日本語の多様性
授業コード
(科目ナンバリング
コード)
20A10-001
(H-LAN-2010)
科目名 日本語の多様性
Diversity of the Japanese Language
担当者 平子 達也
開講期間 Q4 単位数 2 学年 2~4 指定
履修対象学科 人文学部
他学科履修
他の科目との関連 言語学・日本語学についての基本的な知識を有していること。
【副題】

日本語の地理的・社会的変異と歴史変化

【授業概要】

 この授業は,講義形式で行われます。ただし,一方向的な講義ではなく,担当教員と受講者,あるいは,受講者間で意見交換する場を可能な限り設けます。
 日本語に限らず,言語は様々な程度に多様であり,また,その多様性の背景も多様です。この授業では,そうした言語の多様性について,日本語を例にしながら言語の変化の観点から考えます。具体的には,日本語の地理的・社会的な変異(多様性)の実態について概観した後で,その背景にある(その多様性をもたらした)言語の変化としてどのような変化が考えられるのかを検討していきます。
 この授業の目標は,日本語がどのように変化してきたのか/変化しているのかを考えながら,言語の変化および変異に関する研究方法や研究テーマ,基本的な概念や術語についての知識を得ることにあります。日本語を対象とした社会言語学的研究(特に変異理論)や歴史言語学的研究の入門を兼ねます。

【到達目標】

・日本語がどのように変化してきたのか/変化しているのかを考えることができる。
・言語変化・言語変異に関する基本的な概念や術語を理解している。

【授業計画】

01 はじめに:日本語の地理的・社会的変異と歴史変化の概観
02 語彙変化と若者ことば(1):新しい語はどのように生まれるのか
03 語彙変化と若者ことば(2):語の意味はどのように変化するのか
04 音声の変化とその多様性:ガ行鼻濁音とアクセントの世代差
05 音変化と音韻体系の多様性:日本語音韻史と諸方言の音韻体系
06 類推変化がもたらす言語の多様性(1):ら抜き言葉とれ足す言葉
07 類推変化がもたらす言語の多様性(2):ラ行五段化と二段活用の一段化
08 文法システムの多様性と文法化(1):可能表現の多様性と文法化
09 文法システムの多様性と文法化(2):テンス・アスペクトシステムの多様性と文法化
10 (形態)統語論に関する変化と多様性(1):格助詞と格体系の社会的変異と変化
11 (形態)統語論に関する変化と多様性(2):格助詞と格体系の地理的変異と変化
12 言語接触と言語変化(1):“標準語化”と地域方言の変化
13 言語接触と言語変化(2):ピジン・クレオールの発生とその歴史的背景
14 まとめ:言語はなぜ・どのように変化するのか(授業内試験+フィードバック)

【授業時間外の学習 (準備学習等)】

〈準備学習(予習課題)〉
事前に配布された資料に基づいて,授業内容の予習を行ってください。予習内容は,主には当該の回で扱う言語現象を考える上で前提となる基本的な概念や用語の整理と,言語事実の確認です。予習には60分程度の時間をかける必要があります。なお,授業は予習していることを前提に進めます。

〈事後学習〉
毎回の授業内容について振り返り,適宜授業内容の復習を行ってください。授業時に紹介する論文を読んだり,発展的な問題に取り組んだりすることが期待されます。復習には60分以上の時間をかける必要があります。

【評価方法】

授業内試験 80%
レポート 20%

※単位取得のためには,授業内試験を受験し,レポートも提出することが必要条件となります。なお,レポートは授業内容及び授業内試験についての振り返りを目的とするもので,何かを論じたり,調査等が特に必要であったりするものではありません。

【テキスト/参考文献】

〈テキスト〉
特定のテキストは用いず,使用する資料は担当教員が用意します。なお,資料はWebClass(あるいは資料DLサーバ)で配信しますので,各自で必要に応じて印刷するなどして準備してください(AXIAのアカウントを使えるようにしておくこと)。原則として,資料の紙媒体での配布はしません。

〈辞典類〉
亀井孝・河野六郎・千野栄一(編著)(1996)『言語学大辞典 第6巻 【術語編】』東京:三省堂.
日本語学会(編)(2018)『日本語学大辞典』東京:東京堂出版.
斎藤純男・田口善久・西村義樹(編)(2015)『明解言語学辞典』東京:三省堂.
木部暢子(編)(2019)『明解方言学辞典』東京:三省堂.
森山卓郎・渋谷勝己(編)(2020)『明解日本語学辞典』東京:三省堂.
*『明解〜』の3つは,2000円前後で購入でき,持ち運びもしやすいサイズでオススメです。

・その他の参考文献などは授業中に紹介します。

【その他】

言語変化は,音声・音韻,形態,統語,意味,談話といった言語の全ての側面において見られるものであり,この授業の内容の完全な理解のためには,そうした言語(学)の諸領域についての基本的な知識が欠かせません。基本的には,言語学概論や日本語学概論(やそれに相当する科目)を履修済みであるか,それに相当する程度の知識を有していることを前提として授業は進めます。可能な範囲で補足はしますが,不明な点は参考文献欄にあげた各種の辞典類などによって各自で補ってください。例えば「音素」「調音点・調音方法・有声性」「広母音・狭母音」「形態素」「語幹」「接辞」などといった用語について理解が不十分だと思う場合は,予め参考文献欄にあげた各種の辞典類などによって各自で補ってください。なお,学習のための相談には適宜応じますので,ご相談ください。

【添付ファイル1】
【添付ファイル2】
【添付ファイル3】
【リンク】
Last updated: 2023/02/27