償請求へと転換された過程を検討した。

  • 歴史と記憶の交差にみる「質」―北米先住民の「記憶の場」をめぐって

    質的心理学フォーラム   Vol.5   32 - 41   2013年12月

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    出版者・発行元:日本質的心理学会  

    本稿は北米先住民のナラティブを題材として、主流社会の歴史的文脈とは相いれない集合的記憶を持つ共同体の人々の語りへのアプローチ法について論じたものである。国家の歴史、部族の歴史、個人の記憶という異なる文脈を重ねることで、当事者の体験の「質」を捉える方策を提示した。

  • 部族自治と資源開発:1970年代アメリカ・エネルギ―開発とノーザン・シャイアン居留地

    『アカデミア』人文・自然科学編   第5号   57 - 83   2013年1月

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    出版者・発行元:南山大学南山学会  

    1960~70年代アメリカエネルギー危機の際、石炭採掘リース契約締結によって居留地土地喪失の危機を経験したノーザン・シャイアンの事例を検討した。石炭採掘土地リースの解約を目指すなか、居留地土地保持が部族自治の要となっていった過程の詳細が明らかとなった。

  • 土地と記憶と営みとーノーザン・シャイアンの居留地土地買い戻しと記憶継承ー

    人間関係研究   第11号   17 - 36   2012年3月

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    出版者・発行元:南山大学人間関係研究センター  

    内務省によって1959年に認定されたノーザン・シャイアン部族の「居留地土地買戻しプログラム」制定経緯を、資料及びインタビュー調査をもとに明らかにした。それとともに、現地フィールド調査をもとに部族構成員と居留地土地との現在のかかわりの実際を検証することで、北米先住民の自治について考察を深めた。

  • 「記憶」と「未来」-北米先住民の記憶継承

    人間関係研究   10号   44 - 51   2011年3月

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    出版者・発行元:南山大学人間関係センター  

    共同体の「集合的記憶」を、公的「歴史」と私的「記憶」の狭間に存在するものと捉え、北米先住民にとって近現代における自部族が関わる出来事を、集合的記憶を用いて解釈することの意義について考察した。

  • 北米先住民の「居留地」解釈を支える集合的記憶:ノーザン・シャイアンの「オディッセイ」

    立教アメリカン・スタディーズ   33号   101 - 127   2011年3月

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    出版者・発行元:立教大学アメリカ研究所  

    ノーザン・シャイアン・インデリアン居留地設立(1900年)過程における重要な歴史的出来事とされる「フォート・ロビンソンからの脱出」(1874年)が、今日どのように出来事の現場、及びミュージアム展示において記憶継承されているのかについて論じた。

  • 北米先住民の居留地保持を支える集合的記憶:ノーザン・シャイアンの居留地設立過程に見る部族主権のかたち

    アカデミア 人文・社会科学編   91号   169 - 226   2010年6月

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    出版者・発行元:南山大学南山学会  

    1900年に設立を見た、アメリカ先住民族ノーザン・シャイアンの部族居留地の設立過程を検証することで、1)「近代国民国家」という枠組みのうちに、「部族主権」がどのように希求されたのか、また2)部族主権の礎となる居留地の獲得過程において、部族の集合的記憶がどのように作用したのかを検討した。

  • 科学教育とストーリー:宇宙論学習におけるナラティブ思考の実践

    名古屋高等教育研究   10号   5 - 22   2010年4月

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    出版者・発行元:名古屋大学 名古屋高等教育研究センター  

    宇宙の開闢から現在に至るまでを、ひとつながりの物語として教授する宇宙論の授業実践を通して、分離横断型教育の一つの在り方を提示した。人文・社会科学系の学部生への科学教育における「ナラティブ思考」の実践を通して、出来事の連なりに意味を見出しつつ、宇宙・惑星・生命の歴史を学ぶことの意義を、1)異なる領域における知識の統合、2)宇宙をコンテクストに据えての「関係性」の理解、3)認識の拡大とメタコンテクストの構築、という観点から論じた。

  • アイデンティティと集合的記憶:ノーザン・シャイアンの語りにみる部族アイデンティティの位相

    アカデミア 人文・社会科学編   89号   63 - 123   2009年6月

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    出版者・発行元:南山大学南山学会  

    アメリカ合衆国という近代国民国家において、「部族アイデンティティ」を保持することの実際を、ノーザン・シャイアン女性の語りの分析を通して検討した。分析からは、1)対先住民政策によって強調されるようになった「血筋(blood quantum)の問題、2)生活空間である「居留地」の解釈、3)共同体に蔓延するアルコール依存への対応等において、個人の意識のうちに共同体の集合的記憶がどのように働いているのかが明らかになった。また、ノーザン・シャイアン部族の集合的記憶の中核に、「サクリファイス」という言説が在ることが改めて確認された。

  • 語り・記憶・歴史:ノーザン・シャイアンのセルフ・ナラティブに見る集合的記憶の表象と継承

    アカデミア 人文・社会科学編   87号   33 - 72   2008年6月

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    出版者・発行元:南山大学南山学会  

    「集合的記憶」を軸に、ベトナム戦争の体験をもつノーザン・シャイアン男性のナラティブを分析した。国家・主流社会と部族共同体の関わり、及び「歴史」と「集合的記憶」の関わりを検討。1)部族構成員は共同体の集合的記憶を通して、「解釈される側」から「解釈する側」へとそのスタンスを移行させることで、部族と国家・主流社会との歴史的な関わりを主体的に解釈していること、2)アメリカ市民権を授与された存在でありつつ、部族自治、部族主権を訴えるという矛盾した状況は、集合的記憶に基づく言説を用いることで解消が試みられていることが明らかとなった。

  • 小・中学校における人間関係づくりをめざしたアクションリサーチ:ラボラトリー方式の体験学習を用いた教育実践の試みとその評価

    人間関係研究   7号   26 - 53   2008年3月

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    出版者・発行元:南山大学人間関係研究センター  

    「平成17・18年度文部科学省選定“大学・大学院における教員養成推進プログラム”豊かで潤いのある学びを育むために:ラボラトリー方式の体験学習を通した豊かな人間関係構築を目指して」での実践と調査に基づく。研究協力校(小・中学校)での協働的取り組みを報告した。

  • セルフ・ナラティブ再構築過程における詩的探求

    保健と医療の語りとアート 日本保健医療行動科学会 年報   Vol. 22   38 - 49   2007年7月

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    出版者・発行元:日本保健医療行動科学会  

    セルフ・ナラティブを通しての自己再構築過程の実際を、「イメージ」に焦点を当てて考察した。事例の検討からは、1)イメージが転機体験を再検討する際の視点の構築に貢献していること、2)イメージが、当人が気づけずにいる可能性や未来の展望を示唆していること、3)イメージによって記憶の想起が促され、遠い過去の出来事と現在が繋がれること、4)イメージによって探求的な語りのダイナミズムが支えられ、語りに推進力が齎されていること、が明らかとなった。

  • ナラティブと集合的記憶-ノーザン・シャイアンの語りに見る「伝説」、「場所」、「予見」

    アカデミア 人文・社会科学編   85号   153 - 185   2007年6月

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    出版者・発行元:南山大学南山学会  

    セルフ・ナラティブと共同体の集合的記憶の相互関係を、北米先住民ノーザン・シャイアンのセルフ・ナラティブの分析を通して検討した。集合的記憶は単に共同体の過去を反映するだけでなく、共同体構成員が記憶すべき出来事の選別にも関わっている。分析からは、主流社会との対立、人種差別、聖性といった、部族構成員にとって重要な事柄に関連した経験が、共同体の歴史的記憶と共に語られることで、部族の集合的記憶が継承されている様が窺えた。

  • アイデンティティの語り-フェミニスト・マイノリティ・異文化

    臨床心理学   Vol.6 ( No.5 )   673 - 679   2006年9月

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    出版者・発行元:金剛出版  

    社会における個人のロケーションを示す「アイデンティティ」と、個人の意味世界を重視する「ナラティブ」の間に潜む緊張関係に言及した。フェミニスト・リサーチの特徴を受け継ぐナラティブ手法の「相互関係性」及び「文脈」を重視する姿勢について述べると共に、主流社会の文脈を共有できないマイノリティの人々の語りや、文化的背景の異なる人々の語りを検討する際の留意点をまとめた。語りの文脈への感性を失わず、研究者が「個人」、「関係」、「社会」という3つのレベルの関連を立体的に捉えるならば、「社会的存在としての自己」と「主観的意味世界を構築する自己」との関連について、新しい理解が齎されると考えられる。

  • ノーザン・シャイアンのセルフ・ナラティブに見る「歴史」と「共同体」

    『アカデミア』人文・社会科学編   83号   183 - 209   2006年6月

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    出版者・発行元:南山大学南山学会  

    アメリカ合衆国、モンタナ州に居留地をもつ、ノーザン・シャイアンの個人史をナラティブ手法を用いて検討した。共同体の儀式、祭事を司るキッド・フォックス・ソサエティのメンバーへのインタビュー分析を通して「個人」と「共同体」の相互関係を検討することで、共同体の歴史から遊離したポストモダン・ナラティブの有り様を逆照射した。インタビュー分析からは、「伝統」が共同体メンバーの経験を支える「文脈」として作用している様や、「共同体」という社会的関係性のうちに共同体の歴史的過去、記憶が内包されている様、語りにおいて「個人」と「共同体・社会」が重層的に表現されている様が明らかとなった。

