【副題】 |
日本語音韻史研究の資料と方法 |
【授業概要】 |
この授業は,講義形式で行われます。 日本語史の研究において,どのような資料が利用され,どのような方法が用いられてきたのかを,主に日本語の音声・音韻の歴史を例にして概観します。実際に日本語史研究で用いられる資料の読解を通して,文献資料を用いた音韻史研究の「限界」や,今後の在り方についても考えてみます。音声・音韻の歴史を考える上で必要不可欠な文字や表記の歴史も概観します。 日本語史,特に日本語音韻史の研究は,何となく「難解なもの」として敬遠されがちですが,未解明の問題も残されており,興味は尽きません。日本語音韻史研究,あるいは言語史研究そのものの魅力を伝えることが,この授業における私の目標です。 |
【到達目標】 |
日本語音韻史研究の資料と方法およびその限界について理解している |
【授業計画】 |
01 日本語史の時代区分と日本語史の資料 02 現代日本語の音声・音韻と表記 03 上代の資料と表記 04 上代語の音声・音韻(1) 05 上代語の音声・音韻(2) 06 中古・中世の資料と表記(1) 07 中古・中世の資料と表記(2) 08 中古・中世における音声・音韻の変化(1) 09 中古・中世における音声・音韻の変化(2) 10 近世・近代の資料と表記 11 近世・近代における音声・音韻の変化(1) 12 近世・近代における音声・音韻の変化(2) 13 日本語諸方言の音声・音韻と日本語音韻史 14 授業内試験+フィードバック |
【授業時間外の学習
(準備学習等)】 |
〈準備学習〉 事前に配布された課題に取り組み,授業内容の予習を行ってください。予習には最低でも60分程度の時間をかける必要があります。なお,授業は予習していることを前提に進めます。
〈事後学習〉 毎回の授業内容について振り返り,適宜授業内容の復習を行ってください。復習には60分程度の時間をかける必要があります。 |
【評価方法】 |
授業内試験 80% レポート 20%
※単位取得のためには,授業内試験を受験し,レポートも提出することが必要条件となります。なお,レポートは授業内容及び授業内試験についての振り返りを目的とするもので,何かを論じたり,調査等が特に必要であったりするものではありません。 |
【テキスト/参考文献】 |
〈テキスト〉 特定のテキストは用いません。なお,授業資料はWebClass(あるいは資料DLサーバ)で配信しますので,各自で必要に応じて印刷するなどして準備してください(AXIAのアカウントを使えるようにしておくこと)。原則として,資料の紙媒体での配布はしません。
〈辞典類〉 亀井孝・河野六郎・千野栄一(編著)(1996)『言語学大辞典 第6巻 【術語編】』東京:三省堂. 日本語学会(編)(2018)『日本語学大辞典』東京:東京堂出版. 斎藤純男・田口善久・西村義樹(編)(2015)『明解言語学辞典』東京:三省堂. 木部暢子(編)(2019)『明解方言学辞典』東京:三省堂. 森山卓郎・渋谷勝己(編)(2020)『明解日本語学辞典』東京:三省堂.
*『明解〜』の3つは,2000円前後で購入でき,持ち運びもしやすいサイズでオススメである。
〈音声学についての参考文献〉 斎藤純男(2006)『日本語音声学入門 改訂版』東京:三省堂.
・その他の参考文献などは授業中に紹介する。 |
【その他】 |
・音声・音韻の変化を扱うため,この授業の内容を完全に理解するためには,音声学・音韻論の基本的な知識が不可欠です。可能な限りの補足はしますが,不明な点は参考文献欄にあげた各種の辞典類などによって各自で補ってください。学習のための相談にはいつでも応じます。なお,基本的には,日本語学概論程度の音声学・音韻論についての知識があることを前提として授業を進めます。例えば,「音素(音韻)」「調音点・調音方法・有声性」「清音・濁音」「撥音・長音・促音」「拗音」「弁別的」といった用語を聞いて,ピンと来ない人は,予めこれらの点について確認しておくようにしてください。 ・Q2に開講される宮内先生の「日本語史Ⅰ」を合わせて受講することをお勧めします。 |
【添付ファイル1】 |
【添付ファイル2】 |
【添付ファイル3】 |
【リンク】 |
https://www.hirakota.com/
(授業担当者の個人HP)
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Last updated: 2023/02/27 |