【副題】 |
キリシタン語学と日本語史研究 |
【授業概要】 |
この授業は講義形式で行われます。ただし,一方向的な講義ではなく,しばしば受講者に意見を求めたり,クラス全体で議論をしたりすることがあります。議論を円滑に進めるために,受講者を20名に制限します。 「キリシタン語学」とは,16〜17世紀にカトリックの日本宣教のために作られた様々な文献(=キリシタン資料)を言語資料として研究する分野です。近年では,宣教師たちの使用言語であったポルトガル語・スペイン語・ラテン語や,日本以外の宣教地域の言語をも視野に入れた,“Missionary Linguistics”(宣教に伴う言語学)の資料とて,国内のキリシタン資料を利用する研究も盛んになってきています。また,文学・歴史・思想・美術・音楽など言語以外の研究分野の進展もあり,国際的・学際的な研究による新しい成果が注目されています。そのような中,「キリシタン語学に関心のある全ての人たちへの研究・教育上のガイドとなること」を目指して作られた教科書『キリシタン語学入門』(2022年,八木書店)が出版されました。この授業では,この本を教科書及びガイドブックとして参照しながら,キリシタン語学についての基本的な知識を獲得し,実際にキリシタン資料を読解することを通して,文献資料を用いた日本語(史)研究の方法を知り,日本語史研究に必要な視点や考え方を身につけることを目指します。 |
【到達目標】 |
・キリシタン語学(キリシタン資料の成立背景や扱い方など)についての基本的な知識を持っている ・キリシタン資料の研究を通して,文献資料を用いた日本語(史)研究の方法を知り,日本語史研究に必要な視点や考え方を身につけている |
【授業計画】 |
01 講義1:キリシタン文献とは(キリシタン文献とその歴史1) 02 講義2:キリシタン文献の歴史(キリシタン文献とその歴史2) 03 講義3:中世日本語を中心とした日本語史の概観 04 講義4:キリシタン文献研究史 05 資料読解1:天草版平家物語(&落葉集) 06 資料読解2:日葡辞書(&羅葡日辞書) 07 基本論文を読む:『邦訳 日葡辞書』の解題・補説 08 講義4:キリシタン時代の文法書 09 資料読解3:日本大文典・日本小文典(とその他の文法書) 10 講義5:印刷技術 11 資料読解4:サントスの御作業 12 資料読解5:どちりなきりしたん&ぎやどぺかどる 13 資料読解6:バレト写本 14 講義6:日本語学の枠組みを超えて(+この授業のまとめ) |
【授業時間外の学習
(準備学習等)】 |
事前に配布された課題に取り組み,授業内容の予習を行ってください。授業は予習していることを前提に進めます。予習には60分程度の時間をかける必要があります。また,適宜復習もしてください。 |
【評価方法】 |
レポート 100% |
【テキスト/参考文献】 |
〈テキスト〉 岸本恵美・白井純(2022)『キリシタン語学入門』 八木書店,2500円+税,ISBN978-4-8406-2245-5
〈参考文献〉 教科書中にないものも含めて,授業時に紹介します。 |
【その他】 |
・ポルトガル語やスペイン語などの知識は必ずしも必要ありませんが,あれば役立つと思います。 ・国立国語研究所『日本語歴史コーパス』(CHJ, https://clrd.ninjal.ac.jp/tool.html#02)を使用します。このコーパスを使用するためにはオンライン検索ツール「中納言」への登録が必要です。各自で「利用・申込方法」(https://clrd.ninjal.ac.jp/subscription.html)を確認の上,授業前までに「中納言」の利用登録をしておいてください(申込から登録完了まで早くても1週間程度はかかりますので早めに申込してください)。 |
【添付ファイル1】 |
【添付ファイル2】 |
【添付ファイル3】 |
【リンク】 |
https://www.hirakota.com/
(授業担当者の個人HP)
|
Last updated: 2023/02/27 |