  • Tグループ体験を通しての自己理解-“語り”に見る自己変容の軌跡

    人間関係研究   5号   67 - 100   2006年3月

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    出版者・発行元:南山大学人間関係研究センター  

    「自己成長」、「自己変容」の語りの特徴を、ラボラトリー方式の体験学習の一貫であるトレーニング・グループの参加者の語りを検討することで考察した。4名のインタビュー対象者の語りにおいては、1)“目標”から“課題”への意識転換、2)他者とのかかわりの欲求の深化、3)新たな自己理解をもとにした行動変容の過程が表現されており、“内的プロセスへのまなざし”と“他者・グループへのまなざし”が交錯するところに、自己成長、自己変容の鍵が在ることが窺えた。

  • 時を遡上する自己-物語創作における“自己一貫性”の再構築と“内在化する他者”の再定義

    『アカデミア』人文・社会科学編   81号   79 - 119   2005年6月

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    出版者・発行元:南山大学南山学会  

    転機体験が齎すセルフ・ナラティブのプロットの変容に焦点を当て、その変容過程において“自己一貫性”がどのように再構築され、また物語の全容を見渡す“内在化する他者”がどのように確立されるのかを考察した。具体的には7名のインタビュー対象者からのデータをもとに、実体験をベースとした物語創作において、どのように過去、現在、未来が繋がれているかを検討した。

  • エコサイコロジーと霊性-「自然としての自己」の目覚め

    日本トランスパーソナル心理学/精神医学   Vol.5 No.1   25 - 33   2004年9月

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    出版者・発行元:日本トランスパーソナル心理学/精神医学会  

    現代における自己完結的な霊性探究の傾向を鑑みつつ、世界とのつながりを意識するスピリチュアリティの有り様を自然と自己との心理的、精神的かかわりを論じるエコサイコロジーを通して検討した。アルネ・ナエスの提唱する「 エコロジカル・セルフ」をもとに、感情、感覚、知性といった人間の特性を活かすことで、「自然としての自己」、「すべてを内包する全体としての自然」を意識する霊性考察の在り方と、その必要性を論じた。

  • Culture and the Self -Context Sensitive Epistemology for the Post-Modern Era

    『アカデミア』人文・社会科学編   79号   347 - 367   2004年6月

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    出版者・発行元:南山大学南山学会  

    我々の意識に深く影響を及ぼす「コンテクストとしての文化」に焦点を当てることで、近代における文脈から切り離された自己理解、及びポストモダンにおいて提唱される多様な自己表出について批評した。近代において強調される自己の主観性の起原を歴史的観点から考察し、西洋における認識論、存在論において「文化」というコンテクストが長く考慮されてこなかった実態に言及した。

  • 語りの力学 -セルフ・ナラティブ(自己物語)を通してのエンパワメント

    人間関係研究   3 号   122 - 134   2004年3月

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    出版者・発行元:南山大学人間関係研究センター  

    個人と社会の循環的関わりを論ずる社会構成主義と、その流れを汲むナラティブ・アプローチを通して、エンパワメントの社会的、個人的側面を検討した。一般に「自己物語」として訳されるセルフ・ナラティブには、過去の出来事を振り返って互いに関連づけ、プロットのある物語を作成するという側面と、自己の体験を実際に語ることによってその理解を他者と共有するという側面とがある。体験に意味を与えること、体験を他者と分かち合うこと、個人的体験を社会と結び付けることは「エンパワメント」の重要な要素であるが、セルフ・ナラティブの語りによって齎されるものには、こうしたエンパワメントの要素に繋がるものが多くある。本稿ではエンパワメントとセルフ・ナラティブの接点を明確にしつつ、ナラティブ・アプローチならではのエンパワメントへの貢献を検討した。

  • Women's identity in political-cultural movements in the South: an examination of identity politics in the context of the post-colonial nation-state

    『アカデミア』人文・社会科学編   75号   205 - 231   2002年6月

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    出版者・発行元:南山大学南山学会  

    アイデンティティの政治的側面を、ポスト・コロニアル国家における民族・文化運動と、その底辺に流れるアイデンティティ・ポリテックスを通して論じた。国家(state)、民族(nation)、一国家一民族主義(nation-state)の相互関係を検討し、近代国民国家が前提とする一民族一国家制が、“伝統”や“文化”の作為的操作と、それによって維持、形成される国家アイデンティティを礎にしている点を指摘した。 近代化を進めつつも反西洋主義を唱えることで国家の独自性を維持、強調する“南”の諸国において、女性が“文化、歴史の担い手”として選別、創作された伝統を強いられる社会構図を分析。インドのsati-daha(ウイドウ・バーニング)、パキスタンの burqa(ベール)、バングラデシュ及び北インドの purdah(外出に関する規制)といった女性の人権、生き方、選択、自立を規制する“慣習”が、社会的に受容されるに至った経緯を検討した。

  • ナラティブ・アナリシス:ポストモダンにおける新しい知の構築

    『アカデミア』人文・社会科学編   74号   345 - 366   2002年1月

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    出版者・発行元:南山大学南山学会  

    質的研究の一手法として、1990年代以降注目されるナラティブ・アナリシスについて論じた。ナラティブ手法の台頭に「情報処理をする存在」から「意味を生成する存在」へという人間観の変容を見た上で、ポストモダンと呼ばれる時代に求められる、より相互主観的(inter-subjective)な社会的知の構築の在り方について言及した。従来の還元主義的、客観主義的アプローチでは零れ落ちてしまっていた“人間体験の複雑さ”、“記憶の多層性”、“個人による体験への主体的意味づけ”を重視するナラティブ・アナリシスの貢献を論じた。

  • “環境教育”と“体験学習”:その接点と将来の展望

    人間関係研究   創刊号   97 - 106   2001年12月

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    出版者・発行元:南山大学人間関係研究センター  

    体験学習の再考を通して、知性、感性の双方に訴える新しい環境教育のあり方を考察。体験学習を「ふりかえりを通して自らの内的体験に気づき、新たな行動指針を生み出す学習方法」と定義した上で、そのような学習方法の環境教育の場での応用について論ずる。“認知的理解”と“体験的理解”の両方を重視し、その融合を目指すアメリカの環境活動家ジョアンナ・メイシーのワークショップを例に挙げ、そうしたよりホリスティックな学びのために“学習の4つのステップ(体験、指摘、分析、仮説化)”はどのように活用できるのか、その可能性を検討した。

  • パキスタンにおける人間関係トレーニングの実践と考察(第2報):ファシリテ-タ-・トレ-ニングの実践とその成果

    人間関係研究   創刊号   165 - 179   2001年12月

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    出版者・発行元:南山大学人間関係研究センター  

    人間関係トレーニング専門家として参加したJICAパキスタン母子保健プロジェクト(2000年2月〜3月)の実践のまとめと考察。現地ファシリテーターの育成に焦点が当てられた今回の派遣を顧みることで、文化的背景、組織体制の異なる環境下で体験学習を展開するための課題の明確化に努めた。

  • アイデンティティの行方-心理学的,社会学的視点とエコサイコロジーのアプローチ-

    人間関係研究   創刊号   198 - 204   2001年12月

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    出版者・発行元:南山大学人間関係研究センター  

    ジェンダー、人種、社会階級などを基盤にした“社会的アイデンティティ(social identity)”を軸に展開する“アイデンティティ・ポリテックス”がもたらす弊害について論じた。アイデンティティ研究において個人の歴史的、政治的、文化的アイデンティティが統合的に考慮され得るリサーチ手法の開拓の必要性、及び世界観、自然観、宇宙観をも視野に入れたより包括的アプローチの可能性について著した。

  • 「地球・自然・人とともに生きる」試論としてのエコサイコロジー

    人間関係   17号   26 - 40   2000年3月

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    出版者・発行元:南山短期大学人間関係研究センター  

    環境教育、心理学、環境運動における洞察を統合し、新しい人間観、倫理観の形成を目指す、複合領域としてのエコサイコロジーの可能性を論じた。エコサイコロジーは、自然と人の関わりの心理的側面、特に自然と共にあることによって起こる精神的癒し、自然との関係が断ち切られることによってもたらされる心理的影響に焦点を当てる。「自然」を自己の“外”にある環境、資源として捉えるのでなく、全てを生み出すマトリックス、全てを抱合する全体として認識し、その一部としての人間を考察するエコサイコロジーの試みを、高等教育での授業展開の実際を織り交ぜながら検討した。

  • エコロジカル・セルフをめぐる考察

    『アカデミア』人文・社会科学編   72号   113 - 134   2000年1月

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    出版者・発行元:南山大学南山学会  

    アルネ・ナエスが提唱する「エコロジカル・セルフ」は、人間の自然との関わりのうちに、「世界との基本的かかわり」を見る。本稿は、多分に啓蒙的要素の強いこの概念が、より人々の実際の体験に根付いたものとなるためには、多様で幅広い自然体験を考慮しつつ、感覚、感性、感情を通しての「自然とのつながりの実感」を検討してゆくことが必要であることを説く。人と自然の関わりをめぐる論議の現状とその焦点を総括し、「自然との関わり」の体験を、ジェンダー、文化、社会階層といった人間の「社会」体験と分けて論ずるのでなく、合わせて捉えることの重要性について論じた。

  • An Exploration of the Historically Situated Ecological Self through Women’s Narratives

    380 pp.   1999年11月

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    出版者・発行元:California Institute of Integral Studies  

    アルネ・ナエスが提唱する「エコロジカル・セルフ」を、エコサイコロジー、エコフェミニズム、環境正義の視点から検討。自身の自然体験、先祖の土地との関わりを振り返って語るセルフ・ナラティブを通して、「歴史」を考慮した自然観の構築を試みた。本稿では女性の体験に焦点を当て、女性の語りとそれを通して生み出される知見が、新たな自然観の形成、より創造的な自然との交歓の実現のために果たす貢献について言及した。

  • Stories and Places: Human Relationship with Land in the Storied Universe

    人間関係   16号   204 - 226   1999年3月

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    出版者・発行元:南山短期大学人間関係研究センター  

    文学研究の新領域であるエコクリティシズムの視点を通して、「場所」を軸としたセルフ・ナラティブが個人の自然観・世界観の再構築に、どのように寄与するかを検討した。記憶の背景としての「場所」から、自己形成、自己理解に深く影響を与えてきた「場所」へと、「自己の語り」の焦点を転ずることで、「人と自然の関わりの歴史を内包する場所」、「場所が想起させる物語」について考察した。ベリー・ロペス、ゲイリー・スナイダーらの論をもとに、自然・土地との関わりを重視する文化において、「物語」が果たす役割について言及すると共に、「場所」に焦点を当てたセルフ・ナラティブがエコロジカルな感性の促進や、より相互交換的な自然観の形成において果たす役割を検討した。

  • The Challenge of the Deep Truth: A Book Review of the Hidden Heart of the Cosmos

    人間関係   16号   199 - 203   1999年3月

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    出版者・発行元:南山短期大学 人間関係研究センター  

    ニュートンの定常宇宙観を覆した、アインシュタインの「広がりゆく宇宙」の発見。その発見が現代人に齎す意味を、宇宙の中心、宇宙が生まれた場所について論ずることで検討するブライアン・スウィムの著を通して、近代科学による新しい宇宙観が齎す意識変容の有り様を考察した。

  • When the Desert Speaks: An Ecofeminist Critique of Mary Austin's Cactus Thorn

    南山短期大学『紀要』   26号   121 - 138   1998年12月

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    出版者・発行元:南山短期大学  

    メリー・オースティン著「サボテンの棘」(1988)を、エコフェミニストの視点から批評。砂漠と共に生きる女性を主人公とすることで、「自然」を文明、都市での疲弊を癒す場とする見解に一石を投じるオースティンの試みを分析した。男性プロタゴニストの援助者として描かれがちな自然、女性の「主体としての復権」について考察。砂漠という物語のロケーションの選択に示唆される、包み、育む緑豊かな自然といったステレオタイプへの挑戦と、男性プロタゴニストのナラティブの傍役となることを拒否する女性主人公のあり方を関連づけながら検討。また自然をモチーフとした効果的な隠喩の導入によって醸し出される物語の普遍性と、それが現代社会へ訴えるものを明らかにした。

  • Memory in Vein: A Reflection on a 10-day Residential Training in Applied Deep Ecology

    人間関係   15号   195 - 206   1998年3月

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    出版者・発行元:南山短期大学人間関係研究センター  

    環境哲学、社会運動の一派であるディ−プ・エコロジーの哲学、方向性を、アメリカ、ワシントン州で1996年7月に開催されたディ−プ・エコロジー・トレーニング・ワークショップに参加して得た考察をもとに検討した。ディ−プ・エコロジーが様々な国籍、人種、社会階層の人々に訴える、より包括的な自然環境運動となるためには、多種多様な自然観、世界観、人々の日常体験、異なる文化的、社会的、歴史的背景に目を向ける必要があることを指摘した。

  • Re-enchanting the Dark: An Emergence of Ecological Consciousness through Dante and Homer

    南山短期大学『紀要』   25号   121 - 141   1997年12月

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    出版者・発行元:南山短期大学  

    ホーマーの「オデッセイ」、及びダンテの「神曲」を検討することで、古代ギリシャ、中世ヨーロッパの世界観を検討した。人類の世界観の歴史的変容を顧みることで、現代人が自然、宇宙の流れと調和した世界観を再構築する上で、重要な礎となる宇宙観の有り様を考察した。

  • Identity and Nationalism: The Deconstruction of Race, Gender, and Class

    南山短期大学『紀要』   24号   109 - 136   1997年1月

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    出版者・発行元:南山短期大学  

    個人がアイデンティティの拠り所としがちな人種、ジェンダー、社会階層という枠組みを、あいまいなアイデンティティの存在を許さぬ国家主義、「違い」を優劣というかたちで解釈する産業資本主義といった社会構造を通して考察した。人種、ジェンダー、社会階層にまつわる問題はそれぞれ孤立した問題ではなく、同じ根を持つ互いに関連しあった問題であることに言及した。

  • Memory of Gravity

    人間関係   13号   19 - 23   1995年1月

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    出版者・発行元:南山短期大学 人間関係研究センター  

    重力を「互いに惹きつけあう力」として解釈する数理宇宙論学者ブライアン・スウィムの論をもとに、太陽と地球、地球と人間の間に働く重力の意味を考えるとともに、宇宙のダイナミズムを内包する存在としての「人間」について考察した。

  • Beyond Innocence: An Investigative Project on Women's Cross-cultural Experiences

    128 pp.   1994年11月

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    出版者・発行元:Sonoma State University, California  

    長期に渡る異文化体験が個人のアイデンティティにもたらす影響を扱った。ドイツ、フィリピン、オランダ、イラン、アイルランド、メキシコ、エルサルバドル、バルバドス、日本からアメリカへ渡った10人の女性にインタビューを行い、収集されたデータを、社会学的社会心理学の視点から分析した。本研究では女性の体験に焦点を当て、個人が帰属感についてどのような意識の揺れを体験しているのかを検討した。

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書籍等出版物

  • 先住民との「協働」研究 査読

    伊藤敦規・山崎孝治編( 担当: 共著 ,  原著者: 川浦佐知子 ,  範囲: 「アメリカ先住民墓地保護および返還法(NAGPRA)と先住民の記憶」)

    北海道大学アイヌ・先住民研究センター  2025年3月  ( ISBN:978-4-907256-13-5

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    担当ページ:p.7-18   記述言語:日本語   著書種別:学術書

  • 歴史との対話:今を問う思索の旅

    ( 担当: 共著)

    彩流社  2023年8月 

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    総ページ数:198 p.  

    「生きる縁としての歴史ーノーザン・シャイアンの「帰還」」 と題したセクションにおいて、主流社会・国家の歴史では描き切れない先住民の歴史を、先住民の過去と現在をつなぐ視座をもって記述する手法を試みた。

  • アメリカ先住民を知るための62章

    ( 担当: 共著)

    明石書店  2016年9月 

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    総ページ数:360 p.  

    アメリカ合衆国の建国から現在に至るまでのアメリカ先住民の来歴を、1)連邦ーインディアン関係、2)現代社会問題、3)文化と宗教、4)人物の4部の構成をもって扱った。

  • アイデンティティ研究ハンドブック

    ( 担当: 共著)

    ナカニシヤ出版  2014年3月 

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    総ページ数:238p.  

    社会的マイノリティとして生きる人々が体験する、アイデンティティにまつわる課題について論じた。エスニック・マイノリティでありつつ、セクシャル・マイノリティでもあるというように、いくつかのマイノリティ・アイデンティティを自らのうちに併存させることに伴う心的負担について言及した。

  • Tapestry of Memory ―Evidence and Testimony in Life Story Narratives

    ( 担当: 共著)

    Transaction Publishers  2013年7月 

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    総ページ数:241p.  

     北米先住民ノーザン・シャイアンの語り手による個人誌を紹介しながら、「歴史」と「記憶」の交差について検討した。ナラティブに表現される先住民個人の、国史への異議申し立ての様について考察した。

  • 心理学 Introduction to Psycology <第2版>

    ナカニシヤ出版  2008年3月 

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    総ページ数:pp.259-291  

    19世紀後半、フェヒナーによる『精神物理学』(1860)の出版、ヴントによるライプツィヒ大学での心理学実験室の開設をもって独自の学問領域としてその歩みを始めることとなった近代心理学を、古代ギリシャ哲学、中世哲学、近世の機械論的世界観、及び経験論からの影響を考慮しつつ、検討。人間の存在、意識、知覚、行動、情動の在り方を理解しようと試みる近代心理学が一学問として抱える葛藤の歴史的由来を紐解くと同時に、どのような変遷を経て現在の分野領域が確立されてきたのかを解説する。

  • ナラティブと心理療法

    金剛出版  2008年1月 

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    総ページ数:pp.166-183  

    社会における個人のロケーションを示す「アイデンティティ」と、個人の意味世界を重視する「ナラティブ」の間に潜む緊張関係に言及。フェミニスト・リサーチの特徴を受け継ぐナラティブ手法の「相互関係性」及び「文脈」を重視する姿勢について述べると共に、主流社会の文脈を共有できないマイノリティの人々の語りや、文化的背景の異なる人々の語りを検討する際の留意点をまとめた。語りの文脈への感性を失わず、研究者が「個人」、「関係」、「社会」という3つのレベルの関連を立体的に捉えるならば、「社会的存在としての自己」と「主観的意味世界を構築する自己」との関連について、新しい理解が齎されると考えられる。

  • 人間関係トレーニング

    ナカニシヤ出版  2005年4月 

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    総ページ数:pp.147-151  

    「関係」という「場」において学ぶことを重視する体験学習において、「体験を語る」ということは自己理解、他者理解、かかわりの形成など、様々なレベルにおいて重要性を持っている。本稿ではナラティブアプローチの視点から、「語り」のなかで起こること、体験学習とナラティブ思考の接点、体験学習が目指す社会変革への「語り」の貢献を検討する。

  • 心理学 Introduction to Psycology

    ナカニシヤ出版  2005年3月 

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    総ページ数:pp.249-280  

    19世紀後半、フェヒナーによる『精神物理学』(1860)の出版、ヴントによるライプツィヒ大学での心理学実験室の開設をもって独自の学問領域としてその歩みを始めることとなった近代心理学を、古代ギリシャ哲学、中世哲学、近世の機械論的世界観、及び経験論からの影響を考慮しつつ、検討。人間の存在、意識、知覚、行動、情動の在り方を理解しようと試みる近代心理学が一学問として抱える葛藤の歴史的由来を紐解くと同時に、どのような変遷を経て現在の分野領域が確立されてきたのかを解説する。

  • ファシリテーター・トレーニング

    ナカニシヤ出版  2003年6月 

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    総ページ数:188pp(pp.40-43)  

    「物語」と訳され、過去の体験をまとめた「自分史」として理解されがちなナラティブであるが、本稿では個々のエピソードを繋ぎ、プロットを構成することによって組織だった全体を生み出すナラティブのダイナミズムに着目。自己理解、自己構築におけるナラティブの役割を明確にするとともに、ナラティブ的自己理解がもたらす「視座の確立」が学習において果たす貢献と、可能性を検討する。抽象化、一般化によってコンテクストに縛られない説明を探究する「論理ー科学的思考」と、個々の出来事、事象を時空軸に据えることで意味を創出する「ナラティブ思考」を比較、検討した上で、学習共同体の「協議(negotiating)」や「共有(sharing)」を促進するために、論理ー科学的思考とナラティブ思考の連動を提言する。

  • Pilgrimage to Memories: An Exploration of the Historically Situated Ecological Self through Women's Narratives

    ( 担当: 単著)

    ナカニシヤ出版  2003年3月 

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    総ページ数:319pp.  

    ディープ・エコロジーの創始者であるアルネ・ナエスが提唱する“エコロジカル・セルフ”を、「歴史」を考慮した文脈において検討。自らの自然体験を振り返って語る女性のセルフ・ナラティブを通して、概念としてのエコロジカル・セルフに体験的要素を肉付けするとともに、女性の語りとそれを通して生み出される知見が、新たな自然観の形成、より創造的な自然との交歓の実現のために果たす貢献について言及する。

  • 子どもの対人関係能力を育てる

    教育開発研究所  2002年3月 

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    総ページ数:244pp(pp.68-71)  

    “グローバル”、“ナショナル”、“ローカル”といった様々なコンテクストを意識することは、個人のアイデンティティを揺るがし、時にその変容を迫る。こうした現代国際社会における個人の有り様を踏まえた上で、個人の価値観、世界観、自己像の礎としての「文化」を認識することの重要性を論ずる。自らの前提を意識する能力、他者とのラポートを築きつつ、自らの論点を的確に伝えるスキルの向上が、国際社会における対人コミュニケーションの鍵となることを著す。

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MISC

  • 『ウインド・リバー』をより深く知るためのキーワード:ネイティブ・アメリカンについての基礎知識

    『Wind River』   p. 15 - 16   2018年7月

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    出版者・発行元:Kadokawa  

    アメリカ先住民及び先住民保留地を理解するために必要な知識を、キーワードに基づいて概説した。

  • 書評 森岡正芳編著『臨床ナラティヴアプローチ』(ミネルヴァ書房, 2015)

    『人間性心理学研究』   第33巻第2号   2016年3月

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    掲載種別:書評論文,書評,文献紹介等   出版者・発行元:創元社  

講演・口頭発表等

  • 合衆国先住民の主権と水利権請求:セイリッシュ・クートナイ連合の水利権交渉の検討

    川浦佐知子

    第74回日本西洋史学会  2024年5月  日本西洋史学会

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    開催年月日: 2024年5月

    記述言語:日本語   会議種別:口頭発表(一般)  

    開催地:東京外国語大学   国名:日本国  

  • アメリカ至上主義をめぐる歴史と歴史認識 招待

    川浦佐知子

    日本アメリカ史学会第18回年次大会  2021年9月  日本アメリカ史学会

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    開催年月日: 2021年9月

    記述言語:日本語   会議種別:シンポジウム・ワークショップ パネル(指名)  

    国名:日本国  

  • アメリカ先住民の保留水利権と部族主権ー1952年マッカラン修正の検討ー

    川浦佐知子

    第71回日本西洋史学会大会  2021年5月  日本西洋史学会

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    開催年月日: 2021年5月

    記述言語:日本語   会議種別:口頭発表(一般)  

    国名:日本国  

  • 記憶継承の語りと歴史:米国先住民の語りにみる行為としてのナラティブ 招待

    川浦佐知子

    日本人間性心理学会第37回大会  2018年9月  日本人間性心理学会

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    開催年月日: 2018年9月

    記述言語:日本語   会議種別:口頭発表(招待・特別)  

    @人間環境大学

  • 国立アメリカインディアン博物館、Nation to Nation展における協働のかたち 招待

    川浦佐知子

    南山大学人類学研究所 公開シンポジウム 博物館活動におけるソースコミュニティとの協働の可能性と課題  2018年7月  南山大学人類学研究所

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    開催年月日: 2018年7月

    記述言語:日本語   会議種別:シンポジウム・ワークショップ パネル(指名)  

    国名:日本国  

    @南山大学

  • アメリカ合衆国国立公園局の歴史保全:先住民の地所保全・歴史保全を射程に入れての検討

    川浦佐知子

    第68回日本西洋史学会大会  2018年5月  日本西洋史学会

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    開催年月日: 2018年5月

    記述言語:日本語   会議種別:口頭発表(一般)  

    国名:日本国  

  • 米国先住民の史跡化営為:ノーザン・シャイアンの記憶継承と土地保全

    川浦佐知子

    第65回日本西洋史学会  2015年5月  日本西洋史学会

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    開催年月日: 2015年5月

    記述言語:日本語   会議種別:口頭発表(一般)  

    国名:日本国  

    部族ゆかりの地の保全を、国家歴史登録財とすることで実現しようと試みるアメリカ先住民の土地保全の営為を、モンタナ州に保留地をもつノーザン・シャイアンの歴史保全活動に焦点を当てて論じた。

  • 北米先住民の記憶継承:土地と記憶と共同体 招待

    川浦佐知子

    日本質的心理学会第10回大会  2013年8月  日本質的心理学会

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    開催年月日: 2013年8月

    記述言語:日本語   会議種別:シンポジウム・ワークショップ パネル(指名)  

    「明白な運命」、「フロンティア精神」といったプロットに貫かれた合衆国史とは相いれない、北米先住民共同体がもつ独特の記憶の「質」について、現地フィールドワーク、インタビュー調査から得られたデータをもとに発表した。

  • 「語り」にみる歴史・記憶:ノーザン・シャイアンの集合的記憶の表彰と継承

    川浦佐知子

    第8回日本アメリカ史学会年次大会  2011年9月  日本アメリカ史学会

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    開催年月日: 2011年9月

    記述言語:日本語   会議種別:口頭発表(一般)  

    国名:日本国  

  • 自己・語り・歴史:ノーザン・シャイアンに見る集合的記憶の在り様 招待

    川浦佐知子

    アメリカ学会第44回年次大会  2010年6月  アメリカ学会

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    開催年月日: 2010年6月

    記述言語:日本語   会議種別:口頭発表(一般)  

    国名:日本国  

    アメリカ先住民であるノーザン・シャイアンの個人の語り、及びミュージアム展示に見られる集合的記憶の表象のあり様について発表した。異文化を調査する研究者の「ポジショナリティ」の問題、操作概念の定義のあり方などについても言及した。

  • 人文・社会科学系の学生への科学基礎教育:「物語としての宇宙」を学ぶ 招待

    川浦佐知子

    大学教育改革フォーラムin東海 2010  2010年3月  大学教育改革フォーラムin東海 2010 FD・SDコンソーシアム名古屋

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    開催年月日: 2010年3月

    記述言語:日本語   会議種別:シンポジウム・ワークショップ パネル(指名)  

    開催地:名古屋大学   国名:日本国  

    宇宙の開闢から現在に至るまでをひとつながりの物語として教授する宇宙論の授業実践を通して、分離横断型教育の一つの在り方を提示した。人文・社会科学系学生への科学教育における強調点を、1)パラダイムの理解、2)世界ー知識ー自己の関連性の再構築、3)ナラティブ思考の実践を通しての視座の確立と定め、学生からのフィードバックを交えて報告した。

  • ナラティブとアート:セルフ・ナラティブ再構築過程における詩的探求 招待

    川浦佐知子

    日本保健医療行動科学会第21回学術大会  2006年6月  日本保健医療行動科学

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    開催年月日: 2006年6月

    記述言語:日本語   会議種別:シンポジウム・ワークショップ パネル(指名)  

    開催地:大阪産業大学   国名:日本国  

    セルフ・ナラティブを通しての自己再構築過程の実際を、イメージに焦点を当てた考察をもとに発表。事例を通して、自己の語りにおけるイメージの役割として、転機体験を再検討する視点を与えること、当人が気づけずにいる可能性や未来の展望を示唆すること、記憶の想起が促され、遠い過去の出来事と現在が繋がれること、探求的な語りのダイナミズムを支え、語りに推進力を与えることなどが挙げられることに言及した。

  • 質的研究におけるナラティブ分析の位置づけ

    川浦佐知子

    2016年度心理人間教育研究会  2017年3月  心理人間教育研究会

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    開催年月日: 2017年3月

    記述言語:日本語   会議種別:口頭発表(一般)  

    国名:日本国  

    質的研究法がベースとする社会構成主義の理念が、インタビュー分析の一手法であるナラティブ分析に具体的にどのように生かされているかについて、サンプルデータをもとにワークショップ形式で発表を行った。

  • 「人を対象とする研究」倫理審査申請書と研究法

    川浦佐知子

    2015年度心理人間教育研究会  2016年3月  心理人間教育研究会

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    開催年月日: 2016年3月

    記述言語:日本語   会議種別:口頭発表(一般)  

    国名:日本国  

    2016年度に学科学部生が提出した倫理審査申請を、研究課題、研究目的、研究手法についてとりまとめ、傾向や課題を検討した。

  • 土地の記憶と歴史の語り:米国先住民ノーザン・シャイアンの史跡化営為の検討を通して

    川浦佐知子

    日本質的心理学会 第12回大会  2015年10月  日本質的心理学会

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    開催年月日: 2015年10月

    記述言語:日本語   会議種別:ポスター発表  

    国名:日本国  

    現地フィールドワークで得られたデータをもとに、土地と語りの密接なかかわりについて発表した。アメリカ先住民の体験をもとに、ゆかりの地を訪ねることで過去を想起し、語るという現象を中心に扱った。

  • 国定史跡と記憶の危機:合衆国先住民ノーザン・シャイアンの史跡化営為と土地保全

    川浦佐知子

    2015年度人類学研究所共同研究会「危機と再生の人類学」  2015年6月  南山大学人類学研究所

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    開催年月日: 2015年6月

    記述言語:日本語   会議種別:口頭発表(一般)  

    「アメリカ先住民墓地保護及び返還法」に言及しつつ、合衆国先住民が部族ゆかりの地の保全を、国家登録史跡とすることで成し遂げようとしている現況について検討した。先住民部族と国立公園局との折衝、及び先住民から見た問題点について発表した。

  • 歴史と記憶のはざまで:ノーザン・シャイアンの史跡化営為と記憶の語り

    川浦佐知子

    2014年度心理人間教育研究会  2015年3月  心理人間教育研究会

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    開催年月日: 2018年3月

    記述言語:日本語   会議種別:口頭発表(一般)  

    国名:日本国  

    1980年代以降の合衆国先住民の聖地保護、土地保全、記憶継承について、ノーザン・シャイアンの事例をもとに発表した。発表では、先住民部族が国定史跡化によって部族関連地所の保護を推進するようになった経緯についても概説した。

  • 記憶を語る―北米先住民のナラティブにみるゲシュタルト 招待

    川浦佐知子

    日本ゲシュタルト療法学会第5回ワークショップ大会  2015年1月  日本ゲシュタルト療法学会

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    開催年月日: 2015年1月

    記述言語:日本語   会議種別:シンポジウム・ワークショップ パネル(指名)  

    国名:日本国  

    北米先住民ノーザン・シャイアンの事例をもとに、土地に根差した記憶とその語りが象徴する、人の体験の文脈の広がりと時間的奥行きについて発表を行った。

  • NAGPRAと先住民の記憶―「送還・返還」から「帰還」へ

    川浦佐知子

    国立民族学博物館共同研究会  2014年6月  国立民族学博物館

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    開催年月日: 2014年6月

    記述言語:日本語   会議種別:口頭発表(一般)  

    「アメリカ先住民墓地保護及び返還法」成立の過程にかかわったノーザン・シャイアンの事例をもとに、墓地保護返還法の実際の運用と先住民にとっての意義について発表を行った。

  • 2013年度学科卒業生対象カリキュラム調査報告

    川浦佐知子

    2013年度心理人間教育研究会  2014年3月  南山大学人文学部心理人間学科

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    開催年月日: 2014年3月

    記述言語:日本語   会議種別:口頭発表(一般)  

    国名:日本国  

    2013年度卒業生を対象として実施したカリキュラム調査の結果を、学科アドミッション・ポリシー、ディプロマ・ポリシーに照らして報告した。

  • インタビューという手法:ロールプレイ実習とデータ収集・分析

    川浦佐知子

    2012年度心理人間教育研究会  2013年3月  心理人間教育研究会

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    開催年月日: 2013年3月

    記述言語:日本語   会議種別:口頭発表(一般)  

    国名:日本国  

    「インタビューという手法:ロールプレイ実習とデータ収集・分析」と題し、学科科目「質的研究法」で実施したロールプレイ実習、及びその逐語作成、分析が、受講生の研究深化にもたらした効果について発表した。

  • 学術論文の書き方 招待

    川浦佐知子

    日本ゲシュタルト療法学会 第3回ワークショップ大会  2013年1月  日本ゲシュタルト療法学会

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    開催年月日: 2013年1月

    記述言語:日本語   会議種別:公開講演,セミナー,チュートリアル,講習,講義等  

    国名:日本国  

    研究の着想」をどのように育んでいくのか、どのように自分の研究の理論的枠組みを構築するのか、どのように論文の首尾一貫性をを構成していくのかについて、研究倫理の問題にも触れながら、質的研究に主眼を置いて講演した。

  • 授業実践から質的研究を考える

    川浦佐知子

    2011年度心理人間教育研究会  2012年3月  心理人間教育研究会

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    開催年月日: 2012年3月

    記述言語:日本語   会議種別:口頭発表(一般)  

    国名:日本国  

    学部生向けに開講する「質的研究法」の授業実践、及び学生からのフィードバックをもとに、学部教育における研究法教授の意義、あり方について発表を行った。

  • 語りを支える「場」としてのフィールド:北米先住民の保留地自治と集合的記憶 招待

    川浦佐知子

    2008年度第2回南山学会定例研究会(人文・自然系列)  2008年10月  南山学会

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    開催年月日: 2008年10月

    記述言語:日本語   会議種別:口頭発表(一般)  

    開催地:南山大学   国名:日本国  

    北米先住民であるノーザン・シャイアンの事例を挙げ、「自己の語り」を支える「場」と「歴史」を、フィールド研究において考慮することの重要性について発表した。また、「集合的記憶」という概念を用いて、個人ー共同体ー国家の関わりを検討する手法を、ナラティブ研究の一手法として提案した。

  • 『アメリカ先住民の現代史:歴史的記憶と文化継承』(内田綾子著)書評 招待

    川浦佐知子

    名古屋アメリカ研究会  2008年7月  名古屋アメリカ研究会

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    開催年月日: 2008年7月

    記述言語:日本語   会議種別:口頭発表(一般)  

    『アメリカ先住民の現代史:歴史的記憶と文化継承』(内田綾子著)の書評を行った。ノーザン・シャイアンの事例を挙げながら、文化継承、歴史的記憶、経済開発の重なりの上に成り立つ、北米先住民の自治、自決の有り様について述べるとともに、先住民のもつ歴史的・政治的特殊性を損なわないような問題提起のあり方について提言した。

  • 小・中学校における人間関係づくりの教育実践とその評価(I):ラボラトリー方式の体験学習が教師の信念に及

    川浦佐知子

    日本教育心理学会 第49回総会  2007年9月  日本教育心理学会

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    開催年月日: 2007年9月

    記述言語:日本語   会議種別:ポスター発表  

    国名:日本国  

    ラボラトリー方式の体験学習を小・中学校の授業に導入したことで、教員の教育に対する信念がどのように変化したのかを検討した。教育指導への自信、及び内省と個性尊重といった点において、有意な変化が見られた。

  • 小・中学校における人間関係づくりの教育実践とその評価(II):ラボラトリー方式の体験学習による生徒間の

    川浦佐知子

    日本教育心理学会 第49回総会  2007年9月  日本教育心理学会

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    開催年月日: 2007年9月

    記述言語:日本語   会議種別:ポスター発表  

    国名:日本国  

    小・中学校におけるラボラトリー方式による体験学習が、生徒に与える影響を検討した。中学3年生においては、体験学習を用いた授業を多く経験したクラスでは、クラスへの満足度が高く、クラス内での協力度も高いという結果が得られた。

  • 論文作成にみる研究プロセス

    川浦佐知子

    2004年度心理人間教育研究会  2005年3月  心理人間教育研究会

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    開催年月日: 2005年3月

    記述言語:日本語   会議種別:口頭発表(一般)  

    国名:日本国  

    学部生が取り組む卒業論文作成過程を検討することで、研究プロセスにおける各々のステップでの課題を明確にした。研究プロセスを1)研究動機の明確化、2)文献研究、3)パイロット研究、4)データ収集、5)研究全体の見直し、6)考察、結論、7)統合の7段階に分け、論文作成者が各々のステップにおいて遭遇する課題を具体的な形で提示し、研究者として個々が自分の研究を推進していくための自律性をどのようにファシリテートしていくのかについて発表した。

  • Our Call to Engagement 招待

    川浦佐知子

    Engaged Cosmology   2004年9月  Sophia Center at Holy Name College

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    開催年月日: 2004年9月

    記述言語:英語   会議種別:口頭発表(一般)  

    開催地:アメリカ合衆国カリフォルニア州   国名:アメリカ合衆国  

    アメリカ神学者トーマス・ベリー、コスモロジスト&理論物理学者ブライアン・スウィムの両氏が提唱する新しい宇宙論の社会、市民レベルでの展開を検討する学会において、我々が知的に理解する全てを包括するマトリックスとしての宇宙と、個人が体験的に知る「Home」の感覚を、我々が置かれている社会的、政治的状況の理解と結び付けながら、統合していくことの重要性を提唱した。

  • エコサイコロジーと霊性:「自然としての自己」の目覚め 招待

    川浦佐知子

    日本トランスパーソナル心理学/精神医学学会 第5回学術大会  2003年11月  日本トランスパーソナル心理学/精神医学学会

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    開催年月日: 2003年11月

    記述言語:日本語   会議種別:口頭発表(一般)  

    開催地:相模女子大学   国名:日本国  

    現代における自己完結的な霊性探究の傾向を鑑みつつ、世界とのつながりを意識するスピリチュアリティの有り様を自然と自己との心理的、精神的かかわりを論じるエコサイコロジーを通して検討。アン・ナエスの提唱する「 エコロジカル・セルフ」をもとに、感情、感覚、知性といった人間の特性を活かすことで、「自然としての自己」、「すべてを内包する全体」を意識するスピリチュアリティの在り方と、その必要性を論じた。

  • ナラティブの可能性:"人間理解"の新たな方向性を探る

    川浦佐知子

    2003年度人間関係研究センター定例研究会  2003年3月  人間関係研究センター

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    開催年月日: 2003年3月

    記述言語:英語   会議種別:口頭発表(一般)  

    開催地:南山大学   国名:日本国  

    90年代以降、新しい人間理解のための手法として注目されている「ナラティブ」。研究会ではリサーチ手法としてのナラティブ、ナラティブ的自己理解、基本的思考様式としてのナラティブに焦点を当て、社会科学における新たな人間理解の方向性を検討、討論した。

  • 「環境教育」と「体験学習」:一提案としてのエコサイコロジー

    川浦佐知子

    第2回日本体験学習研究会  2000年12月  日本体験学習研究会

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    開催年月日: 2000年12月

    記述言語:日本語   会議種別:口頭発表(一般)  

    開催地:南山大学   国名:日本国  

    「プロセス」、「気づき」を尊重する体験学習を環境教育の場に導入することで、学習者が環境問について学ぶ中で抱く恐れ、怒り、落ち込み、混乱、無力感といった感情レベルでの反応に対応することを提唱。環境教育におけるファシリテーターの動き方や学習者への関わり方において、学習者の心理的負担、体験的理解を尊重することの重要性を説いた。

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共同研究・競争的資金等の研究課題

  • 合衆国西部の水利権係争に働く部族主権の検討:モンタナ州水利権合意に焦点を当てて

    2024年4月 - 2025年3月

    日本学術振興会  科学研究費補助金 基盤研究(C)(一般)  

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    担当区分:研究代表者  資金種別:競争的資金

    配分額:800000円

    20世紀後半の合衆国西部における水利権係争を、「部族主権」を軸に検討する。限りある水資源の分配と保全という、現代の課題の解決に作用する部族主権を、「部族ー州ー連邦」間の水利権係争と合意形成を検証することで考察する。

  • 合衆国西部の水利権係争に働く部族主権の検討:モンタナ州水利権合意に焦点を当てて

    2023年

    日本学術振興会  科学研究費補助金 基盤研究(C)(一般) 

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    担当区分:研究代表者  資金種別:競争的資金

    配分額:600000円

    20世紀後半の合衆国西部における水利権係争を、「部族主権」を軸に検討する。限りある水資源の分配と保全という、現代の課題の解決に作用する部族主権を、「部族ー州ー連邦」間の水利権係争と合意形成を検証することで考察する。

  • 合衆国西部の水利権係争に働く部族主権の検討:モンタナ州水利権合意に焦点を当てて

    2022年

    日本学術振興会  科学研究費補助金 基盤研究(C)(一般) 

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    担当区分:研究代表者  資金種別:競争的資金

    配分額:800000円

    20世紀後半の合衆国西部における水利権係争を、「部族主権」を軸に検討する。限りある水資源の分配と保全という、現代の課題の解決に作用する部族主権を、「部族ー州ー連邦」間の水利権係争と合意形成を検証することで考察する。

  • 合衆国西部の水利権係争に働く部族主権の検討:モンタナ州水利権合意に焦点を当てて

    2021年

    日本学術振興会  科学研究費補助金 基盤研究(c)(一般) 

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    担当区分:研究代表者  資金種別:競争的資金

    配分額:600000円

    20世紀後半の合衆国西部における水利権係争を、「部族主権」を軸に検討する。限りある水資源の分配と保全という、現代の課題の解決に作用する部族主権を、「部族ー州ー連邦」間の水利権係争と合意形成を検証することで考察する。

  • アメリカ先住民の歴史叙述:ノーザン・シャイアンの集合的記憶の検討を通して

    2019年

    南山大学  南山大学パッヘ研究奨励金I-A-2 

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    担当区分:研究代表者 

    配分額:100000円

    共同体独自の世界観を基調とした歴史叙述の可能性を、モンタナ州に保留地を有するノーザン・シャイアンの部族史とその基調をなす集合的記憶の検討を通して明らかにする。

  • 博物館が描く先住民史:国立アメリカ・インディアン博物館における展示の検討

    2018年

    南山大学  南山大学パッヘ研究奨励金I-A-2 

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    担当区分:研究代表者 

    配分額:300000円

    国立アメリカ・インディアン博物館開館10周年記念展示「Nation to Nation:Treaties between the United States & American Indian Nations」に焦点をあて、博物館展示における先住民部族・集団の歴史の語り方を検討した。国立アメリカ・インディアン博物館(DC),及び文化資料センターを視察し、関係者へのインタビューを行った。

  • 現代アメリカ合衆国における国史編纂の動態の検討:米国先住民と国立公園局の歴史解釈

    2018年

    日本学術振興会  科学研究費補助金 基盤研究(C)(一般) 

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    担当区分:研究代表者  資金種別:競争的資金

    配分額:900000円

    アメリカ合衆国における国史編纂を、連邦内務省国立公園局と先住民部族との対立・折衝・協議の歴史を通して検討する。具体的には部族由来の地の保全と部族共同体の記憶継承に力を注いできたノーザン・シャイアンと国立公園局との折衝の歴史をフィールド調査、インタビュー調査を通して検討する。

  • 現代アメリカ合衆国における国史編纂の動態の検討:米国先住民と国立公園局の歴史解釈

    2017年

    日本学術振興会  科学研究費補助金 基盤研究(C)(一般) 

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    担当区分:研究代表者  資金種別:競争的資金

    配分額:1300000円

    アメリカ合衆国における国史編纂を、連邦内務省国立公園局と先住民部族との対立・折衝・協議の歴史を通して検討する。具体的には部族由来の地の保全と部族共同体の記憶継承に力を注いできたノーザン・シャイアンと国立公園局との折衝の歴史をフィールド調査、インタビュー調査を通して検討する。

  • 記憶の語りと歴史の語り:先住民女性がつなぐ保留地の記憶と連邦インディアン政策

    2017年

    南山大学  南山大学パッヘ研究奨励金I-A-2 

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    配分額:216000円

    大統領令によって1900年に部族独自の保留地を獲得したノーザン・シャイアン部族の記憶継承を扱った。19世紀後半の対インディアン戦争、強制移動、収監先からの帰還の記憶がどのように部族内で受け継がれ、解釈され、今日に至っているのかを、女性の経験、記憶に焦点を当てて検討した。

  • 現代アメリカ合衆国における国史編纂の動態の研究:米国先住民と国立公園局の歴史解釈

    2016年

    日本学術振興会  科学研究費補助金 基盤研究(C) 

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    担当区分:研究代表者  資金種別:競争的資金

    配分額:1950000円

    アメリカ合衆国における国史編纂を、連邦内務省国立公園局と先住民部族との対立・折衝・協議の歴史を通して検討する。具体的には部族由来の地の保全と部族共同体の記憶継承に力を注いできたノーザン・シャイアンと国立公園局との折衝の歴史をフィールド調査、インタビュー調査を通して検討する。

  • 「アメリカ先住民墓地保護返還法(NAGPRA)」と北米先住民の記憶継承

    2015年

    南山大学  南山大学パッヘ研究奨励金I-A-2 

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    担当区分:研究代表者 

    配分額:300000円

  • 北米先住民の「記憶の場」構築に関する史的考察:ノーザン・シャイアンの史跡化営為

    2015年

    日本学術振興会  科学研究費補助金 基盤研究(C) 

      詳細を見る

    担当区分:研究代表者  資金種別:競争的資金

    配分額:900000円

    部族ゆかりの地を国家歴史登録財認定を受けることで保全、継承しようと試みる先住民の営為を、フィールド調査、インタビュー調査によって検討。国家の歴史と先住民部族の記憶の交差を検証する。

  • 北米先住民の語りを用いたソースコミュニティとの協働関係構築

    2014年

    南山大学  南山大学パッヘ研究奨励金I-A-2 

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    担当区分:研究代表者 

    配分額:300000円

  • 北米先住民の「記憶の場」構築に関する史的考察:ノーザン・シャイアンの史跡化営為

    2014年

    日本学術振興会  科学研究費補助金 基盤研究(C) 

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    担当区分:研究代表者  資金種別:競争的資金

    配分額:1400000円

    部族ゆかりの地を国家歴史登録財認定を受けることで保全、継承しようと試みる先住民の営為を、フィールド調査、インタビュー調査によって検討。国家の歴史と先住民部族の記憶の交差を検証する。

  • 北米先住民の「記憶の場」構築に関する史的考察:ノーザン・シャイアンの史跡化営為

    2013年

    日本学術振興会  科学研究費補助金 基盤研究(C) 

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    担当区分:研究代表者  資金種別:競争的資金

    配分額:1600000円

    部族ゆかりの地を国家歴史登録財認定を受けることで保全、継承しようと試みる先住民の営為を、フィールド調査、インタビュー調査によって検討。国家の歴史と先住民部族の記憶の交差を検証する。

  • 北米先住民の「記憶の場」:ノーザン・シャイアンの史跡化営為を通しての検討

    2012年

    南山学会  南山大学パッヘ研究奨励金I-A-2 

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    担当区分:研究代表者 

    配分額:300000円

    本研究の目的は、現代アメリカにおける国家による歴史顕彰と、先住民による記憶継承の交差を検証することで、「記憶の場」の維持・形成の実際を検討することにある。国立史跡化を通して部族由来の土地の保全に力を注ぐノーザン・シャイアンの事例を通して、部族共同体の記憶や伝統的世界観を宿す「場」がどのような解釈、言説を通して、国立史跡化の認定を受けるに至ったのかを明らかにする。

  • 北米先住民の集合的記憶と土地保全:ノーザン・シャイアンの事例

    2011年

    南山学会  南山大学パッヘ研究奨励金I-A-2 

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    担当区分:研究代表者 

    配分額:300000円

    北米先住民の一部族であるノーザン・シャイアンの事例を通して、共同体の集合的記憶を基とする土地保全の実際を検討した。部族がいかに集合的記憶を用いて居留地内土地、及び周辺土地の保全を果たそうとしているのかを検討することで、歴史記憶の保持、継承が地域や部族共同体の未来構築に果たす役割について考察した。

  • 北米先住民の保留地保持を支える集合的記憶の検討:ノーザン・シャイアンの事例

    2011年

    日本学術振興会  科学研究費補助金 挑戦的萌芽研究  挑戦的萌芽研究

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    担当区分:研究代表者  資金種別:競争的資金

    配分額:600000円

    本研究の目的は、北米先住民の部族主権の基盤である保留地に関わる歴史認識を検討することで、部族共同体の近代国民国家への集約を前提とする史観を再考することにある。平成23年度は、1960年代から80年代にわたるノーザン・シャイアン保留地内での石炭採掘計画の詳細を把握し、部族政府とエネルギー企業、及び内務省インディアン局との交渉過程を検討することに焦点を当てた。

  • 歴史記憶の景観形成と伝統行事の創出:ノーザン・シャイアンの事例

    2010年

    南山学会  南山大学パッヘ研究奨励金I-A-2 

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    担当区分:研究代表者 

    配分額:300000円

    ノーザン・シャイアンが関わる史跡「リトルビックホーン戦場国立記念施設」での記念行事を視察した。伝統儀式が継承されるとともに、「ヒーリング・ラン」等といった、新しいかたちの記憶継承のための儀式も創出されている様が明らかとなった。「ローズバット戦場」の国立史跡化にかかわったメンバーへのインタビューからは、史跡化が土地保全の営為の一環であることが窺えた。

  • 北米先住民の保留地保持を支える集合的記憶の検討:ノーザン・シャイアンの事例

    2010年

    日本学術振興会  科学研究費補助金 挑戦的萌芽研究  挑戦的萌芽研究

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    担当区分:研究代表者  資金種別:競争的資金

    配分額:800000円

    本研究の目的は、北米先住民の部族主権の基盤である保留地に関わる歴史認識を検討することで、部族共同体の近代国民国家への集約を前提とする史観を再考することにある。平成22年度は、インディアン再組織法(1934年)、連邦管理終結宣言(1953年)以降、ノーザン・シャイアンが保留地土地喪失の危機にどのように対応したのかを把握することを主眼に、現地調査、史資料調査を行った。

  • 北米先住民の保留地保持を支える集合的記憶の検討:ノーザン・シャイアンの事例

    2009年

    日本学術振興会  科学研究費補助金 挑戦的萌芽研究  挑戦的萌芽研究

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    担当区分:研究代表者  資金種別:競争的資金

    配分額:1000000円

    本研究の目的は、北米先住民の部族主権の基盤である保留地に関わる歴史認識を検討することで、部族共同体の近代国民国家への集約を前提とする史観を再考することにある。平成21年度は、1850年代条約締結期から1900年部族保留地設立に至る経緯を明らかにすることを主眼に、米国モンタナ州ノーザン・シャイアン居留地での現地調査、及びコロラド州デンバー国立公文書館史料調査を行った。

  • 北米先住民の集合的記憶の表象と継承:ノーザン・シャイアンに見る「歴史の物語り論」

    2009年

    南山学会  南山大学パッヘ研究奨励金I-A-1 

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    担当区分:研究代表者 

    配分額:1000000円

    米国モンタナ州ビリングス、ウエスタン・ヘリテッジ・センター、及びコロラド州デンバー、コロラド歴史博物館におけるノーザン・シャイアンの歴史記憶に関する展示を視察、検討することで、ノーザン・シャイアンが部族として集合的記憶をどのように用いて「居留地」を「部族由来の土地」として、主流社会に訴えているのかについて考察を深めた。

  • ノーザン・シャイアンのセルフ・ナラティブにみる集合的記憶と歴史

    2008年

    南山学会  南山大学パッヘ研究奨励金I-A-2 

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    担当区分:研究代表者 

    配分額:300000円

    共同体の集合的記憶はどのように選別、継承、活用されているのかを、ノーザン・シャイアン部族と土地の関わりに焦点を当てながら検討した。ノーザン・シャイアンにおいては、祖先の強制移動・収容への抵抗の記憶を「オクラホマからの帰還」という言説をもって、継承している様が明らかになった。

  • 集合的記憶の構築と変遷:ノーザン・シャイアンの事例

    2007年

    南山学会  南山大学パッヘ研究奨励金I-A-2 

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    担当区分:研究代表者 

    配分額:300000円

    集合的記憶を鍵概念として、ベトナム戦争の体験をもつノーザン・シャイアン男性の語りを分析し、国家・主流社会と部族共同体、及び歴史と集合的記憶のかかわりを検討した。分析からは集合的記憶に依って、共同体構成員が「解釈される側」から「解釈する側」へと立場を移行させ、部族と国家・主流社会との歴史的かかわりを、主体的に解釈している様が明らかとなった。

  • セルフ・ナラティブにみる時間体験の表現

    2006年

    南山学会  南山大学パッヘ研究奨励金I-A-2 

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    担当区分:研究代表者 

    配分額:181000円

    セルフ・ナラティブと共同体の集合的記憶の接点を検討することで、個人、部族共同体、主流社会の関連について考察することを目的とした。ノーザン・シャイアン部族メンバーの語りからは、1)主流社会の歴史認識と相容れない共同体の集合的記憶は、セルフ・ナラティブにおいて「特異性を持つ余剰」として認識されやすいこと、2)共同体の集合的記憶は、主流社会の文脈が提供できない独自の「意味」を、構成員の体験に付与していることが明らかとなった。

  • 物語が支える「自己」の歴史性

    2005年

    南山学会  南山大学パッヘ研究奨励金I-A-2 

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    担当区分:研究代表者 

    配分額:211000円

    北米先住民の一部族であるノーザン・シャイアンの人々への現地インタビュー調査を行った。共同体に伝えられる「物語」と、その構成員個人のセルフ・ナラティブの関係の検討を主眼に、インタビュー・データの分析を行った。共同体の記憶が現在に息づくには、個人による物語の想起のみでは不十分であり、共同体の記憶を内包した「場」が重要であることが確認された。

  • セルフ・ナラティブ(自己物語)の形成を支える諸要素と語りがもたらす自己理解の検討

    2004年

    南山大学  南山大学パッヘ研究奨励金I-A-2 

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    担当区分:研究代表者 

    配分額:220000円

    インタビュー調査をもとに、自己一貫性を揺るがす転機の体験に焦点を当てた本研究では、自発的・主体的選択によってもたらされた内発的転機か、事故や死別といった不可避で予測のつかない外発的転機か、といった転機の種類によって、語りにおける自己一貫性の再構築のあり方が異なることが明らかとなった。

  • Pilgrimage to Memories: An Exploration of the Historically Situated Ecological Self through Women's Narratives

    2002年

    南山学会  南山大学学術叢書 

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    担当区分:研究代表者 

    配分額:2000000円

    出版助成

  • 合衆国先住民の保留水利権

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    1908年合衆国最高裁ウィンターズ判決において確認された、先住民の保留水利権がどの様な経緯を経て、1980年代以降、行使可能な権利となったのかを明らかにする。

  • 合衆国先住民の語りにみる集合的記憶の表象と継承

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    アメリカ合衆国モンタナ州に居留地をもつノーザン・シャイアンの語りと共同体の集合的記憶のあり様を通して、個人ー地域・部族共同体ー主流社会・国家の関わりの実際、及び集合的過去を意識しつつ、現在を生きる共同体構成員の意識の在り様をインタビュー調査、史料調査を通して検討する。

  • 合衆国先住民の集合的記憶

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    記憶と歴史の関わりを「集合的記憶」、「記憶の場」を鍵概念として、歴史の物語り理論をベースに検討する。

  • 合衆国先住民の部族主権の検討

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    1970年代以降における、合衆国先住民の土地保全、歴史保全、資源管理の営為の検討を通して、近代先住民部族の主権行使のあり様を考察する。

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その他

  • 研究出張 (科研 基盤C)

    2023年

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    先住民の保留水利権を検討すべく、アメリカ合衆国モンタナ州、フラットヘッド保留地、およびノーザン・シャイアン保留地を訪問。聞き取り調査を行った。

  • 研究出張

    2019年9月

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    フィールド調査

  • 研究出張 (科研 基盤C)

    2018年8月

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    アメリが合衆国モンタナ州ノーザン・シャイアン保留地にて、フィールド調査、インタビュー調査を実施した。

  • 研究出張 (科研 基盤C)

    2018年3月

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    アメリカ合衆国DCにおいて、国立アメリカ・インディアン博物館、文化資料センター、内務省国立公園局を訪ね、関係者にインタビューを行った。

  • 研究出張 (科研 基盤C)

    2017年8月

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    アメリが合衆国モンタナ州ノーザン・シャイアン保留地にて、フィールド調査、インタビュー調査を実施した。

  • 研究出張 (科研 基盤C)

    2016年8月

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    アメリが合衆国モンタナ州ノーザン・シャイアン保留地にて、フィールド調査、インタビュー調査を実施した。

  • 研究出張

    2015年8月

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    モンタナ州ノーザン・シャイアン居留地において、現地調査、インタビュー調査を行った。(科研費・基盤C)

  • 研究出張

    2014年8月

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    モンタナ州ノーザン・シャイアン居留地において、現地調査、インタビュー調査を行った。(科研費・基盤C)

  • 国立民族博物館共同研究員

    2013年10月 - 2017年3月

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    国立民族博物館共同研究「米国本土先住民の民族誌資料を用いるソースコミュニティとの協働関係構築に関する研究」

  • 研究出張

    2013年9月

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    アメリカ合衆国コロラド州デンバー国立公文書館における史料調査の実施。(科研費・基盤C)

  • 研究出張

    2013年8月

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    アメリカ合衆国カリフォルニア大学バークレー校において資料調査、及びモンタナ州ノーザン・シャイアン居留地において、催事調査、インタビュー調査を行った。(科研費・基盤C)

  • 研究出張

    2013年2月

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    アメリカ合衆国ワシントンDCにて、国立アメリカインディアン博物館等にて調査を行った。

  • 研究出張

    2012年8月

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    アメリカ合衆国カリフォルニア大学バークレー校において資料調査、及びモンタナ州ノーザン・シャイアン居留地において、催事調査、インタビュー調査を行った。

  • 研究出張

    2011年8月

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    アメリカ合衆国モンタナ州ノーザン・シャイアン居留地でのフィールド調査、インタビュー調査の実施。(科研費・挑戦的萌芽)

  • 研究出張

    2010年8月

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    アメリカ合衆国モンタナ州、ノーザン・シャイアン居留地ででの、フィールドワーク調査、インタビュー調査の実施。(科研費・挑戦的萌芽)

  • 研究出張

    2010年6月

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    アメリカ合衆国カリフォルニア大学バークレー校において資料調査、及びモンタナ州ノーザン・シャイアン居留地において、催事調査、インタビュー調査を行った。(科研費・挑戦的萌芽)

  • 名古屋市生涯学習推進センター協議会委員会委員

    2010年4月 - 2011年3月

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    会議出席。

  • 研究出張

    2009年8月

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    アメリカ合衆国モンタナ州ノーザン・シャイアン居留地でのフィールド調査、インタビュー調査の実施。(科研費・挑戦的萌芽)

  • 名古屋市生涯学習推進センター協議会委員会委員

    2009年4月 - 2010年3月

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    会議出席。

  • 研究出張

    2009年

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    アメリカ合衆国モンタナ州ノーザン・シャイアン居留地でのフィールド調査、インタビュー調査の実施。

  • 研究出張

    2009年

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    アメリカ合衆国コロラド州デンバー国立公文書館における史料調査の実施。(科研費・挑戦的萌芽)

  • 名古屋市生涯学習推進センター協議会委員会委員

    2008年7月 - 2009年3月

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    会議出席。

  • 研究出張

    2008年

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    アメリカ合衆国モンタナ州ノーザン・シャイアン居留地でのフィールド調査、インタビュー調査の実施。

  • 研究出張

    2007年

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    アメリカ合衆国モンタナ州ノーザン・シャイアン居留地でのフィールド調査、インタビュー調査の実施。

  • 名古屋市民大学講座

    2007年

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    大学連携講座「ナラティブ心理学:“物語としての自分”に出会う」(全4回)担当

  • 研究出張

    2006年

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    アメリカ合衆国モンタナ州ノーザン・シャイアン居留地でのフィールド調査、インタビュー調査の実施。

  • 研究出張

    2005年8月

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    アメリカ合衆国モンタナ州ノーザン・シャイアン居留地でのフィールド調査、インタビュー調査の実施。

  • 名古屋市民御岳休暇村のあり方検討委員会

    2002年4月 - 2003年3月

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    会議出席。

  • 名古屋市女性の生涯学習促進事業企画推進委員会

    2000年4月 - 2001年3月

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    会議出席。

  • 国際協力事業団パキスタン母子保健プロジェクト参加

    2000年2月 - 2000年3月

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    JICA(国際協力事業団)パキスタン母子保健プロジェクトに人間関係トレーニング専門家として参加。チームビルディングのためのワークショップ、及び人間関係トレーニング専門家養成のためのコースをプラン、実施した。

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その他教育活動及び特記事項

  • グラウンデットセオリー・アプローチ実習

    2017年10月

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    「質的研究法I」において、サンプルデータを用いたワークショップ形式の実習を企画、実施することによって、グラウンデットセオリー・アプローチにおけるデータ処理の過程、手順をより具体的に学習する場を設けた。

  • 質的研究におけるナラティブ分析の位置づけ

    2017年3月

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    ナラティブ分析の特徴について、GTAと比較しながら検討。ディスコース分析の手法としてのナラティブ分析の貢献について明らかにした。

  • 「人を対象とする研究」倫理審査申請と研究法

    2016年3月

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    心理人間学科学部生の研究プロジェクトを倫理審査申請書をデータとして、その研究目的、研究方法(調査方法や研究対象者)について検討した。今後の研究プロジェクトの指導の在り方、研究法科目の履修の仕方について提言した。

  • 優秀研究プロジェクト論文表彰システムの導入

    2016年

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    優秀な研究プロジェクト論文を選出するシステムを導入した。研究プロジェクト論文発表会において、当該論文執筆者を表彰した。

  • 心理人間教育研究会 カリキュラム調査報告

    2014年3月

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    「2013年度学科卒業生対象カリキュラム調査報告」と題し、2013年度卒業生を対象として実施したカリキュラム調査の結果を、学科アドミッション・ポリシー、ディプロマ・ポリシーに照らして報告した。

  • 心理人間教育研究会 授業研究発表

    2013年3月

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    「インタビューという手法:ロールプレイ実習とデータ収集・分析」と題し、学科科目「質的研究法」で実施したロールプレイ実習、及びその逐語作成、分析が、受講生の研究深化にもたらした効果について発表した。

  • 心理人間教育研究会 授業研究発表

    2012年3月

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    「授業実践から質的研究を考える」と題し、学科専門科目「質的研究法」の実施状況を学生からのコメントを交えて概説し、学部生への研究法教示の仕方について考察した。

  • 心理人間教育研究会 運営

    2008年

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    学科教員のFD活動の一環である心理人間教育研究会の企画・運営

  • 学科研究プロジェクト コーディネーター

    2007年4月 - 2008年1月

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    研究プロジェクト論文に関わる学科内取り決め(締め切り、フォーマット、口頭試問日程・担当者等)の統括、及び研究プロジェクト論文発表会運営。

  • 学科研究プロジェクト コーディネーター

    2006年4月 - 2007年1月

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    研究プロジェクト論文に関わる学科内取り決め(締め切り、フォーマット、口頭試問日程・担当者等)の統括、及び研究プロジェクト論文発表会運営。

  • 心理人間教育研究会 授業研究発表

    2005年3月

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    学部生が取り組む卒業論文作成過程を検討することで、研究プロセスにおける各々のステップでの課題を明確にした。研究プロセスを1)研究動機の明確化、2)文献研究、3)パイロット研究、4)データ収集、5)研究全体の見直し、6)考察、結論、7)統合の7段階に分け、論文作成者が各々のステップにおいて遭遇する課題を具体的な形で提示し、研究者として個々が自分の研究を推進していくための自律性をどのようにファシリテートしていくのかについて発表した。

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社会貢献活動

  • 国立民族学博物館共同研究員(2013.10.1~2017.3.31)

  • 南山大学人類学研究所第二種研究員(2012.4~現在に至る)

  • 名古屋市生涯学習推進センター協議会委員会委員(2008.7〜2012.6)

  • 名古屋市民御岳休暇村のあり方検討委員会委員 (2002.4〜2003.3)

  • 名古屋市女性の生涯学習促進事業企画推進委員会委員(2000.4〜2001.3)

  • JICA(国際協力事業団)パキスタン母子保健プロジェクト参加(人間関係トレーニング専門家として)(2000.2〜3)

  • 南山大学人間関係研究センター員(1998.9〜2012.3)

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